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タンノイ System 215MKII(組合せ)

井上卓也

ステレオサウンド 124号(1997年9月発行)
特集・「オーディオの流儀──自分だけの『道』を探そう 流儀別システムプラン28選」より

 ホーン型ユニット採用のスタジオモニターのなかで、比較的にコンパクトで内容の充実した製品を探してみると、価格を含め、英タンノイのシステム215MKIIは、ぜひとも使ってみたいシステムである。専用スタンドが用意されていることも非常に魅力的だ。同軸2ウェイとウーファーの組合せで、2ウェイ/3ウェイ兼用設計が最大の特徴。今回の組合せは、バランス感覚を重視しているが、CDトランスポートは、世界最高のメカニズムに基づいた、超高SN比を誇るCDP−R10が必須条件。これに高SN比で音楽性豊かなXP−DA1000Aを組み合わせる。実際に使って大変に好ましいペアだ。アンプは高SN比が条件で必然的に国内製品を選ぶ。アキュフェーズ、マランツ、パイオニア、ラックスマンが候補になるが、SS試聴室のリファレンス機として責任を果してくれたアキュフェーズC290と、ソリッドで充実した音のA50に、DG28を加えれば万全だ。

タンノイ System 215

菅野沖彦

オーディオ世界の一流品(ステレオサウンド創刊100号記念別冊・1991年秋発行)
「世界の一流品 スピーカーシステム篇」より

 タンノイのデュアルコンセントリックというユニットは、その同軸型2ウェイという構造のために、音像定位や位相再現の忠実度が高く、モニタースピーカーとして適している。一方において、イギリスらしい趣味性の発現性が強いタンノイ製品だが、同時にモニターシステムの開発も常に見られた姿勢である。1990年にはそのモニターシステム・シリーズを大々的にスタートし、デュアルコンセントリックユニットの基本構造を新しくリファインしてモニター用のユニットとしたことが注目される。
 最大の変更は、デュアルコンセントリックが一つの磁気回路をウーファーとトゥイーターに共有させていたものを、それぞれ独立した磁気回路としたことである。磁気回路としてより余裕のあるものになったといえるだろう。このシステム215は、そのモニター・シリーズ中のトップモデルであって、15インチ口径のコアキシャルユニットと、同口径のウーファーユニットを併せもっている。タンノイでは、このモニター・シリーズの登場を機会に、今までのクラシックな木工家具調のシリーズをプレスティージ・シリーズと呼び、二つのシリーズのコンセプトの違いを表明した。モニター・シリーズはよりシンプルなバスレフ型のエンクロージュアをもち、ノンカラレーション思想を前面に打ち出している。しかし、受取り側としては、やはりタンノイはタンノイであって、その音の充実感や造形感の確かさには共通性を感じることができる。エンクロージュアがホーンとなると、それに独特の雰囲気がついて響きに個性が出るわけだが、このシリーズではそれを意識的に避けている。デザインもより現代的にすっきりとしていて、どちらかというとドライでクールだが、さすがにタンノイらしく美しい。家庭でもモダンなインテリアとマッチするだろう。音と外観に共通性を感じさせるのはさすがに世界の一流品、タンノイのトップモデルだ。