Category Archives: プリメインアンプ - Page 28

トリオ KA-3002

岩崎千明

電波科学 10月号(1971年9月発行)
「電波科学テストルーム」より

 トリオが全段直結アンプの新シリーズアンプの戦列に、4万円級の主力製品を加えた。
 この5万円前後という価格は、コンポーネントステレオにおけるアンプの手頃なレベルを意味し、商品としてこれから大いに売りまくりたい層をねらったクラスである。つまり、中心商品なのである。
 私はつい3カ月ほど前、本誌でほぼこのクラスと同じレベルのオンキョー・インテグラ725を、このクラスのベストアンプとして紹介したばかりである。
 KA3002にみられるトリオの商品企画のうまさは、この4万5千円のアンプが、倍近いアンプEKA7002とまったく同じ寸法の、同じデザインポリシーのパネルデザインに統一されていることにある。
 逆にいえば、KA7002は半値近いアンプとほぼ同じ外観的イメージでとられてしまうおそれがある。
 商品、KA3002に対して、メーカー側は、より多くのウエイトをかけているということを、明白に物語るのが、このKA3002のデザインであるのだ。
 僅か数カ月で、紹介し賞賛したオンキョーと肩をならべ、少なくとも、私がいつも愛聴するジャズをプログラムとする場合はオンキョーのインテグラ725にまさるアンプが出現したのだ。
 さらに、ルックスの点では、おそらく、多くのオーディオファンが、今回のトリオKA3002の方に、より魅力を感ずるであろうことは間違いない。
 ルックス、外観上の魅力は、コンポーネントアンプにとってかなりの重要性を意味する。信頼感、融和性というものは、まずその商品に対する外観的な好みから出発するからだ。
 慎み深い第三者的な立場と、コンピュータ的な冷たい限で比較したとしても、トリオの新製品KA3002の方により魅力を感じてしまうのは、外観的な企画のうまさがまず物をいっているのだ。
 しかし、こういう話の進め方をすると、何か、外観以外の内的な性能において、いいわけがましく聞きとられてしまうように思われよう。しかし、これはただひとつの点だけとってみてもトリオKA3002がジャズを聞くに適しているということができ得る。
 このただかとつの点というのは、ほかならない低音のサウンドである。
 ジャズサウンドという再生音があるとしたら、それは、ひとつひとつの楽器の音を、生演奏を間近かで聴くときのエネルギーを感じさせるということにつきる。ここで必要なのはクラシックの場合とはやや要求されるサウンドに違いがある。
 というのは、クラシックではストリングを中心としたオーケストラのハーモニーこそ目的であって、楽器のひとつひとつのエネルギーではない。
 要求されるサウンドが違う以上ジャズに対して低音の音量というか、迫力がまず第一に望ましい。
 この点がある故に、ジャズの再生はクラシックのそれよりむずかしいとし、うのが通念だ。
 トリオのアンプは、他社に先駆け、トランジスタアンプを手がけて以来、常に、このサウンドの迫力、特に低音のエネルギーを再現するのに非常に優れたキャラクターを示してきた。それは、この新形KA3002においてもはっきりと再確認できたのである。
 私はオンキョーのインテグラ725を試聴して、やはり同じことを感じとったのだが、2台を並べて切替えて試聴してみるとトリオの方に、より分があるのを認めないわけにはいかない。
 この違いはさらに使用してみて、オンキョーにおいてのプリアンプにあるということと、オンキョーに低音および中高域のソフトな音色を感じることを申しそえておこう。
 トリオのこのサウンドの迫力は、価格において倍に近いKA7002と同じ線上にあるものであり、さらに新シリーズのスピーカKL5060AマークIIにおけると、共通のサウンドポリシーにあるのも事実だ。
 トリオというメーカーは、どうも製品に対して、正直すぎるようである。
 それは、ステレオ専門メーカーの中でもひときわ技術的レベルが高いという一般的な見方が、そのままうらがえしされて映る面なのである。
 常に、新らしい技術を他社に先駆けて開発しながら、その商品的な巧妙さの点でいつもあとを追い上げるメーカーに一歩退れをとってしまう。そんな技術屋メーカー的体質が、いつも商売の面にちらつくようだ。
 くり返されてきたこういう商売に対する正直さが、今度の普及形アンプにおいては、大きなプラスとなるに違いない。
 それは、サウンドのクォリティーが物語る。
 回路構成の、おそらく簡略化が、かえって各ステージの設計、特にレベルダイアグラム上の構成に大きな利点をもたらしたのであろう。
 普及度といっても質的には高級機との差のない直結アンプでは、トリオの正直さがプラス面のみに作用したとみるべきだ。
 トーンコントロール、アクセサリー回路の充実などという月並みなことを今さらここで述べる必要はない。
 ただ、はっきりいっておきたいことは、最近の直結アンプすべてに共通していえるのだが、スピーカ側に事故がある場合、または、突然の過大入力によるショックなどが、大きすぎる場合スピーカの事故を誘発し、次の瞬間、アンプ出力段が破壊するというトラブルが発生しやすいというウィークポイントが、直結アンプにつきものだ。
 当然出力段保護に万全の対策が講じられていなければならない。
 この保護回路に関して、私はKA3002の回路がどう対策を立てているかを見きわめたわけではない。
 しかし、実際、2週間の使用においては、かなりの過大入力にもびくともしなかったし、むろん、オーバーヒートなどの出力段のトラブルもまったくみられなかった。
 スピーカ端子のショートや、過大入力がつづくと音が一瞬止まるが、すぐにもと通りの音を出してくれ、この時チェックさえすれば、あとはいかなるトラブルの心配もない。
 最後にひとこと誤解をといておきたい。KA3002が、ジャズ再生においてのみ優れた性能を示したからといって、それがクラシック音楽ファンには適していないというわけではない。
 ジャズの苛酷な使用状態に十分威力を発揮すれば、それは最近のクリアーな録音の迫力に満ちたマルチマイク録音を駆使したクラシック再生に際しても、今までより以上に好ましい結果を得られるに違いない。
 ジャズのみを聞いたのは、私個人の好みの問題であって、KA3002が適しているからでは決してない点だ。

