デンオン/コロムビアの最近のブログ記事

デンオン SC-107

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菅野沖彦

ステレオサウンド 51号(1979年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'79ベストバイ・コンポーネントより

 3ウェイ5スピーカーシステムながら、明確な音像の輪郭と豊かな肉づき、バランスのいい自然な音を再現する本格派スピーカーである。

デンオン SC-106

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菅野沖彦

ステレオサウンド 51号(1979年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'79ベストバイ・コンポーネントより

 5cmコーン型トゥイーターを2個使う3ウェイ4スピーカーのシステムで、ナチュラルな音の感触が魅力のワイドレンジ型。ソースは選ばない。

デンオン SC-104/II

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菅野沖彦

ステレオサウンド 51号(1979年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'79ベストバイ・コンポーネントより

 ピアレスのユニットを採用した最初の製品のマイナーチェンジモデルである。25cmウーファーをベースにした3ウェイモデルだが、ロングライフを続けているだけあってまとまりやバランスが一層よくなって、実にナチュラルな音の出方をする。

デンオン SC-101

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菅野沖彦

ステレオサウンド 51号(1979年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'79ベストバイ・コンポーネントより

 同社の最新モデルで、小型ローコストにまとめられているが、再生音には癖がなく、それでいて決して物足りなくないという点で、いろいろなプログラムソースでも満足感が味わえる製品だ。
井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「読者の質問に沿って目的別のベストバイを選ぶより

 オープンリールのテープデッキを概念的に考えると、10号メタルリールを装着し、38cm/secで廻す2トラ38は、やはりテープデッキを入手しようとすれば、それ自体にこだわりたくなる存在である。
 たしかに、2トラック38cm/secの魅力は、業務用機器ではディスク制作用のマスターテープに使用される例に代表されるように、その情報量の大きいことはカセットデッキの約32倍であり、ディスクとはまったく異なった次元の音そのものにある。しかし、業務用機とコンシュマー用機との格差は非常に大きく、当然の結果として、それだけの価格差があるわけだ。これが2トラック38cm/secのデッキを考える場合の前提条件である。
 また、コンシュマー用機であったとしても、2トラック38cm/secの、これならではの世界を実感として味わうためには、特別の例でもないかぎり、マイク録音をしないかぎり鮮度の高いエネルギー感にあふれた音は得られない。平均的なFM放送のエアチェック用としては、送り出し側が19cm/secのことが多く、FM放送という電波の介在したプロセスを経れば、2トラック38cm/secでの録音は完全に録音側がオーバークォリティとなり、一般的には無意味といってもよい。
 さらに、テープのランニングコストを考えれば、コンシュマー用機には2トラック38cm/secは荷が重すぎ、現実の使用側をみても10号リールのテープは最初の1〜2本で、以後は7号が中心となるのが一般的な傾向である。
 最近の新しいデッキでは、2トラック19cm/secに焦点をあわせた製品が数を増す傾向が見受けられる。ルボックスB77がそれであり、デンオンDH510も38cm/secで使用できるが、基本的には19cm/sec指向型である。また、ポータブル機ではあるが、ウーヘル4200REPORT・ICやソニーTC5550−2も、このタイプの製品として貴重な存在である。
 2トラック19cm/secのデッキでの良い音を望む場合に必要なことは、そのデッキにピッタリとマッチしたテープの選択が重要である。ウーヘルとBASF・DP26HS、ソニーとDUADの組合せは定評があり、独特のテープオーディオの魅力をもった音を聴かせる。最近のテープには、従来の38cm/secを対象とした製品ではなく、19cm/sec専用のスコッチ♯1500/2000のようなユニークな製品が出ていることも19cm/secの魅力を一段と高めている。各社からこのタイプの製品が発売され、5号から10号にいたる選択の自由が得られれば、2トラック19cm/secは、コンシュマー用の主流となるはずだ。
井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「読者の質問に沿って目的別のベストバイを選ぶより

 カートリッジは、コンポーネントシステムの音の入り口にあるため、トータルのシステムの音にかなりの変化を与えるものである。実際に複数個のカートリッジを用意し、聴いてみれば、容易にバランス、音色、表現などの変化を聴きとることができる。
 ここてテーマとなっている「グレイドアップのワンステップとして......」ということになると、そのベースとなるプレーヤーシステムがどのランクの製品であるかが最大の問題点である。単に、音色の変化などを楽しむということであれば、それなりの他紙の身は味わえるが、確実にグレイドアップをしただけのクォリティ的な改良が得られる、という条件にこだわると大変に難しい。それに、価格的制限が2万円までとなるとなおさらである。ここでは、プレーヤーシステムとして平均的と考えられる、4万円台から6万円台を対象としてみよう。
 カートリッジの価格を2万円までとすると、国内製品ではオーディオテクニカAT14E、FRのFR5E、グレースF8L10、少し範囲をこすか、テクニクス205CIISが考えられる。これらの製品は、発電方式がMM型で使いやすく、音色や表現力の変化というよりは、優れた物理特性をベースとした、付属カートリッジとは一線を画した純度の高い音が得られる。最近、とくに注目されているMC型では、デンオンDL103、サテンM117Eがあり、103はこの場合、最近のアンプには付属していることが多いMC型用ヘッドアンプを使うことになる。ともに、MC型らしい鮮鋭な音と明瞭な個性をもった定評あるモデルである。
 海外製品では、ADC・QLM36/II、AKG・P6E、エンパイア2000E/II、フィリップスGP401II、ピカリングXV15/750E、シュアーM95ED、スタントン600EEなどに注目したい。これらは、国内製品にくらべ個性が明瞭であり、クォリティというよりは音色、表現力の差を楽しむという使い方になる。海外製品には他にも同価格帯、それよりもかなり下の価格帯に興味深い製品があるが、使用するプレーヤーの基本性能、とくに安定にカートリッジを支持できるアームを使うことが前提となる。
 整理すると、素直にクォリティアップを望むなら国内製品のMM型、よりシャープで解像力の優れた音を求めれば、国内製品のMC型、音色の変化や音に対する反応や表現力の変化を期待すれば、海外製品ということになる。
 ここでは、表示価格を2万円までとしたが、実際に購入する価格として考えれば、対象となる製品の幅は飛躍的に広くなり、本格的なカートリッジによるトータルシステムのグレイドアップが可能になるはずだ。
井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「読者の質問に沿って目的別のベストバイを選ぶより

 現在市販されているスピーカーシステムでは、価格的にみれば、もっとも製品数が多く、需要が集中しているのは、2万円台の後半から5万円台にいたる範囲である。とくに、ここでテーマとなっている3万円台から5万円台の価格帯は、現在の標準ブックシェルフ型システムでいえば、小型から中型の製品がほとんどであり、最近とみに注目を集めている超小型システムの海外製品は、この範囲に入るものもある。
 もともとスピーカーシステムは、機械的なトランスデューサーであり、エレクトロニクスを中心としたアンプのように素材・技術の急激な変化や発展がないために、この価格帯になかにも発売された時期がかなり古い製品も多く、見逃しがちである。しかし、基本的な性能・音質が優れていれば、最近のように進歩が著しいアンプでドライブすれば、発売時期での印象がかなり変化することをよく経験する。また、発売時点が古いということは、物価上昇を考えれば、現在の同等価格の新製品よりも物量を投入してつくられていることも見逃せない点である。
 スピーカーシステムで必要なチェックポイントは、ステレオフォニックな音場再現と音像定位の問題が基本であり、次に、音量の大小でバランスが変化しないことがあげられる。これらは、オーディオ的な経験や知識をほとんと必要とせずチェックできるメリットがある。また、FMチューナーの局間のノイズ、ディスクのスクラッチノイズやテープデッキのテープヒスなどのノイズの量と質に的を絞ってチェックすることも、少し慣れれば比較的に容易であり、スピーカーシステムにとっては、再生音で判断されるよりもはるかにシビアな方法である。
 以上を簡単に整理すると、音場感では、前後方向の遠近感が十分にとれるかどうかの点である。たとえば、楽器などが横一列に並ぶのは最悪である。また、音像定位では、ヴォーカルなどの音像が小さくまとまり、音像の輪郭がクッキリとし、音像が移動しないことが大切である。ノイズは量的に少ないのが当然好ましく、質的には耳ざわりなものや音楽や音に影響が少なく、分離のよいものが好ましいということになる。
 推選できる機種はすでに選出してあり、数量的な制約上で残した機種をあげることにするが、これらはやや古い製品や地味で目立たぬモデルがほとんどである。ダイヤトーンDS261、デンオンSC104、オンキョーM6II、パイオニアCS516/616、サンスイSP−L250、ビクターSX55、ヤマハNS−L225/325、セレッション・ディットン15XR、ダイナコA40XL、B&W・DM4/IIなどがこれに該当する製品である。

デンオン DH-710F

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菅野沖彦

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

コンシュマー機器として存在するが実質はプロ機。

デンオン DA-307

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菅野沖彦

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

やや甘さはあるが耳ざわりな音を完全にコントロールした製品。

デンオン DP-7000

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菅野沖彦

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

オリジナル設計を着実にリファインして得られた高性能をもつ。

デンオン DL-103

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菅野沖彦

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

代表的製品としての風格をもつロングライフな標準機。

デンオン DP-6700

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菅野沖彦

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

高性能と安定性、妥当な音質のバランスをもった使いよい高級機。

デンオン TU-1000

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菅野沖彦

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

操作性にヒューマニティを残した本格的高級チューナー。

デンオン PMA-830

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菅野沖彦

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

最新回路を使いこなしたウェルバランスの新鮮なサウンド。

デンオン SC-107

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菅野沖彦

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

自然な楽器の質感と聴感上優れたバランスのハイセンスなデザイン。

デンオン SC-104

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菅野沖彦

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

SC107の廉価板として完成度の高いバランスをもつ。

デンオン DR-750

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

現代のトップランクモデルらしい性能と見事な音を聴かせる超高級機。

デンオン DH-510

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

2トラック19cmに的をしぼった企画そのものが抜群の魅力である。

デンオン DH-710F

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

見事な走行系メカニズムをもつ安定感、信頼性の高い実力派の典型。

デンオン DA-305

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

シンプルな業務用機器的なデザインと性能がバランスした実用機。

デンオン DA-308

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

デンオンらしく安定度を一段と向上した信頼性の高さが魅力的。

デンオン DP-7000

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

業務用の経験をコンシュマー用に生かした性能と安定性は流石に見事。

デンオン DL-103S

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

現在の放送局用カートリッジとして抜群の安定度と信頼性の高さ。

デンオン DL-103

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

現在最高のロングセラーを誇るMC型の原点ともいえる傑作である。

デンオン DP-1600

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

ベストセラー機らしいオーバーオールのバランスの良さが魅力的だ。

デンオン DP-7700

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

定評あるデンオンプレーヤーを代表する完成度の高さが独特の魅力。

デンオン DP-2500

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

中級マニュアルプレーヤーとして推奨に値する性能と音質をもつ。

デンオン TU-1000

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

レギュラーサイズのシンセサイザーチューナーの手堅い製品である。

デンオン POA-1003

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

反応が早く鮮度の高い音は、いかにも現代のDCアンプの特徴だ。

デンオン POA-1001

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

個性的な構造、優れピークメーターと正統派の音をもつ確実な製品。

デンオン PRA-1003

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

適度に反応が早く、フレッシュな音をもつデンオンの新しい魅力。

デンオン PMA-850

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

全段プッシュプル構成の優れた性能を秘めた落着いた実力をもつ。

デンオン PMA-830

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

フレッシュな魅力を感じさせるA級動作付の新デンオンの力作。

デンオン SC-105

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

定評あるSC104をベースにしたオーソドックスなバランスが好ましい。

デンオン SC-106

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

新30cmウーファー使用のピアレスユニットを使いこなした代表作品。

デンオン SC-107

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

ダブルウーファーの使用の豊かで柔らかい低域ベースの安定感が魅力。

デンオン DL-103D

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瀬川冬樹

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

単なる優等生の枠から脱して音質に十分の魅力も兼ね備えた注目作。

デンオン POA-1001

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瀬川冬樹

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

デザインと設計の両面でよくこなれてバランスが良く信頼度が高い。

デンオン SC-104

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瀬川冬樹

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

こなれた響きの快さ。ピアレス社のユニットの使いこなしのうまさ。

デンオン SC-5000

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井上卓也

ステレオサウンド 56号(1980年9月発行)
「Best Products 話題の新製品を徹底解剖する」より

 デンオンのフロアー型システムは、古くはコロムビアブランドの時代から常にシリーズのなかに核時代を代表するモデルが存在していた。70年以降の最近の例でも、デンオンが輸入をしている米ボザーク社の大型システムの陰にかくれた印象があったが、41cm口径コラーゲンウーファーと中音及び高音にホーン型を採用したVSS8000、40cmコーン型ウーファーをベースに独特な音響レンズを持つホーン型の中音と高音を組み合わせたD9があった。
 今回のSC5000は、デジタル録音やダイレクトディスクに代表されるプログラムソース側の高性能化に対応すべく高能率、高耐入力、低歪率なスピーカーシステムを実現する目的で開発された新製品だ。その最大の特長は、High−M(高剛性)振動板を開発し採用した点にある。この新タイプ振動板は、低域用にはPタイプと呼ばれる、伝統的な紙の利点を最大限に活用し、特殊なリブ一体成型の特性ラミー繊維を木材パルプに配合し剛性を高めながらも軽量化が可能で、ピストン振動帯域を従来の約1・5倍の1kHzにまで高めたタイプを採用している。磁気回路は、直径220mmのフェライト磁石使用で低歪化がおこなわれ、直径100mmのボイスコイルの磁束密度は11、000ガウスを誇っている。
 15cm中域用と5cm高域用ユニットは、Tタイプと呼ばれる高弾性アラミド繊維織布を特殊樹脂で強化したコーン採用だ。磁気回路は中域用が直径140Mmフェライト磁石、高域用が直径120mmストロンチウムフェライト磁石採用で、それぞれ97dB、97・5dBとコーン型としては異例の高能率を発揮している。
 エンクロージュアは、側板が3種類の高密度パーチクル板をサンドイッチ構造とした35mm厚。他は25mm厚高密度パーチクルボード使用の185ℓのバスレフ型である。
 SC5000は、充分に余裕のある安定した低域をベースに比較的反応が速く、明るく軽快な音色の中域と高域がスムーズなレスポンスでつながるワイドレンジ型の音である。キャラクターが少ないため97dBという高能率ながら刺激的な感じがなく、ゆたりとエネルギー感のある音が聴かれる。アンプ、カートリッジに対する反応はかなり鋭敏で、固有のキャラクターの少ないタイプでないと本領が発揮されない。

デンオン PMA-970

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井上卓也

ステレオサウンド 55号(1980年6月発行)
「SOUND QUARTERLY 話題の国内・海外新製品を聴く」より

 PMA970は、既発売のコントロールアンプPRA2000と、独自のA級増幅を出発点とした高能率A級増幅を採用したPOA3000の基本構成をドッキングさせたプリメインアンプである。
 基本回路構成は、2段のダイレクトDCサーボアンプ間にRIAAイコライザー素子を置く、MC型使用可能なハイゲインDC構成CR型イコライザーアンプとリアルバイアス回路に寄る高能率A級増幅の100W+100Wのパワーアンプの2段構成である。トーンコントロールはパワーステージ前後のサーボ回路を利用するという、シンプルで信号系路を短縮化できるタイプ。
 電源回路は大型トロイダルトランスと33000μF×2の電解コンデンサーによるパワー段電源、電圧増幅段用とイコライザーアンプ用に独立した別巻線を使う定電圧電源と左右共通、前後方向分割の3電源方式であり、各ユニットアンプ部の電源インピーダンスを低くする設計である点がセパレート型と異なる。
 PMA970は、独自のダイレクトDCサーボ方式が従来より改良されたために、基本的に音の粒子が細かく磨かれ、スムーズに伸びた帯域感とナチュラルな表情のセパレート型の魅力を受け継ぐが、エネルギー感と緻密さが加わり、余裕の感じられる豊かさが新しい魅力となっている。音場感的な拡がりとパースペクティブ、音像のクリアーさもトップランクのプリメインアンプに応しい見事さだ。

デンオン SC-307

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井上卓也

ステレオサウンド 55号(1980年6月発行)
「SOUND QUARTERLY 話題の国内・海外新製品を聴く」より

 デンオンのSC304以上のシステムは、デンマーク・ピアレス社と共同開発のユニットを採用した点が国内製品としてユニークな存在であり、国産ユニットとはひと味ちがったユニットのキャラクターを充分に引き出した独自のサウンドと完成度の高さはすでに定評が高いが、SC304/306につづき、今回SC307が第2世代の300シリーズの型番で発売された。
 ユニット構成は従来のSC107を受け継いだ3ウェイ・5スピーカーシステムだ。ウーファーは、25cmユニット×2のツイン駆動方式。軽量振動系で35cmウーファーに匹敵する振動面積をもち、ユニット振幅が少なくリアリティが優れる特長をもつ。10cmスコーカーはフレーム一体構造のダイキャストバックチャンバー付で、裏面に制動材を塗布したノンプレスコーンとアルミボイスコイルボビン採用。トゥイーターは5cmコーン型のパラレル接続ツイン駆動だ。
 エンクロージュアは65・5ℓ密閉型。2種類のグラスウール、アルミ箔ラミネート型ブチルゴム制動、補強棧レス、ユニットは独自のサンドイッチ支持方式取付け。ネットワークは、コンデンサーは全て2個並列使用、種類はアルミ・プレーン箔電解、メタライズドフィルム型だ。
 本機はSC107に比較し、フラットな帯域感、素直な高域の伸び、粒立ちの細やかさなど完成度が格段に向上した。

デンオン PMA-950

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井上卓也

ステレオサウンド 59号(1981年6月発行)
「Pick Up 注目の新製品ピックアップ」より

 新製品PMA950は、既発売のPMA970の系統を受け継いだデンオンAクラス増幅方式採用のプリメインアンプ第2弾製品で、出力は80W+80WとPMA970の80%である。
 基本構成は、ハイゲインイコライザーアンプといいゲインパワーアンプの2アンプ構成である。イコライザーは、新開発の広帯域MC/MM切替型で、RIAA偏差は20Hz〜100kHzで±0・2dBのワイドレンジ設計で、CR・NF型が特長。さらにMM型使用時に高域での実装負荷による歪率増大を防ぐ特殊回路の開発で高域歪は十数分の1に低下している。トーンコントロールは、信号系路からコンデンサーを除去したリアルタイムトーンコントロールで、パワーアンプ部にある。
 パワーアンプは、将来プログラムソースとして登場してくるPCMプログラムをも考慮して、広帯域化、ハイスピード化がテーマとなったデンオンAクラス増幅採用。スピーカー実装時の歪増加を避けるリアルドライブ回路の開発で、純抵抗負荷時の歪率と実装時の差を少なくしている点に注目したい。ちなみに、純抵抗負荷時に比べ実装時の歪みは、スピーカーによって数十倍にまで増加することがあるとのことだ。
 フォノ入力を含むAUX、TUNERなどの入力信号は、トーンコントロール使用時を含み、スピーカー端子まで信号系にはコンデンサーがない完全DC構成である。
 電源部は大型トロイダル電源トランスと22000μFかける2の電解コンデンサー使用で、4Ω負荷100W+100W時のA級パワーアンプを充分にドライブできる能力を備える。なお、電源部はパワーアンプ部の中心部に配置され、ワイアリングは左右チャンネル等距離、最短距離とするパワー・カレント・ピュア・ラジェーション構造を採用しているのも構造上の注目点である。
 マイクロSX8000にMC20とAC3000MC及びDL305とDA401を使いPMA950を聴く。MC20では適度に広帯域で、反応が早くキビキビした音だ。音像は小さく、少し距離をおいて並ぶ。DL305にすると表情の伸びやかさと分解能が高くなる。PMA970より反応が早く、プレゼンスも優れた印象である。全体に軽量級の印象はあるが、鮮度が高く分解能が優れた現代アンプらしい魅力作だ。

デンオン PMA-S10II

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菅野沖彦

ステレオサウンド 133号(1999年12月発行)
特集・「ジャンル別・価格帯別 ザ・ベストバイ コンポーネントランキング798選」より

同社のプリメインアンプのセカンドモデルであるが、オリジナル時から大変好評なアンプであった。大電力素子のUHC−MOSのシングル・プッシュプルで100W(8Ω)、200W(4Ω)の出力が出る。このII型では筐体と電源にもさらに余裕をもたせ、内部をブロック構造としてノイズ対策も万全である。高水準のサウンドだ。

