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ヤマハ A-1, T-1

ヤマハのプリメインアンプA1、チューナーT1の広告
(オーディオアクセサリー 8号掲載)

A1

デンオン PMA-850

井上卓也

ステレオサウンド 45号(1977年12月発行)
「SOUND QUARTERLY 話題の国内・海外新製品を聴く」より

 デンオンのプリメインアンプは、良き時代の高級感級アンプの面影を感じさせるPMA700Zが、DCアンプ化されマークIIIとして登場したばかりである。
 今回は、これにつづいて、1001、1003といったセパレート型アンプでの成果をベースとし、最新の技術動向の最先端をゆく回路構成を備えたPMA850が、新しく装いを変えて登場することになった。
 基本的な開発のポリシーは、格段のユニットアンプの特性を極限値まで追求し、いわゆるプッシュプルタイプの平衡型コンプリメンタリー構成を全段増幅に採用している。これにより、裸特性の良さを活かし、ダイナミックな音楽信号の歪補正を従来回路の製品より完全にしている。また、ダイナミックレンジを拡大する目的で、とくにSN比が重点的に追求され、同社の従来製品よりも約10dB向上しているとのことだ。
 機能的には、30mVの許容入力をもつMCヘッドアンプ、イコライザーとパワーアンプを直結するダイレクトカップルスイッチなどを備える。従来どおりのクロストーク特性の重視に加えて、左右別巻線のトロイダルトランス仕様の強力な電源部、DC構成の全段直結平衡型DCパワーアンプなどは、今回はじめて採用された。
 このモデルは、各構成アンプの素直で優れた性能がナチュラルに音に反映したかのような、明るい、伸びやかな現代のデンオンの音といえるものだ。従来機との違いは、ちょうど、カートリッジでいえばDL103と最新製品DL103Dの差と似ており、音の性質でも同様なことがいえる。新世代のデンオンを感じさせる磨き込んだ立派な音である。

ラックス L-10

井上卓也

ステレオサウンド 45号(1977年12月発行)
「SOUND QUARTERLY 話題の国内・海外新製品を聴く」より

 新セパレート型アンプC12、M12と共通の外形寸法とデザインをもつ新プリメインアンプで、ラボラトリー・リファレンス・シリーズの5L15と共通のDC構成イコライザーとハイゲインDCパワーアンプのみの単純構成が特長である。パワーアンプは、高周波特性が優れた小型パワートランジスターの並列使用で、動作はABクラスだ。機能はシンプルだが、湾曲点3段切替の高音、低音コンペンセーターがあり、変化範囲は狭いが実用上では本機自体が歪感が皆無といってもよいナチュラルな音をもつため、僅かのバランスの変化が敏感に聴きとれ、一般のトーンコントロールと同様に効果的に使える。

マランツ Model 1180

井上卓也

ステレオサウンド 45号(1977年12月発行)
「SOUND QUARTERLY 話題の国内・海外新製品を聴く」より

 モデル1180は、基本的にはモデル3250とモデル170DCをインテグレートアンプ化したと考えてよい製品である。機能的には、モデル3250にピークインジケーターが加わった点だけが異なる。セパレート型の組合せの音に比較すると、ややローエンドとハイエンドを抑えたプリメイン型らしいバランスであり、これは聴感上でのパワー感となって反映されている。同じ定格出力だが、本機のほうがスピーカーを駆動するエネルギーは強く、4343を十分に駆動した。

ビクター JA-S77

井上卓也

ステレオサウンド 45号(1977年12月発行)
「SOUND QUARTERLY 話題の国内・海外新製品を聴く」より

 セパレート型アンプの2020シリーズを基盤として開発されたプリメインアンプで、ビクターの中心機種の位置にある。構成は、イコライザー、トーンアンプがA級動作のDC構成、パワーアンプがDCアンプのトライDC構成で、電源は、A−B独立型、対数圧縮型パワーメーター、フロントパネルのテープ入出力端子が目立つ。
 このモデルは、最新アンプ共通の歪感がなくfレンジが広い、滑らかな粒子の細やかな音をもつ。ビクター製品らしく、音色が明るく、中域に十分な厚みが感じられるのが魅力のポイントである。