〈試聴に用いた横種〉
 トリオ KA7002
 トリオ KT8001
 トリオ KL5060
 トリオ KL3060
 エレクトロボイス エアリーズ
 JBL ハークネス
 フィリップス EL3120カセットデッキ
 トーレンス TD124+SME 3009アーム
 カートリッジ シュアV15/II
 エンパイア 888PE
 フィデリティ・リサーチ FR5E
 グレース F8C
 オルトフォンM15, SL−15

米CBS サンタナ/天の守護神
米RCA プレスリー/オンステージ
米コンテンボラリー シュリーマン

テクニクス SU-3404

岩崎千明

電波科学 10月号(1971年9月発行)
「電波科学テストルーム」より

 4チャンネル用と銘うった市販アンプは’71年8月未現在では、市場にそう多くはない。
 さて、テクニクスSU3404は、パワーアンプは2系統つまりステレオ用のみで、4チャンネル用としてはもう一組のパワーアンプを必要とする。
 だが、しかし、というこのことばはあまり好きではないのだが、テクニクスSSU3404は、4チャンネル用と、はっきり受けとって然るべき長所を実に明確に具えている。というのは44チャンネル用としてのボリウムコントロールと、実に効果的で高品質のデコーダを内蔵している点にある。
 ボリウムコントロールだけについていえば、トリオの、新シリーズアンプも同様の特長を持っているのだが、デコーダは内蔵していない。
 4チャンネルへの変換用デコーダは、山水もトリオも単独形で製品化しており、これは他社でも大体それにならっているようだ。
 テクニクスSU3404のデコーダ回路は、これら独立形デコーダと品質の上では対等のものであるし、音質にしぼれば、市販製品中でもベストのものといい得る。このことは、もっと大きい声でいうべきだし、このテクニクスSU3404の4チャンネル用アンプとしての価値を大いに高めている点でもある。
 SU3404のパネル面の右下にあるMODEつまみ、これがデコーダ回路である。2CHステレオ、マトリクスA、マトリクスB、ディスクリート4CHの4段スイッチに集約された、この見かけの上ではちっぽけな部分は、どうして、どうして中々の本格派だし、中味の濃い高性能ぶりを発揮する
 ステレオから4チャンネル変換の、いわゆる2−2−4方式という、もっとも手ごわい再生における音場の自然さ、SU3404の再生品位はこの自然感という点で、市販デコーダの中でもおそらく最高のものだ。
 しかし、考えてみれば当然かも知れない。テクニクスが、すでに発表したデコーダ、たしかSH3400という製品として独立したアダプタは、いかなるエンコーダ(録音側変換装置)にも、応じ得られるように細心の配慮がなされている点において、他を圧倒している優秀機器だ。
 その音場の自然な再生ぶりは、耳の良いマニアであればあるほど不自然でなくひずみの少ないのにほれ込んで、4チャンネル否定派だったその立場を変えたくなるほどであったのだ。
 さらにつけ加えるなら左右のステレオの合成信号の位相角に対してのいたれりつくせりの配慮が、これほどまでに十分になされている点にもマニアの心理をよく知りつくした設計を思い知らされるのだ。
 音が悪かろうはずがない。
 この優れた変換回路と基本的に同じものが、SU3404のアダプタとして内蔵されているのである。
 SU3404が4チャンネル用と銘うったことに対して、十分にその価値を認めたいのは、実にこのアダプタにあるのだ。
