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ハフラー DH-101

菅野沖彦

’81世界の最新セパレートアンプ総テスト(ステレオサウンド特別増刊・1981年夏発行)
「’81世界の最新セパレートアンプ総テスト」より

 ハフラーのアンプは、考え方が根本的に違う。この考え方なら、しいてセパレートアンプを作らずに、プリメインアンプとして合理的に、すっきりまとめるべきだと思う。必要なことはこれだけだといわんばかりに、簡素につき離すように感じられ、使いたいという意欲が湧かないのである。見た目にも決して美しい製品ではないし、趣味性や情熱が感じられない。これでは、日本メーカーにつぶされても文句はいえまい。

音質の絶対評価:6

ハフラー DH101

瀬川冬樹

世界のコントロールアンプとパワーアンプ(ステレオサウンド別冊・1978年春発行)
「最新型94機種のテストリポート」より

 輸入品としてはかなりローコストの普及品的作り方であることを一応頭に置いて聴く必要があるが、その前提で聴くかぎり、これはとても素晴らしいコントロールアンプのひとつといってさしつかえない。さすがにこの分野ではベテランのハフラーの設計らしく、カンどころをしっかりおさえた上で、いかにも鮮度の高い音を鳴らす。おそらく回路に凝りすぎてないためだろう。音楽の表情がよく生かされて音の微妙な色あいの変化もほどよく再現される。高級プリのような磨かれた質感の良さや密度の高さにはわずかに及ばないが、価格の違いほどの音の差はない。ただマランツ510Mの系統よりはアムクロン300Aなどの穏やかな音の方がよく合うのではないかと思った。

ハフラー DH101

井上卓也

世界のコントロールアンプとパワーアンプ(ステレオサウンド別冊・1978年春発行)
「最新型94機種のテストリポート」より

 コントロールアンプとしては、いわゆるセパレート型アンプらしい性能とクォリティを狙った製品ではなく、限定された範囲内での性能、クォリティをベースとして、音楽を楽しむためのアンプとして開発されたアンプという印象の音である。
 聴感上での周波数レンジはナローレンジ型であるが、聴きやすく、柔らかく適度に活気が感じられる、大変に巧妙なバランスが保たれている。「サイド・バイ・サイド3」は、正確さはないがムード的に楽しく聴かせ、テルマ・ヒューストンでは、ヴォーカルを中心として、ダイレクトカッティングとしてではなく、中域ベースの安定した再生をする。この適度に楽しめる音が最大のメリットと思う。