パイオニアのスピーカーシステムExclusive Model 3401Wの広告
(スイングジャーナル 1980年7月号掲載)
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パイオニア Exclusive Model 3401W
パイオニア Exclusive Model 3401W
菅野沖彦
ステレオサウンド 55号(1980年6月発行)
特集・「’80ベストバイコンポ209選」より
本格的なコンプレッション・ドライバーを中・高域に用いた40cm口径ウーファーの3ウェイ・3ユニット構成のシステムである。その音のアキュラシーはあくまで厳格であり精緻である。再生能力の限界は推り知れないほど大きいが、家庭での使用は必ずしも容易ではない。プログラムソースのアラもすべて掘りだしてしまうほどだから。作り仕上げの高さも第一級である。
パイオニア Exclusive Model 3401W
黒田恭一
ステレオサウンド 54号(1980年3月発行)
特集・「いまいちばんいいスピーカーを選ぶ・最新の45機種テスト」より
このスピーカーのきかせる音は、おそらくアップ・トゥー・デイトな音とはいえないだろう。どことなくおっとりしている。ききてをゆったりした気持にさせる音ということもできるかもしれない。ひびきの質は、あくまでもふっくらとしている。だからといって、個々の音に敏感に反応しきれていないかというと、そうではない。ただ、やはりどうしても、❶のレコードできけるような音楽より、❷ないしは❸のレコードできけるような音楽で、このスピーカー本来のもちあじが発揮されるということはいえるだろう。そして、もうひとあじ、高い方の音に輝きが加われば、全体としてのサウンドイメージが新鮮になるということがいえそうだ。このききてをたっぷりとつつむような音には、一種の風格がある。よくもわるくも、大人の音ということがいえるのかもしれず、そこがこのスピーカーに対する評価のわかれるところだろう。
総合採点:9
試聴レコードとの対応
❶HERB ALPERT/RISE
(ほどほど)
❷「グルダ・ワークス」より「ゴロヴィンの森の物語」
(好ましい)
❸ヴェルディ/オペラ「ドン・カルロ」
カラヤン指揮ベルリン・フィル、バルツァ、フレーニ他
(好ましい)
パイオニア Exclusive Model 3401W
瀬川冬樹
ステレオサウンド 54号(1980年3月発行)
特集・「いまいちばんいいスピーカーを選ぶ・最新の45機種テスト」より
基本的に、カチッと引締った、緻密だが、いくぶん硬い金属質を感じさせる。しかしその硬さや金属質の肌ざわりは、欠点とはならず、むしろ冷たい快感ともいえる魅力的な音色に仕上っていて、このまま鳴らし込んでゆけば、もっと柔らかさも出てくるのではないかという期待を抱くことができる。パワーはいくらでも入るという感じだし、上げるにつれて気持の良さも増してくる。かといって絞った音が悪いわけではなく、すばらしくクリアーで透明だ。レンジは十分に広く、バランスも良い。ただしレベルコントロールはMIDを−1に絞った方がよかったが、質感は極上。スカッと音離れもいいし、どこか国産離れした気持の良い鳴り方をする。背面は壁につけ、ブロック平置き程度の低めに設置して、重低音を十分に補うほうがいい。初期の製品の印象はあまりよくなかったが、ずいぶん練り上げられてきたと思う。
総合採点:9
●9項目採点表
音域の広さ:9
バランス:8
質感:8
スケール感:9
ステレオエフェクト:9
耐入力・ダイナミックレンジ:10
音の魅力度:9
組合せ:やや選ぶ
設置・調整:やや難し
パイオニア Exclusive Model 3401W
菅野沖彦
ステレオサウンド 54号(1980年3月発行)
特集・「いまいちばんいいスピーカーを選ぶ・最新の45機種テスト」より
本格的なコンプレッション・ドライバーを使った堂々たるシステムで、国産では数少ないヘビーデューティタイプである。3ウェイ3スピーカーのバスレフ型エンクロージュアだが、各ユニットのオーソドックスな高性能ぶりを完全に発揮させるには、使い方がかなり難しそうだ。どうみても悪かろうはずのないシステムなのだが、残念ながら私はまだ一度も納得のいく再生音を出したことがない。今回も新たな期待をもって鳴らしてみたのだが、特に大きく印象が変るところがなかった。ヴァイオリンはトゲのある音でギスギスしたし、ピアノにも立上りの鈍さに伴う柔らかく豊かな肉付きが不足した。滑らかであるべき演奏表現が、少々武骨になる傾向であった。実に立派に再生するのだが、あまりにもピントがよすぎて、ソースのアラが目立つという感じもする。しかし、これがレコード本来の音とは思えない。なぜ、もっと柔らかい響きや、暖かいニュアンスが再生されないのか、不思議な気がしてしまうのである。
総合採点:7