 このデコーダ回路は、マトリクスAにより2−2−4方式の変換回路となるが、これがテクニクスのみのきわめて自然なプレゼンスが得られる。さらにマトリクスBにより現在、市販されているマトリクス4チャンネルレコードやFMステレオ放送を4チャンネルとして復元してくれる。さらにディスクリート44チャンネルのポジションではディスクリート4チャンネルのテープや8トラックマガジン用として用いられる。
 SU3404は私のリスニングルームにはかなり早い時期こお眼見えした。つまりSU3404と同時にである。それは市場にSU3400が発売される直前であった。
 この両者のアンプは外観上からもちょっと見別けがつかないくらいよく似ていたが、音質の点でも、使ってみた所でも全然変ることがない。
 それもそのはずで、SU3404は、ステレオ用のSU3400を4チャンネル化した製品なのである。
 テクニクスSU3404を聞いて、私はこのアンプを居間にあるエレクトロボイスの新形スピーカシステムエアリーズに接続して使うことに決めた。
 それは、テクニクスSU3404の音が、実に品がよく、ふくよかな豊かさに満ちていたからだった。
 エアリーズも豊かな音ののぴを感じさせるスピーカであったから、この良さを発揮するにはSU3404が多くの意味でマッチするであろうと考えたからであった。
 このエアリーズは、エレクトロボイスの伝統をよく表わして低音の豊潤な響きが国産品にない、つやとなめらかさを実に感じさせるが、それにしてもSU3404でドライブしたときに、このふくよかさは一段と増して、スピーカの箱がひとまわりも、ふたまわりも大きくなったような感じさえしたのだ。
 いくら音量を上げても、音のりんかくのくずれることのないのは、見かけによらずSU3404の出力が非常に大きいためだろう。35W/35Wという規格は、おそらくゆとりを十分持っているに違いなく、ハイパワーのまま何時間も鳴らし続けてもびくともしなかったのには、他社の製品でにがい思いをしたことのある私にとっては、実に嬉しかったことを特筆したい。
 それでいて、ローレベルの音に対してもクリティカルな反応を示し、ピアニシモでも音は少しもボヤけることがないのは、低レベルでの低ひずみ特性の良さをも物語る。
 その音はちょっと聞くと、ややソフトタッチで品が良いけれど、力強さが物足りないのでは……と懸念するが、フォルテのときにも、ジャズのソロの強烈さを堂々と再現してくれるのには驚いた。SU3404にも注文をつけたくなるような点がないわけでもない。
 それはプリセットと称するボリウムコントロールのまわりの2重つまみだ。カメラのシボリにおけるプリセットからとったのだと思われるこの機構は、ただ単に見ばえのための飾りでしかない。便利さというよりも、高級品としてのメリットを考えてのメカニズムであろう。使ってみて、プタセットの良さは、いささか納得し難い。
 それからスイッチだJBLアンプのスイッチそっくりのやわらかいタッチの切れ味は、中々の魅力ではあるが、しかしこのスイッチのパネルのカットが角形であるのはなんとなく、パネル面の感じをどぎつくさせているように思う。若者向きということを強く意識したパネルデザインということであれば、もっと他のやり方があったのではという気がする。しかしこの角形の穴は、テクニクスSU3404だけのものであるし、デザインの個性という点ではひとつのポイントになっていることは認めよう。

