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ヤマハ NS-L225

井上卓也

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ ’77ベストバイ・コンポーネント」より

 3ウェイ構成のNS−L325を2ウェイ構成としたシステムだが、トゥイーターはコーン型とドーム型の特徴を備えた、やや特殊なユニットに変更されている。低域は量感が豊かであり、高域もクリアーで、音の鮮度はL325に勝り、滑らかでよくコントロールされた帯域バランスが、この製品の特長である。

ヤマハ NS-L225

井上卓也

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
「SOUND QUARTERLY 話題の国内・海外新製品を聴く」より

 この新製品は、型番にLをもつことから、さきに発売されたNS−L325のジュニアタイプと思われるが、システムの性格からは、むしろ普及機の価格帯で注目を集めたNS451の上級機として開発されたと考えるほうが妥当であろう。
 エンクロージュアは、合成樹脂を成形したパイプを使ったバスレフ型で、内容積は46・5ℓ、表面は落ちついたシャイニーオーク仕上げである。低音は25cm口径で、コーン紙にはNS451系の軽量ストレートコーンを使い、磁気回路にはアルニコ磁石と低歪化のために銅キャップ付のポールを組み合わせ11、000ガウスの磁束密度を得ている。高音は口径5cmのコーン型のセンターキャップに23mm口径のドーム型を複合させた構造をもち、コーン型とドーム型の利点を両立しているため、とくにラジアル型と呼ぶユニットである。このユニットは、ボイスコイルに、耐入力の向上と広帯域化の目的で銅クラッドアルミリボン線を、磁気回路にはアルニコ磁石を使い、14、000ガウスの磁束密度を得ている。
 このシステムは、2ウェイ方式にありがちな中域の薄さがなく、ゆにっとのつながりは十分にスムーズである。低域はやや暖色系でよく弾み、量感も豊かであり、中域以上はNS451とくらべると、むしろおだやかで粒立ちが細かく滑らかである。最近のように華やかな音をもつ製品が多いなかでは、このナチュラルさが特長である。