マイクロのアナログプレーヤーMD411、カートリッジMC4100/5、MC4100/e、VF3100/5-II、VF3100/e-II、M2100/5、M2100/e、トーンアームMA77MKII、MA77SR、MA100、MA-101、ターンテーブルMB400S、MB800、ヘッドアンプMTA-41、インシュレーターMSB1の広告
(ステレオ 1970年1月号掲載)
Category Archives: ターンテーブル - Page 9
マイクロ MD-411, MC-4100/5, MC-4100/e. VF-3100/5-II, VF-3100/e-II, M-2100/5, M-2100/e, MA-77MKII, MA-77SR, MA-100, MA-101, MB-400S, MB-800, MTA-41, MSB-1
スペックス SD-700 TypeII, SD-801EXCEL/E, 6140D, V-500A DELUXE
トーレンス TD125
CEC BD-202, BD-515, STP-65, STP-69, STP-92A, FR-250A
マイクロ MB-400
CEC BD-202, FR-250A, STP-65, STP-69, STP-92A, STP-93, BD-515
トリオ 400M
菅野沖彦
スイングジャーナル 2月号(1969年1月発行)
「SJ選定新製品試聴記」より
ターンテーブルの新製品としてトリオの400Mを選定したことはコスト・パーフォーマンスの高さによるといってよいだろう。つまり、対価格性能が優秀だから、これはお買徳といってよい。ターンテーブルの重要性については周知のことだが、他のパーツの特性が向上すればするほど、また優秀なターンテーブルへの要求も高まってくるのである。ターンテーブルにいい加減のものを使ったのでは、どんなに優れたカートリッジやアーム、そしてアンプやスピーカーを使っても絶対に優れた音質を得ることはできない。これにはいろいろな理由があげられるが、もっとも問題となるのは回転ムラつまりワウ・フラッターである。現在ターンテーブル単体として市場にでているものはいずれも実用上問題にならない程度の回転の均一性が確保されてはいるが、回転ムラは音程の不安定をもたらすので再生音の品位を下げる。もちろん音楽的にも正しいピッチが保たれないことは致命傷であるが、音程の不安定として感じられるほどひどいワウ・フラは論外で、そこまでいかなくても、音質のしまりがわるい、ダンピングがわるいという全体的な音色としてもきいてくるのだから注意すべきことだろう。次に問題なのが振動である。モーターの回転に起因する振動がターンテーブルに伝わってはカートリッジから雑音として再生されてしまうので手に負えない。
ところで、こうした問題の解決には、まず優秀なモーターの開発がなければならない。静かで、回転力の強い、回転速度の均一なモーターによってのみ期待するターンテーブルの性能が得られる。しかし、それと同時に、モーターからターンテーブルへの動力伝達機構の重要性も忘れられない。この動力伝達機構としては現在、ゴム・アイドラーによりターンテーブルの内縁を駆動するリム・ドライブ方式と、特殊化学製品のベルトによりターンテーブルをプーリー駆動するベルト・ドライブ方式の2つがある。動力伝達方式について考える時、1つはいかにロスや障害を少なく正確に動力を伝えるかという考え方がある。モーターの回転速度を正しく減速してターンテーブルを回転させるためにできるだけ単純な機構がよいわけだ。2つには、動力伝達機構をいかに巧みに利用してこれを一種のショック・アブソーバーとしてモーターの振動を吸収してしまうかという一石二鳥的考え方である。トリオの400Mは明らかにこの一石二鳥的考え方の上にたって設計されたもので、アイドラー方式とベルト方式の両方を兼ねて、ベルト・アイドラー方式という呼び方をしている。これには有名なトーレンスのターンテーブルなどもあるが、結果的には優秀な特性が得られている。ターンテーブルはアイドラーによってリム・ドライグされるが、アイドラーはモーター・シャフトとは断絶され、ベルトによっておこなわれている。ベルトがターンテーブルにかけるものより短かいものですむし、速度変更が確実容易(アイドラーの上下による)にできる。重量の大きなターンテーブルを使用し、フライホイール効果を積極的に利用するという考え方もマニア向きといえるだろう。大型のフルパネルは大変重厚なイメージで仕上げも美しい。この価格でできるイメージではなく、同価格の他製品と比較すると圧倒的な風格をもっている。欲をいえば、ターンテーブル・シャフトの加工精度にもう一歩という感じだが、これは最高級品に要求するシビアーな見方であろう。4万円以上の製品とつい比較してしまうというのも、この製品がいかに高いコスト・パーフォーマンスをもっているかがわかるだろう。必ず大型のしっかりしたケースで使うこと。
トーレンス TD124
岩崎千明
スイングジャーナル 12月号(1968年11月発行)
「ベスト・セラー診断」より