デンオン DP-S1

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菅野沖彦

ステレオサウンド 133号(1999年12月発行)
特集・「ジャンル別・価格帯別 ザ・ベストバイ コンポーネントランキング798選」より

1993年の発売以来、時は経っているが今もCDトランスポートのリファレンス的存在。その筐体は、正確な読取りを徹底した結果の重さだが16.7キログラムもある。同軸と光学式の3系統ずつの各種出力端子の他、XLR出力も持つ。同社のD/Aコンバーター、DA−S1のマスタークロックを受けて同期運転するST端子も備えている。

デンオン DP-900M2

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井上卓也

ステレオサウンド 133号(1999年12月発行)
特集・「ジャンル別・価格帯別 ザ・ベストバイ コンポーネントランキング798選」より

塗装仕上げが美しいランバーコア材のプレーヤーベース部と、ソリッドな感じのターンテーブルが醸し出す、アナログ時代の旧き良きプレーヤーらしい印象は、旧いファンにとっては、ノスタルジックな感銘さえ受ける雰囲気がある。トーンアームは少し華奢ではあるが、トレース能力は高く、ハウリングマージンも十分。内容の濃さが魅力。

デンオン SC-304

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井上卓也

ステレオサウンド 54号(1980年3月発行)
「SOUND QUARTERLY 話題の国内・海外新製品を聴く」より

 基本的には、従来のSC104IIをベースにシステムとしての完成度を一段と高めた新製品で、SC106に対する現在のSC306に相当する位置づけにあたる。
 デンマーク、ピアレス社製ユニット採用の3ウェイであることは従来と同様である。25cmウーファーは、デンオン独自のサウンドラチチュード特性を従来の測定法に加え、振動系と支持系をより追求して、ピアレス社と共同開発した新ユニットだ。コーンはノンプレス系でエアドライ方式の新乾燥法を採用。表面はアクリル系樹脂でスプレー含浸処理され、ボイスコイルボビンはアルミ製で高耐入力設計としてある。10cmコーン型スコーカーは、SC306同様、バックチャンバーとフレームを軽合金ダイキャスト一体構造とし、ウーファーからの振動を遮断する特長をもつ。3・2cmドーム型トゥイーターは、特殊布成型振動板を採用し100Wの耐入力をもつ。エンクロージュアは密閉型で、低音は独特のサンドイッチ方式マウントを採用。裏板部の一部は、アルミラミネートブチル系ゴムを貼り合せて振動モードを調整している。
 SC304は、サランネットを外した状態で高域レベル−2でウェルバランスとなる。SC104IIとの比較では、音色が明るくなり、活気のある表現力が加わった。重く力強い低域と明快な中域、独特の華やかさのある高域がバランスしている。

デンオン SC-304

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黒田恭一

ステレオサウンド 54号(1980年3月発行)
特集・「いまいちばんいいスピーカーを選ぶ・最新の45機種テスト」より

 音像の力感を示すとか、低い方のひびきのゆたかさを示すとかいった点では、かならずしも十全とはいいがたい。ただ、このスピーカーのきかせる音には、あかるさとさわやかさがあり、ききてをたのしい気分にさせる。それにもうひとついい忘れてはならないのは、個々の音への反応の敏感さだ。それがあるために、このスピーカーの音をきいて、ききては、軽快さを感じるのだろう。むろん、オーケストラのフォルテによる総奏の迫力を充分に示すとはいいがたい。本当の力強さ、あるいはスケール感を示すことはできない。そうしたことをこのランクのスピーカーに望んだら、多分、望んだ方が欲ばりすぎということになるだろう。だが、たとえば❸のレコードでの、アグネス・バルツァの強く鋭くはりのある声のシャープな提示などは、なかなかこのましい。つかいやすいスピーカーといえるかもしれない。

総合採点:8

試聴レコードとの対応
❶HERB ALPERT/RISE
(好ましい)
❷「グルダ・ワークス」より「ゴロヴィンの森の物語」
(ほどほど)
❸ヴェルディ/オペラ「ドン・カルロ」
 カラヤン指揮ベルリン・フィル、バルツァ、フレーニ他
(好ましい)

デンオン SC-101

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黒田恭一

ステレオサウンド 54号(1980年3月発行)
特集・「いまいちばんいいスピーカーを選ぶ・最新の45機種テスト」より

 ボクシングのランキングにたとえれば、モスキート級ということになるだろう。当然のことにヘビー級のスピーカーからきこえる音と比較して四の五のいってもはじまらない。こういうスピーカーには、こういうスピーカーなりの使い方があるし、できることなら重量級のサウンドを必要とするレコードはさけたいところだ。このスピーカーのいいところは、ひびきがあかるいところだろう。ただ、それは、逆の面からいえば、陰影にとぼしいということにもなる。強打されたピアノの音とか、ブラスの強奏などは、このスピーカーのもっとも不得手とするところだが、ひっそりとうたわれた歌のインティメイトな表情は、それなりになまなましい。もっともその場合にも、スピーカーとあまり離れないで、比較的近くできいてという条件はつく。使い手が、このスピーカーの持ちあじを心得て、愛情もってつかっていきる。

総合採点:7

試聴レコードとの対応
❶HERB ALPERT/RISE
(物足りない)
❷「グルダ・ワークス」より「ゴロヴィンの森の物語」
(ほどほど)
❸ヴェルディ/オペラ「ドン・カルロ」
 カラヤン指揮ベルリン・フィル、バルツァ、フレーニ他
(ほどほど)

デンオン SC-304

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瀬川冬樹

ステレオサウンド 54号(1980年3月発行)
特集・「いまいちばんいいスピーカーを選ぶ・最新の45機種テスト」より

 国産のスピーカー、ことにヤマハのようなサラッとした音と比較すると、いくぶんこってりと艶が乗る感じで、音の重心もやや低く、たとえばヴァイオリンの胴の鳴る音などもヤマハ(NS100M)より実感をもってきこえる。ポップス系の実況(ライヴ)録音などでも、会場のひろがりがとてもよく出て雰囲気感の描写も暖かいが、反面、鳴っている音自体の力あるいは実体感という点では、ダイヤトーン(DS32B)のあパワフルな充実感には及ばない。それはおそらく三菱よりも中音域が張っているためだろう。加えてトゥイーターの上限がスッとよく伸びているため、音の味の濃い割には爽やかな印象もあり、総じてなかなか良いスピーカーだと思う。背面は壁に近寄せぎみ。あまり低い位置に置かない方がよかった。カートリッジはDL303のようにくせの少ない音がよく合うのは当然かもしれないが、アンプにも同様のことがいえそうで、あまりアクの強くない音のアンプ──たとえばL01A等──が合うように思った。

総合採点:8

音域の広さ:7
バランス:7
質感:7
スケール感:6
ステレオエフェクト:7
耐入力・ダイナミックレンジ:7
音の魅力度:7
組合せ:やや選ぶ
設置・調整:やさしい

デンオン SC-304

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菅野沖彦

ステレオサウンド 54号(1980年3月発行)
特集・「いまいちばんいいスピーカーを選ぶ・最新の45機種テスト」より

 一口にいえば大変端正な響きということになる。つまり、品位の高い音だ。質的にも帯域バランス的にもバランスがよくとれていて、比較的スリムな全帯域のエネルギーバランスとなっている。そのため、決して豊満な響きではないし、それほど色艶の濃厚なものでもない。トゥイーター領域の倍音成分の再生がよく、そのために弦楽器はリアリティのある響きだ。決して刺激的にならずに、十分しっかりと鋭く高域を聴かせてくれる。人によってはやや冷たいと感じるかもしれないし、事実私も、音楽によってはもう少しウォームなふくらみのある音が欲しかった。オーケストラで云うと、LSOのようなイギリスのオーケストラにある響きのような雰囲気で、ベルリン・フィルのような重厚さや、ウィーン・フィルのような艶麗さとは異質のものだ。これは、鳴らし方である程度コントロールでき、100Hz以下を少々持ち上げてやれば、このシステムの細身な癖がとれるだろう。本質的な肉付きの薄さは救いきれないだろうが......。

総合採点:8

デンオン SC-101

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菅野沖彦

ステレオサウンド 54号(1980年3月発行)
特集・「いまいちばんいいスピーカーを選ぶ・最新の45機種テスト」より

 何の変哲もないオーソドックスなスピーカーシステムだが、小型ブックシェルフとしては大変よくまとまったシステムだ。まとまりだけでなく、一つの魅力をも備えている。鋭さと柔らかさが、ほどよくバランスしているところが強みで、楽音によって、時として鋭さが難となる場合があるが、オーケストラなどを聴いても実感のある雰囲気が楽しめる。全体の音色としては明るく、プレゼンスの豊かなもので、2ウェイらしい自然な音場感が楽しめる。ヴァイオリン・ソロではもう一つ弦特有のしなやかさが欲しかったが、ピアノは粒立ちのよい輝きのあるものだった。小型スピーカーだから圧倒的なスケール感を味わうには、低域の量感、出し得る最大音圧レベルからいって無理があるが、一般家庭での平均的な音圧レベルで聴くには不足はないだろう。トゥイーターがもう一つスムーズになると一層素晴らしいシステムとなるように思うが、かといって、それがこのシステムの味の素として、重要な因子なのかもしれない。

総合採点:9

デンオン DP-50M (L)

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井上卓也

ステレオサウンド 48号(1978年9月発行)
「SOUND QUARTERLY 話題の国内・海外新製品を聴く」より

 磁気記録スピード検出方式、両方向サーボによる電子ブレーキ付のクォーツロック方式DDモーターを中心とした新製品だ。ターンテーブルは、直径30cm、重量1・5kgのアルミダイキャスト製、トーンアームは、ラテラルバランスとアンチスケートが付いたS字型スタティックバランスタイプで、付属カートリッジはない。レーザーホログラフィ解析を利用したゴムシート、水晶発振器でパルス点灯するストロボを備える。なお、DP50Mはマニュアル機、50Lはオートリフト機能をもったセミオート化が導入されたモデルだ。

デンオン DK-300

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井上卓也

ステレオサウンド 48号(1978年9月発行)
「SOUND QUARTERLY 話題の国内・海外新製品を聴く」より

 DP80用に開発されたプレーヤーベースだが、他のデンオンのフォノモーターDP3000/6000にも使用可能だ。材料には、新しく開発されたインシュライトが使用してある。この材料は、2mm厚のブナ材にに特殊合成樹脂を含浸させ高圧のもとで加熱積層したものでDK300では70mm厚に積層した材料を使用している。
 仕上げは、独特の積層木目を活かしたタイプであり、アームボードは、4本のネジで取付けられていて交換が可能である。なお、シリーズ製品には2本アーム用のDK2300がある。
 DK300とDP80、それに、DA309トーンアームを組み合わせたシステムは、従来方式のターンテーブルを使った場合とはかなり異なった音がする。例えていえば、従来のタイプをやや硬質な、いかにもディスク的な音とすれば、2重構造ターンテーブルは、ラッカーマスターの音に近いと思う。固有の共鳴音が除去されたため、情報量としては一段と増大している印象である。

デンオン DP-80

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井上卓也

ステレオサウンド 48号(1978年9月発行)
「SOUND QUARTERLY 話題の国内・海外新製品を聴く」より

 デンオンのフォノモーターには、現在DP7000をトップモデルとして、DP6000、DP1700があるが、今回新しくDP80がシリーズに加わることになった。
 このニューモデルは、デザイン的には従来の製品よりもエッジを強調し、リジッドでよりメカニックな印象である。
 駆動用のモーターは、かなり大型の3相交流アウターローターサーボ型であり、当然のことながらDD方式である。このモーターはAC型であるため基本的にトルクムラが少なく、さらには3相モーターとなると逆転方向のトルクに対して働く回転磁界の3の倍数次高調波を打消す特長があって、よりSN比、ワウ・フラッター特性がよく効率も高くなるメリットがある。また、従来の同社モーターより一段とステーターの径を大きくし、この直径に適した極数を8極としたためスロットレスDCモーター同様の高い効率を得ている。
 サーボ方式は、デンオンが初期から手がけているターンテーブル内側に磁気コーティングをし、これに記録したパルスを回転検出用磁気ヘッドで検出するタイプで、これと9MHzの水晶発振器を基準とし分周した信号を位相比較するPLLクォーツロック型である。また、正回転、逆回転方向の駆動制御をしているため磁気ヘッド内部は2ヘッド構成で、方向検出用ヘッドがあることも特長だ。
 ターンテーブルは、直径30・8cm、重量3kgのアルミダイキャスト製だが、レコードをのせる上面ターンテーブルとモーターシャフトで固定される下面ターンテーブルをもった2重構造型で、両者はスプリングとダンピング材で連結してある。つまり、この構造により上面ターンテーブルは、プレーヤーベースから振動的にフローティングされており、上面の質量とスプリングのコンプライアンスでローパスフィルターを形成している。従って、外部振動に対しては、フィルター効果とダンピング材のエネルギー吸収でレコード面に伝わる振動は低減し、音響的なフィードバックにも効果があり、フィードバックマージンを大きくすることができる。
 その他の特長には、電子式ブレーキ、レーザーホログラフィ解析によるゴムシート、電源リレー採用による電源ON・OFFスイッチの除去のほか、プレーヤーベースがDP3000/6000と互換性があることがあげられる。

デンオン DP-7700

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黒田恭一

ステレオサウンド 48号(1978年9月発行)
特集・「音の良いプレーヤーシステムは何か クォーツロック・DDターンテーブル18機種をテストする」より

 ひびきそものに、一種の品位とでもいうべきものがある。決して粗野にはならない。それぞれのカートリッジのよさを無理なくひきだしているという印象である。その意味で、実にまとまりのいいプレーヤーシステムだ。あぶなげがまるでない。
 今回の試聴で用いたようなレコードには、よくフィットして、はなはだ好印象をいだいたのだが、さらにエネルギー感を求められるような音楽の場合には、このプレーヤーシステムの品位が、幾分マイナスに働くということもなくはないようだ。それは、このプレーヤーシステムの音が、ひびきを前に押しだすようなタイプのものではないことと、関係があるかもしれない。
 折目正しさ、破目をはずさない──というのは、たしかに、なににもかえがたい美点で、その美点は、このプレーヤーシステムのものだ。したがって、ききては、そこで安心して、きこえてくる音に対応できる。そういうききてを安心させるというのは、実は、なかなかむずかしいことだということを、ここで思いだすべきかもしれない。

デンオン DP-50L

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黒田恭一

ステレオサウンド 48号(1978年9月発行)
特集・「音の良いプレーヤーシステムは何か クォーツロック・DDターンテーブル18機種をテストする」より

 プレーヤーシステムとしての性格を、積極的か消極的かといったようなわけ方をするとすれば、このデンオンDP50Lは、消極的なプレーヤーシステムということができるだろう。しかし、むろん、消極的ということは、よくないということではない。この場合の消極的というのは、ごりおしにならない、音がはしゃぎすぎない、音像が肥大しない──ということで、それは、すっきりした音を望む人にとって、はなはだ望ましいことだと思う。
 とりわけ、シュアーV15タイプIVでの反応は、注目すべきものだったといえるのではないか。たしかにひびきそのものは薄味だったが、音像のひきしまり方など、このましかった。もしこのプレーヤーシステムでつかうカートリッジを、この三つの中から選ぶとなれば、必然的にシュアーV15タイプIVということになるだろう。
 そこでききてに与える印象が、たとえスタティックだとしても、ききてにかなりの音の見通しを可能にするということは、このプレーヤーシステムの美点といっていいように思う。

デンオン DP-7700

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黒田恭一


ステレオサウンド 48号(1978年9月発行)

特集・「音の良いプレーヤーシステムは何か プレーヤーシステムによって同じカートリッジの音がどのように変わったか」より


オルトフォンMC20で聴く

 声のなめらかさはかなりのものだ。きつくなりすぎないよさがある。音像は、幾分大きめだが、気になるほどではない。はった声も、硬くも、薄くもならない。ピッチカートも、たっぷりひびくが、ふくらみはない。


デンオンDL103Sで聴く

 実に鮮明だ。細部の見通しということでは、他のふたつのカートリッジよりはるかにまさる。それにここでのひびきには、つきはなしたようなそっけなさがない。はずみのあるひびきへの対応もいい。

シュアーV15/IVで聴く

 音像はきりりとひきしまり、ひろびろとした音場感を感じる。すっきりとしていて、とてもききやすい。誇張も、ねじまげも、無理もない。相反するひびきが、それなりに自然に提示される。

デンオン DP-50L

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黒田恭一


ステレオサウンド 48号(1978年9月発行)

特集・「音の良いプレーヤーシステムは何か プレーヤーシステムによって同じカートリッジの音がどのように変わったか」より


オルトフォンMC20で聴く

 音像は大きめで、オーボエよりクラリネットのひびきの方がきわだつ傾向がある。総じて、たっぷりとはひびくし、こえにまろやかさもあるが、細部がさらに鮮明に示されればさらにこのましいだろう。


デンオンDL103Sで聴く

 音像はほどほどで、ひびきに一種独特のなまなましさがある。このカートリッジのクールな性格がおさえられているのはいいが、もう少し細部が鮮明だと、さらに効果的だったのではないか。


シュアーV15/IVで聴く

 ひびきそのものは薄味だが、音像がひきしまって、声のしなやかさがあきらかになるのがいい。誇張感がなく、声とオーケストラのバランスもこのましい。ただ、ひびきは、あくまでも薄味だ。

デンオン TU-850

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井上卓也

ステレオサウンド 45号(1977年12月発行)
「SOUND QUARTERLY 話題の国内・海外新製品を聴く」より

 TU850は、デンオン独特の回転ドラム式ダイアル、2個のメーターをもつ個性的なデザインを踏襲した新製品である。
 中間増幅段の帯域切替、超高域FM検波器、NFBパイロットキャンセルのMPX、録音用発振器内蔵などが特長といえよう。

デンオン PMA-850

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井上卓也

ステレオサウンド 45号(1977年12月発行)
「SOUND QUARTERLY 話題の国内・海外新製品を聴く」より

 デンオンのプリメインアンプは、良き時代の高級感級アンプの面影を感じさせるPMA700Zが、DCアンプ化されマークIIIとして登場したばかりである。
 今回は、これにつづいて、1001、1003といったセパレート型アンプでの成果をベースとし、最新の技術動向の最先端をゆく回路構成を備えたPMA850が、新しく装いを変えて登場することになった。
 基本的な開発のポリシーは、格段のユニットアンプの特性を極限値まで追求し、いわゆるプッシュプルタイプの平衡型コンプリメンタリー構成を全段増幅に採用している。これにより、裸特性の良さを活かし、ダイナミックな音楽信号の歪補正を従来回路の製品より完全にしている。また、ダイナミックレンジを拡大する目的で、とくにSN比が重点的に追求され、同社の従来製品よりも約10dB向上しているとのことだ。
 機能的には、30mVの許容入力をもつMCヘッドアンプ、イコライザーとパワーアンプを直結するダイレクトカップルスイッチなどを備える。従来どおりのクロストーク特性の重視に加えて、左右別巻線のトロイダルトランス仕様の強力な電源部、DC構成の全段直結平衡型DCパワーアンプなどは、今回はじめて採用された。
 このモデルは、各構成アンプの素直で優れた性能がナチュラルに音に反映したかのような、明るい、伸びやかな現代のデンオンの音といえるものだ。従来機との違いは、ちょうど、カートリッジでいえばDL103と最新製品DL103Dの差と似ており、音の性質でも同様なことがいえる。新世代のデンオンを感じさせる磨き込んだ立派な音である。

デンオン DP-75M

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井上卓也

ステレオサウンド 59号(1981年6月発行)
特集・「'81最新2403機種から選ぶ価格帯別ベストバイ・コンポーネント518選」より

 ターンテーブル内側に磁気テープのような磁性体をコーティングし、これにパルス信号を記録し、磁気ヘッドで検出する精度の高いサーボ方式をDD型登場の初期から採用するデンオンが、この独自のDD型をクォーツロック化し、ターンテーブルに二重構造の振動防止機構を組込んだDP75フォノモーターをベースとしたシステム。DD型にありがちな、あいまいさがなく、穏やかで安定度の高い音は、リファレンス用としても使える。