パイオニア SA-80, SA-100

パイオニアのプリメインアンプSA80、SA100の広告
(スイングジャーナル 1971年9月号掲載)

SA80

テクニクス SU-3400

岩崎千明

スイングジャーナル 9月号(1971年8月発行)
「SJ選定新製品試聴記」より

 テクニクスSU3404、エレクトロボイス社のエアリーズ、エンパイヤ999VE着装デュアル1019──これが8月初め現在の、もっと詳しく言うならば、5月連休以後の私の居間におけるリスニング用システムだ。このシステムで、テレビの音楽番組からカセットでとった自家製ジャス・テープから、むろんお気に入りのジャズの新譜と、生活に溶け込んだあらゆる音楽を楽しんでいるわけだ。
この居間兼食堂は私の生活の場だ。JBLハークネスを置いたリスニング・ルームとはまた違った意味で私にとってこの上なく音楽と結びつきの濃い部屋であり、ここでの装置への要求は、たとえ根本的に同じであっても、リスニング・ルームにおける場合とは少々ニュアンスの違うものだ。その最大のポイントは、「聴きやすい再生」を何にもまして望んでいる点だ.
 エアリーズというスピーカーについては、すでに7月号のこの欄で紹介ずみだが、音楽の持つ情感とか雰囲気を良く伝えてくれる点だ。私の好きなシステム・コンポーネントであるが、これらの、その特長をもっとも発揮してくれるアンプ、それがこの部屋での愛器「テクニクスSU3404」だ。
 このSU3404は、クォードフォニック用の2チャンネル──4チャンネル変換用のアダプターを組み込まれたものであって、その母型ともいえるのが2チャンネル・ステレオ・アンプSU3400である。
 SU3400は、一口に言うならば、老練なハイ・レベルのマニアから、若いオーディオ・ファンまでを対象とした高品質のプリ・メイン・アンプだ。老練なマニアは、このアンプを聴き込んで行くに従ってますます気に入るだろう。長く聴いても飽きのこないすなおさ、長時間聴き込んでも疲れることのない音に惚れこむに違いない。そして若いファンは、このアンプの迫力とゆとりに満ちた重低音、味、どぎつさのないしかし澄んだ輝きにも似た高音の冴えにたまらぬ魅力を感じるに違いない。
 私自身にしても、ここに触れたそれらの特長は最初きいたときからまいってしまった。特にエアリーズを接いだときの重低音のゆるがすような響きは、エレクトロボイスが狙うこのシステムの最大ポイントを他の国産アンプには見られないくらいフルに引出している。このアンプSU3404は収まるべきスペースに収めたままになってしまった。
 テクニクスのアンプ群は50A、また以前この欄で紹介したSU3600、さらにこの3400とデザインが一作ごとに一新されている。逆にいえば、デザインのポリシーが定まっていないことを指摘できるのだが、ただこれは外観上のことであって、中味に関しては決してデザインにおけるほど一貫していないわけではない。50Aのすなおさと品の良いクオリティはSU3600の一聴派手なサウンドにおいても基調となっているし、さらに3400シリーズになってこの基調の上に加え50Aに近い音色をとり戻したといい得る。
 つまり、テクニクス・アンプはひとつのサウンド・ポリシーの上に築かれたアンプなのである。3400になって外観的にメカニカルな面を強め若いファンを意識したデザインに格段と近づいたが、サウンドそのものは外観とは異なり前作3600より一層完成度の高い製品となった。
 それは、35ワット/35ワットというハイパワーと、テクニクス直系のサウンド、さらに伝統の全段直結アンプという盛りだくさんのメリットを59、000円の価格でまとめあげ得たという点にある。
 この価格はコンポーネント・システムを狙う層にとっては製品レベルともっとも買いやすい価格とを示すものだし、他社のアンプもこのラインに目白押しにあるし、消費者側からみれば選択の幅のひろいクラスなのである。毎月のように新型アンプが市場に送り出されるがSU3400はこの中心にあって、ナショナルというステレオの老舗の良識を示す夜明けの星の如き存在となるにちがいない。

