ソニーのオープンリールデッキTC6360、TC6260、オープンリールテープSLHの広告
(スイングジャーナル 1970年6月号掲載)
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ソニー TC-6360, TC-6260, SLH
ソニー TA-1166, ST-5300
ソニー TC-6360, SLH
ソニー TC-6360
菅野沖彦
スイングジャーナル 5月号(1970年4月発行)
「SJ選定新製品試聴記」より
4トラック・2チャンネル・ステレオのオープンリール式テープ・デッキはミュージック・テープの再生に加えて、FMステレオ・ソースの録音という便利なプログラム・ソースづくりの楽しさのためオーディオ愛好者の間で人気を呼んでいる。ステレオ録音が手軽に出来るという魅力はファンにとっては無視出来ないのも当然だ。音のいいFMプロを選んで上手に録音すると、高い値段で買ってくる、レコードやミュージック・テープ顔負けのクオリティが得られるのだからこたえられない、FM放送本格化の時を迎えて高性能のFMチューナーとテープ・デッキが大きくクローズ・アップされ、各社から活発に新製品が発表されている。
今月の選定新製品として選んだソニーのTC6360テープ・デッキは、あらゆる角度から検討して大変優秀なものだとの結論に達したのであった。同社のテープデッキに関する実績は今さらいうまでもなく、世界でテープレコーダーを商品化した草分けであるだけに、一般の信頼も高いと思われるが、このTC6360は、私たちの期待に充分こたえてくれたものである。
ワン・モーター式のテープ・デッキはメカニズムが複雑になることがさけられないために、その動作性、耐久性、操作性の三拍子そろった製品が意外に少い。この点、ソニーのワン・モーター・メカニズムは深い経験によって今や完成された安定性もつものになっている。
このデッキの特長はたくさんあるが、気がついた点をいくつかあげてみよう。まず外観からして一風変っていてパネル面が傾斜している。バーチカル・ポジションで使う場合、たしかに垂直になっているよりテープ・ローディングやコントロールがしやすい。そしてラテラル・ポジションで使う時には、木製ケースから、一度はずして方向を変えてセットすることにより、やはリバネル面が手前へ傾斜するように配慮されているのが心憎いところ。
パネルも大変要領のよいデザインだ。テープ・トランスポート部とエレクトロニックス・コントロール部をシルバーとグレイのツー・トーンとし、実際には合理的なコスト・ダウンをはかりながら重厚なイメージを残し、適度な豪華さもだしている。ヘッドハウジングをはずすと、ヘッド・アッセンブリーが目立って露出しクリーニングがしやすい。クローム調に美しく仕上げられたところなどお見事である。
操作性は大変スムースで、プレイファストワインド、リワインドのスイッチ・レバーは確実で、しかもテープ・ローディングにより動作するレバーで保護されたユニークな構造である。つまり、テープを正しくローディングした時にだけ、プレイやファスト・ワインドが動作し、またテープが全部巻きとられると、メカニズムは自動的に解除状態に復元(オート・シャットアウト機構)し、ピンチロー ラーもキャプスタンから離れる(エスカレート・ドライブ方式)、テープ・スピード切換は軽く確実だしインスタント・ストップ機構もよい。
特につけ加えておかなければならないのは、同社のローノイズ・タイプのテープSLHを使う上でのイコライザー切換と、再生レベル感度調節がついていることである。これによりSLHテープをかなりのところまで使いこむことができる。各種ローノイズ・タイプのテープの中でSLHはバイアス電流を深くかけなくても、高域の上昇はともかくノイズは明らかに少くDレンジが広いのでこの録音時のイコライザー調節で充分効果が得られよう。ただし、すべてのロー・ノイズ・テープが使えると考えては間違いで、スコッチ203やアグファPE36、バスフ35LHはバイアス値を適正にしないとノイズも減らないし歪の点でむしろ不利であることを記憶しておいていただきたい。