デンオン POA-3000

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井上卓也

ステレオサウンド 59号(1981年6月発行)
特集・「'81最新2403機種から選ぶ価格帯別ベストバイ・コンポーネント518選」より

 数ある高能率A級増幅方式としては唯一のA級増幅をベースとしたデンオンAクラスは注目の技術である。パワーと比較して巨大な外形は、A級増幅を出発点としたため、一般のB級増幅スタート型より少し能率が低いこの方式の特徴を物語るものだ。カラレーションが少なく、スムーズに伸びたレスポンスとキメ細かく滑らかな音は、これ見よがしの効果的なタイプではないが、聴き込むに従って本来の高性能さが受取れる信頼性は高い。

デンオン HA-1000

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井上卓也

ステレオサウンド 59号(1981年6月発行)
特集・「MCカートリッジ用トランス、ヘッドアンプ総テスト(上)」より

 DL103Dの発売とほぼ同時に開発されたセパレート型電源採用のヘッドアンプで、利得切替は24dBと32dBの2段切替型だ。
 MC20IIは、ローエンドを少し抑えたワイドレンジ型で、ハイエンドはやや上昇ぎみのバランスとなる。いわゆるスッキリとした細身のバランスで、音の表情は淡泊でサッパリとし、音を整理し凝縮して小さく聴かせる傾向がある。音場感はナチュラルでプレゼンスはかなりのものだ。
 DL305は情報量も多く、滑らかに伸びたレスポンスと、トータルバランスの優れたクォリティの高さ、やや抑制の効いた素直な表情が特徴である。全体に音楽を凝縮して聴かせる傾向は24dBの利得の方にもあるようで、一般的にはもう一段とスケール感が欲しい。

デンオン AU-340

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井上卓也

ステレオサウンド 59号(1981年6月発行)
特集・「MCカートリッジ用トランス、ヘッドアンプ総テスト(上)」より

 広帯域、低歪をテーマに開発されたデンオン昇圧トランス中で最新の製品である。入力は、3Ωと40Ωの2種類が切替使用可能。
 MC20IIは、安定感のある低域をベースに、少しハイエンドを抑えた帯域バランスである。全体の線はクッキリと太く、楽器の基音成分をクッキリと聴かせるが、倍音の豊かさは今一歩という印象である。各プログラムには平均して対応しディスクのキャラクターを素直に引出す性能がある。
 DL305では、やや硬質でスッキリとナチュラルに伸びた帯域バランスと、細やかな粒だち、軽く明るい音色が特徴となる。全体に音を美しくキレイに聴かせる傾向があり、クォリティは充分に高いが、押し出しのよいパワー感とリアリティの面では少し不満が残る。

デンオン HA-500

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井上卓也

ステレオサウンド 59号(1981年6月発行)
特集・「MCカートリッジ用トランス、ヘッドアンプ総テスト(上)」より

 HA1000に続いて開発された製品で、利得は24/32dBの2段切替だ。
 聴感上の帯域バランスはあまりワイドレンジを意識させないナチュラルなタイプで、適度に分解能がよく爽やかな、,軽く明るい音が特徴で、使いやすい音の傾向と思われる。
 MC20IIを32dBで使う。クッキリと粒立つシャープで整然としたやや硬質な音である。全体に力があり、音像がグッと前にせり出す傾向があり、各プログラムソースをコントラストをつけて明解に聴かせる。
 DL305を24dBで使うと、安定した低域をベースに滑らかでスムーズな音である。音場感は32dBとは逆に少し奥に拡がるタイプに変わる。試みにFR2を32dBで使う。滑らかさとメリハリが両立した快適な音だ。

デンオン AU-320

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井上卓也

ステレオサウンド 59号(1981年6月発行)
特集・「MCカートリッジ用トランス、ヘッドアンプ総テスト(上)」より

 AU310の細身で素直な音と比較すると、低域の量感が一段と増加したことと、中高域に少し輝かしいクッキリとコントラストを付けるキャラクターがあり、トータルバランスを形成しているのが異なる点だ。
 MC20IIは、やや薄くシャープでクッキリとした音で、音場感の拡がりも一応の水準にある。しかし本来の音と比べると、中低域の豊かさが減り、中高域が硬質になっているのが判る。
 40Ωに切換えDL305にすると、全体に線が太い絵のように細部が見えず、音場の拡がりも狭くなる。DL103に替えると、低域の力強さと中高域の輝きが巧みにDL103の音にアクセントをつけて効果的に聴かせる。やはり、カートリッジとトランスの製作年代のマッチングの成果であろう。

デンオン AU-310

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井上卓也

ステレオサウンド 59号(1981年6月発行)
特集・「MCカートリッジ用トランス、ヘッドアンプ総テスト(上)」より

 高インピーダンス専用トランスでDL103、103S用に開発された製品。
 DL305では、ナチュラルな帯域バランスと、少し細身のスッキリとしたシャープな音となる。音場感はやや後方に拡がるタイプだが、ホールのプレゼンスは一応の水準で聴かれる。
 ロッシーニは適度に軽快さがあり安心して聴けるが、気をつけて聴くと分解能が不足気味で、反応も少し遅い。ドボルザークとなると中高域に少しキャラクターがあり、ホールの後の席の音だ。峰純子はやや硬めで、小柄なボーカルながらまとまりはよく、カシオペアもそれなりに聴かせる。
 DL103にすると帯域バランスがピタリと決まり、これなら納得という音だ。この変化は大変におもしろい。

デンオン DP-1800

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井上卓也

ステレオサウンド 42号(1977年3月発行)
「SOUND QUARTERLY 話題の国内・海外新製品を聴く」より

 デンオンには、すでに、プレーヤーベースの上板に天然大理石を採用した、DP3750があるが、このDP1800も基本的には、同じ構想でまとめられたプレーヤーシステムである。
 DP1700の上級modelである、このシステムは、まず、質量が大きく耐ハウリング性を向上するためと、デザインの両面からプレーヤーベースに天然大理石とパーチクルボードを接合して使用している点が目立った特長である。
 フォノモーターは、基本型は、DP1000で、ストロボスコープ窓部分にカバーが付けられた点と、レーザー光によって振動解析の結果、スピーカーからの音圧などによるレコード盤の振動を抑え、音質の劣化を防ぐ、新開発ブチルゴム系のターンテーブルシートを使っている。
 トーンアームは、S字型のスタティックバランス型で、1回転で2・5g針圧が変化する回転型のカウンターウェイト、ダイアル式のアンチスケート機構をもつが、アームボディとパイプ間に、ダイナミックダンピング機構が設けられ、パイプ自体をダンピングするほかに、プレーヤーベースからの振動を抑えて、カートリッジの性能を素直に引き出す設計である。
 このシステムは、音をスッキリと整理して聴かせるタイプである。聴感上の帯域バランスは、とくに伸びきった印象こそないが、ナチュラルであり、素直にカートリッジの音色を引き出す点は好ましい。このクラスのシステムとしては、基本的なクォリティも高く、オーソドックスな製品である。

デンオン PMA-701

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菅野沖彦

ステレオサウンド 42号(1977年3月発行)
特集・「プリメインアンプは何を選ぶか最新35機種の総テスト」より

 このアンプで一連の試聴レコードをかけると、不思議なキャラクターが加わる。ウッドベースは、エレキベースの表情を持ち始めるし、ピアノの音の抜けも悪く、冴えがない。フィッシャー=ディスカウの声は、気品が一つ落ちるし、アン・バートンの声は、娼婦的になるのである。オーケストラのfffは、コントロールを失うようだ。全体にさわやかさや、雰囲気が再現しきれないようだ。悪いことばかり並べたようだが、これを、そのまま極端に受け取られるとあまりこのアンプがかわいそうなので弁護すると、音の肌ざわりは、とげとげしたところがなくて、なめらかなほうだし、曇りの微妙なニュアンスを問題にしなければ、いわゆる歪み感はない。だから、このアンプだけを聴いていれば、そうしたことに気がつかない人もいるだろう。しかし、全帯域のエネルギー・スペクトラムが、どこか平均していないようなノイズのキャラクターも感じられるのである。

デンオン PMA-501

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菅野沖彦

ステレオサウンド 42号(1977年3月発行)
特集・「プリメインアンプは何を選ぶか最新35機種の総テスト」より

 フォノ・クロストーク・キャンセラーという武器を備えたアンプ。これを調整して使うと相当な効果がある。音場が一段と拡がってステレオフォニックな空間再現のイメージがはっきりと変るのである。この回路の入切による音質の変化はないので、大変有効なものだと思う。このアンプの音は、なにを聴いてもプログラムソースの持つ音、音楽のニュアンスをよく再現し、音楽を聴く意欲が損なわれない。どちらかというと、大型の高能率型のSPがよく、音の品位の高い、安定した再生が可能である。瑞々しい魅力が、やや硬いニュアンスとして再生される傾向にあるが、それだけに、音の充実感を強く訴えかけるのである。このクラスとしては音質面で高く評価したいアンプだ。ただし、トーン・ディフィートやモードスイッチなどの切替によるイズが出るのは、現在のアンプの水準からしてあまりにも無神経に過ぎる。それも、不安定な出方で、精神衛生上きわめて有害だ。

デンオン PMA-701, PMA-501

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井上卓也

ステレオサウンド 41号(1976年12月発行)
「SOUND QUARTERLY 話題の国内・海外新製品を聴く」より

 デザインを変えてイメージチェンジをした2機種の新製品は、デザイン以上に大変にユニークな機能を備えていることが特長である。この機能は、カートリッジのクロストーク特性をアンプ側で電気的にコントロールするためのPCC(フォノ・クロストーク・キャンセラー)と名付けられたものである。
 一般にカートリッジのクロストークは、中域の条件が良い状態でも、−20dB〜−30dB程度で、アンプ側のフォノ入力からスピーカー端子までのクロストークにくらべて大幅に劣っていることは、よく知られていることである。カートリッジのクロストークの位相特性を調べると位相差が0°付近と180°付近にあることから、左チャンネルから右チャンネルへのクロストークを例にとると、第一に左チャンネルの信号を適当な値で取り出し、極性を反転して右チャンネルに加えれば打消しにより数dB以上の改善が期待できる。第二に、第一の方法により打消すことができないクロストーク分は、信号分との位相差が±90°の成分であり、このためには移相器が有効であろう。
 以上の予想を基本として実験の結果は、周波数によっては10dB以上の改善が見られたとのことで、実際のPCCは、L→R、R→Lの両方でキャンセラーを動作させる必要があり、各チャンネルを2個のツマミで調整することになる。なお、カートリッジのクロストークは、アームへの取付条件までを含めれば、1個毎に異なるために個別の調整が必要で、その目的のために、調整用レコードがアンプに付属している。
 回路構成上の特長は、フォノ入力回路は切替スイッチやシールド線を使用せずイコライザー段に直結とし、入力インピータンス特性を向上させ、併せてそれらによるSN比の低下を防いでいる。また、電源部はデンオンのプリメインアンプとしては、はじめてのパワーアンプのB級増幅部分での左右独立トランスの採用の電圧増幅段、プリアンプ部専用の電源トランスをもつ、3電源トランス方式が使われている。
 PMA701と501の違いは、出力が70W+70Wと50W+50W、機能的には後者には、ハイフィルターがない。
 PCCによ、カートリッジのクロストーク調整は、付属している17cm盤のテストトーンのバンドを使っておこなう。片チャンネルについて、2個のコントロールを交互に調整して、信号が最小になる位置を探せば、調整は完了する。この調整は、割合いに容易であり、PCCスイッチのON・OFFで、クロストークの改善度が確認できる。効果は、かなり大きくPCCのONで、ワーブルトーンの調整信号音は、大幅に減少することが判るはずだ。音質的な変化は、音が全体にスッキリとして、間接音成分的な、あいまいな感じがなくなり、音像の輪郭が、一段とクッキリとして浮かび上がるようになる。このような効果は、ベースとなるアンプのクォリティが充分に高くないと望めないことだけに、新しい2機種のプリメインアンプは、アンプとして、デンオンらしいクォリティの高さがあることを裏付けているわけだ。この結果から予想すれば、もし単体ユニットでPCCが発売されるとしたら、より高級機との組合せで効果がありそうだ。

デンオン SC-107

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井上卓也

ステレオサウンド 41号(1976年12月発行)
「SOUND QUARTERLY 話題の国内・海外新製品を聴く」より

 国内のスピーカーシステムとしては、異例の海外製スピーカーユニットを採用したモデルとして成功を収めたデンオンのSC104の上級モデルが、SC107として発売されることになった。
 本機は、やや大型のブックシェルフ型システムだが、前面ネットの部分が色調として明るくなったために、外観からは既発売のSC104とシリーズをなすモデルとはわからない。
 ユニット構成は、3ウェイ・3スピーカー型で、各ユニットは、ユニットメーカーとしてヨーロッパで定評が高いデンマーク・ピアレス社製である。
 ウーファーは、口径25cmユニットを2個並列動作で使用している。コーンは、多孔質の紙に制動剤を塗ってある。スコーカーは、口径10cmユニットで、フレームは軽金属のダイキャスト製でバックチャンバーは一体化してある。コーンは、裏面に制動剤を塗ってあり、アルミ製ボイスコイル、発泡ウレタンのロールエッジ付である。
 なお、バックチャンバー内部には、リング状にグラスウールが入っている。トゥイーターは、口径5cmのコーン型ユニットが2個並列使用である。コーン紙は、制動剤が塗ってあり、センターキャップは薄いアルミ箔を成形して高域レスポンスを伸ばしたタイプである。
 LCネットワークは、ウーファー用Lだけが直径1mmの銅線をフェライトコアに巻いて抵抗値を抑えてあり、その他は空芯コイルである。コンデンサーは、すべてプレーン箔型を使用している。
 エンクロージュアは、完全密閉型で、5個のユニットは、ブチル系のパテを使って空気もれのないようにセットしてある。エンクロージュア材質は、リアルウッドの化粧板を張った、板厚20mmの硬質パーチクルボードが全面に採用してある。レベルコントロールは、エンクロージュアのリアパネルにあり、トゥイーターレベルだけが、連続可変で±2dBの狭い範囲だけ変化させるタイプである。
 本機は、トゥイーター、ウーファーともにパラレル駆動を採用した点に特長があるが、リニアリティを向上し、ダイナミックレンジを広くしようとの目的で、この方式が採用されたとのことで、とくにウーファーのパラレル駆動は、スピーカーシステムとして、設置場所の条件による影響を受け難いメリットがあるとしている。
 SC107の音色は、やや柔らかみがあるウォームトーン系である。低域から中低域は質感は柔らかいタイプだが、量感があり、豊かさが魅力である。中域は、さほど粒立ちが細かいタイプではないが、適度の張りがあり、ヴォーカルなどの音像は明快である。高域は、適度にハイエンドで帯域コントロールされているようである。トータルなバランスがよく、充分に抑揚があり、ハーモニーを豊かに再生するのがこのシステムの魅力である。

デンオン DA-307

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井上卓也

ステレオサウンド 39号(1976年6月発行)
「SOUND QUARTERLY 話題の国内・海外新製品を聴く」より

 デンオンの新製品は、ダイナミック・ダンピング方式を採用した、スリムなユニバーサル型トーンアームである。
 ダイナミック・ダンピング方式は、簡単にいえば、トーンアームの軸受を中心として、従来は、後のバランス用ウェイトとその軸であるアームの後部をゴムなどのクッションを介してフレキシブルに結合したのと逆に、ヘッドシェルを拭くんだ、アームの前の部分を、回転軸受に近い部分で、フレキシブル結合した方式と考えてよい。
 この方式の採用により、カートリッジの針先コンプライアンスとトーンアーム自体の等価質量で決まる低域共振を効果的にダンプすることができ、レコードの音溝にたいする追従能力が一段と向上している。したがって、オイルダンピング型アームのような追従性不良による低域の混変調歪や一点支持のための使いにくさ、オイル漏れがないというメリットがあり、さらに、プレーヤーキャビネットなどから伝わりやすい振動からカートリッジを保護でき、ハウリングにも強いために、使用するカートリッジの性能を充分に引出し、大音量再生が可能になったとのことである。
 軸受部は、ピボットベアリングとミニアチュアベアリングを採用した高精度、高感度設計で、感度は、水平、垂直ともに0・025g以下である。
 バランス用ウェイトは、太い筒型の後部アームの内部を移動するタイプで、針圧目盛は0・1gステップ、1回転が2・5gになっており、適合カートリッジ自重範囲は、5〜10gである。
 付属するヘッドシェル、PCL−5は、自重約6gのマグネシュウム合金ダイキャスト製で、DL−103を付け、針圧2・5gのときの、アームの等価質量は、20gと発表されている。
 付属機構は、オイルダンプタイプのアームリフターと、マグネチックコントロール方式のインサイドフォースキャンセラーがある。このインサイドフォースキャンセラーは、無接触方式であり、かつ、レコード位置によるインサイドフォースの変化にも対応することができる。また、アームのバランス調整時などでは、インサイドフォースのキャンセル量をコントロールするツマミを引出せば、完全にフリーの状態とすることができる。このタイプは、無接触型のため、クリティカルなカートリッジを使用中にでも、インサイドフォースのキャンセル量を演奏中に細かく調整できるメリットがある。
 このトーンアームは、パールトーンに仕上げてあるが、この仕上げが、従来のデンオンのアームにくらべても、格段に優れており、大変に素晴らしいできである。実用上では、各部の動きは滑らかであるが、独得なメカニズムをもっているために、シェルを交換したときや、アームのバランス調整をするときなどでは、何とはなく、グニャグニャして最初は少し使い難いようだ。

デンオン TU-355

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井上卓也

ステレオサウンド 38号(1976年3月発行)
「SOUND QUARTERLY 話題の国内・海外新製品を聴く」より

 基本的には、同社のPMA−255と組み合わせるFM専用チューナーである。フロントパネルは、チューナーとしては、横長型のスライドレールダイアルを廃して、2個の大型レベルメーターをもつ、個性型チューナーTU−500をベースにしている。TU−500と比較して変更されたのは、2個のレベルメーターが、フロントパネル左側に並んでセットされた点と、センターチューニングメーターが独立したことだ。
 TU−355のダイアルは、窓の部分こそ小型だが、直径12cmのドラムを採用しており、目盛りの全走行長では、28・3cmと長く、200kHzごとに等間隔目盛りであり見やすいタイプである。ダイアルの回転機構は、ステンレスシャフトと合金軸受の組合わせでフィーリングは、スムーズである。
 2個のレベルメーターは、それぞれ、チューナーの出力レベルを指示するが、左側は信号強度計として兼用している。メーター切替スイッチは、3段切替型で、リアパネルにあるエキスターナル端子からの信号を指示することも可能である。この場合には、フロントパネルにあるエキスターナル・アッテネーターを使い−30dBから+33dBまで、つまり、24・5mVから、34・6Vまでの指示が可能でエキスターナル端子の入力インピーダンスが200kΩ以上あるために、簡易な測定器としても利用できる。
 フロントエンドは、5連バリコン使用で、高周波一段増幅、段間トリプルチューンの同調回路とデュアルMOS・FETの組合わせ、信号系と制御系を二分割した2系統のIF段、PLL採用のMPX部のほか、オーディオアンプは2段直結NF型である。
 このチューナーは、音質的には、TU−500よりも、音の粒立ちがよく比較をすると、ややクリアーで抜けがよい。

デンオン SL-71D

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井上卓也

ステレオサウンド 38号(1976年3月発行)
「SOUND QUARTERLY 話題の国内・海外新製品を聴く」より

 デンオンのフレーヤーシステムでは、DP−3700Fのように、モデルナンバーの頭文字がDPではじまる一連のシリーズが、よく知られているが、今回、発売された、新しいシステムは、モデルナンバーがSL−71Dと付けられていることからもわかるように、異なったシリーズであり、以前のベルトドライブ型プレーヤーMTP−701などの後継機種と考えられる。
 直径33・8cmのアルミダイキャスト製ターンテーブルは、その外周部分が一段落ちになっていて、この部分に、ストロボのパターンが刻まれ、プレーヤーベースの左手前にある大型のネオンランプで照明されるが回転数の確認は、容易なタイプである。
 トーンアームの下側のパネルには、操作部分が集中し、それぞれが単機能でコントロールされる方式である。実効長235mmのS字型のパイプをもつトーンアームは、スタティック・バランス型で、メインウェイトを回転して、0.1gステップで3gまで針圧を印加できる。アームに付属するアクセサリーは、インサイドフォース・キャンセラーとアームリフターがある。アームは、全体が黒で統一してあるために、カーボンファイバー製とも思いやすいが、充分な剛性を得るために、硬質アルマイト加工された結果である。付属カートリッジはJM−16は、MM型で、0.5ミル針付のものだ。
 DD方式のモーターには、アウターローター型、ACサーボモーターを使用しており、回転数の制御は、周波数検出型である。
 本機は、このクラスのプレーヤーとしては、これといって目立つ点が少なく、平均的な印象の製品だ。しかし、いわゆる音のよいプレーヤーという言葉があるが、結果として得られる音質は、かなり高級プレーヤーに匹敵するものがある。全体に、音が引締まり、力強く、とくに、中域の下から低域にかけてこのことが著しい。
 プレーヤーシステムの音の差は、よく問題にされるが、現実に機種間の差は、かなりあり、その程度は、少なくともアンプ以上である。選択にあたって、ヒアリングテストが不可欠である。