オンキョー Integra 733

オンキョーのプリメインアンプIntegra 733の広告
(スイングジャーナル 1971年9月号掲載)

Integra733

Lo-D IA-1000

Lo-DのプリメインアンプIA1000の広告
(スイングジャーナル 1971年9月号掲載)

IA1000

Lo-D IA-600

Lo-DのプリメインアンプIA600の広告
(スイングジャーナル 1971年9月号掲載)

IA600

パイオニア CS-E600, QA-80, QT-6600, QT-2100

パイオニアのスピーカーシステムCS-E600、プリメインアンプQA80、オープンリールデッキQT6600、8トラックデッキQT2100の広告
(スイングジャーナル 1971年9月号掲載)

QT6600

トリオ KN-6644, KA-8044

トリオの4チャンネルコントローラーKN6644、プリメインアンプKA8044の広告
(スイングジャーナル 1971年9月号掲載)

KA8044

テクニクス SB-500, SB-600, SB-700, SU-3100, SU-3400, SU-3600, ST-3100, ST-3400, ST-3600, SL-30, SL-1000W, EPC-205C, EPC-260C

テクニクスのスピーカーシステムSB500、SB600、SB700、プリメインアンプSU3100、SU3400、SU3600、チューナーST3100、ST3400、ST3600、アナログプレーヤーSL30、SL1000W、カートリッジEPC205C、EPC260Cの広告
(スイングジャーナル 1971年9月号掲載)

SB700

ラックス SQ505X, SQ507X

ラックスのプリメインアンプSQ505X、SQ507Xの広告
(スイングジャーナル 1971年9月号掲載)

Lux

パイオニア QA-80, QT-6600, QT-2100

パイオニアのプリメインアンプQA80、オープンリールデッキQT6600、8トラックデッキQT2100の広告
(スイングジャーナル 1971年8月号掲載)

QT6600

ティアック AS-100, AT-100, A-1300, A-2100

ティアックのプリメインアンプAS100、チューナーAT100、オープンリールデッキA1300、A2100の広告
(スイングジャーナル 1971年8月号掲載)

Teac

トリオ KN-6644, KA-8044, KA-3344, KW-6044

トリオの4チャンネルコントローラーKN6644、プリメインアンプKA8044、KA3344、オープンリールデッキKW6044の広告
(スイングジャーナル 1971年8月号掲載)

KN6644

テクニクス SU-3404, RS-74OU, SH-3400, SH-1010

テクニクスのプリメインアンプSU3404、オープンリールデッキRS74OU、4チャンネルコントローラーSH3400、SH1010の広告
(スイングジャーナル 1971年8月号掲載)

SU3404

オットー DCA-170X, DCA-1400, DCP-180X, DCC-180X

オットーのプリメインアンプDCA170X、DCA1400、パワーアンプDCP180X、4チャンネルコントローラーDCC180Xの広告
(スイングジャーナル 1971年8月号掲載)

Otto

オンキョー Integra 733, Integra 433

オンキョーのプリメインアンプIntegra 733、チューナーIntegra 433の広告
(スイングジャーナル 1971年8月号掲載)

Integra433

ビクター MCA-V5, MCA-V7, CD4-1, 4MD-1X, QHR-202, QCE-G1

ビクターのプリメインアンプMCA-V5、MCA-V7、4チャンネルデコーダーCD4-1、カートリッジ4MD-1X、8トラックデッキQHR202、QCE-G1の広告
(スイングジャーナル 1971年8月号掲載)

QHR202

ラックス SQ505X

ラックスのプリメインアンプSQ505Xの広告
(スイングジャーナル 1971年8月号掲載)

