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ナガオカ NR-I

瀬川冬樹

ステレオサウンド 12号(1969年9月発行)
特集・「最新カートリッジ40機種のブラインド試聴」より

 かなり美しい音質をもっているのだが、どこか柳腰美人のような腺病質的な音のカートリッジだ。音の左右の拡がりは充分よく出るが奥行きが不足して、従ってやや平面的な印象を免れない。オーケストラの強奏では中低域の充実感に欠け、腰が弱いシリつき気味の音で、ハイ・エンドの上がっているような音質である。ピアノではタッチの弱さや音像の輪郭の甘いところが先に立ちすぎて、ハープシコードのような音になってしまう。弦合奏はそういう癖が逆に美しさにもなるが、ユニゾンの厚みには欠ける。ロスアンヘレスの声は割合美しく、伴奏とのコントラストもよく出る。ジャズやムードでは意外に立体感がよく出て、ややハイ上がりながらおもしろく聴ける。かなり癖の強い製品のようだ。

オーケストラ:☆☆☆★
ピアノ:☆☆★
弦楽器:☆☆☆★
声楽:☆☆☆☆★
コーラス:☆☆☆☆
ジャズ:☆☆☆☆★
ムード:☆☆☆☆★
打楽器:☆☆☆★
総合評価:75
コストパフォーマンス:80

ナガオカ universe500, SYMPHONY

ナガオカのレコード針universe500、SYMPHONYの広告
(ステレオ 1967年9月号掲載)

Nagaoka

ナガオカ NM-33

岩崎千明

ステレオサウンド 2号(1967年3月発行)
「プレーヤー・システム・パーツガイド」より

 この所、針先チップのメーカーからのカートリッジがつぎつぎに発売されている。この中でも特に量産体制の万全なのがこのナガオカだ。そして、これは製品の質のそろっていることを意味し、この点こそ、市販製品の大きな格づけとなる。つまりナガオカはカートリッジでの分野で新進ながら筋金入りなのである。だからこそ今度の33、また次に控える44シリーズが、低価格ながら好評なのだろう。

ナガオカ Ruby Stylus, RECORD SPRAY, Royal V Cleaner

ナガオカの交換針Ruby Stylus、レコードクリーナーRECORD SPRAY、Royal V Cleanerの広告
(モダン・ジャズ読本 ’65 1965年4月増刊号掲載)

Nagaoka