Tag Archives: AC300

オーディオクラフト AC-300C

瀬川冬樹

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ ’77ベストバイ・コンポーネント」より

 調整が正しく行われれば、レコードの音溝に針先が吸いつくようなトレーシングで、スクラッチノイズさえ減少し、共振のよくおさえられた滑らかな音質を楽しめるが、一点支持オイルダンプの基本動作を理解しない人が多いのか、調整ミスのまま真価を発揮させずに使っている人を意外に多く見かける。従って無条件に奨めてよいかどうか迷うのだが、私自身が最も信頼し愛用している主力アームの一本である。

オーディオクラフト AC-300C

菅野沖彦

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ ’77ベストバイ・コンポーネント」より

 AC300のリファインされたタイプがこのAC300Cである。オイルダンプの安定したトレーシングとダンピングにより、カートリッジの低域を素直に再生し、力のある再生音が得られ、金属的共振感は除去される。音のいいトーンアームなのだ。AC300と基本的には同じだが、こちらのほうが機能が豊富。

オーディオクラフト AC-300C

瀬川冬樹

ステレオサウンド 41号(1976年12月発行)
特集・「世界の一流品」より

 オイルダンプ型のアームはこれ一種類ではないが、現在のカートリッジの特性とにらみあわせて、アーム可動部分のスタティックな質量とその配分、そして実効質量、およびダンピングオイルの分量や制動量などのバランスのよく考えられた製品として、AC300Cを第一に推したい。オーディオクラフトというメーカー自体は新顔だが、アームの設計者はすでに有名な製品を設計したキャリアを持つこの道のベテランで、そのために第一作AC300から、細部までよく検討された製品に仕上がっていた。それにインサイドフォースキャンセラーを加えたAC300Cが現在の標準品だ。さらにスタティックの質量を増したAC300MCというのが試作され、この方がMC型のようなコンプライアンスの低い製品にはいっそう適しているが、汎用アームとしてはAC300Cが使いやすい。共振がよく抑えられ、トレーシングも良好。調整のコツをのみこめば非常に安心して使える。

オーディオクラフト AC-300

瀬川冬樹

ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)
特集・「’75ベストバイ・コンポーネント」より

 細部にはまだ未消化の部分がないではないが、一聴の価値あり。但し、8年前の本誌2号で、オイルダンプ再検討の必要性を論じた私としてはむしろ待ちくたびれたという感じ。

オーディオクラフト AC-300

菅野沖彦

ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)
特集・「’75ベストバイ・コンポーネント」より

 ワンポイント・サポート、オイルダンプ型のアームで、調整をきちんとすると大変音のいいアームである。随所にマニア・ライクなアイデアの見られるユニークな製品だ。