Category Archives: 国内ブランド - Page 5

ケンウッド DPF-5002

菅野沖彦

ステレオサウンド 121号(1996年12月発行)
特集・「ザ・ベストバイ コンポーネントランキング710選」より

 ケンウッドのシステム・シリーズの一つで27cm幅のCDプレーヤー。下に5002もある。このメーカーの製品はターゲットとする対象がマニア層であるように、よく練られているもので、商品の性格や価格に比して音質がいい。ディジタル回路も機構も入念なもので、量産機らしからぬこだわりがあるお買得なものだ。

ソニー CDP-XA50ES

菅野沖彦

ステレオサウンド 121号(1996年12月発行)
特集・「ザ・ベストバイ コンポーネントランキング710選」より

 好評だったXA5ESに代わる今年の新製品である。光学系固定式メカニズムなど、前作の基本的特質は踏襲しているが、ユニークなのは高域のフィルターの切替えが出来るようになったこと。これはCDの画一性が失った趣味性の埋め合わせ的な発想であろう。それはともかく基本性能の優れた聴き応えのある音だ。

エソテリック DD-10

井上卓也

ステレオサウンド 121号(1996年12月発行)
「エキサイティングコンポーネント」より

 エソテリックの新製品DD10は、ディジタルジッター・アブソーバーもしくは、ディジタル・コントロールセンターの名称が与えられるであろう、従来にない機能をもったユニークなモデルだ。
 基本的には、音質に直接影響を与えるジッターを除去する働きをもち、D/A変換器でないことが特徴である。
 機能の中心となるものは、D30にすでに採用されている独自のDSRL(ディジタル・サーボレシオ・ロックド・ループ)で、100分の1までジッター低減効果があるとされている。
 入力系は、同軸、平衡、TOS、STと合計8系統。出力系は同軸、平衡、TOS、STの4系統を備え、+6dBから−42dBまでの利得制御、つまりディジタル音量調整機能があり、これがディジタル・コントロールセンターと呼ばれる最大のポイントであろう。
 有効ビット数20ビットで、動作型式48kHzと44・1kHz(DSRL)とPLLの3段階に、切替え可能。さらにDSRL時の補間がWIDE、NARROWの2段階、出力のまるめかたが、20ビットで下位ビット四捨五入、18ビットで下位2ビットのインバンド・ノイズシェイピング、16ビットで下位4ビットインバンド・ノイズシェイピングの3段切替えなどが選択可能である。
 各切替えスイッチの選択により、帯域バランス、音場感、音色、微小レベルの再生能力などが、かなり変化を示す。その組合せはひじょうに多く、かなり入念にマトリクス的に整理して音をチェックしないと、混乱を招くおそれがなきにしもあらず、という印象が強い。
 一体型CDプレーヤーをベースに、単体D/Aコンバーターを組み合わせて2種のアナログ出力の音を楽しむ使い方が行なわれているが、さらにDD10を加え、音のディテールの再生能力向上に挑戦することも面白いだろう。豊富な入出力系と音質調整を使い、パワーアンプ直接駆動も可能だ。組合せ機器が高度なほど、その効果度が高くなる点に要注意。

サンスイ C-2105 Vintage

菅野沖彦

ステレオサウンド 121号(1996年12月発行)
特集・「ザ・ベストバイ コンポーネントランキング710選」より

 最高級プリアンプC2302ヴィンテージで4年前に素晴らしい成果を上げ好評を博している同社だが、その経験を生かした新製品である。この製品も、熟達と入念な設計、高品位パーツ、そして、よく練られた機構などにより、鮮度と緻密感の優れた音を再生する。価格も妥当であり、価値の高い製品である。

アキュフェーズ C-275

菅野沖彦

ステレオサウンド 121号(1996年12月発行)
特集・「ザ・ベストバイ コンポーネントランキング710選」より

 同社の最高級プリアンプC290同様のバランス伝送アンプ。出力には対称型のブリッジフィードバックによるフローティング・バランス出力回路を採用するなど、そのジュニア・モデルに相応しい実力機である。リモコンでもコントロール可能な使いやすいものである。フォノイコライザーはオプションである。

デンオン DA-S1

菅野沖彦

ステレオサウンド 121号(1996年12月発行)
特集・「ザ・ベストバイ コンポーネントランキング710選」より

 DP−S1とペアで開発されたD/Aプロセッサーで、究極のアナログ波形を目指すALPHAプロセッサーを搭載する。DP−S1とはST−GenLockによりマスター・クロックでの同期運転が可能だ。したがって本来はペアで使うのが理想的。もちろん、DAC単体としても極めて高性能多機能で、音質も素晴らしい。

