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ヤマハ B-I

井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ’78ベストバイ・コンポーネント」より

安定して落着いた音をもつ高級機らしい風格は現在も変らない。

ヤマハ B-I

瀬川冬樹

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ ’77ベストバイ・コンポーネント」より

 CIとともに、考えられるかぎりのぜいたくをしたパワーアンプで、しかも自社開発の新型FETをここまでこなした努力を高く評価したい。初期のものから少しずつ手が加えられ、音質も変ってきている。単体で使うより、メーターパネルをつけた方が見た目に落ち着きがよくいかにも高級感溢れた外観になる。

ヤマハ C-I, B-I

井上卓也

ステレオサウンド 41号(1976年12月発行)
特集・「コンポーネントステレオ──世界の一流品」より

 海外製品、国内製品ともに、セパレート型アンプのジャンルでは、新製品が意欲的に開発され、発表されているが、高級セパレート型に限ってみれば、すでに最新モデルではなくなったとはいえ、ヤマハのセパレート型アンプのプレステージモデルである、コントロールアンプCIとパワーアンプBIは、大変にユニークな存在であることに変わりはない。
 ヤマハが、文字どおりに世界に先駆けて開発したオーディオ用のバーティカルタイプ・パワーFETをパワー段に、並列接続ではなく、いわゆるシングルプッシュプルとして使い、150Wのパワーを確保し、しかも、前段の信号増幅系はすべてFET構成という、パワーアンプのBIは、回路構成のユニークさ、機構設計のオーソドックスさなど、どの面をとっても本格的な高級セパレート型アンプらしい。
 基本的なデザインは、米アルテックの業務用アンプなどと共通性があって、フロントパネルを持たない、機能優先の単純な魅力があり、オプションのピーク指示型メーターをもつ、コントロールパネルを付ければ、一般的なこの種のパワーアンプのスタンダードなタイプとなり、加えて5系統のスピーカーシステムがレベル調整付で使用可能という2面性は、大変に興味深いところだ。また、メーター付のコントロールパネルUCIは、専用ケーブルを使用すれば、BIから離してリモートコントローラーとしても使用できる特長がある。
 BIは、いわゆるFETアンプらしい音が表面的に感じられず、充分にコントロールされたトランジスターアンプと、あまり音質的な隔りがないところが特長である。聴感上の帯域バランスはナチュラルで、音の粒立ちが明快であり、粒子の角が適度に磨かれており、力強く、音を整然と整理して聴かせるタイプである。低域に力感があり、硬さ、柔らかさを対比して表現できる質感の再現性に優れ、中域でも音像の輪郭をシャープに見せるクリアーさが好ましい。表情はやや硬く、聴く側にある種の緊張感を要求するが、格調の高さは一流品ならではのものがある。
 コントロールアンプCIは、BIにやや遅れて登場した、やはり全信号増幅段をFET構成とした特長のほかに、本格的なコントロールアンプとして、ほとんど要求を満たすことが可能な、驚くほどの多機能を備えた製品で、コントロールアンプとしてこれほど重量があるモデルは他にないといってよい。
 連動誤差を抑え、かつスムーズに音量をセットできるスイッチ型でない、連続可変型のボリュウムコントロール、高音、中音、低音にわかれたトーンコントロール、連続可変型ラウドネスコントロール、ピーク指示型で多用途なレベルメーター、さらに、ピンクイズとサインウェーブの発振器など、ある種の簡単な計測まで可能という機能の幅は大変に広い。
 CIは、デザイン、機能がメカニックなことにくらべると、予想に反して非常に透明度が高い、澄み切った音である。音の反応はかなり早く、BIよりも、音色が明るく、伸びやかさが魅力的である。

ヤマハ B-I

菅野沖彦

ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)
特集・「’75ベストバイ・コンポーネント」より

 V−FETアンプの一号機としてヤマハが意欲的に発売した製品だけに、内容、機能の両面に充実した独創性を感じる。しっかりと締った音像、弾力に富んだ中低域は音楽的だ。

ヤマハ B-I

井上卓也

ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)
特集・「’75ベストバイ・コンポーネント」より

 ソリッドステートアンプの第二世代として注目されるFETパワーアンプである。いわゆるFETらしさが目立たぬ音が特長であり高出力A級アンプといった性格に注目したい。

ヤマハ B-I

岩崎千明

ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)
特集・「’75ベストバイ・コンポーネント」より

 このアンプぐらい高級マニアを刺激し、買い気をそそられたオーディオパーツはない。それは底力あるパワーと中域の管球アンプに共通する暖かさに魅せられるからだ。

ヤマハ B-I

瀬川冬樹

ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)
特集・「’75ベストバイ・コンポーネント」より

 各種の歪みを注意深くとり除いて磨きあげたという印象のクリアな音質。聴きようによっては少し素気ないと思わせるようなクールな、いかにも新しい世代を感じさせる音。