Category Archives: スピーカー関係 - Page 73

JBL D123

岩崎千明

ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)
特集・「’75ベストバイ・コンポーネント」より

 JBLのもっともまとまった現代的サウンドをもったシングルユニット。中域から高域の密度に少々不満もあるが、どんな箱に収めてもよい音を得る点でも使いやすい。

ラウザー PM6 MKI

岩崎千明

ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)
特集・「’75ベストバイ・コンポーネント」より

 どぎついほど中域、高域の張りのある充実感。一昔前の音作りを感じながらも、その強い個性的なサウンドはあばれ馬的。それだけに使い馴らしてみたい魅力に惹かれる。

AKG K140

瀬川冬樹

ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)
特集・「’75ベストバイ・コンポーネント」より

 市販ヘッドフォンをすべて聴いたわけではないから、これ一つがベストとはいわないが、軽くシンプル、音のバランス良好でことに低音の厚みが見事。大音量にもよく耐える。

タンバーグ TL2510

瀬川冬樹

ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)
特集・「’75ベストバイ・コンポーネント」より

 AR4とは対照的に、聴き手をひきずりこむようなしっとりした雰囲気をかもし出す。弦楽器やヴォーカルのツヤのある響きが美しく品位高い。小出力で鳴らすスピーカー。

ダイナコ A-25XS

瀬川冬樹

ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)
特集・「’75ベストバイ・コンポーネント」より

 国産のブックシェルフの作り方に多くの影響を及ぼしたスピーカー。さすがに最近の製品と比較すると、高音のレインジの広さや音の鮮明さで少々もの足りなさも感じるが。

ロックウッド Major

瀬川冬樹

ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)
特集・「’75ベストバイ・コンポーネント」より

 タンノイ15インチを組み込んだモニター仕様の製品。特殊な構造の堅固なエンクロージュアは共振がなくクリアーな音。ただし改良型ユニットでの音はまだ聴く機会がないので不詳。

JBL 4341

瀬川冬樹

ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)
特集・「’75ベストバイ・コンポーネント」より

 JBLのプロシリーズは目下改良され続けているので一概に言いにくいが、現時点で、音のバランスの点ではこのモデルが最も優秀と思う。ただし見た目のバランスは好きでない。

JBL D208

岩崎千明

ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)
特集・「’75ベストバイ・コンポーネント」より

 20cmという扱いやすい口径と価格ながら、中声域の充実した優れた音楽的バランスはJBLの伝統そのもの。使いやすさと手軽さから、どのジャンルにも向く点で推められる。

タンノイ New Rectangular York

瀬川冬樹

ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)
特集・「’75ベストバイ・コンポーネント」より

 うまくこなさないと低音のダブつきが気になりがちだった旧レクタンギュラーより、ずっと改善されている。音の品位や光沢感は旧型に良さを感じるが、総合的にはこの方が上。

エレクトロリサーチ Model320

瀬川冬樹

ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)
特集・「’75ベストバイ・コンポーネント」より

 ロサンジェルス生まれの新顔。設計者がドイツ系アメリカ人。トゥイーターがヨーロッパ製。そのためか西海岸の明るさと、ヨーロッパの繊細さが奇妙にバランスした独特の音色。

JBL L26

瀬川冬樹

ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)
特集・「’75ベストバイ・コンポーネント」より

 アタックとパワーの必要なジャズ系の再生に、バイタリティとニュアンスに富んだ音を聴かせる展、このクラスでは抜きん出たスピーカー。弦楽器の中~高域の荒さが反面の弱点。