ウエスギ UTY-14

井上卓也

ステレオサウンド 121号(1996年12月発行)
「エキサイティングコンポーネント」より

 管球アンプメーカーとして最高の品質管理を誇り、安定度、信頼度がひじょうに高い上杉研究所から、好感度なフルレンジスピーカー駆動用の6CA7/EL34UL接続シングル動作のステレオパワーアンプ、UTY14が新開発された。本機はステレオサウンド社発行の管球王国Vol.2に製作記事が発表され、予想を超えた大きな反響があったもの。シャーシは100台が頒布された。それがさらに話題を呼び、今回完成品として限定生産されたのが本機。
 回路構成は簡潔で、12AX7の半分と6CA7の2段構成で少量のオーバーホールのNFがかけられている。音質面で最高と言われるシングル動作は、出力トランスの直流磁化が不可避で低域再生能力が問題となる。しかし、小出力アンプでは優れた出力トランスを使うことで、容易にクリアー可能な範囲のものだ。本機の出力トランスは、挿入損失が少なく活き活きとした表現力、音楽の生々しさに重点をおいたタムラ製作所との共同開発品。コアボリュウムがたっぷりとした、余裕のあるタイプが採用されている。
 機能としては、入力に2系統の入力切換えと音量調整をもち、プリメイン型として使える設計。SN比が高いためにマルチアンプシステムでの中域以上で、とくに高能率ホーン型につなげるなら、真空管アンプならではの音の魅力が発揮できよう。
 筐体は対称型デザインだが、左右ケース内には片側に2個の出力トランス、逆側に電源トランス、チョークコイルが組み込まれており、整流はダイオードによる。なお、使用真空管は、管球アンプ全盛期に米GEで製造された高級品である。
 B&W801S3は、本機に不適なスピーカーではあるが必要にして十分なパワー感があり、過度なクリップ感がない点がフォローしている。みずみずしく、ほどよくクリアーで力もあり、素直な音は心安まる印象だ。

エソテリック D-3

菅野沖彦

ステレオサウンド 121号(1996年12月発行)
特集・「ザ・ベストバイ コンポーネントランキング710選」より

 ティアック製最高級DACでD2のヴァージョンアップ・モデル。ペアになるトランスポートはP2sだ。入力〜出力の20ビット処理とジッターの40dB低減が注目される。同軸がRCA、BNCの2系統、光はSTリンクが標準。他にXLR端子のAES/EBUがある。高品位な音質は滑らかで厚みのあるもの。

アキュフェーズ DC-61

菅野沖彦

ステレオサウンド 121号(1996年12月発行)
特集・「ザ・ベストバイ コンポーネントランキング710選」より

 ディジタルプロセッサー単体として開発された製品。一体型CDプレーヤー、DP75のSFCを発展させて搭載し、リサンプリングは44・1kHzと48kHzが選択可能。片チャンネル6個の20ビットDACによるMMB方式を採用。同軸はRCA2、BNC1とTOS光入力にも対応する。

エソテリック P-30

菅野沖彦

ステレオサウンド 121号(1996年12月発行)
特集・「ザ・ベストバイ コンポーネントランキング710選」より

 ティアックの高級ブランドのCDトランスポートである。軽くテーパーしたアルミダイキャスト・ターンテーブルによる安定した回転構造には世界的に定評がある。DSRLL回路によるジッターを100分の1に減らす対策も注目される。価格以上の高品位な再生音が得られる優れたトランスポートである。

デンオン DP-S1

菅野沖彦

ステレオサウンド 121号(1996年12月発行)
特集・「ザ・ベストバイ コンポーネントランキング710選」より

 SシリーズとしてはDACのDA−S1とペア開発されたプレスティッジ商品である。アルミの砂型鋳物シャーシの重量級のトランスポートである。ディジタル信号の完全で安全な読み取りを目標として、音圧や光による外乱にさえも配慮した、パーフェクト主義思想が徹底している。CDは完全に密閉されて演奏される。

ビクター HMV

井上卓也

ステレオサウンド 121号(1996年12月発行)
特集・「ザ・ベストバイ コンポーネントランキング710選」より

 昭和初期以来の伝統を誇るビクターが伝家の宝刀ともいうべきHMVをシリーズ名とした、円熟した大人が使う高級ミュージックコンソレット。スピーカーや別売のレコードプレーヤー、専用ラックなどの木部は高級蓄音機に使われたマホガニー材で、天然の木ならではの風合いは結果の音にも巧みにマッチし趣味性は大変に高い。

ヤマハ YST-SW1000

井上卓也

ステレオサウンド 121号(1996年12月発行)
特集・「ザ・ベストバイ コンポーネントランキング710選」より

 等価回路から出発し、アンプの負性抵抗を応用してスピーカーの常識を破る低音再生能力を可能とした開発は、現在でも、いささかも色あせない見事な成果である。リモコン対応で左右2個使用では少々コントロールに苦労するが、DVDの超高域再生を受ける基盤として超低域再生は不可欠であるだけに、再び注目したい好製品。