デンオン DP-70M

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井上卓也

ステレオサウンド 55号(1980年6月発行)
特集・「'80ベストバイコンポ209選」より

 DP80での成果である二重構造ターンテーブルをアウターローター型ACサーボモーターでダイレクトドライブするマニュアルプレーヤーだ。アームは独自のダイナミックダンピング機構付。音質はナチュラルで抜けがよく、適度な緻密感をもつオーソドックスなタイプ。

デンオン DP-40F

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井上卓也

ステレオサウンド 55号(1980年6月発行)
特集・「'80ベストバイコンポ209選」より

 独自の開発による無接触式電子制御フルオート機構を採用したクォーツDD型プレーヤー。前面操作型でダストカバーを閉じたまま、レコード盤上の任意の位置に針先を落とせるポジションセレクター、電子式アンチスケートなどを備える。安心して使える中級機である。

デンオン DL-305

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井上卓也

ステレオサウンド 55号(1980年6月発行)
特集・「'80ベストバイコンポ209選」より

 振動系にアモルファス構造のボロンカンチレバーを採用した純粋MC型の超軽質量タイプだ。色彩感をあざやかに、分離よく聴かせるのは見事。

デンオン DL-303

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井上卓也

ステレオサウンド 55号(1980年6月発行)
特集・「'80ベストバイコンポ209選」より

 独自の十字型巻枠を非磁性体に変更し、純粋MC型とした最初のモデル。一聴してワイドレンジの現代型MCと感じられる音は、やはり純粋の一語で表現できる。

デンオン DL-103D

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井上卓也

ステレオサウンド 55号(1980年6月発行)
特集・「'80ベストバイコンポ209選」より

 103の現代タイプでありデンオンの標準モデルである。103Sよりもフラットなレスポンス、103より高いトレース能力の信頼感は高い。

デンオン DL-103

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井上卓也

ステレオサウンド 55号(1980年6月発行)
特集・「'80ベストバイコンポ209選」より

 独自の十字型巻枠を採用したデンオンMC型の原型ともいえる製品。ナチュラルなレスポンスと安定感のある音は、現在でもリファレンス的だ。

デンオン PMA-2000III-N

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菅野沖彦

ステレオサウンド 137号(2000年12月発行)
特集・「ジャンル別・価格帯別 ザ・ベストバイ コンポーネントランキング863選」より

プリメインアンプのスタンダードといってよいランクの製品で、ハイエンド機PMA−S1譲りの技術を継承するプリメインである。3世代にわたって完成度を高めてきたものだ。しっかりした音の造形の確かさと、音触の快感が得られる好ましいアンプである。電源部が充実しているので、音に厚みと深さがあるのがよい。

デンオン DP-7000

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井上卓也

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ '77ベストバイ・コンポーネント」より

 業務用ターンテーブルでは定評があるデンオンのコンシューマー用フォノモーターのトップモデルである。水晶制御による増速・減速のサーボシステムによりコントロールされるターンテーブルは、実際に使用して快適であり、とくに、スムーズに停止する止りっぷりは見事であり、音質的にも十分の信頼性がある。

デンオン POA-1001

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井上卓也

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ '77ベストバイ・コンポーネント」より

 マランツがソリッドステートパワーアンプの初期に採用した、2台のパワーアンプを機械的に結合してステレオアンプとする独得の発想が、現在のマランツよりもデンオンに受け継がれているのが大変に興味深い点である。パフォーマンスは、100W+100Wであり、量よりも質を優先する本来の意味でのセパレート型アンプらしさが感じられ、管球型POA−1000Bゆずりのレスポンスが速い出力計の支持は小気味よい。

デンオン PMA-700Z

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井上卓也

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ '77ベストバイ・コンポーネント」より

 最新技術内容を誇るプリメインアンプが数多く登場しているなかにあって、このモデルはすでに旧製品となったように思われるが、ゆったりと余裕があり、陰影の色濃い音を聴くと、何故かホッとした感じになるのが面白い。やはり、ある程度以上の完成度があるアンプは、時代を超越した独特な魅力があるようだ。

デンオン PMA-501

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井上卓也

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ '77ベストバイ・コンポーネント」より

 オーソドックスであり、やや保守的な路線を進んでいたデンオンのプリメインアンプは、要求に答えてか、このモデルの登場により、かなり今日的な姿に衣がえしたようである。このモデルは、質と量のバランス点を保ちながら、カートリッジのクロストークをキャンセルする機能をも備えているのがユニークだ。

デンオン SC-107

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井上卓也

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ '77ベストバイ・コンポーネント」より

 デンマーク・ピアレス社製のユニットを採用した、SC−104につぐ第2弾のシステムである。エンクロージュアのデザインはリファインされて明るく家具調となり、3ウェイ構成の低音と高音が同種ユニットの並列使用であることが目立つ点である。このシステムは、ハイファイ志向といった音ではなく、音楽を楽しむためにつくられた印象が好ましい。スケールが豊かで、落着いた音だが、かなり激しい音もこなせる実力がある。

デンオン SC-104

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井上卓也

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ '77ベストバイ・コンポーネント」より

 このところ輸入されたシステムを見ても、デンマーク・ピアレス社製のユニットを採用したシステムが急速に多くなっている。本機もピアレス社製ユニットの採用が特長であり、リーゾナブルなコストで、ヨーロッパ製品の魅力を味わえるのが楽しい。比較試聴では目立たないが、自分の部屋で好ましさがわかるタイプ。

デンオン DL-103S

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井上卓也

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ '77ベストバイ・コンポーネント」より

 DL−103をベースに近代カートリッジらしい広帯域化をはかったこのモデルは、当初はネガティブな評価もあったが、ディスク側、アンプ、スピーカーなどクォリティが上昇するにつれて、本来の性能の高さが発揮されるようになった。いわゆるスタンダードカートリッジとしての信頼性の高さは、DL−103ゆずりで製品の安定度は抜群である。優れたヘッドアンプと組み合わせると、いかにも広帯域型で鮮度が高い音である。
井上卓也

ステレオサウンド 39号(1976年6月発行)
特集・「世界のカートリッジ123機種の総試聴記」より

 デンオンのカートリッジは、SPの頃から業務用として開発され、現在の主力製品であるDL103およびDL103Sも放送を中心とした業務用の使用がほとんどで、製品としての信頼度や安定度が高く、製品間のバラツキがないことがもっとも大きな特長である。
 DL103は、低出力MC型で、AU320トランスを使用する。このカートリッジは定評が高いモデルだけに、安定したオーソドックスな音をもっている。現在のワイドレンジ型カートリッジとくらべれば、やや音の粒子は粗く、聴感上のSN比が気になることもある。聴感上の帯域バランスはナチュラルで過不足がなく、カラリゼイションが少ないために、この音を聴くとやはり業務用の標準カートリッジらしい風格が感じられる。音の輪郭はクリアーだが、線は少し太いタイプである。性質はマジメ型で落着いた印象を受けるが、表情はやや抑えられるようだ。プログラムソースとの適応性が広く、広範囲の使用に安定した音を再生するところが、よくも悪くも特長である。
 DL103Sは、103とくらべて粒立ちが細かく、より色付けが少なく、ワイドレンジ型である。聴感上の帯域バランスは、低域が甘口で、中低域あたりにタップリと間接音成分があってよく響き、中域はやや薄めで、高域はナチュラルによく伸びている。ヴォーカルのニュアンスをよく引き出し、ピアノも少し軽い感じにはなるが、スケール感があってよく響く。音場感はDL103よりも左右に拡がり、前後方向のパースペクティブを聴かせるが、音像はさしてクッキリと前に立つタイプではない。滑らかで歪感が少ない音だが、力感や実在感は、むしろDL103のほうがよい。トランスを使わずヘッドアンプの良質なものを使ったほうが、音の密度が濃くなり、爽やかで鮮度が高い現代型の音になるようだ。最新録音のプログラムソースとワイドレンジ型スピーカーを使う場合には、DL103よりもこの103Sのほうがはるかに結果がよい。
 DL107は、主に業務用として開発されたMM型で、現在の109シリーズのベースとなったモデルである。低域はダンピングが甘く、高域が上昇しているようなバランスをもつために、音のコントラストがクッキリとつき、華やかな感じの音である。
 DL109Dは、4チャンネルシステムに使用するワイドレンジ型のモデルである。粒立ちが細かく滑らかであり、低域が少し甘口であるが、中高域に輝きがあり、ヴォーカルは細かくなるが音像がよく浮び上がり、ピアノはスケールは小さいがクリアーに響く。音場感は広い空間を感じさせるタイプで、音像はクッキリと前に立つ。全体の表情はおだやかで、クォリティもかなり高い音である。
 DL109Rは、109Dとくらべ、粒立ちは少し粗くなるが、低域の腰が強く、音に厚味があり、力強い特長がある。音の輪郭が明瞭で、クッキリと音像は前に立づ。表情が若く活気があるのは109Dより面白い。

デンオン DL-103S

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井上卓也

ステレオサウンド 41号(1976年12月発行)
特集・「コンポーネントステレオ──世界の一流品」より

 スピーカーシステムやアンプ関係では、海外製品と国内製品は価格的に格差があり、市場で対等に戦うことはないが、ことカートリッジについては、価格、性能ともにあまり差はなく、他の分野にくらべて海外製品がかなりの占有率をもっている、やや特殊なジャンルである。しかし、発電方式をMC型に限定すれば、海外製品は欧州系のオルトフォンとEMTのみで、現在はこの2社以外にMC型を生産しているメーカーはない。これに対して国内製品は、圧倒的に銘柄が多く、その機種が多く、世界でもっとも多くMC型を生産している。国内製品のMC型は、すでにかなり以前から海外の高級ファンの一部に愛用されている。
 デンオンのMC型は、十字型の独得な磁性体の巻枠を採用した、やや高いインピーダンスをもつタイプだ。発電方式そのものが明解であり、二重カンチレバーによる軽量化を最初から採用している。第一作のDL103は、NHKをはじめ放送業務用に採用され、製品が安定し、信頼度の高さでは群を抜いた、いわば標準カートリッジといえるモデルだ。
 DL103Sは、103を改良し超広帯域化した製品で、最近の質的に向上したディスク再生では、聴感上のSN比が優れた、いかにも近代的カートリッジらしいスッキリと洗練された音を聴くことができる。製品間の違いが少ないため、信頼度が高い新しい世代のカートリッジを代表する文字通りの一流品だ。
井上卓也

ステレオサウンド 41号(1976年12月発行)
特集・「コンポーネントステレオ──世界の一流品」より

 ソリッドステートアンプ全盛とも思われる米国でも、一部では真空管アンプの要望は絶えることがなく、新設計のモデルが新しい世代の真空管アンプとして登場している。デンオンのセパレート型アンプのトップモデルとして開発されたコントロールアンプPRA1000BとパワーアンプPOA1000Bも、昔なつかしい、管球アンプではなく、現代のソリッドステートアンプの技術を、独得な性格をもった増幅素子である真空管に導入してつくられた新世代の真空管アンプである。
 コントロールアンプPRA1000Bは、フロントパネル下側にヒンジつきパネルをもつシーリングポケットをもち、常用するコントロール以外は、この内部に収納した簡潔なデザインに特長がある。性能面では、SN比が高く、フォノ入力およびAUX入力などのハイレベル入力部分の許容入力が大変に高く、それでいて左右チャンネルのクロストークが非常に少ない、いわば真空管の特長を活かし、欠点を抑えた、現代的な設計である。
 パワーアンプPOA1000Bは、かつてのマランツの名器として定評高かった#9Bを、現代的にモディファイした印象を受ける、管球アンプらしい素晴らしいデザインと仕上げが魅力である。出力管には、東芝の6G−8Bをプッシュプルとし、カソードNF巻線付の広帯域型出力トランスとのコンビで、100W+100Wのパワーを得ている。いわゆる並列接続でない、シングルプッシュプルのパワーアンプとしては、もっとも大きなパワーであろう。
 パネル面の2個の大型メーターは、ピーク指示型で、高域は、50kHzまで平坦な指示が可能であり、指針の動きも大変に良い。このアンプは、いわゆる管球アンプらしい情趣のある音はまったくなく、ストレートで力強く、充分に拡がった音場感タップリの音を聴かせるあたりが、新世代の管球アンプらしい独得な魅力である。デザイン、性能、音質ともに、世界の一流品である。

デンオン DP-7700

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井上卓也

ステレオサウンド 41号(1976年12月発行)
特集・「コンポーネントステレオ──世界の一流品」より

 デンオンのプレーヤー関係の製品は、もともと同社が放送局用をはじめとして、業務用のプレーヤーシステムやテープデッキを手がけているだけに、堅実で安定度が高く、耐久性に侵れた特長がある。
 一般のコンシュマー用のプレーヤー関係の製品は、ターンテーブル内側に独得の磁性体を塗布し、これに記録した磁気パルスをヘッドで検出し、速度制御をするダイレクトドライブ・フォノモーターDP5000を登場させて以来、ユニークな操作性の高いデザインと侵れた性能、さらに音質の良さでもっとも信頼性のあるプレーヤーシステムとして、一連のシリーズ製品はそれぞれの価格ランクで高い評価を得ている。しかし、最近の第三世代のダイレクトドライブ方式といわれる、水晶発振器を基準信号として高精度、高安定度に速度制御をおこなうタイプの製品が数を増してくると、デンオンからもトップモデルとして、このタイプの製品の登場が待たれるのは当然のことである。その意味では、水晶発振器制御型のフォノモーターDP7000を使ったプレーヤーシステムのDP7700は、期待をになって登場したデンオンらしいトップランクのモデルである。トーンアームは、ユニークな機構をもったDA307、プレーヤーぺースは大型で重量級のタイプである。近代的な高級カートリッジの性能を充分に引出し、素直に反応を示し、定評あるダイレクトドライブ型モーターは、水晶発振器制御で一段と静かになり、トルクも高くなっている。デンオンらしい製品である。

デンオン DL-103S

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黒田恭一

ステレオサウンド 48号(1978年9月発行)
特集・「音の良いプレーヤーシステムは何か プレーヤーシステムによって同じカートリッジの音がどのように変わったか」より

●デンオンDL103Sの基本的性格
 味もそっけもない──という否定的ないい方も、多分、不可能ではないだろう。ことさらひびきの表情をきわだてるタイプのカートリッジではないからだ。ただ、このカートリッジのきかせる音は、いつでも、大変に折目正しい。いつまでたっても、足をくずさずに、正座しつづける男のようだ。しかし、語尾を笑いであいまいにしてしまう男のはなしより、しっかりした声でいうべきことを、しかも感情をおさえぎみにはなす男の方が信用できると思うこともなくはない。しっかりしていて、あいまいさを残さない。どちらかといえば寒色系の音で、ひびきの角をしっかり示す。見事なカートリッジだ。

デンオン SC-304

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菅野沖彦

ステレオサウンド 55号(1980年6月発行)
特集・「'80ベストバイコンポ209選」より

 デンオンSC304は、中型システムといえるもので、ユニット構成は3ウェイ。ウーファーは25cm口径だから、このクラスとしては大きい。スコーカーは10cmコーン型、トゥイーターはドーム型だ。ワイドレンジで解像力のよい再現が得られるが、中高域にやや未完成なアンバランス感がつきまとうのが惜しい。しかし、それもパルシヴなジャズやロックではまったく気にならず、明るい迫力が魅力的だ。

デンオン SC-101

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菅野沖彦

ステレオサウンド 55号(1980年6月発行)
特集・「'80ベストバイコンポ209選」より

 デンオンSC101は、きわめて質のよい小型ブックシェルフで、その明るく透明な音の美しさは、このクラス(1本5万円未満)の中でも特に優れたものといえるだろう。20cmウーファーとドーム・トゥイーターの2ウェイで、レンジもかなり広く、バランスは美しくまとめられ、すべての音楽をいい意味での〝精緻な箱庭〟として楽しく聴かせてくれる。

デンオン SC-307

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菅野沖彦

ステレオサウンド 55号(1980年6月発行)
特集・「'80ベストバイコンポ209選」より

 デンオンSC307は、かなり大型のブックシェルフシステムで、現在のところ同社のスピーカーシステム中の最高モデルである。25cm口径ウーファーを2つ使い、10cm口径スコーカー、5cm口径トゥイーター×2という5ユニットの3ウェイ構成である。マルチユニット構成ながら全体の音のまとまりは悪くない。かなりスケールの大きい大音量再生を楽しむことができる。

デンオン SC-306

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菅野沖彦

ステレオサウンド 55号(1980年6月発行)
特集・「'80ベストバイコンポ209選」より

 デンオンSC306は3ウェイ・4ユニット構成のブックシェルフの本格派。ウーファーの口径は30cmで、4kHz以上を受け持つトゥイーターが2つ使われ歪とリニアリティの改善を計っている。全帯域にわたって音の質のコントロールがよく整い、癖のない自然な音色再現が得られる。小入力から大入力への直線性も優れ、音量の変化にともなう音色変化も少ない。

デンオン SC-101

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瀬川冬樹

ステレオサウンド 54号(1980年3月発行)
特集・「いまいちばんいいスピーカーを選ぶ・最新の45機種テスト」より

 このサイズではいわゆる重低音を望むのは無理であるのは当然だが、リスナーの目よりやや低めで廃品を固い壁に近寄せて設置すれば、低音の量感も一応補われる。中〜高域にわずかに張りがあって、それは一見線の細いようにも感じさせるが、反面、高域端(ハイエンド)にかけてくせが少なく素直で、レインジも十分広いため、質の良い艶が感じられ、実況録音(ライヴレコーディング)などの雰囲気もなかなかよく出る。アンプとの適応性はあまり神経質でなく、価格相応のローコストアンプでもよさは一応抽き出せる。ただ、カートリッジはエラックのようにやや個性の強い音の場合、中〜高域が少し張りすぎる傾向もある。
 同価格帯のライバル機種の中では、オンキョーM55ほどの重量感は出ないがヤマハNS10Mよりはもう少しこってりした味わいがある。反面、ヤマハやビクターのあの明るい軽やかさと比較すると、いくぶんほの暗い感じも受ける。音楽はポップスからクラシックまで、広い傾向に適応できる。

総合採点:9

❶音域の広さ:6
❷バランス:7
❸質感:6
❹スケール感:5
❺ステレオエフェクト:6
❻耐入力・ダイナミックレンジ:6
❼音の魅力度:7
❽組合せ:普通
❾設置・調整:やさしい
岩崎千明

サウンド No.7(1976年発行)
「岩崎千明のグレート・ハンティング これだけは持ちたいコンポ・ベスト8(アンプ編)」より

 デンオンはこの数年来、高級プリメインアンプでもっとも成功しているブランドだ。昨今話題となっているステレオ右、左のクロストーク特性においても、製品の新型に2電源トランスを用いてアピールしている他のメーカーのような処置は何んらとっていないのだが、実際にはデンオン・ブランドのプリメインアンプのクロストーク特性ほど優れて、2電源の他社製をはるかにしのぐ。ステレオ初期から「ステレオ」用としての基本特性である左右セパレーションを重視しているから当り前であって、何をいまさらというのが、デンオンを作る日本コロムビアのメーカー側の言い分だ。当然である。
 コロムビアの昔の製品に「ステレオ・ブレンド・コントロール」というつまみが付いていたが、左右を混ぜてステレオからモノーラルの間を可変にし、2つのスピーカーの間の拡がりを変えているわけだが、こうしたステレオコントロールを付けるには、始めからステレオのクロストークを十分良くしておかなければならず、それがデンオンアンプのステレオ用としての優秀性を築いてきたのだろう。
 このように基本特性の優秀性はデータの上にはすぐ出てこないけれど、本当のアンプの良さを示すものといえよう。話題になって初めて、ある部分がクローズアップされる。本当に良い製品は、こうした部分的な面が解析されると、すでに手を打ってあって、いつの時代でも優秀性がくずれない。デンオンの新しい管球アンプ1000シリーズは、管球という昔ながらのディバイスを再認識して現代の技術で作り上げた高級品といわれる。つまり、トランジスタ技術を活用した新しい時代の管球アンプなのである。
 だから6GB8という超高性能高能率パワー管を採用し、100ワットという驚くべき出力をとり出し、しかも最新トランジスタアンプ並みの高い電気的特性を保っているだろう。その音は、無機的といるほど透明感があふれ、常識的な管球アンプの生あたたかい音では決してない。プリアンプを含め、いかにもフラット特性の無歪の道のサウンドスペースを創っているといえそうだ。