オーレックス SB-730

井上卓也

ステレオサウンド 45号(1977年12月発行)
「SOUND QUARTERLY 話題の国内・海外新製品を聴く」より

 各ユニットアンプをはじめ、電源部、各種の構成部品を徹底的に低歪化してつくられたオーレックスの新プリメインアンプである。
 このモデルは、音色が軽く明るいタイプで、粒立ちが細かい音をもつが、中高域に適度の輝きがあり効果的にシャープさを感じさせる魅力となっている。低域の反応はおだやかで中高域は早いタイプといえるだろ。

ヤマハ A-1

井上卓也

ステレオサウンド 45号(1977年12月発行)
「SOUND QUARTERLY 話題の国内・海外新製品を聴く」より

 ヤマハのプリメインアンプは、すでに定評が高いCA2000をトップモデルとして、充実したラインナップを持っている。
 今回発表されたプリメインアンプは、型番が従来モデルと区別されていることからもわかるように、やや現在では特殊なタイプとも考えられるディスク優先型のユニークな構想に基づく新製品である。
 ディスク優先の考え方は、デザインに強く表現され、フロントパネルにはボリュウムと使用時のみ照明される3個の角型のプッシュスイッチがあるのみだ。他のトーンコントロール、テープ関係のスイッチなどの機能は、ヒンジにより下方向に開くサブパネル内部に収納されている。プッシュスイッチは、左から電源、スピーカー、ディスクの順で、ディスクスイッチは、内部のセレクタースイッチがどの位置にあっても、フォノ優先の切替が可能である。この場合には、回路的にはトーンコントロールアンプぺはジャンプされ、イコライザーアンプは直接パワーアンプに接続される。
 構成は、ヤマハの超低雑音ICによるMCヘッドアンプ、初段に同様に自社製の超低雑音デュアルFETを使い終段がSEPPのイコライザー、利得が0dBのヤマハ独自のCR−NF型トーンコントロール、入力感度が200mVに設計され一般よりも約20dB高利得型のDCパワーアンプからなる。ディスクスイッチON時には、MM型カートリッジを使用するとすれば、信号系にはイコライザー出力部にフィルムコンデンサー1個のみということになる。
 機能は、バランス調整がないだけで他はトーンコントロールを含むベーシックな装備を備えるが、カートリッジ負荷抵抗切替は、リアパネルの専用ジャックに附属の47kΩ、68kΩの表示があるプラグを差込んでおこなう方式が採用され、プラグなしでは100kΩとなっている。
 A1は、他のヤマハのプリメインアンプとは異なるフレッシュで伸びやかな明るい音が印象的である。音のクォリティが高く、十分な表現力があり、セパレート型アンプの魅力をインテグレート化したといえるユニークな製品である。

パイオニア A-0012

井上卓也

ステレオサウンド 45号(1977年12月発行)
「SOUND QUARTERLY 話題の国内・海外新製品を聴く」より

 パイオニアの新シリーズのプリメインアンプは、4モデルあり、A0012は、トップ機種でその外形寸法が他のモデルより1サイズ大きい。フロントパネルは、主機能を上部に、他の副次的な機能は下側のスモークグラスのヒンジ付サブパネル内に配置した使いやすさを狙った構成が特長である。
 内容的には、パワーアンプ部に、セパレート型のM25でおこなった超高域でも十分パワーを獲得し、可聴周波数帯域内のクォリティを向上するマグニワイドパワーレンジの構想と、小音量時の音質を改善する目的で3W以下の出力では純Aクラス動作、それ以上は徐々に定格出力までBクラス動作に近づくABクラス動作が採用されている点があげられるが、これはシリーズ共通の特長である。また、MCヘッドアンプイコライザーのSN比は、カートリッジ実装時の値を重視して追求されている点も見逃せない。
 機能的には、1dBステップのパイオニア方式ツインコントロール、DC構成のイコライザー部とパワーアンプ部を直接結合して使うためのオーディオミューティングスイッチ、ファンクション表示インジケーターなどが目立った点である。
 このモデルは、豊かに響くやわらかいスケール感がある低域から中低域をベースとし、粒立ちが細かく滑らかに磨かれた中域から高域の音が印象的だ。トータルの雰囲気がかなり洗練され、安定した大人の魅力を十分に感じさせる。反応は適度といえる。