パイオニア Exclusive Model 2404

井上卓也

ステレオサウンド 124号(1997年9月発行)
特集・「オーディオの流儀──自分だけの『道』を探そう 流儀別システムプラン28選」より

 ホーン型を中域以上に使う大型2ウェイシステムは、従来からスタジオモニターとして伝統的に使われてきたシステムではあるが、紙コーンの低域と、軽金属振動板採用のドライバーユニットとホーンを組み合わせた中域以上とでは、音色、感度、指向特性などが根本的に異なり、システムアップが非常に難しく、その成功例は想像以上に少ないようだ。
 とくにクロスオーバー付近では、特性を重視すれば音質、音色に違和感を生じ、平均的にはクロスオーバー域の音圧を弱めに設定して、音質、音色をコントロールする手法が用いられるようだ。
 また、大型ホーンで音像が前後方向に移動する例が多く、ある程度、システムとの距離をおいて聴く必要もあるようだ。
 しかし、基本的に高感度システムであるため、センシティヴで反応が速く、ダイナミックでパワフルな音が聴かれるために、少々個性型ではあるが、この種の音にハマると立直れない麻薬的な魅力があり、個人的には卒業したつもりではいるが、非常に危険な存在である。
 ホーン型スタジオモニターとして、私が世界の双璧と考えるシステムが、パイオニア/エクスクルーシヴ2404とウェストレイクBBSM15だ。両者の選択には悩ましいものがあるが、構成が単純な2ウェイ型であり、なおかつ、こめウェスタン以来の伝統的技術を抜本的にリフレッシュしたユニットを、低域、高域に採用し、音像の前後移動のない大型ホーンと組み合わせた、エクスクルーシヴ2404のシステムプランは、文字通り世界最高のシステムである。
 今年春には、本機に採用された新TAD系ユニットが単体として発売されるようになり、世界のモニタースピーカーメーカーに採用されるという噂もしきりというのが現状のようだ。個人的な見解では、低域は38cm2個が必須条件ではあるが、現在、市販されているスピーカーシステムのなかから選択しなければならないとすれば、2404しかないだろう。

ビクター SX-V1A(組合せ)

井上卓也

ステレオサウンド 124号(1997年9月発行)
特集・「オーディオの流儀──自分だけの『道』を探そう 流儀別システムプラン28選」より

 小口径フルレンジ型ユニットに、ボイスコイルそのものを抵抗分として直列に使用して低域再生能力を高めるという独自の設計を施し、これにスーパートゥイーター的な高域ユニットを加えたユニークなシステムが、ビクターSX−V1Aである。アルニコ磁石採用のウーファーとトゥイーターは真鍮ベースに組み込まれ、エンクロージュアはサブバッフルにVDE/2針葉樹系高密度材、その他は無垢マホガニー材採用と、小型ながら超豪華設計で、専用スタンドと組み合わせて、想像を超える豊かな音楽性のある音が楽しめるシステムだ。反応が速く鮮度感の高いスピーカーを活かすためには、同社のXL−V1/CDプレーヤーとAX−V1プリメインアンプがベストマッチだ。フロントパネルとボンネットを一体化した見事な筐体と、物量をふんだんに投入した設計は、クォリティが抜群に高く、趣味としてのオーディオを、大人が楽しむためにふさわしい組合せ。

ダイヤトーン DS-205(組合せ)

井上卓也

ステレオサウンド 124号(1997年9月発行)
特集・「オーディオの流儀──自分だけの『道』を探そう 流儀別システムプラン28選」より

 2ウェイ構成の放送モニターシステムとして名声の高い2S305系の技術を継承し、新素材振動板を採用して、現代のディジタルプログラム時代のコンシューマーモデルとして開発されたダイヤトーンDS205は、大変に魅力的な製品。モニターの基本構成は受け継いではいても、しなやかでほどよく反応が速く、響きの豊かなプレゼンスを狙って開発されたシステムであり、容量の大きなバスレフ設計が最大の特徴だ。CDプレーヤーは世界最高の一体型、ビクターXL−Z999が、高価ながら使って納得させられる力量が見事で必須の選択。アンプは、雰囲気と表現力の豊かさを狙えば優れた管球アンプが使いたくなる。入手がいまや困難かもしれないが、レプリカ版のマランツ7と8Bが想像を絶した、現代に通用する見事な音を聴かせる。一段としなやかでナイーブかつ鮮度感のある音を求めれば、U・BROSジュニア2とU・BROS1Kを使いたい。