デンオン DL-303

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瀬川冬樹

ステレオサウンド 59号(1981年6月発行)
特集・「'81最新2403機種から選ぶ価格帯別ベストバイ・コンポーネント518選」より

 永く続いた103シリーズのあと、最近のカートリッジ設計の主流ともいえるローマス化をはかって企画されたのが303のシリーズで、現在、301、303、305の三機種が揃っているが、DL−301はヤング層の好みをことさら意識しすぎ、DL−305は303の繊細さに何とか力を加えようと力みすぎ、、みたいに(私には)思えて、ことさらの音作り意識の加わっていないDL−303が、やはり最良の出来栄えだと思う。国産MCのベストに推す。

デンオン DL-103

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瀬川冬樹

ステレオサウンド 59号(1981年6月発行)
特集・「'81最新2403機種から選ぶ価格帯別ベストバイ・コンポーネント518選」より

 おそらくオルトフォンのSPUに次いで寿命の長いカートリッジだろうか。永いあいだ1万6千円、その後1万9千円に改訂されたものの、FM放送用として入念に設計され、長期間作り続けられた安定性と信頼性は、その後数多く出現したいわゆる1万9千円MCカートリッジの攻勢を寄せつけない。最新型と比較すれば、音がやや太く重いが、MCとしては出力が大きく扱いやすく、良いアームと組合せれば、この音は立派にひとつの個性だ。

デンオン SC-105

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黒田恭一

ステレオサウンド 45号(1977年12月発行)
特集・「フロアー型中心の最新スピーカーシステム(下)」より
スピーカー泣かせのレコード10枚のチェックポイント50の試聴メモ

カラヤン/ヴェルディ 序曲・前奏曲集
カラヤン/ベルリン・フィル
❶あかるくひびくピッチカートの音。木管の音色の特徴もよく示す。
❷くっきりきこえる。響きの重さを強調しないよさがある。
❸さまざまなひびきの特徴を鮮明に示す。
❹キメこまかなひびきをきかせる第1ヴァイオンのフレーズ。
❺刺激的にならず、一応のゆたかさもあり、好ましい。

モーツァルト:ピアノ協奏曲第22番
ブレンデル/マリナー/アカデミー室内管弦楽団
❶ピアノの音像は小さく、くっきりして、さわやかである。
❷音色的な対比を、誇張感なく、さわやかに示す。
❸「室内オーケストラ」の響きの特徴をよく伝える。
❹薄味ながら、すっきりと示して、効果的だ。
❺独特の鮮明さがあるものの、ことさらはりだしてはいない。

J・シュトラウス:こうもり
クライバー/バイエルン国立歌劇場管弦楽団
❶声に強調感がなく、自然に、のびやかにきこえるのがいい。
❷接近感をくっきり、誇張感なく示すのがいい。
❸クラリネットの音色はまろやかでこのましい。
❹はった声は硬くなりがちだが、通常の声はしなやかでいい。
❺バランスが自然で、響きの明るいのがいい。

「珠玉のマドリガル集」
キングス・シンガーズ
❶上下の音のバランスがいいので、凹凸がない。
❷声量をおとしたことを、特に意識させない。
❸残響の強調がないために、すっきりときこえる。
❹響きはいくぶん重めだ。もう少しぜい肉がとれてもいい。
❺自然なのびで、すっきりとまとまっている。

浪漫(ロマン)
タンジェリン・ドリーム
❶音色対比も、音場的対比も、充分に示されている。
❷ひびきは、不自然になることなく、ひっそりとしのびこむ。
❸ひびきのとびかい方に軽さがあるので、広々と感じられる。
❹前後のへだたりは、充分に示しえている。
❺ある種の鮮明さは保つものの、ピークではきつくなる。

アフター・ザ・レイン
テリエ・リビダル
❶ひびきの透明感はある。ひろがりを示しえている。
❷ギターの音像が大きくふくらんでいないのがいい。
❸ふくらみすぎず、くっきり示されて、きわめて効果的だ。
❹輝きをもって響いて、充分に効果的である。
❺うめこまれることなく、きわだってきこえる。

ホテル・カリフォルニア
イーグルス
❶上下のバランスがよく、12弦ギターの特徴をよく示す。
❷独自の効果によく対応して、効果をあげる。
❸響きは乾いていて、反応もシャープである。
❹ベース・ドラムの、力があって重くならない音がいい。
❺言葉はよくたって、鮮明だ。バック・コーラスの効果も示す。

ダブル・ベース
ニールス・ペデルセン&サム・ジョーンズ
❶ふやけることのない響きで、力強さをよく示す。
❷なまなましさを感じさせはするが、誇張感はない。
❸音の消え方には、独特の自然さがあって好ましい。
❹シャープに反応できているので、迫力も一応示す。
❺音像的対比の点でもさしたる問題はない。

タワーリング・トッカータ
ラロ・シフリン
❶軽い音で鋭く反応しているので、ききやすい。
❷つっこみの鋭さは充分に示されているが、力感の点では多少不足だ。
❸必ずしも積極的とはいいがたいが、一応の効果はあげる。
❹奥行きがとれていて、音の見通しがつきやすい。
❺めりはりをくっきりつけて、あいまいにならない。

座鬼太鼓座
❶奥行きがとれているので、広がりが感じられる。
❷尺八の響きの特徴をよく示して、好ましい。
❸過不足なく自然なバランスでききとれる。
❹一応のスケール感も示し、消える音の尻尾も明らかだ。
❺くっきりきこえて、効果をあげている。

デンオン SC-105

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瀬川冬樹

ステレオサウンド 45号(1977年12月発行)
特集・「フロアー型中心の最新スピーカーシステム(下)」より

 前号でもかなり上位の成績をおさめたSC104の兄貴分ということで期待を持って聴いた。ユニットの基本的な構成は、ウーファーが少し違う以外は104と同じのようだが、エンクロージュアがひとまわり大型になっただけあって、低域がふくらんでいる。そのためばかりでなく全体の音色は104とかなり変っていて、104よりも良く響く印象だ。ただしこの低域は、置き方や組合せでうまくコントロールしないと、いくらかこもったり音をひきずったりする傾向が多少あるので、台はやや高め(約50センチ)にして、背面は壁からいくらか(本誌試聴室では約20センチ)離す置き方がよかった。それでもキングズ・シンガーズのバスのブレスト音がいくらか遠く甘くなる傾向があるというように、これはこのスピーカーの低域の特徴のように思われる。これに対して中〜高域のバランスの良さは国産としては特筆もので、かなり音量を上げても、どこかの音域が出しゃばるというようなことがない。ただしシェフィールドのダイレクトカッティングなどでは、パワーを上げても耳当りが柔らかいために、CA2000のメーターを振り切ってもまだ物足りない。感じがある。そういう傾向の音だから、アンプはラックスやトリオの系統が、またカートリッジは455EやVMS20E/IIの系統の方が、スピーカーに合っていると思った。

デンオン PMA-701

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瀬川冬樹

ステレオサウンド 42号(1977年3月発行)
特集・「プリメインアンプは何を選ぶか最新35機種の総テスト」より

 中域から低域にかけて独特の力を感じる。反面、高域のことに楽器のオーヴァートーン(高次倍音)の領域にかけての音の繊細さと冴えがものたりない。したがって総体に重量感を感じさせるが、どこか力まかせで押しまくるような印象がある。大づかみにいえば、こういう音は、同じデンオンのセパレートアンプ1000Bシリーズの鳴らす音に、バランスという点で一脈通じるように思え、その意味ではデンオンの音質決定のグループの中に、こういう音を好きな人がいるのに違いない。ただ、中低域以下に力を持たせて高域を丸く作った、いわゆるソフトで力強いバランスであればそれなりの個性といえるかもしれないが、総体にどことなく品位と透明度の低い音がすると思うし、ことに合唱曲や管弦楽のトゥッティで、パートごとの旋律のこまかな動きを、分厚い中間色で塗りつぶすような傾向があって、これは501とはずいぶん傾向の違う音だと思った。

デンオン PMA-501

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瀬川冬樹

ステレオサウンド 42号(1977年3月発行)
特集・「プリメインアンプは何を選ぶか最新35機種の総テスト」より

 クリアーでよく引締った音。それがスペンドールのようなソフトな音スピーカーをほどよく引立たせるが、JBL系のスピーカーでも、トリオの7100Dほど骨っぽくはならない。中〜低音域でもう少し音に量感が出るとなおよいと思うが、音の表情を生き生きと、一種新鮮なみずみずしさで鳴らす魅力は、6万円以下のランクとしてはなかなか得がたい良さだ。7100Dの場合、聴き込むにつれて味の素を効かせすぎるような感じが目立ってきて、デンオンの方が正攻法で作られながら、音の鮮度も魅力もそなえていることがわかる。ただし、鳴っている最中にトーンのON−OFFなどファンクションスイッチ類をいじると、スピーカーからやや大きめの雑音が出る傾向があって(そういうアンプはほかにもあったが、デンオンは雑音がなかば周期的に増減するという妙な性質があって)なにか不安定要素があるのではないかとちょっと気になった。

デンオン DR-370

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菅野沖彦

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ '77ベストバイ・コンポーネント」より

 デンオンのオープンリールデッキと、共通のデザインイメージでまとめられた、ヴァーチカルユースのカセットデッキで、諸機能も充実している。走行性能の安定度は高く、ヘッドタッチもよい。カセットハーフの不安定さに対する押し込みがきいていて、ドロップアウトの少ない安定した録音ができる。

デンオン DP-7000

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菅野沖彦

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ '77ベストバイ・コンポーネント」より

 デンオンの最高級ターンテーブルとして恥じない性能の高さと、作りの美しさをもち、レコード演奏の醍醐味を満たしてくれる高級機である。動力は、現在の回転機器の最高のテクノロジーでSN比、トルク、ワウ・フラッターなどに不満はない。ユニークなスタイルも高く評価できる必然性の濃いデザインだ。

デンオン PMA-235

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菅野沖彦

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ '77ベストバイ・コンポーネント」より

 デンオンの200シリーズは、シンプルなデザインで実質内容の充実した設計ポリシーにもとづいている。いずれも、パワーと価格の対比では決して安いほうではないが、純度の高い音質と実用性の高いコントロール機能は、PMA−235に限らない魅力である。シリーズ中では235の音の純度が最高だと思う。

デンオン PMA-700Z

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菅野沖彦

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ '77ベストバイ・コンポーネント」より

 デンオンのプリメインアンプとしては、ロングライフの旧シリーズで、その中での高級機種である。しかし、新シリーズに勝るとも劣らない魅力と完成度をもったアンプだと思う。楽器のリアリティ、空間のプレゼンスという、再生音の重要な要素を、バランスよく再生してくれるので、レコードが生きる。オーソドックスなステレオフォニックな録音ほど、このアンプが得意とするプログラム・ソースである。

デンオン SC-107

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菅野沖彦

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ '77ベストバイ・コンポーネント」より

 まず、あかぬけしたデザインに国産品らしからぬ、洗練さを感じさせられるだろう。私個人としては、国産スピーカーシステム中のベストデザインだと思う。これで箱のつくりにもう一つ緻密さが加われば特級品だ。ユニットはデンマークのピアレス製で、マルチユニットとして成功した例である。きわめてバランスのよい、地味だが聴くほどに味わいのある、音楽を音楽として快く鳴らしてくれる快作だ。

デンオン DH-610S

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菅野沖彦

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ '77ベストバイ・コンポーネント」より

 デンオンの定評ある2トラック・2チャンネルステレオ・オープンリールデッキは、同社の放送機器の長年のキャリアから生れたもので、プロ機の厳しい試練の中で磨き抜かれたものだ。これは、710シリーズをコンシュマー用のトップ機種とすれば、中堅機ということになるが、実質的には同等の性能。

デンオン DL-103S

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菅野沖彦

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ '77ベストバイ・コンポーネント」より

 国産のMC型カートリッジとして最も伝統のあるデンオンのDL103がリファインされたモデルである。ケースの色も黒から白に変り、振動系のハイコンプライアンス化が進められ、より軽針圧が指定される。帯域は、103より拡がり、音質的には軽いタッチを増した。プレゼンスの再現では、103Sのほうが上である。しかし、音像のマッシヴな充実感では103に歩がある。いずれにしても国産の第一級である。

デンオン DL-103

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瀬川冬樹

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ '77ベストバイ・コンポーネント」より

 FM局その他のプロ関係で多数採用されている著名なカートリッジ。もともとはオルトフォン型をデンオン流にアレンジした構造のMC型だが、出力が割合に大きいため、最近のSN比のよいアンプなら、トランスやヘッドアンプなしで実用的な音量まで出せるところが使いやすい。針圧は2・5gぐらいかける。

デンオン DP-3700F

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瀬川冬樹

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ '77ベストバイ・コンポーネント」より

 DDモーターもいわば第二世代に入って、音質面からさらにつっこんだ研究がはじまっていて、現時点で比較すると、3700Fの音は必ずしも最高クラスとはいいにくいが、必要最少限の機能を上品にまとめた、プレーヤーシステムとしての完成度の高さを評価したい。使って満足できる高級なフィーリングがある。

デンオン PMA-235

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瀬川冬樹

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ '77ベストバイ・コンポーネント」より

 国産のアンプには珍しくデザイン的にも大人のムードを漂わせて、よくこなれた作品だと思うし、チューナーと並べた印象もなかなか悪くないのだが、新型の501で、なぜ再び品の悪い下劣きわまるデザインに堕落してしまったのか。内容も音質も、現時点で別にまずいところはないし、短命で終らせたくない名作。

デンオン PMA-700Z

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瀬川冬樹

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ '77ベストバイ・コンポーネント」より

 一時期、本誌でも標準アンプのひとつとしていたことにもあらわれているように、デンオンが本腰を入れて全力投球したプリメインの力作で、いまとなっては公称出力がやや少なめであるにしても、それ以外の機能や音質では、最新機種にまじってもひけをとらないだけの内容を持っている。こういう良心的な製品は、旧型というだけで中止したりしないで、ぜひとも小改良を加えながら生き長らえさせて欲しいものだ。

デンオン PMA-501

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瀬川冬樹

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ '77ベストバイ・コンポーネント」より

 この価格のアンプの音に、本格的な充実感や重量感を望むのは無理であるだけに、メーカーがどういう音に仕上げるかが成否の分れみちだが、501の音にはフレッシュな印象があって、スピーカーの音をキリッと引締めながら音楽の表情を生き生きと楽しませる。ただ、デザインはやや装飾過剰のように思える。

デンオン POA-1001

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瀬川冬樹

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ '77ベストバイ・コンポーネント」より

 これより前に管球式のPOA1000Bが市販されているが、現代のパワーアンプとしてはこの1001の方が私には好ましい。モノアンプ2台を一つにまとめた作り方は、マランツの名作♯15、16の手法がヒントだろうが、イミテーションの域を脱して独自の完成度をみせ、安心して奨められる佳作。ペアとなるプリアンプPRA1001と組み合わせると、PMA700Zの良さを現代流にグレイドアップしたクリアーな音になる。

デンオン SC-107

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瀬川冬樹

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ '77ベストバイ・コンポーネント」より

 ブックシェルフにしては大型のせいか鳴り方にゆとりがあり、肉づきの豊かでよく弾む音を聴かせる。パワーにも強いため弱音から強音までダイナミックレンジも広い。ただSC104にも同じ傾向があるが、管弦楽のトゥッティで中〜高域が他の音域より張り出す傾向がわずかにあって(これは国産スピーカーの大半に共通の弱点)、弦の再生にはもうひと息だが、ジャズの再生にはそれがかえってヴィヴィッドな魅力になっている。

デンオン SC-104

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瀬川冬樹

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ '77ベストバイ・コンポーネント」より

 ヨーロッパのピアレス製のユニットでまとめられたスピーカーシステム。そのせいか、やはりユニットの性格が表われ、響きの豊かなヨーロッパサウンドである。本機の一番の魅力は、何といっても歪みが少なく、刺激的な音のしない中高域にある。マニアのセカンド用としても立派に通用するシステム。

デンオン DL-103S

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瀬川冬樹


ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)

特集・「評論家の選ぶ '77ベストバイ・コンポーネント」より


 MC型のカートリッジとしては内外を問わず最も周波数特性のよくコントロールされた製品といってよいだろう。それだけに、いかにも色づけの少ない、しかし103と違って明らかにワイドレンジ型ならではのデリケートで軽快な音質は、質の高い優秀なもの。ただ、ヘッドアンプまたはトランスによって、少々素気なさすぎる音になってしまうことがある。これで音楽を鑑賞するというよりも、どうも研究分析用といった趣がある。

岩崎千明

ステレオサウンド 39号(1976年6月発行)
特集・「世界のカートリッジ123機種の総試聴記」より

 放送局のレコード再生システムを多く作る専門的業務用機のメーカー、デンオンのブランドをそのまま冠して、同じく業務用に開発されたカートリッジを基本として、市販品を作ってキャリアの長いメーカーだ。その質は、悪かろうわけがない。
 デンオンの場合、たいへんに明確で、はいっている音をくまなく拾いだすというピックアップ本来の働きを音のイメージとしてもっている。やや骨太のところもなきにしもあらずだが、高域のキラキラした鮮やかさが、全体の音のバランスに有効に作用して、デンオンならではのすばらしい音の世界を作る。MC型独特の美しさと共に、ステレオ音像のすばらしく整った様も大いに称賛できる。音質チェック用として、多くの現場でもつかわれており、その用途のために信頼性も高い。つまりデンオンのカートリッジのバラつきの少ないのはおおいに注目すべき特徴だ。
 DL107は、MM型カートリッジとしてデンオンが初めて、安定性と使い易さとを、価格をおさえた形で実現した製品。更にそれがDL109に発展して、帯域は驚く程拡大されて、現代風になった。一般にこうした改良にともなって、出力の低下をきたすのが普通だが、109の場合は逆に出力向上を得ているが改良というよりも、まったくの新種といえるだろう。さらに新しい傾向に即して針圧をやや軽くしたことによって、今まで市販品の平均水準より重い傾向であったのを、補うことになった。107にくらべ幾分か繊細感が加わって全体にフラットレスポンスをはっきり感じさせる。とくに唄において、この109Rの再現性は、国産カートリッジ中でも、もっとも優れたひとつであることをつけ加えておこう。針先を円錐から特殊楕円にした109Dは、帯域を5万HzまでのばしてCD−4対応型としたものだが、超高音はかえってうすい感じとなっている。中域もやや希薄に受けとれるのが少しばかり気になる。
 DL103はデンオンの最も初期からある代表的MCカートリッジだ。やや武骨な、ガッチリした音が、いかにも業務用というイメージを作り、それが103の個性として、多くの人に受けとられている。103の再生水準に関して、それを認めたとしてもこの骨太な音を好みに合わないと思うファンもいるだろう。DL103Sは、103の軽針圧、広帯域型として誕生した。価格的に一躍20%以上上昇だが、再生帯域の方は、かなり伸びているし、それも6万HzというMC型には信じられない広帯域であって、単なる楕円針の成果ではない。聴感的なワイドレンジ化よりも、全帯域をおさえこんでしまったという感じが強くて、特に中音域での、デンオン独特の充実感を少々うすめすぎたのではないかと思われる点が残念である。低域での量感もやや力を欠いて聴えるのはなぜか。どうやらステレオ音像の定位の良さからいうと、103Sも103同様に大変リアルな、きわめて明確かつ率直で、あらゆる音域において高い次元にあるといえよう。ただ、103の演奏楽器のスケール感が乏しい。

