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パイオニア Exclusive Model 2404

井上卓也

ステレオサウンド 137号(2000年12月発行)
特集・「ジャンル別・価格帯別 ザ・ベストバイ コンポーネントランキング863選」より

スタジオモニター「TAD」の技術を集大成した非常に内容の濃いシステム。高域ユニットは前例のない構造のドライバーとホーンの組合せ、低域は鋳鉄一体型フレーム採用という物量投入ぶりは実に凄い。独自設計のネットワークは別売りであるが、パッシヴ型のベスト作。超高域リボン型を加えた音は予想を超え楽しく見事。

パイオニア Exclusive Model 2404

井上卓也

ステレオサウンド 133号(1999年12月発行)
特集・「ジャンル別・価格帯別 ザ・ベストバイ コンポーネントランキング798選」より

比較的に古典的設計を守るホーン型システム。抜本的に入力系の直結化を計り、音圧が非常に高い振動板エッジ部の対策を施した設計が、ストレートに音に聴かれる成果は、異例中の異例。鋳鉄フレームの禁を犯したウーファー設計は、確信犯的な技術成果で、少し硬質だがビシッと決まる低音はスリリングでもある。

パイオニア Exclusive Model 2404

井上卓也

ステレオサウンド 124号(1997年9月発行)
特集・「オーディオの流儀──自分だけの『道』を探そう 流儀別システムプラン28選」より

 ホーン型を中域以上に使う大型2ウェイシステムは、従来からスタジオモニターとして伝統的に使われてきたシステムではあるが、紙コーンの低域と、軽金属振動板採用のドライバーユニットとホーンを組み合わせた中域以上とでは、音色、感度、指向特性などが根本的に異なり、システムアップが非常に難しく、その成功例は想像以上に少ないようだ。
 とくにクロスオーバー付近では、特性を重視すれば音質、音色に違和感を生じ、平均的にはクロスオーバー域の音圧を弱めに設定して、音質、音色をコントロールする手法が用いられるようだ。
 また、大型ホーンで音像が前後方向に移動する例が多く、ある程度、システムとの距離をおいて聴く必要もあるようだ。
 しかし、基本的に高感度システムであるため、センシティヴで反応が速く、ダイナミックでパワフルな音が聴かれるために、少々個性型ではあるが、この種の音にハマると立直れない麻薬的な魅力があり、個人的には卒業したつもりではいるが、非常に危険な存在である。
 ホーン型スタジオモニターとして、私が世界の双璧と考えるシステムが、パイオニア/エクスクルーシヴ2404とウェストレイクBBSM15だ。両者の選択には悩ましいものがあるが、構成が単純な2ウェイ型であり、なおかつ、こめウェスタン以来の伝統的技術を抜本的にリフレッシュしたユニットを、低域、高域に採用し、音像の前後移動のない大型ホーンと組み合わせた、エクスクルーシヴ2404のシステムプランは、文字通り世界最高のシステムである。
 今年春には、本機に採用された新TAD系ユニットが単体として発売されるようになり、世界のモニタースピーカーメーカーに採用されるという噂もしきりというのが現状のようだ。個人的な見解では、低域は38cm2個が必須条件ではあるが、現在、市販されているスピーカーシステムのなかから選択しなければならないとすれば、2404しかないだろう。