Lux

パイオニア SA-80, TX-80

パイオニアのプリメインアンプSA80、チューナーTX80の広告
(スイングジャーナル 1971年8月号掲載)

SA80

テクニクス SU-3100, SU-3400, SU-3600, ST-3100, ST-3400, ST-3600

テクニクスのプリメインアンプSU3100、SU3400、SU3600、チューナーST3100、ST3400、ST3600の広告
(スイングジャーナル 1971年8月号掲載)

SU3400

ソニー TA-1140

岩崎千明

スイングジャーナル 8月号(1971年7月発行)
「SJ選定新製品試聴記」より

 TA1140という型番、およびパネルデザイン、この両方に対してはっきりと感じとれるのは、TA1120直系の製品であるという点だ。
 TA1120はいわずとしれたソニー最高級アンプ。名実とともにその存在は日本国内市場はもとより、米国をはじめ世界のハイファイ市場においても、最高の品質と性能を誇る傑作アンプだ。マランツ、マッキントッシュという高名ブランドの製品と肩をくらべ得る製品は、国産品が世界アンプ界を圧している現在たりといえども、そう多くはないことを考え合せればソニーのTA1120の製品としての価値は、極めて高く評価でき得るであろう}
 このTA1120直系のジュニア型というべきアンプがTA1140である。
 あえて直系というのには、無論、理由あってのことだ。
 ソニーはESシリーズと銘うって一連の高級オーディオ・コンポーネントを発売して、ガッチリとステレオ業界に根を下したあと、その商線の拡大を企り、若いオーディオ・ファンを強く意識した新シリ−ズのアンプを打出した。それが2年前この欄において紹介したTA1166であ
る。
 しかし、そのイメージ・チェンンジはあまりに強引であり、あまりにもソニーのイメージから、かけはなれたものにしてしまったようだ。通信機に似たパネル・デザインと派手好みな音色作りが、ソニーのオーディオ製品に対する期待をまったくそらせてしまう結果となった、といえよう。
 この製品と前後して出たオーディオ・コンポーネントには、大なり小なりこういう傾向が目立った。それがよいにしろ、悪いにしろオーディオ界のソニー・ブランドがマニアだけのものという従来のイメージをぬぐいさったことは、大いなる前進といえよう。
 この時機に必要なのはTA1120シリ−ズの普及型、というべき若いオーディオ・ファン向けのアンプであろう。
 1120はすでにタイプAを経て今やタイプFとなり、価格は世界の名器にふさわしく13万8千円という高価。その後1120Fのマイナー・シリーズとして昨年秋、発売されたTA1130すら88、000円という、初期の1120なみの価格だ。
 初級マニア、このマニアということばにはその語訳どおり、マニアックな熱烈なファンという意味で、その熱烈なファンの卵達にとって、11120Fクラスのアンプを使うというのは、彼のオーディオ・ライフのひと
つの夢であろう(その夢を現実のオーディオ・ライフにしてくれるべき1120ジュニア版の出現こそ、今のオーディオ界にとってソニー製品の布陣にとっても大いなる価値と意味を持っている。
 TA1140の出現は「これ」なのだ。
 TA1140こそ、若いオーディオ熱心なファンにとって、正に夢を現実に引戻してくれる「正義の味方」な
のである。無放の剣なのである。永年の夢をかなえてくれる、最高品質のプリ・メイン・アンプなのである。
 キミの机の上に、世界長高のアンプがどっしりと置かれることが手近かに考えられるべく出現した製品なのである。あれこれと、多数の商品の中から選ぶ必要のない最終的要素を濃く持った製品なのである。
 TA1140の良さについて、今さらいうこともないであろう。1120のパワーを縮少した以外には、ほとんど差のないといい得る諸特性と音質を誇る。しかも価格は6dBダウンというのが、若いファンには絶対ともいえる大いなる魅力だ。
 ただ、ひとこと付加えたいのは、ソニーのアンプ全般にいえることなのだが、規格最大出力はたしかにすばらしい数字なのだが、実際に長時間、フルパワーに近く鳴らしていると、規格出力を保つことがくるしくなるように思われる。もっとも、いくらジュニア版とはいえ片側35ワットのこの級のアンプを、フルパワーで鳴らしつづけるという使い方をすることは、一般家庭においてはあまりないことであるに違いない。つまり、普通のユーザーならば、そういう点に気付くことはまずあるまい、と思われる。しかし、あまりハイ・パワーを望む向きには1130とか1120Fをすすめるべきだろう。