デンオン DP-3700F

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菅野沖彦


ステレオサウンド 41号(1976年12月発行)

特集・「世界の一流品」より


 デンオン・ブランドをもつ日本コロムビアの歴史は大変に古く、日本ビクターとともに日本のレコード会社の草分け的存在である。と同時に、かつて日本電気音響として、プロフェッショナルのエクィプメントを、専門に生産してきたハードウェアのメーカーを同社の傘下に収めた。そのブランドがデンオンとして残り、日本コロムビアのオーディオ製品の高級機に使われているのである。

 そういう歴史的背景をもつブランドにふさわしい高性能高級プレーヤーシステムとして、このDP3700Fを一流品に挙げたわけである。このプレーヤーについて詳しく申し上げる余裕はないわけだが、少なくとも最新のテクノロジーを用いた、ターンテーブルとしては最高性能のものであり、トーンアームも実用的な意味合いとトーンアームのあるべき物理特性とを巧みにバランスさせた、高性能かつ高実用度の、音のいいものである。そして、ベースはシンプルでありながら、きわめてハウリングマージンの大きい設計である。このプレーヤーシステムほど何のためらいもなく安心して使える製品も少ない。

 デザイン面や風格という点では、まだ私は一流品として挙げるに少々の不満が残るが、総合的に見て、信頼性、性能の高さなどから、プレーヤーシステムの一流品として推選しても恥ずかしくない製品だと思う。

デンオン DH-710F

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岩崎千明

ステレオサウンド 41号(1976年12月発行)
特集・「世界の一流品」より

 76年、ますますその名と実績とを上げているデンオン・ブランドの、幅広いオーディオ製品中もっとも高い信頼性をにない、かつ、ファンからもそう願われているのが、オープンリールデッキだ。
 日本全国の放送局の現場で永く用いられ、今日もまた使われているのがデンオンのデッキであるからだ。逆にいえば、放送局のような分野も穴のあくことを許されない現状の厳しい眼と条件によって厳選されるにふさわしい品質が、デンオンのデッキのみにあるともいえる。従って、あくまで最高級のメカにのみこうしたよりぬきの品質が達せられることを使う側でも知っているわけで、市販の製品においてもデンオンのデッキは特に最高価格のクラスにおり、多くの熱いまなざしが集まろうというものである。
 メーカーとしても、こうしたファンの熱い希望に応えんと、そのプロ用で培った技術を、マニア用にふさわしい価格内で製品化したのが710である。
 エレクトロニクスサーボによるデュアル・キャプスタンという新しいドライブ方式を走行メカニズムにとり入れて、オリジナリティを確立し、いかにもプロを手がけてきたキャリアを感じさせる魅力と確かさとを発揮している魅力的な製品だ。特にファン用としてコンパクトにまとめながら、それまでの大型コンソールタイプにも匹敵する走行性能と信頼性は、いかにも現代のエレクトロニクスの上にそびえ立つ、一大技術を思わせる高い完成度を感じさせる。

デンオン POA-1001

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岩崎千明

ステレオサウンド 41号(1976年12月発行)
特集・「世界の一流品」より

 デンオンは、76年暮にソリッドステート・アンプのコントロールアンプとパワーアンプのペアをデビューさせた。その一年前に、同じくセパレート・アンプでも真空管方式を発表した。管球式にくらべて、価格的に半分だがソリッド・ステート型の新製品の水準は真空管式に優るとも劣らないと思える。
 管球アンプを出して一年後にソリッド・ステートを出したという点にこのかくされた秘訣がありそうだ。つまり管球式の良さを十分に確めた上で、その上にトランジスターにする最新技術を積み重ねて行った点だ。ソリッドステート・アンプもV−FETあるいはA級アンプとさまざまな技術が投入され試みられてその良さを競った製品が多く市場にあふれる。
 その中でデンオンがセパレートアンプを遅ればせながらデビューするに当っての開発テクニック、あるいはその方法として狙ったものは仲々のものであるようだ。真空管ならざるアンプのソリッド・ステートならざる音は忘れ得ぬ大いなる魅力だ。

デンオン DCD-S10

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菅野沖彦


ステレオサウンド 121号(1996年12月発行)

特集・「ザ・ベストバイ コンポーネントランキング710選」より


 Sシリーズの普及型だが、実に素晴らしい出来栄えのCDプレーヤー。発音に独特の解放感と拡散性があり、実に朗々と屈託なく鳴るのが特徴だ。それでいてデリカシーや柔軟性にも不満がない。ALPHAプロセッサーがデンオン独自の技術である。発売以来2年以上経過するが、今もまったく同じ音であることを祈る。

デンオン DA-S1

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菅野沖彦


ステレオサウンド 121号(1996年12月発行)

特集・「ザ・ベストバイ コンポーネントランキング710選」より


 DP−S1とペアで開発されたD/Aプロセッサーで、究極のアナログ波形を目指すALPHAプロセッサーを搭載する。DP−S1とはST−GenLockによりマスター・クロックでの同期運転が可能だ。したがって本来はペアで使うのが理想的。もちろん、DAC単体としても極めて高性能多機能で、音質も素晴らしい。

デンオン DP-S1

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菅野沖彦


ステレオサウンド 121号(1996年12月発行)

特集・「ザ・ベストバイ コンポーネントランキング710選」より


 SシリーズとしてはDACのDA−S1とペア開発されたプレスティッジ商品である。アルミの砂型鋳物シャーシの重量級のトランスポートである。ディジタル信号の完全で安全な読み取りを目標として、音圧や光による外乱にさえも配慮した、パーフェクト主義思想が徹底している。CDは完全に密閉されて演奏される。

デンオン DA-S1

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井上卓也


ステレオサウンド 121号(1996年12月発行)

特集・「ザ・ベストバイ コンポーネントランキング710選」より


 世界に先駆けてPCM録音を実用化した素晴らしい実績をもっているだけに、独自の量子化歪低減回路ALPHAプロセッサーは完全なアナログ波形再現のための技術として見事な成果。音は、S1シリーズ共通のスムーズに伸びた広帯域型fレンジとナイーブでキメ細やかな音の再現性に優れたセンシティブな魅力をもつ。

デンオン PMA-S10

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井上卓也


ステレオサウンド 121号(1996年12月発行)

特集・「ザ・ベストバイ コンポーネントランキング710選」より


 超高級プリメインアンプとして、これならではの中低域の豊かさをベースに、ナチュラルなfレンジとセンシティヴな表現能力を備えたS1の魅力を、よりリーズナブルな価格帯で実現した同社のベストセラー機だ。クォリティはS1に匹敵する高さがあり、やや反応が早く鮮度感の高いクリアーな音が注目されるポイントだろう。

デンオン PMA-2000

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井上卓也


ステレオサウンド 121号(1996年12月発行)

特集・「ザ・ベストバイ コンポーネントランキング710選」より


 開発時点での構想が、予定販売価格帯の市場を独占するだけの内容を備えること、を過大として開発された、実際に製品を見て驚き、内部を調べて再び驚かされる超強力なスーパープリメインアンプだ。POA−S1で開発したパワー段を簡潔化した設計は文字通り高級機の要素を投入したもので、高品位な音は想像を超える。

デンオン DL-103FL

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菅野沖彦


オーディオ世界の一流品(ステレオサウンド別冊・1994年春発行)

「世界の一流品 アナログプレーヤー/カートリッジ/トーンアーム篇」より


 デンオン・ブランドは、いまでこそ日本コロムビアのオーディオ機器やレコードのブランドとして広く普及したが、もともとプロ用機器の専業メーカーで、日本コロムビア傘下ではあったが独立企業体であった。DL103というカートリッジは、そのデンオンがスタジオユースとして開発したもので、各放送局やスタジオ、カッティングしたラッカーマスターの検聴用などにもっぱら使われていた製品であった。これが一般にも普及し、日本のMCカートリッジの代表的な製品として広く認められて三十年にもなろうか。その間、多くのタイプがヴァリエーションとして登場したが、このFLが最新のDL103である。現代のモデルとして素材に最新のものを使い、オリジナルDL103とは異なった味わいと共通した性格を併せ持たせている点が感心させられる。基本設計を踏襲しながら、線材や本体に新素材を使ったことが、音にそっくり現われているのであろう。

黒田恭一


ステレオサウンド 110号(1994年3月発行)

「絶世の美女との悦楽のひとときに、心がゆれた......」より


「お前、大丈夫か?」
 なんとも身勝手ないいぐさとは思われた。しかし、自分の部屋にもどって、スチューダーのA730のスイッチを入れながら、無意識のうちに、そう呟いていた。むろん、若干の後ろめたさを感じていなかったわけではない。
 なんといっても、こっちは、絶世の美女四人と、たとえしばしの時間とはいえ、悦楽の時を過ごしてきたのである。後ろめたさを感じて当然だった。そのあげくの、「お前、大丈夫か?」であった。ことをいそぎすぎて、A730に、いらぬ粗相をさせては気の毒である。スイッチを入れてから、一時間ちかくも待った。
 A730の準備のととのうを待つ間に、不実な主は、先刻まで、かりそめの時をともにしていた美女たちのことをぼんやりと思いかえしていた。その時の気分は、さしずめ、ロロ、ドド、ジュジュ、マルゴとマキシムの女たちの名前を、ほんとうはもっとも愛しているハンナの前で口にする、オペレッタ「メリー・ウィドウ」の登場人物ダニロの気持に似ていなくもなかった。
 今回もまた、甘言をもって、ぼくを不実な行為に誘ったのはM1である。
「このところにきて、CDプレーヤーが新しい局面をむかえていましてね」
 受話器からきこえてくるM1の声は、夜陰にまぎれて好色親爺を巧みに誘うぽん引きのささやきに、どことなく似ていなくもなかった。M1は、さらに、「いい娘が四人ほどいるんですがね......」、ともいって、意味ありげにことばじりをにごした。いつもながらのこととはいえ、M1のタイミングのよさには感心させられた。M1の誘いに、結果として、ぼくは虚をつかれたかたちになった。
 ここしばらく、ぼくは、スチューダーA730+ワディア2000SH+チェロ・アンコール+アポジーDAX+チェロ・パフォーマンス×4+アポジー・ディーヴァといった我が愛機のきかせてくれる音と蜜月の日々を過ごしていた。ぼくは毎日を、かなりしあわせな気分でいた。この正月、ほぼ一年ぶりに訪ねてくれた友人は、何枚かのCDに黙って耳をすました後、「なにか装置を変えたの?」、といって、ぼくを大いに喜ばせてくれた。彼は鬼の耳の持主である。ぼくは、なにひとつ装置を変えていないと答えた。彼は怪訝な顔をして、「ずいぶんかわったね、去年の音とは」、といってから、彼がこれまで一度も口にしたことがないような言葉で、ほめてくれた。
 夫婦仲の悪い男が浮気にはしる、と考えるのは、たぶん、誤解である。夫婦仲がぎくしゃくしていれば、男はさしあたり、目の前の割れ蓋の修復に専念せざるをえない。そのような立場におかれた男に、余所にでかけ、それなりの所業にはげむ余裕があるとは考えにくい。もし、割れ蓋の修復をなおざりにしたあげく、余所に楽園を探すようなタイプの男であれば、哀れ、さらにもう一枚の割れ蓋をつくるだけである。
 ぼくも、うちのスチューダーたちと折りあいの悪い状態でM1に声をかけられたのであれば、それなりの覚悟をして、ステレオサウンドの試聴室にでかけたにちがいなかった。しかし、そのときのぼくは、なにがマークレビンソンだ、なにがソニーの新製品だ、うちの嫁はんが一番や、とたかをくくっていた。しかし、安心したぼくが悪かった。M1は読心術をも心得ているようで、巧みにぼくの虚をついた。
 まず、デンオンのDP-S1+DA-S1からきき始めた。このCDトランスポートとD/Aコンヴァーターについては、少し前に、長島達夫氏が、「ステレオサウンド」の誌上で、「ともかく、どのような音が来ても揺るがず、安定しきった再生ができるのである......最近これは感銘をうけた製品はない」、と書いていらしたのを、ぼくはおぼえていた。そのためもあって、かねてから、機会があったら一度きいてみたい、と思っていた。
 一聴して、なるほど、と長島達夫氏の言葉が納得できた。そして、同時に、電話口のM1が、「このところにきて、CDプレーヤーが新しい局面をむかえていましてね」、といった意味も理解できた。デンオンのDP-S+DA-S1がきかせてくれる音の質的な、あるいは品位の高さには驚嘆すべきものがあった。きめ細かなひびきに、うっとりとききいった。
 デンオンのDP-S1+DA-S1のきかせてくれる音は、敢えてたとえれば、オードリー・ヘップバーン的な美人を、ぼくに思い出させた。その得意にするところは、かならずしも劇的な演技にはなく、抒情的な表現にあった。むろん、繊細な表現にのみひいでていて、力強さに不満が残るなどという、低次元のはなしではない。オーケストラがトゥッティで強奏する音に対しての力にみちた反応にも、充分な説得力があった。ただ、いかにドラマティックな表現を要求されようと、ついに裾う乱さない慎ましさが、DP-S1+DA-S1のきかせてくれる音には感じられた。そのようなDP-S1+DA-S1の持味を美徳と考えるか、それともいたらなさと感じるか、それともいたらなさと感じるか、それは、たぶん、使う人の音楽的な好み、ないしは音に対しての美意識によってちがってくる。
 カラヤンが一九七九年に録音した「アイーダ」の全曲盤で標題役をうたっているのはミレッラ・フレーニである。当時のフレーニはリリック・ソプラノからの脱出をはかりつつあって、アイーダのみならず、トスカのような劇的表現力を求められる役柄にも果敢に挑戦していた。DP-S1+DA-S1のきかせてくれた見事な音が、ぼくには、どことなく、一九七〇年代後半から一九八〇年代前半にかけてのフレーニの歌唱に似ているように感じられた。
 ミレッラ・フレーニは、先刻ご承知のように、もともとリリック・ソプラノとしてオペラ歌手のキャリアを始めた歌い手である。しかし、あの慧眼の持主であったカラヤンがアイーダをうたうソプラノとして白羽の矢をたてたことからもあきらかなように、一九七〇年代後半ともなると、フレーニは、すでにドラマティックな役柄をこなせるだけの声の力をそなえていた。しかし、そのようなフレーニによった絶妙な歌唱といえども、もともとの声がアイーダをうたうに適したソプラノ・リリコ・スピントによったものとは、微妙なちがいがあった。アイーダをうたってのフレーニの持味は、ドラマティックな表現を要求される音楽ではなく、抒情的な場面で発揮された。また、そのような既存のアイーダ像とはちがったアイーダを提示するのがカラヤンのねらいでもあった。
 蛇足ながら書きそえれば、アイーダをうたうフレーニを、背伸びしすぎたところでうたっているといって批判する人もいなくはないが、ぼくはアイーダをうたうフレーニの支持派である。いくぶんリリックな声のソプラノによって巧みにうたわれたアイーダは、ソプラノ・リリコ・スピントによって劇的に、スケール大きくうたわれて、過度に女丈夫的なイメージをきわだたせることもなく、恋する女の微妙な心のふるえを実感させてくれるからである。
 ついできいたのはソニーのCDP-R10+DAS-R10だった。このCDトランスポートとD/Aコンヴァーターのきかせる音にふれた途端、ぼくは、一瞬、ロミー・シュナイダー風美女にキッと見つめられたときのような気持になり、たじろいだ。ここできける音には、媚びがない。曖昧さがない。潤色が、まったく感じられない。劇的なひびきも、抒情的な音も、まっすぐ、いいたいことをいい切っていながら、しかも相手を冷たくつきはなすようなところがない。音楽のうちに脈々とながれる熱い血をききてに感じさせることに、いささかの手抜かりもない。
 蛇足ながら書きそえれば、ロミー・シュナイダーはぼくにとっての理想の美女である。ソニーのCDP-R10+DAS-R10の音にふれたぼくは、出会いがしらに恋におちたような気分になった。「なんだって、CDを裏がえしてセットするんだって?」などと、なれない手順に不満をとなえながらきき始めたにもかかわらず、ものの一分とたたないうちに、「凄い、これは凄い!」と溜息をついていた。
 幸か不幸か、試聴後には予定があった。したがって、ロミー・シュナイダーとの心きとめく対面は、そこそこにすませなければならなかった。後の予定がなければ、ぼくは、編集部の面々に箒をたてられても気付かず、延々とききつづけ、家に帰るのを忘れていたかもしれなかった。
 おのれの不実を恥じつつも、ぼくは、家で待つ、うちの嫁はん、スチューダーのA730がきかせてくれる音と、今、出会ったばかりのロミー・シュナイダーのきかせてくれている音を耳の奥で比較しないではいられなかった。若干の救いは、その他の部分、つまりスピーカーやアンプが家のものとステレオサウンド試聴室のものとが同じでないことであった。しかし、いかに条件がちがっていても、ロミー・シュナイダーとうちの嫁はんの目鼻だちのわずかとはいいがたいちがいは充分にききわけられた。
 もっともちがっていたのは、言葉として適当かどうかはわからないが、情報の精度のように思われた。このソニーのCDP-R10+DAS-R10のきかせてくれる音は、それらしい音をそれらしくきかせるということをこえたところで、キリッと、まっすぐひびいていた。きっと、このような、しっかりした音は、思いつきや小手先のやりくりによってではなく、技術的に正攻法で攻められたところでのみ可能になるものであろう、と思ったりもした。
 CDのための、このような高度の性能をそなえた再生機器ともなれば、斯く斯くしかじかのソースではどうきこえたとか、こうきこえたとかいった感じで語ろうとしても、徒労に終るにちがいない。もし、かりに、ききてと音楽との間に介在することをいさぎよしとせず、まるで透明人間のように姿を消して、その機器へのききての意識を無にできることが再生装置の理想と考えれば、ソニーのCDP-R10+DAS-R10は、その理想に限りなく近づいている。
 そう考えると、CDP-R10+DAS-R10をロミー・シュナイダーとみなしたぼくのたとえは、見当はずれのものになる。ロミー・シュナイダーは、どんなつまらない映画にでても、強烈に自己の存在をアピールできた女優だった。したがって、ここでのロミー・シュナイダーのたとえは、ぼくの魅了されかたの度合を表明するだけのものと、ご理解いただきたい。ききてと音楽との間で自己主張しないということでは、むしろ、ソニーのCDP-R10+DAS-R10はロミー・シュナイダーの対極に位置していた。
 ちなみに、全四機種をきき終えた後、ぼくは、わがままをいって、編集部の若者たちの手をわずらわせ、ソニーのCDP-R10+DAS-R10を、もう一度きかせてもらわずにいられなかった。そのことからも、おわかりいただけると思うが、今回、きかせてもらった四機種のうちでぼくがもっとも心を動かされたのは、ソニーのCDP-R10+DAS-R10だった。
 ついできいたのはワディアのWADIA7+WADIA9だった。これにもまた、大いに驚かされた。ぼくの驚きを率直にいうとすれば、CDの再生機器は、すでにここまでいっているのか、と思ってのものだった。しかし、同時に、ぼくは、マ・ノン・トロッポ!(しかし、はなはだしくなくの意)と呟かないではいられなかった。
 情報の精度の高さということになれば、これもまた、かなりのところまでいっているのは、ぼくの耳にもわかった。ただ、ここできける音には、情報が整理されすぎたため、とみるべきか、整然としたひびきが若干冷たく感じられた。曖昧さをなくそうとするあまり、角を矯めて牛を殺してはいないかな、と思ったりもした。
 おそらく、このワディアのWADIA7+WADIA9のきかせる音についてのききての評価は大きくわかれるにちがいない。ぼく自身も、ここできける音を前に、冷静ではいられず、心がゆれた。これが、もし、数年前だったら、と思ったからである。
 音に対して保守的になってはならないと、日頃、自分をいましめてはいる。音に対して保守的になったが最後、ききては歯止めを失い、懐古の沼に沈んだあげく、昔はよかった風の老いのくりごとをくりかえしはじめる。ひとたびサビついてしまった感覚は修復不能である。積極果敢に新しい音とふれあっていかないと、日に日に前進のエネルギーが不足していく。しかし、以前であれば、ぐらっときて、そのまま突進していたかもしれない、このワディアのきかせる新時代の音を前に、今、ぼくは戸惑っている。お恥ずかしいことである。
 明晰さということでいえば、これは、ぼくがいまだかって耳にしたことのない明晰な音である。ここで耳にした音には、さしずめ、超人的な頭脳の持主が、消しゴムを使った痕跡さえ残さず、ものの見事に解いた方程式のような感じが或る。このような曖昧さを微塵も残さない音が、ぼくは、もともと嫌いではない。しかし、やはり、どうしても、マ・ノン・トロッポ! と呟かないではいられなかった。
 ただ、そのようなワディアのWADIA7+WADIA9のきかせる音についての感想は、あくまでもぼくのきわめて個人的なものでしかないので、ご興味のある方は、どこかで、なんとか機会をみつけられて、このユニークな音とふれあわれることをおすすめする。もしかすると、ご自身のオーディオ感の根底をゆさぶられるような思いをなさらないとも限らない。それだけの、独特の力をそなえている、このワディアの音である。
 マークレビンソンのNo.31L+No.30Lを最後にきいた。これは以前にもきいたことがある。したがって、「どうも、お久しぶり」、といった感じできき始めることができた。ここで耳にする音は、音の性格として、ワディアのWADIA7+WADIA9のきかせてくれる音の対極にある。
 もし、ワディアのWADIA7+WADIA9のきかせてくれる音がエゴン・シーレ描くところの痩せた美少女にたとえられるのであれば、マークレビンソンのNo.31L+No.30Lのきかせてくれるのはグスタフ・クリムトの描く豊潤な美女であろう。この、個々の音を、ぐっとおしだしてくる、たっぷりとしたひびきっぷりは見事の一語につきる。このマークレビンソンをしばらくきいた後に、ソニーをあらためてききなおしたら、けっして痩せすぎとはいいがたいロミー・シュナイダーがひどくスリムに感じられた。
 充分に繊細であり、鋭敏でもあって、そのうえ、腰のすわった、肉づきのいい音をきかせてくれるのが、このマークレビンソンである。粗衣身で、これは、いかに過酷なききての求めであろうと、十全にこたえられる機器というべきであろう。このような音を耳にすると、CDはどうも音が薄っぺらで、といったような、しばしば耳にする、表面的なところでのCD批判のよりどころが、どうしたって、ぼけてくる。
 いくぶん逆説的にきこえてしまうのかもしれないが、このCDの強みを最大限いかしきった機器できける音は、さまざまなCDプレーヤーのきかせてくれる音のなかで、もっとも非CD的な音である、といえなくもない。この力にみちた、弾力にとむ音は、たぶん、最高級のアナログディスクプレーヤーできける音と較べても、いささかの遜色もないはずである。まことに見事な、表現力にとんだ、恰幅のいい音である。
 ただ、畏敬しつつも、身近に感じることのできない音が或る。そのあたりが模範回答のないオーディオの、オーディオならではの面白いところというべきかもしれない。ぼくにとって、マークレビンソンのNo.31L+No.30Lのきかせてくれる音が、畏敬しながらも、自分からは離れたところにある音のようである。グスタフ・クリムトの描く豊満な美女に対する憧れは充分にあるが、そのタイプの音となると、かならずしもぼくのものではない、と思ってしまう。
 絶世の美女四人とのステレオサウンド試聴室での、しばしばの団欒は、スリリングでもあり、まことに楽しかった。ステレオサウンド試聴室につどったロロやドド、ジュジュやマルゴたちのチャーミングな容姿や物腰、それに体温を、ダニロよろしく思い出しているうちに、アンプもあたたまってきたようである。
 いささかの後ろめたさと不安を胸に、ぼくはスチューダーのA730のスタートボタンをおした。あたりまえのことながら、日頃なじんでいた音がきこえてきた。ぼくは、なれない外国語に苦労しつつ一人であちこち旅してきて、やっとのことで帰りつき、「お疲れさま」、とやさしく声をかけられたときのような気持になり、なぜか、ほろっとした。そして、同時に、安堵の溜息をつかずにいられなかった。
 ステレオサウンド試聴室で出会ったロロやドド、ジュジュやマルゴたちは、たしかに、今、ぼくの使っているスチューダーA730+ワディア2000SHのいたらなさに気づかせた。最新のCD再生機器の性能が、ここのところにきて大きく向上したのは否定しようのない事実である。その意味で、M1の、「このところにきて、CDプレーヤーが新しい局面をむかえていましてね」、といった言葉は正しかった。
 以前であれば、このような状況を目のあたりにすれば、前後の見さかいもなく、飛石づたいに、あっちにふらふら、こっちにふらふらするような感じで放蕩をかさねられたのかもしれなかった。しかし、今は、よほどうちの嫁はんに惚れ込んでしまっているためかどうか、どうやら、ここしばらくは、ロミー・シュナイダーのことが原因の別れ話をしないでもすませそうに思え、ほっとしつつも、ちょっと寂しい気もしている。
 それにしても、「お前、大丈夫か?」、と呟いたぼくに答えるかのように、A730が恥じらいつつうなずいたのは、あれは幻影だったのか?