さて肝心の音だが、再生、録音ともにきわめてバランスのよいものでこのクラスのデッキにあり勝ちな高域の荒れた派手やかさもなく、落着いた深味のある音が好ましい。マイク人力回路については申し訳けないがテスト出来なかったけれど、ライン入力のDレンジも申し分なく、再生ヘッド・アンプも余裕たっぷりでかなりのハイ・レベル・テープにも問題はなかった。私が使った限りでは、パーフォーマンスとしてはなまじっかの3モーター高級器を上まわ美質であった。蛇足ながら、テレコのライン入力表示をすべてAUXとしているのは気になる。
ソニー TC-6360, SLH
ソニー TC-6360, SLH
ソニー TA-1166
岩崎千明
スイングジャーナル 1月号(1969年12月発行)
「SJ選定新製品試聴記」より
コンポーネント・ステレオという言葉が説明なしに通用し、セパレート・ステレオに代って流行してきつつある。そしてステレオ専門メーカーの製品が市場において、ますますその地位を確固たるものとしてきている。
音楽ファンの好みが次第に高級製品に移行してくるに従って、製品のレベルも格段に向上しつつあるこの頃である。
こうした情勢下のハイ・ファイ市場において、最近ソニーがアンプを中心とした一連の製品を発表し注目された。高級アンプにおいて、国産製品はもちろん全世界の製品の中にあっても屈指の水準を誇るソニーのトランジスタ・アンプ、その血統を引いた製品が今回発表されたTA1166なのである。
かつてこの欄で、ソニーの普及型レシーバーSTR6500を試聴したが、ソニー製ということで、あまりにも多くを期待し、肩すかしを感じたことがあった。TA1166については約5万円という佃格を考え、ほぼ同価格の他のアンプと比較対照とすることに努め、期待の過ぎることを戒めさえした。
しかし結論からいうと、これは不要であったようだ。ソニーの技術はTA1120においてみせたその水準の高さは、新製品にはっきりと示されて、5万円弱の製品とは信じられない優秀性をみせたのである。
TA1166は同級製品の中にあって一段と優れた再生を約束してくれるアンプである。くっきりとした音の粒立ち、アタックにおける尖鋭な音、という点でまぎれもなく名作TA1120の流れを引く再生を示してくれたのである。
アンプにおいてトランジスタがよいか、球がよいか、という論争が今でもくり返えされている。しかし、音の解像度、分解能力という点ではよく作られたトランジスタ・アンプがはっきりと優れていることは誰しも認める事実である、そして、少くともジャズという音楽芸術は、楽器のひとつひとつの音に演奏者のすべてをかけているだけに、この瞬間の音こそ忠実に再生することが他の何よりも、例えば全体の響とか、ハーモニーとかよりも重要である。とすれば、その再生にあたって、何よりも分解能力が重要となるであろう。その点で、音の立上りの良さに抜群のソニーのアンプはジャズの再生に対し、この上なく理想的といえる。しかも5万円という価格から予想できる音楽ファンの平均的好みを配慮してか、低音感について力強い迫力と共に、一段と豊かさを加えての音作りが心にくいほどだ。むろん、この低音感は単に低音のみが出るというのではなくそれに対する高域の透明な切れ味があってのものだ。
高域の、冷たいほどにとぎすまされた切れ味は、ソニーの名作TA1120においてすでに十分知らされてきており、それがそのままTA1166に受けつがれて血筋の良さを感じさせているのである。
TA1166のデザインは、今までのソニーのイメージをまったく打ち破ったメカニカルな、現代的な線が強い。一見通信機を思わせる、思いきったシャープな線でかこまれたダーク・グレイの2トーンだ。
このデザインから、初め、若者向けのものという印象を受けたのだが、どうしてどうして単に若者向けに止まる程度のものではなく、音色にも、バランスにもきわめて高い水準を示して、類のないパネルの仕上げの良さが、そのまま内容的にも十分に神経を使った高級品であることを感じさせる製品であった。
ただ、これは個人的な好みなのかも知れないのが、パネル・デザインがあまりに凝りすぎて、例えば、バランス調整のスライド部のまわりなど、繁雑な印象を受ける。せっかく使い良さそうに配された各ツマミは、もう少しスッキリとまとめられていた方が、若い層だけでなくより広い層に支持を受けるのではないだろうか。とはいえ、この価格のアンプにまた魅力いっぱいの製品がひとつ加わったのは、ファンにとっても喜ばしいことにちがいない。