「縁(円)の下の力持ち」という言葉がぴったりのハイ・パートがターンテーブルだ。事実ハイ・ファイ装置がそのすばらしさを発揮しようとすればするほどターンテーブルは重要となる。装置が高級なら高級なほど、その性能を十分に引き出すためにターンテーブルが重要になってくる。
さて、10数年近く前のことだったが、あるスピーカーの大メーカーの定例コンサートで用いるアンプに初めてOTLを使用したことかある。OTLアンプがメーカーによって公開の場で鳴らされた最初のことだった。大出力真空管を10数本並べたそのアンプは、今までになく高性能を発揮し、とくに超低域のものすごい底力には目をみはったものだった。低音出力が落ちるトランスがないためであるが、そのアンプを試聴したときに当時の市販ターンテーブルはすべてゴロが出て使いものにならなかった。その時点において海外製品もすべて失格であった。そのメーカーのYは有能なのでベルト・ドライヴ・モーターを作ってコンサートは無事終ったように記憶する。
セットが高級化すればするほど、保守的で伝統的な技術によって作られる部分でありながら、性能の向上が求められる部分といえる。
ステレオ時代になり、レコードの水平方向に加え垂直方向にも音が吹き込まれるようになり、ターンテーブルの性能はさらに高度なものが望まれるようになる。そしてベルト・ドライヴ機構が高級品の常識にさえなってきた。さらに最近は〝2重ターンテーブル〟が新技術として注目されてきている。
この2重ターンテーブルは、小口径の軽いメインテーブルが、ベルトドライヴされそのテーブルの上にドーナッツ状の重い大口径テーブルが乗ることになっている。これにより、モーター軸が太くなるので、ベルトに力が加わりトルクが増し、しかもモーター軸が極所的にぴっぱることがなくなるので、ベルトの部分ののびがなくなる。さらにターンテーブルの外周部分だけが重いのでフライホイール(はずみ車)効果も大きく、機構的、動作的に理想といえる。これが今まで国内製品で実現しなかったのは、2つのターンテーブルがぴったり合うのがむづかしくまた経年変化により外側がそったりしてしまうことであった。
さてこのすぐれた機構を最初に実現したターンテーブルこそ、スイスのトーレンス社のTD124である。しかもこのターンテーブルはなんと1950年代の後期、つまり今から10年前に製品化されているのである。
トーレンスTD124はさらに大きな技術を内蔵する。そのひとつは、モーター軸がベルトをドライヴするのではなく、一度アソビ車(アイドラー)を介してベルトをドライヴしている点である。つまり、これによりモーター自体の振動は2重に吸収され弱められる。それからもうひとつは2つのターンテーブルの上にさらに軽金属のプレートが乗っていて、これがインスタント・ストップ(瞬間停止)のときちょっと動くことにより、メインテーブルの回転と関係なく停止できうる点だ。このサブ・プレートの入っているおかげでカートリッジの磁界の影響を防ぐことができるのも大きな利点である。
67年末より、外部分の重量級テーブルも軽金属にかえられII型と改められた。これで、いかに強いマグネットのカートリッジを用いても、テーブルの金属を吸引して針圧が変るという欠点も完全に解消した。
ヨーロッパを廻ると、各国のスタジオで業務用として使用されるトーレンスTD124をしばしば見かけるという。今後もプロ用、高級マニア用として、ますます注目を集めるターンテーブルであろう。
スペックス V-500A
菅野沖彦
スイングジャーナル 10月号(1968年9月発行)
「SJ選定〈新製品〉試聴記」より
ターンテーブルが再生装置の中で占める重要性は大きい。レコードをのせて回転させるのが役目だが、もし悪いターンテーブルだと、再生音に決定的な打撃を与える。どんなに他の部分がよくてもなんにもならない。縁の下の力持ちである。
ターンテーブルは回転が正確でなければ音楽のピッチが変る。つまり速ければ音は上り、遅ければ下る。33 1/3R.P.M.という回転速度は絶対に正確に保たれなければならない。そして、いかに1分間単位では33 1/3回転になっていても、その間で速い遅いという回転ムラがあっては困る。これをワウといって、ワウがあると音程がフラつき音楽にならない。また、もっと細かいムラのことをフラッターというが、大変聴きずらい。ワウやフラッターは絶無にこしたことはないが、実際には0・15%以下なら問題ない。ワウやフラッター、そして回転速度はターンテーブルのもっとも大切な条件で、これがひどく悪いと音が不安定になるわけだが、それほどではなくても音質に大きな影響を与える。また迫力のある音は絶対に期待できない。
次に大切なのは雑音の発生の有無である。モーターの回転によってターンテーブルを回すのであるからこの機械的な運動に振動はつきものである。カートリッジの針はレコードの溝の細かい振れを音に変えるものだから、ほんのわずかの振動も逃さず音にする。だから、モーターやターンテーブルがごくわずかでも横振れや縦振れの余計な振動を発生すればこれが針に伝わり雑音となる。いわゆるゴロというのがこれである。データとしてはS/N○○dbという表示をする。40db以上は必要。この2つの条件を満足、かつ、強い回転力の得られるものがよいターンテーブルである。回転力の強さと振動発生とは相対するものであるだけにレコードの演奏に必要な回転力の最小値の決定は難しく大切な問題だ。