ソニー TA-F6B

井上卓也

ステレオサウンド 45号(1977年12月発行)
「SOUND QUARTERLY 話題の国内・海外新製品を聴く」より

 TA−F6Bは、プリメインアンプの電源に最初にパルスロック電源を採用した注目の製品である。MCヘッドアンプ、DC帰還付イコライザー、新開発のドライバー用IC採用のDCパワーアンプなどに特長があり、対数圧縮型の大型パワーメーターを装備している。

ラックス 5L15

井上卓也

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ ’77ベストバイ・コンポーネント」より

 ラックスのプリメインアンプには、高級機としてSQ38FD/II、L−309V、そしてこの5L15のいわば新旧三世代のモデルが共存していることが大変に興味深く、オーディオの趣味性を強く捕える、いかにもラックスらしさがある。それにしても5L15は、ラックス育ちの現代っ子の音がするようだ。

デンオン PMA-700Z

井上卓也

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ ’77ベストバイ・コンポーネント」より

 最新技術内容を誇るプリメインアンプが数多く登場しているなかにあって、このモデルはすでに旧製品となったように思われるが、ゆったりと余裕があり、陰影の色濃い音を聴くと、何故かホッとした感じになるのが面白い。やはり、ある程度以上の完成度があるアンプは、時代を超越した独特な魅力があるようだ。

ヤマハ CA-1000III

井上卓也

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ ’77ベストバイ・コンポーネント」より

 CA−1000以来、すでに三代目になっているだけに、音もやや神経質な面があったCA−1000から、よりダイナミックなCA−1000IIを経て、現在の洗練された風格がある音に変わっている。整然と緻密な音を聴かせるこのモデルの音は、スケールも十分にあり高級スピーカーを余裕をもって駆動する。

ビクター JA-S75

井上卓也

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ ’77ベストバイ・コンポーネント」より

 同じビクターのプリメインアンプであるJA−S41と比較するとより新しく、上級モデルであるだけに、音の新鮮さより、むしろ洗練された完成度の高さと、しなやかさが感じられるようになっている。しかし、音楽に対する働きかけは、ビクターの製品らしくアクティブであり活気にとんでいるのはもちろんだ。

ヤマハ CA-R1

井上卓也

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ ’77ベストバイ・コンポーネント」より

 CA−2000/1000IIIを特別クラスとすれば、このモデルは事実上のヤマハのプリメインアンプの中心機種である。アンプとしての性格は、当然、一連のヤマハ製品らしさを備えているが、厳しく音を整理して端正に聴かせる上級モデルよりは、より開放感があり、おだやかさがあり、幅広い支持が得られよう。

ビクター JA-S41

井上卓也

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ ’77ベストバイ・コンポーネント」より

 現在のプリメインアンプでは、もっとも需要が多い価格帯に置かれたモデルだけに、単なる周波数レスポンスの拡大という方向ではなく、巧みに聴感上のレスポンスをコントロールして、アクティブに音楽を楽しむ方向でまとめてあるのは大変に好ましい。とくに、楽器らしさを感じさせる低音は気持よく聴ける。

マランツ Model 1250

井上卓也

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ ’77ベストバイ・コンポーネント」より

 セパレート型アンプに匹敵する性能をベースとしたこのモデルの音は、これぞマランツの音であり、大人の音である。2台のデッキを駆使できる独特のファンクション、マイクジャックなど、実用性が高い機能は、音楽を聴くということからよりアクティブに音楽を楽しむ方向で、はじめて魅力として生きてくる。