パイオニア Exclusive Model 2301, Exclusive Model 3401W, Exclusive C3a, Exclusive C10, Exclusive M4a, Exclusive M10, Exclusive F3, Exclusive P3, Exclusive P10
パイオニア Exclusive Model 3401W
井上卓也
ステレオサウンド 49号(1978年12月発行)
「第1回ステート・オブ・ジ・アート賞に輝くコンポーネント49機種紹介」より
昨年から今年にかけて、国内各メーカーから本格派のフロアー型スピーカーシステムが製品化され、世界的にも数が少なくなったこの分野にも、国内製品の占めるウェイトが徐々に大きくなってきたことは喜ばしいことである。それらのなかでも、EXCLUSIVEブランドのMODEL3401Wは、その性能、デザイン、価格を含めて極めてリーゾナブルであり、趣味的に眺めても非常に魅力的な雰囲気をもっているのが楽しい。
MODEL3401の開発にあたっては、一切の妥協を許さない究極のオーディオ製品をつくりだすというEXCLUSIVEの思想に基づき『豊かな情感の中に、大きなスケールと解像力に優れた音の世界を実現し、スピーカーシステムの存在を感じさせずに音楽に陶酔しきれるスピーカーをつくりたい』との理想をかかげ、忠実に技術的な基本を守り、ひとつひとつのユニットの完成度を高めるとともに、全体のバランスを重視して作りあげた、といわれている。
構成は、40cmウーファーをベースとし、ホーン型の中音と高音を配した3ウェイシステムで、エンクロージュアは比較的にキュービックなプロポーションをもつバスレフ型である。各使用ユニットは、反応の早い軽量振動系とリニアリティの高い支持系と駆動系を組み合わせ、あらゆるマスキング現象を徹底的に解明して防ぎ、どのような微妙な音もクリア一に聴きとれる解像力を引き出すことにポイントがおいてある。
40cmウーファーEL403は、大型のアルニコ系マグネット使用の低歪磁気回路、コルゲーション入りの強じんな新開発のコーン紙と、巻幅23mmで振幅16mmに耐える超ロングトラベルボイスコイルを使用しながら、出力音圧レベルは97dBと高く、しかも300Wの許容入力をもっている。
中音用には、ハイフレケンシードライバーユニットED915と独自の形状をもつホーンEH351の組合せで、500Hz〜22kHzの広帯域再生が可能である。ED915は、直径48mm、重量1170gのベリリウムダイアフラムに、アルマイト絶縁により極限まで導体体積占積率を高めたボイスコイルを組み合わせ、磁気回路はアルニコ系マグネット使用で、磁極には純銀ショートリングを付け、イコライザーは高域再生を優れたものにするために、3重スリット型を採用している。EH351Sは、平面波伝播部、球面波変換部、球面波伝播部を順次組み合わせたオリジナリティ豊かなホーンである。ホーンは2ブロックに分割され、第1ホーンはアルミ鋳造、第2ホーンは合板製で、ホーン材料による固有音の発生を抑え、かつ充分の強度を得ている。このホーンのメリットは音源中心が常に取付けるバッフル面にあるため、音響レンズのようにインダイレクトむ音にならず、シャープな音像定位とパースペクティブがとれることにある。
ホーン型トゥイーターET703は、直径35mmで重量55mgのベリリウムダイアフラムと、希土類マグネット使用で19500ガウスの磁束密度をもつ磁気回路との組合せで、ED915と同じ107dBの高い出力音圧レベルと45kHzまでのレスポンスをもつ。ホーンはディフラクションタイプである。
これらのユニットに使用するディバイディングネットワークEN907は、900Hz、7kHzのクロスオーバー周波数をもち、コイルは低抵抗・低歪型のコア入り、コンデンサーはメタライズドフィルムタイプ、音質に直接関係をもつアッテネーターはオートトランス型で最大300Wの入力に耐え、パネル面にはマルチチャンネルアンプ端子付である。
エンクロージュアは、高密度、高弾性、高損失という理想的特性をもつアピトン合板製で、内部にもアピトン集合材の補強が充分におこなわれている。なお、外装にはグレー塗装仕上げの3401と、木目仕上げの3401Wの2モデルが用意されている。
MODEL3401は、最近素晴らしく完成度が高まり、反応が早く明るく豊かな低音をベースとし、ホーン型ユニットにありがちな固有音がほとんどなく鮮明な音を聴かせる中音、爽やかに伸びきった高音がスムーズにバランスした魅力的な音を聴かせる。
パイオニア Exclusive Model 3401
井上卓也
ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ’78ベストバイ・コンポーネント」より
ホーンドライバーの経験を生かした充実した内容の本格派の製品。
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