デンオン S-170MKII

瀬川冬樹

ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)
特集・「’75ベストバイ・コンポーネント」より

 PMA500などの持っていた生き生きと新鮮な感じの音の魅力が、スピーカーにも生かされたという印象。同系のS270IIや370はもう少し真面目な音だが共に佳作。

アコースティックリサーチ AR-4xa

瀬川冬樹

ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)
特集・「’75ベストバイ・コンポーネント」より

 バックグラウンド的に聴き流すセカンドシステム用としては実に聴きやすい音質で、パワーもよく入るし、置き方にあまり神経質にならなくても音の魅力を発揮できる。

ビクター SX-3II

瀬川冬樹

ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)
特集・「’75ベストバイ・コンポーネント」より

 音楽の種類にかかわらず妥当なバランスで、音が生き生きと弾み、愉しく聴かせる。音の質はやや甘い方。マークIIになってより一層完成度が高まった。

スキャンダイナ A25MKII

瀬川冬樹

ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)
特集・「’75ベストバイ・コンポーネント」より

 ダイナコブランドから離れて独自のデザインで改良したA25XSの姉妹製品。ダイナコより中域をややおさえ、クールな響きを持っている。デザインはこちらの方がきれいだ。

アドヴェント ADVENT2

瀬川冬樹

ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)
特集・「’75ベストバイ・コンポーネント」より

 ブラウン、ヘコーばりのデザインで、音質も一新した。中~高音域に適度のツヤが乗ってきて、クラシックからポピュラーまで、弾みのある新鮮な音色で聴かせる。

KLH Model 32

瀬川冬樹

ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)
特集・「’75ベストバイ・コンポーネント」より

 ハイパワーを必要とするジャズ・ロック系にも、小型にかかわらず十分にこたえ、中域の充実した力強い、バランスのよい音を聴かせる。ただし、小出力での繊細さには劣る。

スキャンダイナ A10

瀬川冬樹

ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)
特集・「’75ベストバイ・コンポーネント」より

 ベッドサイドや書斎又はダイニングルームなどの片隅にころがして聴くには、少々上等すぎるほどのセカンドスピーカー。耳あたりの良いバランスで、適度に充実感も聴ける。

サンスイ LM-011

瀬川冬樹

ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)
特集・「’75ベストバイ・コンポーネント」より

 開発当初「エキセントリックすれすれ」と評した私の言葉を、担当技術者氏は最後まで気にしていたそうだ。製品はむろん練り上げられ、ヴォーカルなどに独特の親密感が溢れる。

ヴァイタヴォックス CN191 Corner Horn

瀬川冬樹

ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)
特集・「’75ベストバイ・コンポーネント」より

 アメリカ系のスピーカーを男性的な魅力とすれば、イギリスのそれにはどうしても女性を感じる。中でもこのスピーカーは、若い女性の魅力ではなく、中年の色気の濃い音といえる。

JBL 4333

瀬川冬樹

ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)
特集・「’75ベストバイ・コンポーネント」より

 素晴らしくレインジが広くフラットで、あらゆる音に鋭敏に反応する。確かにすぐれたモニタースピーカーのひとつだと思う。4320よりもいろいろな面で改良の跡がみえる。

エレクトロボイス SR8B

岩崎千明

ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)
特集・「’75ベストバイ・コンポーネント」より

 20cmの使いやすさと、価格面から誰にも推められよう。バランスのよい中域から低域は、エレクトロボイスの良識でもある。力強さの点で音は英国系と似ていてパワフルだ。

ヤマハ NS-1000

瀬川冬樹

ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)
特集・「’75ベストバイ・コンポーネント」より

 NS1000Mと全く同じ構成ということだが、音質の方も、その外観ほどではないにしても、見た目の違いのように、精悍さをやや抑えた印象があり、家庭用にはこちらをとる。

スペンドール BCII

瀬川冬樹

ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)
特集・「’75ベストバイ・コンポーネント」より

 イギリスの新しいモニター系の流れを汲む音質。クラシック系に素晴らしく自然で品位の高い響きを聴かせる。構造上パワーやアタックにやや弱いので、その点の理解が必要。

アルテック 604-8G

岩崎千明

ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)
特集・「’75ベストバイ・コンポーネント」より

 アルテックのスタジオモニターのユニットとして米国のHi−Fiを創る底力となり基礎となってきたユニット。その功績は敬意を表するに十分。最新型は高域が一段と拡張された。