テクニクス SL-1200MK3

井上卓也

ステレオサウンド 121号(1996年12月発行)
特集・「ザ・ベストバイ コンポーネントランキング710選」より

 1989年発売以来、世界的に超ベストセラーを続ける非常にトータルバランスの優れた製品。SL1200/1300系のモデルは、想像を超えた物凄い量を販売した実績があるだけに、世界各国の規格をクリアーしており、都市地域の強力なTV妨害や電源からの雑音排除能力が抜群に高く、安定した音は特筆に値する。

ビクター QL-V1

井上卓也

ステレオサウンド 121号(1996年12月発行)
特集・「ザ・ベストバイ コンポーネントランキング710選」より

 歴史と伝統を誇るビクターの「HMV」を冠したHMVシリーズ用に、現在では異例の新開発で完成されたが、独自のコアレスDDモーターの採用でメインテナンスフリーとした構想は注目点だ。マホガニーのキャビネットにコンパクトにまとめられ、HMVシリーズ専用ラックに組み込んだときの大人の雰囲気をもつまとまりが絶妙。

マイクロ SX-8000II System

井上卓也

ステレオサウンド 121号(1996年12月発行)
特集・「ザ・ベストバイ コンポーネントランキング710選」より

 現在では完全に開発不可能な超弩級アナログプレーヤーが生産されていることは、アナログディスクファンにとって素直に感謝すべきであろう。超重量級ターンテーブルを空気軸受で浮かし、ディスクを吸着する機能は、究極の方式として現在に至るまで前人未到の頂点を極めた設計である。生産続行を切望する超弩級機だ。

ソニー TA-ER1

井上卓也

ステレオサウンド 121号(1996年12月発行)
特集・「ザ・ベストバイ コンポーネントランキング710選」より

 超広帯域型バランスアンプユニットをベースに、不平衡型入力も特殊回路で平衡受けとする独自な設計が異例だ。音量調整はリモコン対応で、この部分の機構はメカマニア泣かせの魅力がある。色づけが皆無で素直に伸びやかな音を聴かせながら、表情に豊かさがあることが嬉しい。高い技術力を基盤に程よく音楽性を備えた名作である。

ラックス C-10

井上卓也

ステレオサウンド 121号(1996年12月発行)
特集・「ザ・ベストバイ コンポーネントランキング710選」より

 アナログプリアンプで最も音質に影響を与えるボリュウムコントロールに、まさしく前人未到の超弩級切換スイッチと超高精度・超高音質の抵抗を組み合わせ、それも平衡型として完成させた開発は驚嘆を覚える凄さがある。音に生彩があり、全土管の高さは異次元の世界。来年発売予定の高級ボリュウムに置き換えたC9も待たれる。

アキュフェーズ DC-300

井上卓也

ステレオサウンド 121号(1996年12月発行)
特集・「ザ・ベストバイ コンポーネントランキング710選」より

 同社のトップモデルD/AコンバーターDC91開発での成果を活かし、本格的なディジタルプリアンプとして将来までを見すえて開発された、時代の要求を満たす世界的にも唯一無二の貴重な存在。フォノEQなども別売モジュールで完全対応させ、将来的にはディジタルグライコ、チャンデバ等との連携も期待できる。

アキュフェーズ A-50

井上卓也

ステレオサウンド 121号(1996年12月発行)
特集・「ザ・ベストバイ コンポーネントランキング710選」より

 清澄にして見通しがよく、明快に音の一音一音を磨き込んで活き活きと聴かせるというのが観念的な純A級アンプの姿だが、それを現実のものとして示した、アキュフェーズの自信作。パワーの余裕は定格値の50Wを超えて4倍以上と充分にあり、一種の厳しさをもつ音はかけがえのない魅力。

アキュフェーズ P-700

井上卓也

ステレオサウンド 121号(1996年12月発行)
特集・「ザ・ベストバイ コンポーネントランキング710選」より

 高出力トップモデルはBTL方式とする従来の方針を変更し、通常のSEPP方式で最大かつ高安定度なパワーアンプを目標に完成されたステレオパワーアンプ。高性能な回路設計が素直に音に出ていた従来モデルと比べて、高性能なことが音楽性の豊かさに活かされるようになったことが実感的に聴きとれる大人の風格が嬉しい。

マランツ SM-5

井上卓也

ステレオサウンド 121号(1996年12月発行)
特集・「ザ・ベストバイ コンポーネントランキング710選」より

 超高級プリメインアンプでの実績を積み重ねて単体パワーアンプとした開発は手堅く、それだけに広範囲な検討を受けている。前段の蓄電池駆動可能な設計は前例のない構想で、プリアンプとの組合せが前提となるが、効果度は想像を超えて抜群。BTL使用時の音質劣化が少なく出力増加の利点が音として実感可能な点に注目。