Lo-D IA-600

岩崎千明

スイングジャーナル別冊「最新ステレオ・プラン ’71」(1971年夏発行)
「Lo-D in jazz」より

 最近、オーディオの新製品が各社から多数発売されているが、全体を通して強く印象に残ったことは、日立、ナショナルなど家電メーカーといわれる大企業の、ステレオ・パーツの著しい向上ぶりだ。向上というよりは脱皮というべきか、誕生というべき、そのハイ・グレードぶりなのである。
 日立がステレオで注目されたのは、HS500というブックシェルフ・スピーカー・システムの誕生以来だ。まだ4年になるまい。
 このシステムを、目白の奥まった西洋館然とした日立別館での発表会で接したとき、AR3風の底力ある重低音が評判の高いARよりもさわやかだったのに不思議な面持ちであった。
 ずっとあとになって、このスピーカーのために、日立中央研究所の技術陣グループが多数動員され、工学博士級が各ユニットおよびエンクロージュアを、それぞれ担当したと伝え聞いた。そのグループはHS500の開発終了後、カラーテレビ新設計に携わり、いまふたたびスピーカーにもどったとか……世界の大企業と肩をならべる大メーカーにふさわしい技術的シンク・タンクの巧妙な使い分け。「技術の日立」とよくいわれるその技術陣の厚さ、その活用のうまさが端的に示されている。世界に類をみないHS500のユニーク・ポイントの数々は、「日立」でなければ創り得ないであろう。
 さて、こうした製品の中で、日立のアンプをじっくりとながめ、音を聴くという付き合いも、ここ最近のことであった。スイングジャーナルの試聴室で、数あるアンプの中に置かれた日立のアンプに視線が流れたとき、そこで止まることはなかった。たぶん、ぼくだけではなく、初めて接する方は誰でもそうであろうと思う。
 それくらいに地味な、飾り気のないパネル・デザインである。味もそっ気もないということばがぴったりのシンプルなパネルだ。つまみが上段一列、下段の右半分にスイッチが-列。これでもステレオ・アンプか、と思うほどツマミも少ない。昔、見馴れたモノーラル時代のアンプを、スッキリさせて並べたという感じである。
 今日のステレオ・アンプには、ツマミやスイッチ類がことさらに数多く、並べられているのとは好対照なこの端正なデザイン。日立のアンプ類はこのシンプルなデザインにすべてがよく表われている。
 特長とか、眼をひくようなポイントは何ひとつない。それこそが日立のアンプの特長なのだ。それはそのサウンドにも表われているし、このアンプの性格を決定しているのだ。それはまた日立の製品に対する姿勢を意味しているのではないだろうか。ステレオにおけるアンプの価値が低歪率、信号対雑音比、f特、ダイナミック・レンジ……と技術が進歩するにつれて、その要求される技術的な性能がますます高められているには違いない。しかし、なににも優って優先させなければならないのは信頼性とか、寿命とかであろう。つまり、故障しては困るという要求、いくらよい特性を備えていても何にもならない。鳴らないアンプでは何もないよりもまし……というより広くもない棚に大きな荷物が陣どっているのでは、無い方がましなくらいだ。
 多くのアクセサリー回路や、アイディアを盛り込んだ回路は、逆にいえば部品の数も増えようし、それだけ故障率が増えることにもつながる。だから必要な最少だけにしぼって、その主要品は十分に意を払って、ガッチリと手をかける日立のやり方はアメリカ合理性ということができるかも知れない。いかにも技術重視的ないき方ともとれる。しかしこれこそ、本当の需要者のための商品ということではないだろうか。
 端正なそのたたずまいをそのままに日立のアンプは、特にスッキリした、爽やかな飾り気も無い音だ。まるで冷たいまでにソッ気ないのも、パネルの印象と同じだ。というと、メカニカルな感じ、金属的なサウンドというようなイメージを持たれてしまうのだが、メカニックといういい方がもし悪い意味でなければ、そういえるし、金属的というのが冷徹という意味ならそういい得よう。作るべくして作ったのでなく、技術的な性能追求がこのサウンドに達したのだろうと思う。
