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ルボックス A740

菅野沖彦

’81世界の最新セパレートアンプ総テスト(ステレオサウンド特別増刊・1981年夏発行)
「’81世界の最新セパレートアンプ総テスト」より

 スチューダーのA68の相当品的存在。ただしこちらの方が価格は高い。たしかに、メーターなどがついている分、お金はかかっているはずだ。それとも、輸入元による値づけのためか……。いかにもヨーロッパのプロ機のムードからきたアンプで、決して、ファミリーユースのデザインイメージではない。100W+100Wのステレオアンプである。その生れ血筋からすると、もう一つ欲をいいたいアンプだ。

音質の絶対評価:7.5

ルボックス A740, BX350, B750

ルボックスのパワーアンプA740、スピーカーシステムBX350、プリメインアンプB750の広告(輸入元:シュリロトレーディング)
(スイングジャーナル 1978年8月号掲載)

A740

ルボックス A740

瀬川冬樹

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ’78ベストバイ・コンポーネント」より

音のひと粒ひと粒が磨き上げられたような品位の高さが素晴らしい。

ルボックス A740

井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ’78ベストバイ・コンポーネント」より

ヨーロッパ系アンプ独特の魅力を聴かせる数少ない貴重な存在。

ルボックス A740

ルボックスのパワーアンプA740のサービスマニュアル
Revox_A740_Serv

ルボックス B740

ルボックスのパワーアンプB740のサービスマニュアル
Revox_B740_Serv

ルボックス A740

瀬川冬樹

世界のコントロールアンプとパワーアンプ(ステレオサウンド別冊・1978年春発行)
「最新型94機種のテストリポート」より

 たとえば「オテロ」の冒頭のトゥッティを相当な音量で鳴らしても、それぞれのパートのあるべき姿で展開しながら決してわめいたり騒々しくなったりせず、一瞬のピアニシモではどこかひっそりした感じさえ与える。少しもギラつかないでしっとりと、どちらかといえば渋い感じのするところはヨーロッパ製品でなくては決して聴くことのできない音色で、そうした性格はことに弦やヴォーカルに長所を発揮してとても滑らかで品位の高い自然な音が楽しめる。といって、シェフィールドのパーカッシヴなエネルギー感や、テルマ・ヒューストンの黒人特有の声の艶とバックのコーラスを含めて聴きごたえのある音を出す。これはとても素晴らしいパワーアンプだ。

ルボックス A740

井上卓也

世界のコントロールアンプとパワーアンプ(ステレオサウンド別冊・1978年春発行)
「最新型94機種のテストリポート」より

 オーバーオールのまとまりがよく、滑らかで適度のしなやかさのある音を聴かせる。
 聴感上では、ナチュラルに伸びた周波数レンジをもち、ローエンドとハイエンドを巧みにコントロールして抑えている。バランス的には、低域は柔らかく落着き、中域は音の粒子の滑らかさ、細やかさはあるが、密度は少し薄いタイプである。
 音の表情はややパッシブで、ある範囲内でキレイに整理された音を聴かせるが表現力はかなりあるようだ。ステレオフォニックな音場感はスッキリと広がるメリットがあり、音源は少し距離感がある。低域軟調傾向は、4343とのマッチングがよくないせいのようだ。