デンオン DCD-3500G

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井上卓也


'89NEWコンポーネント(ステレオサウンド別冊・1989年1月発行)

「'89注目新製品徹底解剖 Big Audio Compo」より


 DCD3500は、従来のDCD3300を受け継ぎ、今年の6月にデンオンから発売された同社のトップモデルCDプレーヤーである。
 このモデルは、従来のDCD3300で外装がブラック仕上げのモデルがまず発売され、続いて、木製ボンネットとシャンペンゴールド系のパネルフェイスを備えたゴールドタイプが加わり、2モデル構成とした特徴を踏襲し、当初からDCD3500GとDCD3500の、ゴールドタイプとブラックタイプが用意されている。
 外観から受ける印象は、パネルフェイスを簡潔に見せる、いわゆる高級機共通のデザイン傾向が採用され、パネル幅全面にわたり、シーリングポケットが設けられ、10キーをはじめ、ヘッドフォンジャックと音量調節、2系統のデジタル出力の選択とOFFポジションをもつ切替スイッチ、ディスプレイ切替などが内部に収められている。
 このディスプレイ切替は、蛍光表示管のON/OFFに伴う微小レベルのノイズ発生や、ドライブ回路からの干渉などが音質に影響を与えるのを避けるためのもので、ディスプレイを消すタイプがパイオニアのモデルに採用されて以来、中高級のジャンルでは、ほぼ標準的な装備になりかけているフィーチェアだ。
 本機に採用されたディスプレイスイッチは、①標準点灯、②ミュージックカレンダー部分の消灯、③全消灯、の3段切替型であるが、全消灯時でも選曲もしくは頭出しなどの操作をすると、一瞬の間だけ曲番のみを表示する。
 PCM録音で世界初のデジタルレコーディングによるディスクを発売した伝統を誇る、デンオンのデジタル業務用機器の開発の成果であるSLC(スーパーリニアコンバーターは、変換誤差補正回路による補正信号を加えてゼロクロス歪を排除するデンオン独自の技術であり、デンオンCDプレーヤーの大きな特徴でもあるわけだ。
 今回採用の新SLCは、米バーブラウン社製の18ビット用IC(PCM64P)に、ディスクリート構成の2ビット分を加え、リアル20ビット化したタイプで、量子化軸方向の分解能で16ビットタイプと比較して16倍の分解能(滑らかと考えてもよい)を得ている。なお、新SLCでは、ゼロクロス歪対策のひとつとして、ラダータイプと呼ばれる標準的な抵抗を数多く使う方式で発生する抵抗誤差によるゼロクロス歪を排除するため、影響の大きい上位4ビットまでを補正していることも特徴だ。
 一方、演算を受け持つデジタルフィルターは、現在の標準型8fSタイプである。
 回路も大切だが、それらを収納する内部構造、配置も、機械的な共振系と考えれば、共振のQが大きいだけに、音質と直接関係がある、いわばCDプレーヤーの勘所でもある。
 基本構想は、正統的なD/A分離左右独立構造であるが、現実にどのように処理されているかが結果を左右する。
 銅メッキ鉄板を採用したシャーシ内部は、左右方向にシールド板で分離され、左側前部にプレーヤー部分、後部に2個のデジタル用とアナログ用の電源トランスが並ぶ。
 シャーシ右側は、前後に大きく2分割された基板配置が目立つ。その後側が左右独立配置のD/Aコンバーターブロックであり、アース回路に、インピーダンスを下げ、高周波の干渉を防ぐ業務用機器用といわれるバスバーラインを採用している。
 プレーヤー部は、剛性が高く、振動減衰付性に優れたBMC製の大型メカシャーシに取り付けてあり、さらにBMC製メカベースは、低反発ゴムとスプリングを組み合わせた支持機構により、金属製メカプレートから吊り下げられている。
 金属製メカプレートは、大型のブロックともいえるBMC製メカシャーシに取り付けてあり、異種材料を組み合せた防振構造体とした設計である。
 構造面でのDCD3500Gの特徴は、上部の天板部分と左右がリアルウッドの光沢仕上げ、パネルフェイスがデンオンでプラチナゴールドと呼ぶ仕上げになっていることだ。天板部分は、結果としてリアルウッドと鋼板の2重構造、底板部分は鋼板2枚貼合せのバイブレスプレートと、厚さ1・6mmの鋼板、銅メッキシャーシの4重構造を採用。脚部は、直径65mm、4個で重量1800gの黄銅削出しインシュレーターを採用。
 一方、DCD3500は、天板部が4mm厚アルミ押出し材、側面が木製サイドボード、鋼板、シャーシの3重構造、底板部は共通の4重構造、脚部は焼結合金をアルミでカバーしたタイプだ。
 なお、出力系は固定、ヘッドフォン出力調整を兼ねた電動ボリユウム採用の可変、バランスの3系統アナログ、光1/同軸2系統のデジタル出力を備える。
 滑らかで、バランスが良く、幅広いプログラムソースに対応する、デンオンならではの安定感のある穏やかな音は、前作ゆずりの魅力である。しかし、中域の密度感の向上で、緻密さの表現や力強さが加わり、デンオンのリファレンス機として充分な格調の高さが出てきたことが、3500シリーズの新しい魅力である。Gタイプは、力を表面に出さない一種の渋さが、高級機ならではの風格だ。

デンオン POA-2200

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井上卓也


ステレオサウンド 84号(1987年9月発行)

特集・「50万円未満の価格帯のパワーアンプ26機種のパーソナルテスト」より


細身のシャープな音が目立つアンプだ。プログラムソースは、全体にスケールを小さく、整理して聴かせる傾向があり、音像は小さく、クリアーである。聴感上でのSN比は、標準的にとどまり、見通しのよい音場感というには少し不足気味だ。音色は軽く、適度に明るく、質的にも充分の高さがあるが、低域の量感と力感が不足気味。スピーカーの設置などで対応したい。エージング不足傾向があり反応の早さは標準的だ。

音質:75
魅力度:85

デンオン POA-3000ZR

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井上卓也


ステレオサウンド 84号(1987年9月発行)

特集・「50万円未満の価格帯のパワーアンプ26機種のパーソナルテスト」より


レスポンスはスムーズであるが、旧モデルよりは少しナローレンジ型に変わり、安定度が向上したように聴こえる。ウォームアップにより素直で少し線の細いスッキリした音から、安定感のある少し暖色系の音に変わる。性質は素直で、アッテネーターの個性をクリアーに聴かせるが、スムーズで濃やかなタイプにマッチする。予想よりも反応の早さ、分解能のよさが出ないのは、メインテナンス面でのエージング不足であろう。

音質:85
魅力度:86

デンオン PMA-970

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瀬川冬樹


ステレオサウンド 57号(1980年12月発行)

特集・「いまいちばんいいアンプを選ぶ 最新34機種のプリメインアンプ・テスト」より


●総合的な音質 総体に硬調、かつハイコントラストぎみの音。しかし基本的な音の質がひじょうに磨かれているために、硬めの音質も弱点とはならず、ひとつの個性といえるまでに仕上っている。こうした性格は当然といいながら、クラシックの、特にロマン派以前の管弦楽などには、もうひと味柔らかさがほしいと思わせる場合もあるが、反面、近代・現代の管弦楽曲などには、一種の爽快感を聴かせると同時に、新しいフュージョン系のポップスでも魅力的な音を味わうことができる。しいていえば、硬さのなかに表現される質の良い緻密さを損なわぬまま、いっそうの柔らかさ、ひろがり、さらには十分に深さのある奥行きなどが再現されれば、抜群という表現を使ってもよい。
●カートリッジへの適応性 デンオンDL303が最もよく合うかと思ったが、アンプ自体のもっているやや硬めの音の質に、303の中高域のときとしていくぶん硬くなる音が相乗効果となるためか、必ずしもよい組合せとは言いきれない。ただし曲により──クラシックでは近代・現代の管弦楽曲、あるいはパーカッションを中心としたポップスなど──この切れこみのよい、粒だちのはっきりした音は特徴となるだろう。
 MCポジションでのノイズは、あまり耳につきにくい軽い性質であるとはいえ、量的にはもう少し減らしたい。オルトフォンMC30では、DL303に比べて、いくぶん音が甘くソフトぎみになり、言いかえれば、切れこみあるいは音の鮮度といった部分が、やや不足ぎみという印象になるが、反面、前述の303での硬調ぎみの音が適度に柔らげられ、トータルなバランスはうまくまとまる。一方、外附のトランスを通して試聴してみた結果、MCヘッドアンプの音質がよいことを、逆に思い知らされた
 MMポジションでは、オルトフォンVMS30/II、エムパイア4000DIIIの、それぞれ対照的な性格をよく生かし、カートリッジの特徴を鳴らし分ける。エラック794Eで傷んだレコードをトレースしても、歪は歪みとしてはっきり出すが、基本的な音の質が高いためか、あんがい耳ざわりなく聴ける。
●スピーカーへの適応性 このクラスになると、さすがにアンプのクォリティが高いためか、アルテック620Bカスタムのような難物のスピーカーでも、かなりの充足感で聴き手を満足させる。
●ファンクションおよび操作性 クリックノイズはよく抑えられている。インプットセレクターを切替えるとミューティング(約2秒)が働くが、もう少しタイムラグを短くしてほしい。ヘッドフォンのインピーダンスが切替えられ、ダイレクトポジションでは、ヘッドフォンがスピーカー端子に、分割抵抗を通さず直結され、一般のアンプのヘッドフォン端子よりはるかに生々しい、鮮度の高い音を聴ける。
●総合的に 質の高く、密度の濃い充実した音を聴かせ、さすがにプリメインの高級機であることを納得させる。

チェックリスト
1. MMポジションでのノイズ:小
2. MCポジションでのノイズ:中
3. MCポジションでのノイズでの音質(DL-303の場合):2+
4. MCポジションでのノイズでの音質(MC30の場合):1+
5. TUNERの音洩れ:なし
6. ヘッドフォン端子での音質:3+(DIRECTで)
7. スピーカーの特性を生かすか:2+
8. ファンクションスイッチのフィーリング:2+
9. ACプラグの極性による音の差:小

デンオン PMA-550

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瀬川冬樹


ステレオサウンド 57号(1980年12月発行)

特集・「いまいちばんいいアンプを選ぶ 最新34機種のプリメインアンプ・テスト」より


●総合的な音質 前出のPMA540は、どちらかといえば、ソフトな肌ざわりの中に芯のしっかりした音が聴きとれたが、PMA550になると、その芯のしっかりした部分がもう少し表に立ち、一聴すると、いくぶんハード志向の音というふうに聴きとれる。したがって、クラシックのにが手なタイプのように思えたが、いろいろなプログラムソースを通して聴く限り、いくぶん硬めの音でありながら、クラシックの管弦楽なども、十分納得のゆくバランスで聴かせてくれる。
●カートリッジへの適応性 オルトフォンVMS30/IIのように、わりあいソフトな味わいをもったカートリッジでも、いくぶん硬質ぎみに整え、クラシックのオーケストラを非常に密度の高い音で聴かせる。反面、高域にかけての繊細な音が空間に散りばめられ、消えていくといった雰囲気がいくぶん物足りない。エムパイア4000DIIIでの「ニュー・ベイビィ」のプレイバックでは、このアンプがもっている力がよい方向に作用し、打音ひとつひとつがよく決り、パワーの伸びと音の質の良さとが十分にうかがえる。エラック794Eのプレイバックでは、レコードの傷みあるいは歪はそれとしてわからせるものの、シリつきのような、きわどい音は抑えられ、一応聴けるところまで音をまとめてくれる。
 MCポジションでオルトフォンの場合には、ややハムの混入したノイズが、ボリュウムを上げると耳につく。音質自体も、MC30に対しては、やや甘くぼかす傾向がある。しかし外附のトランスを使うと、PMA550の性格とオルトフォンの相乗効果であろうか、曲によって、ややきつい、あるいは押しつけがましいというような音になりがちで、オルトフォンを十分に生かすタイプではないように思う。その点デンオンDL303は、当然とはいうものの、たいへんうまいバランスに整えられ、相当に堪能できる。フォーレのヴァイオリン・ソナタのように、微妙なニュアンスを要求する曲では、良質の外附のトランスの方が、ヴァイオリンらしさ、弦の鳴り方が胸に美しく響く実感がよく出て、いっそうよい結果が得られる。
●スピーカーへの適応性 アルテック620Bカスタムは、比較的中域のよく張った、いくぶん硬質な音を出しがちなスピーカーだが、この点、550との相乗効果であろうか、必ずしも620Bをベストで鳴らすとはいいがたく、このアンプを生かすにはスピーカーとカートリッジを選ぶ必要があるように思う。
●ファンクションおよび操作性 ファンクションはたいへん豊富で整っており、ボリュウムをかなり上げた状態で各ファンクションスイッチをON-OFFしても、気になるノイズは全く出ない。しかし、MMとMCの切替え時に働くミューティングのタイムラグが長く、もう少し瞬時に切替わるようにしてほしい。フォノ聴取時のチューナーからの音洩れは全くなく、良好。
●総合的に いくぶんハード志向の音ながら、総合的によくまとめられ、聴きごたえのあるなかなか良質の製品。

チェックリスト
1. MMポジションでのノイズ:小
2. MCポジションでのノイズ:中(わずかにハム混入)
3. MCポジションでのノイズでの音質(DL-303の場合):2+
4. MCポジションでのノイズでの音質(MC30の場合):1+
5. TUNERの音洩れ:なし
6. ヘッドフォン端子での音質:2+
7. スピーカーの特性を生かすか:2
8. ファンクションスイッチのフィーリング:2
9. ACプラグの極性による音の差:小

デンオン PMA-540

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瀬川冬樹


ステレオサウンド 57号(1980年12月発行)

特集・「いまいちばんいいアンプを選ぶ 最新34機種のプリメインアンプ・テスト」より


●総合的な音質 たいへん穏やかなバランス。それを支える力も十分にあり、大掴みにたいへん優れた音質といってよいと思う。以前のデンオンのプリメインと比べ、クラシック、ポップスを通じて十分納得のゆくバランスおよび音質に仕上げられ、いろいろなプログラムソースを通じて、かなり満足できる。一聴して目立つ解像力の良さ、鮮度の高さが表立っていないために、ちょっと聴くと平凡に感じられるほど、何気ない音を聴かせるようでありながら、時間をかけて聴くにつれ、このバランスがかなり慎重に練り上げられていることがわかる。長いこと、デンオンのアンプの弱点であったクラシックのオーケストラのかなりのハイパワーの再生でも、聴き疲れすることなく、全体のバランスおよび音像の再現もことさら音を前に押し出すのではなく、十分、奥行き感、ひろがりをもって聴かせる。
●カートリッジへの適応性 オルトフォンVMS30/IIの場合のバランスは際立って良好で、クラシックばかりでなく「サンチェスの子供たち」のパーカッションをかなりの音量で聴いても、パワー感や音の伸び、充実感は十分。またエムパイア4000DIIIのシェフィールド「ニュー・ベイビィ」の再生では、全体の力感がしっかりし、ローエンドの支えが十分で、パーカッションの強打でも、この価格帯としては、実体感がよく聴きとれた。エラック794Eのような傾向に対して、旧モデルPMA530は弱点を聴かせたが、本機ではそこがコントロールされ、レコードの歪は歪みとして出しながらも、基本的な音を美しく、アラを目立たせない方向で聴かせるために、録音の古いレコードも十分に楽しめるアンプになっている。
 MCポジションでの音質は、デンオンDL303に対しては言うまでもなく良く適合し、かなりのボリュウムレベルでもノイズは実用上あまり耳につかず、音のバランスも優れている。オルトフォンのような低出力低インピーダンスMCの場合には、このカートリッジのもっている特徴をいくぶん抑えこむ
印象で、外附のトランスを使った方がオルトフォンの特徴がはっきり出る。ただし、オルトフォンの持っている中~高域の張りが、外附のトランスの場合、ややキツくなる印象もあり、そこがこのアンプの潜在的な性格といえるかもしれない。
●スピーカーへの適応性 アルテック620Bのような気難しいスピーカーを、十分とはいえないまでも、楽しませて聴かせてくれることから、スピーカーの選り好みは比較的少ないタイプといえるだろう。
●ファンクションおよび操作性 ボリュウムを上げて多種のスイッチを操作しても、ラウドネススイッチを除き、クリックノイズはほとんど出ない。フォノ聴取時のチューナーから音洩れも全くない。
●総合的に 音質についてだけいうなら、この価格帯での注目製品。デザインに上品さがあれば、もっとよい印象を与えるのではないだろうか。