ソニー TA-1120F, TA-3120F
ソニー TC-6360, SLH
ソニー TA-1166, ST-5300
ソニー SLH
ソニー TC-6635
ソニー TC-560D
ソニー STR-6500, STR-6060
ソニー TC-560D
ソニー High-FiDELITY
ソニー High-FiDELITY
ソニー SS-2800, STR-6500, PS-1200
ソニー TC-6635, TC-986D, TC-255, TC-355, TC-560D, TC-666D
ソニー STR-6500
岩崎千明
スイングジャーナル 4月号(1969年3月発行)
「SJ選定新製品試聴記」より
ソニーのこのSTR6500を私が知ったのは、秋の大阪のオーディオ・フェアであった。私はその価格を知ったとき本当に驚ろいた。
国産はおろか全世界のハイ・ファイ市場においてその高品質が抜群のTA1120をはじめとして、SJ誌増刊でも私が選んだチューナーつき6060も、ソニー・ブランドのアンプはきわめて高品質だが、高価格と相場がきまっていた。もっとも高価格といっても、このずばぬけた性能と、内部の金のかかったパーツ群をみれば、コスト・パフォーマンスという点では、あるいは一番のお買徳かも知れない。もし他のメーカーでこれだけのものを作ったら、おそらく倍近い価格をつけるのではないか? と思うくらいである。
このソニーが新製品に4万円台という価格をつけた! 安いことに驚いたのではなく、このクラスのアンプにソニーが乗りだしたという事実についてである。
4万円台ながら、前面パネルのデザインやつまみ、パネルの仕上げは今までの路線上にあるもので、一見6万円台を思わせる豪華さである。手を抜かない仕上げがソニーのハイ・ファイ・メーカーとしての貫禄をにじませている。しかし、私は編集部が持参したソニーのアンプのパッケージを手にしたとき、ふと懸念を覚えた4万円台という価格からか少し軽すぎるような気がした……。スピーカーをつなぎ、音を出したとき一聴して従来のソニーとは違うものを意識させられた。今までの音が、ソニーが宣伝文句によく使っていたように冷たさを思わすほど「透明度の高い音」を感じきせるのに対し、この新型アンプは、冷たさは少しもなかった。むしろ暖かくソフトな音である。もっともこれは従来の代表製品1120の音が高いレベルにあるのでこれとくらべてはじめて感じられるのだが。
この音は4万円台の価格と共に購売層を意識して創られたものだろうと思う。音キチやオーディオ・マニアのすべてを納得させることはできなくても、音楽を愛する人には共感と、賛辞をもって迎えられるに違いない。
ソニーはいまや、全世界の市場をトランジスタ・ラジオとテープレコーダーで占めてしまうほどの大メーカーである。この大メーカーの優秀な技術力をハイ・ファイに傾けて1120という傑作を世に送った。この企画はいかなるアンプよりも優れた製品という当初の目的がほぼ完全な形で達せられているといえよう。高度の音楽マニアやハイ・ファイ・マニアを納得させてしまうハイ・クォリティの音が実現されたのであった。
同じメーカーが今度は一般的な音楽ファンのための音作りがなされたアンプをひっさげて、市場のもっとも大きな需要層にのりこんでくるということ。このメーカーの新しい姿勢に、私は驚きと脅威を感じたのである。
おそらくこのアンプは、高い人気を持って売れるであろう。歪の少ない、ウォーム・トーンが若い音楽ファンを良い方向に導いて、優れたハイ・ファイ・マニアを多く育ててくれることを期待しよう。
そして、それゆえに私はひとこと付け加わえたいことがある。それはこのアンプが、あくまでも日本の小住宅用のものであることを……。大音量を必要とする12畳以上の部屋で使用する場合にはものたりないかも知れない。理論的なものを述るとむづかしくながくなるので、終りに私はここでこのアンプを生かした組合せの方法をひとことつけくわえたい。リスニング・ルームであるがこれは、できれば6~8畳までの部屋で、さらに組み合わすスピーカー・システムは、高能率なものを推めたい。






















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