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エソテリック DD-10

井上卓也

ステレオサウンド 121号(1996年12月発行)
「エキサイティングコンポーネント」より

 エソテリックの新製品DD10は、ディジタルジッター・アブソーバーもしくは、ディジタル・コントロールセンターの名称が与えられるであろう、従来にない機能をもったユニークなモデルだ。
 基本的には、音質に直接影響を与えるジッターを除去する働きをもち、D/A変換器でないことが特徴である。
 機能の中心となるものは、D30にすでに採用されている独自のDSRL(ディジタル・サーボレシオ・ロックド・ループ)で、100分の1までジッター低減効果があるとされている。
 入力系は、同軸、平衡、TOS、STと合計8系統。出力系は同軸、平衡、TOS、STの4系統を備え、+6dBから−42dBまでの利得制御、つまりディジタル音量調整機能があり、これがディジタル・コントロールセンターと呼ばれる最大のポイントであろう。
 有効ビット数20ビットで、動作型式48kHzと44・1kHz(DSRL)とPLLの3段階に、切替え可能。さらにDSRL時の補間がWIDE、NARROWの2段階、出力のまるめかたが、20ビットで下位ビット四捨五入、18ビットで下位2ビットのインバンド・ノイズシェイピング、16ビットで下位4ビットインバンド・ノイズシェイピングの3段切替えなどが選択可能である。
 各切替えスイッチの選択により、帯域バランス、音場感、音色、微小レベルの再生能力などが、かなり変化を示す。その組合せはひじょうに多く、かなり入念にマトリクス的に整理して音をチェックしないと、混乱を招くおそれがなきにしもあらず、という印象が強い。
 一体型CDプレーヤーをベースに、単体D/Aコンバーターを組み合わせて2種のアナログ出力の音を楽しむ使い方が行なわれているが、さらにDD10を加え、音のディテールの再生能力向上に挑戦することも面白いだろう。豊富な入出力系と音質調整を使い、パワーアンプ直接駆動も可能だ。組合せ機器が高度なほど、その効果度が高くなる点に要注意。

マイクロ DD-10

岩崎千明

ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)
特集・「’75ベストバイ・コンポーネント」より

 一見日本製であることを疑いたくなるほどの薄型プレーヤーは、なんとDDモーターなのだ。電源トランスを外部に取り出して、かってないSN比と形態が生まれた。