マランツ Model 1150MKII

井上卓也

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ ’77ベストバイ・コンポーネント」より

 マークIIに改良されてから、このモデルは、おだやかでバランスが良い音から鋭角的で反応が速く、彫りの深い緻密さのある音に大幅にグレイドアップされたように感じる。それだけに、音楽を聴くこと自体がかなりアクティブな方向に変わり、聴くというよりは、よりリアルに、より楽しめるようになった。

トリオ KA-7700D

井上卓也

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ ’77ベストバイ・コンポーネント」より

 プリメインアンプに左右チャンネル独立2電源方式とDCアンプ構成を最初に導入したトリオ製品のなかでは、新しいモデルだけに、その完成度の高さの点では上級モデルをしのぐものがある。とかくDCアンプ構成では、音が柔らかくなりやすいが、このモデルの直線的な音の表現はユニークとも思われる。

パイオニア SA-8900II

井上卓也

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ ’77ベストバイ・コンポーネント」より

 8000シリーズは、IIとなって完全に内容、外観とも一新されて、もっとも現代的なプリメインアンプとなった。左右チャンネル独立型の電源の採用をはじめ、上級シリーズである9000シリーズの面影のあるパネルフェイスなどがあり、音を含めても、このモデルのバランスの良さはトップランクにある。

パイオニア SA-8800II

井上卓也

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ ’77ベストバイ・コンポーネント」より

 パイオニアのプリメインアンプのなかでは、8000シリーズがもっとも大きなウェイトをもつ存在であり、性能、機能、音質、デザインなど、どのポイントをとってみても、もっとも多くの市場の要求に十分に満足のいく解答が得られることに最大のメリットがある。このモデルは、万人が望む汎用性が魅力である。

デンオン PMA-501

井上卓也

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ ’77ベストバイ・コンポーネント」より

 オーソドックスであり、やや保守的な路線を進んでいたデンオンのプリメインアンプは、要求に答えてか、このモデルの登場により、かなり今日的な姿に衣がえしたようである。このモデルは、質と量のバランス点を保ちながら、カートリッジのクロストークをキャンセルする機能をも備えているのがユニークだ。

ヤマハ CA-X11

井上卓也

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ ’77ベストバイ・コンポーネント」より

 CA−X1をベースとし、より上級モデルのCA−R1的な蛍光を採り入れて改良されたプリメインアンプである。機能面でも、より一段と充実し、性能面でも、ほぼ1ランク上の製品となっている。レスポンスがフラットで伸びやかとなり、音の粒子が細かく、より緻密になったため、普及価格の高級機といえる機種だ。

ラックス SQ38FD/II

井上卓也

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ ’77ベストバイ・コンポーネント」より

 最新の技術を駆使した、いわば、電算機的なプリメインアンプが登場してくると、旧型アンプの存在価値が薄れるのが当然であるが、そこは、趣味としてのオーディオであるだけに、アナクロ的な典型ともいえる、古き良き時代の真空管プリメインアンプが、現在に生きているのも大変に楽しいことなのである。プロトタイプ以来10年に近い歳月を経過したこのモデルは、いわば、SL的な新しさであり、懐かしさがある音を聴かせる。

ヤマハ CA-2000

井上卓也

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ ’77ベストバイ・コンポーネント」より

 ヤマハのプリメインアンプのトップランクのモデルとしてすでに定評を得ている製品である。とくに、パワーアンプ部はA級・B級動作切替と、AC・DCの増幅切替があり、これを組み合わせ使用すれば、実質的に4種類のアンプをもつのと等価的になる。性能が高いだけに、聴感上でも変化はかなり明瞭であり、この利点は他では望めないものがある。

サンスイ AU-707

井上卓也

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ ’77ベストバイ・コンポーネント」より

 AU−607の上級モデルとして登場したプリメインアンプである。左右チャンネル独立電源、パワーアンプのDCアンプ化など、市場の要求を満たすに十分な構成と、一貫して採用しつづけたブラックパネルが、製品としての完成度の高さを、十分にアピールしている。AU−607よりもパワーアンプされているために、独特のプレゼンス感は力感の裏側にかくれているが、しなやかに、よく弾む音は良いスピーカーが欲しくなる。