 これは、市場に出ているアンプの中で、ひときわ高級品とされ、ハイグレードと誰もが認めるソニーのアンプにおけるそれとよく似たケースともいえる。ソフトとかウォームとかいう意識的につけ加えたサウンドがないという点がはっきり認識されるのだ。試みに録音のよいジャズ・レコードをかけてみよう。ぼくのもっとも好きな「ブラック・ホークのシェリー・マン」(米コンテンポラリー)の4枚組だ。音がボケやすいライヴ・レコーディングの中でもっとも鮮かなサウンドと、生々しい楽器のプレゼンス、加えてクラブの雰囲気がよく捉えられた名演名録音盤である。決っしてスタープレーヤーを集めたわけでもないのに、この名演ぶりはマンのドラミングと、曲の引きしめ方がうまいためだろう。このアルバムはオン・マイクの楽器のサウンド、特にドラムを筆頭に、ピアノ、アルト、ペットと鮮明度の高いサウンドにあるのだが、このアタックを期待以上に再現するのが日立のIA600であったのだ。クリアーな、パンチあるサウンドのクォリティーは特にローレベルでも実に見事なのである。
 ぼくはこのローレベルの、特にピアノの澄んだタッチに惣れた。日立のアンプにもまったく難点がないわけではない。中音域から高音域の鮮明さにくらべ、このアンプのサウンドは特にジャズに対して低音の力が物足りないのだ。ベースの床をはう響きはジャズだけのものだが、こういうエネルギーがちっとも出てこない。ステップ式の低音のコントロールを上げる。このトーンコントロールは効き方もはっきりし途端に力強い低音のパワーが、試聴室のJBL・C40のホーンから床に伝わり、椅子を揺るがす。試みにエアリーズに切り換える。ごく低い重低音が充分ゆったりした感じになるが、ボリュームと共にトーンコントロールはもうワンステップ上昇だ。この低音の大振幅の場合にも、ローレベルと同じような爽やかさに驚かされる。フラットの状態にくらべ低音は6段以上持ち上げられているから、パワーは4倍になっているはずだ。規格値を越えるハイ・パワーぶりなのではないかと思うほど……。しかし、これはデータに正直な日立のこと。いわゆるカタログ特性だけよいというのではない、ということが認められたわけであった。
 それにしてもローレベルの音の澄んでいること。マンの押え気味のタッチ、ドラミングの特長はこのローレベルの冴えで、ひときわ輝きを増す。カタログを見る。なるほど、日立の技術が、このアンプに光っている。「定電流ドライブ出力回路」これだ。やさしくいうと、小さい音のとき荒れやすいトランジスタ・アンプの音を、透明にするための技術だ。トランジスタの動作を理想的にするため負荷としてトランジスタを使っている新回路だ。これなら出力トランジスタは傷まないし、一石二鳥。ヤルネェ。なかなか……。
 実は4チャンネルにそなえて、このところ国産アンプの厳選したお気に入りを何台か買い込んだのだが、そのいずれとくらべても、互角か、それ以上のジャズ・サウンド。その秘密はやはりこの日立の技術にあったのだ。もうひとつ付け加えておくと、このときのアンプの中で、もっとも安いのが日立。ぼくはあまり好きなことばじゃないがコスト・パフォーマンスという点からいうと、ベストに選べそうだ。
 だけど、キミ。このアンプでジャズを楽しみ出したら、よいサウンドが判ってしまうことは確かだ。それがオーディオの泥沼の始まりになったとしても、当局はいっさい関知しない。

ラックス SQ505x

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(スイングジャーナル 1971年7月号掲載)

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テクニクスのプリメインアンプSU3100、SU3400、SU3404、SU3600、4チャンネルコントローラーSH3400の広告
(スイングジャーナル 1971年7月号掲載)

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