今度スペックスから発売された新製品V500Aはこれらの条件を完全に満たしてくれながら、買いやすい価格とコンパクトなまとめが特長の優秀なものだ。従来、こういう単位商品として売られるターンテーブルは取付がやっかいだった。もちろん、ターンテーブル、アーム、カートリッジとバラバラに買って、1つのケースに取付けプレーヤーを構成することは特に工作に自信があるとか、好きな人でなければ無理なのだが、それにしても、モーター取付けに際してあけなければならない穴のパターンが複雑過ぎた。雲型の複雑な形に板を切り抜くことは容易ではなかったのである。これが本当はそれほど難しくないプレーヤーの製作を困難なものにしていたといえるだろう。V500Aは単純な矩形の穴をあけるだけだから実にやりやすい。自分で作りたいという熱心なマニアには大変有難いはずだ。本誌としても選定新製品としてターンテーブル単体を扱うのにはいろいろ問題があったらしい。SJ誌の読者は技術誌の読者とちがい、自分で手をつける人は少ないだろうということからカートリッジやスピーカーのようには簡単に扱えないターンテーブルについては随分考えられたという。しかし、この程度に扱えるものなら、むしろ作る楽しみを味わうよいチャンスにもなり得るだろうと思う。また、単体で売られているアームとの自由な組合せで自分の思う最上のプレーヤーを組むことができるのだから、既成のプレーヤー・システムを買ってくるのとは別の喜びがある。
V500Aは小型強力モーターの使用で振動が少なく、2重ターンテーブルの合理的な設計で大変スムースである。ベルト・ドライヴ機構にも独創的なアイデアが生かされ実に使いよい。フル・パネルとしては最も小型。高さも最小限におさえられている。プロ級の性能をもちながら実用的に整理された好ましい製品だ。
トーレンス TD124/II
オルトフォンSL15, RS212, 2-15K
サテン M8-45E, M7-8E, M6-8E
CEC FR-180
岩崎千明
ステレオサウンド 2号(1967年3月発行)
「プレーヤー・システム・パーツガイド」より
現存するターンテーブル製品中、もっとも古くからの製品として、今もプロ級によく用いられ、その安定さ、堅牢さをかわれる。
マイクロ M-8P
岩崎千明
ステレオサウンド 2号(1967年3月発行)
「プレーヤー・システム・パーツガイド」より
8極モーターによるリム・ドライブは、高級品にベルト・ドライブが流行する今日、やや古さを感じないでもないが、力強いトルク、使いやすい価格から、数少ない選ばれた中級品といえよう。
ソニー TTS-3000
岩崎千明
ステレオサウンド 2号(1967年3月発行)
「プレーヤー・システム・パーツガイド」より
トランジスタによる電子制御ということで、デビュー当時の昨年後半大いに目を引いたが、その肝心のサーボ回路のトラブルが重なって、トルクが少ないとか、遅いとか一時やや悪評を買ったこの製品も、今や本来の高性能を発揮するように内部的にも改められたとみられる。米国で単体として最高価格の製品のひとつで、高く評価され、国内マニアにも愛用者は少なくない。
ケイエス VL-777
岩崎千明
ステレオサウンド 2号(1967年3月発行)
「プレーヤー・システム・パーツガイド」より
関西ののれんを誇る老舗。ターンテーブル業界では草わけで、この社の高級品のプロ級ベルト・ドライブの製品がこの777だ。メカニカルでシャープなデザインにまとめられた製品として、随一の35センチ3・2kgの大型ターンテーブルは、マニアには魅力だろう。スイッチまわりにもう一歩のセンスが欲しいが、機構の良さと価格からまずは推薦できる製品だ。
ティアック TN-60
岩崎千明
ステレオサウンド 2号(1967年3月発行)
「プレーヤー・システム・パーツガイド」より
高級テレコの専門メーカーのプロ級ターンテーブル。強力なトルクの8極モーターを2個そなえた高級メーカーにふさわしい製品。モーターが強力なためか、モーターそれ自体の振動が、やや大きいのが目立つが、業務用の目的として十分の仕様は魅力で、マニアに愛用者が少なくない。
マグネフロート MFD-202
岩崎千明
ステレオサウンド 2号(1967年3月発行)
「プレーヤー・システム・パーツガイド」より
プロ級ベルト・ドライブ専門のマグネフロートの新型は、流行のモーターボードを備えた大型のフラット・スタイル。特に大きな変化はないが、2・6kgと更に重いターンテーブルでSNが一段と改善された。
パイオニア MU-41
岩崎千明
ステレオサウンド 2号(1967年3月発行)
「プレーヤー・システム・パーツガイド」より
この所、急速に評価を高めてきたのがこのパイオニアの41。この精巧は、試用されているモーター自体の驚くべき静かなことにある。市販製品中でもひときわ優れたSN比は、海外一流品とくらべてもひけはとらない。しかもフラット・スタイル、大型ボードにまとめられて魅力十分。価格も手頃で、どんなマニアに対しても推薦されるに足る国産品だ。
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