チェックリスト
1. MMポジションでのノイズ:小
2. MCポジションでのノイズ:中
3. MCポジションでのノイズでの音質(DL-303の場合):2+
4. MCポジションでのノイズでの音質(MC30の場合):1
5. TUNERの音洩れ:なし
6. ヘッドフォン端子での音質:2+
7. スピーカーの特性を生かすか:2
8. ファンクションスイッチのフィーリング:2
9. ACプラグの極性による音の差:小

デンオン PMA-530

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瀬川冬樹


別冊FM fan 25号(1979年12月発行)

「20万円コンポのためのプリメインアンプ18機種徹底レポート」より


 デンオンのアンプはセパレートアンプの2000、3000というシリーズで、独特のAクラス・オペレーションを打ち出しているが、この530という新しいプリメインアンプにも、基本的には同じ考えが取り入れられているようで、ボンネットの上にダイレクトAというシールが貼ってある。価格の割に見た目が薄形にできており、外観からは、ローコストで手抜きをしたアンプかなという印象を受けかねないが、実際に持ってみると、このアンプは意外にずっしりと重い。かなり中身の濃さそうなアンプという気がする。
 比較的ファンクションも充実している。MシートMMの切り替えも付いており、スピーカーもA、Bが使える。そしてもう一つ、ダイレクト・カップルのボタンが付いている。これはヤマハのA3や、トリオのKA80と同じようにトーン・コントロール、その他のファンクションを飛び越してダイレクトで使えるという機能だ。
音質 このアンプの音質だが、一つ一つの音が、大変コントラストを強く、力を持って出てくる割には、全体の音域を通してのバランスというものが、どうもこの値段にしては、物足りないという気がした(理由はあとでわかった)。
 例えば『サンチマスの子供たち』のオーバーチュアの部分。この部分は非常に音域が広く、音の強弱も激しいところだが、ドラムスの低音の音がかなり力と重量感を持って聴こえてくるのに加えて、シンバルの音は、割合に鋭くシャープに出てくる。にもかかわらずいわゆる中低域のところのエネルギーがちょっと薄くなるような感じだ。
 少し細かい物の言い方をしすぎるかもしれないが、強いて説明しようとするとそういうことになる。
MCヘッドアンプ オルトフォンおよびデンオン、両方のタイプのカートリッジをつないでみたところが、やっぱりオルトフォンでは、少しゲインが足りない。音質が割合にいいから、比較的激しい曲ではオルトフォンでもSNが比較的いいのでフルボリューム近くでも、使えなくない。デンオン103Dの方は、これはもうデンオンのアンプだから当然とはいうものの、実に103Dをよく生かす音がする。ゲインも非常にうまく配分されており、手ごろなボリュームできちんとした音がする。最初のうちあまり音質についていいことを言わなかったのは、エラックの794Eをつないだ時の話で、実はこの103Dを、このMCヘッドアンプを通して鳴らした時の、このアンプの音というのは、最初に言ったような、気になる部分がかなりうまく抑えられて快適な音がした。ということは、当然のことかもしれないが、このアンプは、デンオンのカートリッジで相当音が練り上げられているという感じだ。
トーン&ラウドネス ダイレクト・カップルのボタンをオフにして、トーン・コントロールを動作させると、注意深く聴かなくてはわからない程度だが、音質はほんのわずか変化する。
 心もち音の伸びが損なわれるかな、という感じだ。トーン・コントロールを動作させた時の効き方というのは、ごく普通だ。ラウドネス・コントロールはトーンと無関係に動作させるものだが、これはごく軽く効くというタイプ。
ヘッドホン ヘッドホン端子での出力は、ごく標準的でヘッドホンで聴いた音量感と、スピーカーを鳴らした時の音量感がだいたい同じボリュームの位置で聴ける。ヘッドホン端子がやや低いかなという程度。このアンプはヘッドホン・ジャックを差し込んだ時にスピーカーが切れるタイプで、スピーカーのオフがない。スピーカーのAB切り替えがボタンのオン、オフで行われているので、このアンプに関しては、スピーカーのA+ビートいう使い方はできない。

瀬川冬樹

ステレオサウンド 52号(1979年9月発行)
特集・「いま話題のアンプから何を選ぶかより

 デンオンは、数年以前に、プリメイン型のPMA500、700でその技術のたしかさを強く印象づけて以後、いつまにか方向を転換してしまったのか、最近までの製品は、どことなくかつてのあのぐいぐいと聴き手の心をとらえる音がしなくなってしまっていた。
 それが、今回の新型セパレート、PRA2000とPOA3000との登場で、一挙に飛躍をはかったと聴きとれた。PRA2000のほうがひと足先に完成しているが、試作初期の段階では、どちらかといえば今どきこんな音のプリじゃどうしようもない、というような印象だった。ところが、二度めに聴かされたプリプロ(量産直前の生産モデル)機では、一転して、音の質の良さ、鮮度の高さ、解像力と立体感の表現のよさ、あらゆる点からみて、第一級のプリアンプに仕上っていた。
 POA3000は、試聴時の製品はプリプロ機なので、量産に移った製品がこの音質を保つかどうかは、いましばらく確認の時間と機会を待たなくてはならないが、しかし現時点での音をひとことでいうと、きわめて上質のウエルバランス、
とでも言ったらいいのだろうか。
 国産アンプの性能が一様に高い水準に達した現在でも、その音色、音の質(品位、クォリティ)、そしてバランス、音の鮮度(フレッシュネス)、そして音の生きている感じ、などといったいろいろの角度からみるかぎり、満点のつけられる製品は決して多くはない。概して国産アンプの音色は湿り加減、というよりも湿気を含みすぎているようだ。それだからときとしてアムクロンのような、乾いた音の快さを感じるのかもしれない。音の質はよく磨きあげられて粗さはほとんどおさえられているが、それと同時に音の生命感までも抑え込んでしまって、音楽の躍動感、実在感が希薄になってしまうようなアンプも少なくない。バランスという点では、これも概して低音の量感、ほんとうの意味での量感が不足している例が多い。ニセの量感で鳴るアンプはある。けれど音楽を確かに形造る腰の坐りのよい、しかし重くならないで、生き生きとよく反応する機敏さを保ちながら、十分の量感で土台を支える音は、アンプばかりでなく国産の音の最もニガ手の部分だろう。
 デンオンがそうした面のすべてをうまく鳴らす、などとオーバーなことはこの際言わないけれど、まず鳴りはじめから、国産らしからぬ、嫌な湿度を感じさせない快く乾いた質感にオヤ? と思わせられる。十分にひずみ感の取除かれた美しい音質だが、某社のようにどこか作りもの的な、まるでノイズストレッチャーを通したかのような人工的な白痴美の音でもないし、反対に血の通わないメカニックな正確さでもない。また、これぞ解像力といったような音の鮮度をことさら誇示するわけでもなく、要するにそれらが過不足なくよくバランスしている。つまり鳴っている音の部分部分に気をとられることなく音楽そのもの、または楽器自体の持っている美しさとその美しさを形造っている音色の特質を、十分にとまではゆかないまでも、こんにちの最高クラスのアンプと比較してもなお、相当の水準で鳴らし分ける。ことさらの作為を感じさせない。音のまとめ方──というより聴かせ方は、アムクロンとも一脈通じるかもしれないが、アムクロンほど即物的でなく、力感と繊細さ、男性的な堂々とした印象と女性的な色艶とが、くどいようだが十分とまではゆかないにしても、対比されつつ鳴ってくる。必要な音が必要なだけ出てくるという感じで、むろんボリュウムを思い切りあげてみても、たとえば「ダイアログ」のバスドラムの音の力感もまず不足はない。たまたま、IVIEの簡易アナライザーで某氏が測定していたところ、バスドラムの低音で、32Hzの目盛が109dB/SPLまで振れた。そういうパワーを鳴らし続けても、聴き手に不安を与えない点もまたみごとといえる。
 少しほめすぎになってしまっただろうか。ともかく、パワーアンプがプリプロ機であったから、前述のように量産に入ってからぜひもう一度聴き直してみたいアンプであった。

デンオン PRA-1001

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瀬川冬樹

世界のコントロールアンプとパワーアンプ(ステレオサウンド別冊・1978年春発行)
「最新型94機種のテストリポート」より

 弟分の1003のところでも書いたと同じように、相対的にはバランスのよくとれた音で、ことさらにこのコントロールアンプでなくてはという音の特徴もないかわりに目立った弱点もない製品で、その点が安心できるともいえるし、しかしこの価格になればもう少し何かプラス・アルファも欲しい気もする。1003との比較では、こちらの方が音の艶があり密度も増して、聴きごたえの出てくる反面、中〜高域で、表面はおとなしくコントロールされているようで気づきにくいが、プログラムソースによってはときとしてかなり張り出してくるエネルギーがある。それをもう少しおさえることと、ハイエンドではもう少し目の前が開けたような透明感も望みたくなる。

デンオン PRA-1003

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瀬川冬樹

世界のコントロールアンプとパワーアンプ(ステレオサウンド別冊・1978年春発行)
「最新型94機種のテストリポート」より

 たいへんバランスのよく整った音で、こういう音は言葉で言い表そうとするとかえってむずかしい。要するにこれといった際立った特徴があるわけでなく、たとえば難しい「オテロ」冒頭のトゥッティでも音のつみ重なりや各声部の表情を、曲の内容をいちおう聴きとるに不足しない程度には鳴らし分ける。この価格ということを頭に置いて言えば、これはかなり出来の良いコントロールアンプといえる。ただ、価格を別とすれば、低音での支えがもうひと息欲しいし、また中〜高音域では、わずかながら表情に硬さもある。音の密度という点でも、もう少し充実感も欲しく思われる。コントロールアンプ単体として10万円以下のローコスト機という前提でのおすすめ品ということになる。

デンオン POA-1001

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 聴感上の周波数レンジは、特にワイドレンジタイプではなく、ハイエンドとローエンドは少し抑えたバランスである。音色的にも、とくに欠陥を感じやすい低域が、中域・高域と統一がとれているのは、このパワーアンプの特長である。
 LNP2Lとの組合せでは、おだやかな性格ながら色付けが少なく、コントロールアンプのキャラクターを素直に聴かせるが、中域の音の緻密さがもう少し欲しい気がする。また、音場感は、左右のスピーカー間の少し奥に引っ込んで広がり、音像の定位感は少し甘めで、輪郭のシャープさがいま一歩である。これで、音の表情に一段と活気が加われば、優れたパワーアンプになるだろう。

デンオン POA-1003

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井上卓也


世界のコントロールアンプとパワーアンプ(ステレオサウンド別冊・1978年春発行)

「最新型94機種のテストリポート」より


 上級機種のPOA1001よりも、スケール感はひとまわり小さくなるが、音の反応が早く、機敏な音を聴かせる点では、このパワーアンプのほうが一段上である。
 聴感上の周波数レンジは、かなりワイドレンジタイプで、パワーが充分にあるともいえないため、音量を上げて聴く場合には中域の緻密さが不足気味となり、低域の質感が柔らかくなり、間接音成分が多く、スッキリとしない音となる。しかし、平均的なリスニングルームの音量程度では、スケール感は小さいとはいえ反応が早く、軽快さが感じられ、音場感がナチュラルに広がる特長が、セパレート型アンプらしい個性として、このPOA1003の魅力となる。

デンオン POA-1001

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瀬川冬樹

世界のコントロールアンプとパワーアンプ(ステレオサウンド別冊・1978年春発行)
「最新型94機種のテストリポート」より

 価格も出力も1003とそんなに差があるわけではないのに、音質はその差以上に大きく、国産の水準の中ではかなりのできばえといっていいだろう。国産の、とあえて断わるのは、海外のアンプのあの湧き上ってくるような積極性に富んだ、良くも悪くも個性の強い音とは違って、やはりどこか平板だし、音の艶もやや抑える方向で鳴らすからだが、しかし抑えた中に力も充分に感じさせるので、1003では十分でなかったシェフィールドのレコード等でもかなり聴きごたえがある。ただ、弦合奏やキングズ・シンガーズの声のような場合、もうひと息冴えた立体感や躍動感が欲しくは思われるが、音楽を楽しませるという点で相当に良い部類のパワーアンプだと感じた。

デンオン POA-1003

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瀬川冬樹

世界のコントロールアンプとパワーアンプ(ステレオサウンド別冊・1978年春発行)
「最新型94機種のテストリポート」より

 85W×2という出力はそれ自体では決して小さなパワーではないが、100Wを超えるアンプが居並ぶ中に混ぜて聴くと、やや小ぶりで可愛らしい音に聴こえる。その点は価格等とにくみあわせて多少割引くとすれば、音質そのものは、クラシック・ポピュラーを通じてかなりの水準をゆく。ことに、演奏のデリケートなニュアンスがかなりよく出てくることに感心させられる。決して積極的な音ではないが、プログラムソースのディテールに素直に順応してゆく良さを持っていて、音楽を楽しむ気持をしぼませることがない。だたシェフィールドのダイレクトカッティングのようなレコードでは、もっは張りのある力が出てくれないと不十分だが、総じてよくできたアンプといえる。

デンオン PRA-1001

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井上卓也


世界のコントロールアンプとパワーアンプ(ステレオサウンド別冊・1978年春発行)

「最新型94機種のテストリポート」より


 PRA1001は、比較的にスタンダードな性格をもっている。聴感上での周波数レンジも適度で、帯域の音色バランスもよくコントロールされ、音色的な違和感は少ない。スケール感も、このクラスのコントロールアンプとして応わしいが、音の鋭角的な切れ込みでは、リファレンスのLNP2Lに一歩譲る。また、中域のエネルギー感も、いま一歩といった印象である。
 音の表情は、かなりマジメ型で、ややパッシブな面がないでもない。♯510Mとの組合せでは、音に伸びやかさがあり、音場感がかなりスッキリと広がるようになる。これは、♯510Mの力強さと緻密さが素直に出ている結果であろう。

デンオン PRA-1003

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井上卓也


世界のコントロールアンプとパワーアンプ(ステレオサウンド別冊・1978年春発行)

「最新型94機種のテストリポート」より


 聴感上の周波数レンジが、ワイドレンジタイプで、反応が早く、鮮度が高い音を聴かせるコントロールアンプである。
 音の厚みと低域の重量感は求められないが、中域が少し薄く、爽やかに伸びた音は、オーディオ的に魅力があり、ステレオフォニックな音場感が広がり、音楽の雰囲気をかなり正確に伝えるのは、このコントロールアンプのメリットである。
 音楽への働きかけは、適度に聴いて楽しい音にするという意味ではなく、色付けが少なく素直にディスクに刻まれた情報量を増幅するという意味で、かなりアクティブといえる。価格的にも10万円を割るクラスにあり、出色のコントロールアンプという感じだ。

瀬川冬樹


世界のコントロールアンプとパワーアンプ(ステレオサウンド別冊・1978年春発行)

「最新型94機種のテストリポート」より


 コントロールアンプ、パワーアンプ、それぞれ単独にテストした場合よりも、組み合わせた形の方がまとまりがよく、価格とのバランスを頭に置くかぎり、弟分の1003シリーズよりもこちらの方がやはり、セパレートアンプを入手したという満足感があるだろう。非常にバランスのよいこなれたまとめかたで、あらゆるプログラムソースに対して、ひととおり水準以上の音を聴かせる。低音から高音までのバランス、音の力と密度、立体感、そして音楽の表情の描写、どこからみても、ことさら際立った特徴は聴きとれないかわりに明らかな弱点がない。しいていえば中〜高域にエネルギーのわずかに固まる傾向があって、ことにクラシックの弦や声にもっとやわらかさや潤い、そして音のデリケートな余韻の空間に漂って消えてゆく繊細なひろがりが欲しい。しいて細かく言えば、ポップス系のように音源側でコントラストの強い傾向のプログラムソースの方が、どちらかといえば向いているといえそうだ。

瀬川冬樹


世界のコントロールアンプとパワーアンプ(ステレオサウンド別冊・1978年春発行)

「最新型94機種のテストリポート」より


 大づかみにとらえると、プリメインタイプの名作といわれたPMA700Zの傾向をきめこまかくグレイドアップした感じの音質で、バランスがよく整っているし、際立った個性もないかわりに音楽の表情を抑え込むようなことがなく、クラシックからポピュラーまで、いろいろなプログラムソースをひととおりの水準で楽しませる。ただ、セパレートタイプとしてもまた最近の高級プリメインタイプと比較しても高出力型ではないせいもあって、音のスケールの大きさの要求される(例えば「オテロ」のような)曲では多少小造りになるし、ハイパワーを要求する(例えばシェフィールドのような)レコードでは極端なハイパワーは出せないというように、価格の制約を頭に置いて選択の対象にしないと不満が出るかもしれない。しかしデザインや必要なコントロールの機能などを含めて全体のまとめかたは、とてもよくこなれていて、セパレートアンプを手に入れようという期待感を裏切ることはないだろう。

デンオン SC-107

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黒田恭一


ステレオサウンド 44号(1977年9月発行)

特集・「フロアー型中心の最新スピーカーシステム(上)」より

スピーカー泣かせのレコード10枚のチェックポイントの試聴メモ


カラヤン/ヴェルディ 序曲・前奏曲集

カラヤン/ベルリン・フィル

❶ピッチカートが軽くひびく。木管も音色の特徴を示すが、軽い。

❷スタッカートは鮮明だが、ひびきにもう少し力がほしい。

❸フラジオレットの音色はわかるが、効果的とはいえない。

❹きれいにまとまるが、フランスのオーケストラのようにひびく。

❺迫力はとぼしいが、バランスよくまとまっている。


モーツァルト:ピアノ協奏曲第22番

ブレンデル/マリナー/アカデミー室内管弦楽団

❶ピアノの音像が小さめで、オーケストラとのバランスがいい。

❷音色対比は充分にできている。それぞれの特徴をよく示す。

❸ひひきにさわやかさがあり、こまやかなあじわいを示す。

❹このフレーズの特徴はよく示していて、このましい。

❺木管楽器の特徴は示すが、ピアノの音は軽くなりすぎている。


J・シュトラウス:こうもり

クライバー/バイエルン国立歌劇場管弦楽団

❶音像がふくれすぎないよさがある。すっきりした定位もいい。

❷接近感を示す。声もなまなましい。

❸クラリネットの音色もよく示されている。

❹はった声も硬くなることなく、オーケストラとのバランスもいい。

❺それぞれの楽器が、きれいに、くっきりとうかびあがる。


「珠玉のマドリガル集」

キングス・シンガーズ

❶すっきりした音できこえるので、定位ははなはだいい。

❷声量をおとしても、言葉は不鮮明にならない。

❸残響をほどよくおさえているので、細部があいまいにならない。

❹ひびきにみがるなところがあるので、明瞭にききとれる。

❺ほどよくひびきがのびているので、ポツンとは切れない。


浪漫(ロマン)

タンジェリン・ドリーム

❶音色的にも、音場的にも、コントラストがついている。

❷ひびきが軽いので、しのびこみは自然で、のびもいい。

❸ひびきが浮遊するので、ひろがりがある。

❹前後のへだたりはとれているが、もう少しひびきに力がほしい。

❺ピークで刺激的なひびきになり、迫力の点で不足を感じる。


アフター・ザ・レイン

テリエ・リビダル

❶ひびきに透明感があり、さわやかでいい。

❷ギターのひびきがたたない。せりだし方も不足している。

❸しずみこんでしまって、充分な効果をあげえない。

❹さわやかに、輝きのあるひびきで、はえる。

❺ききとることはできるが、決して充分とはいえない。


ホテル・カリフォルニア

イーグルス

❶12弦ギターの音色は、多少薄味になっているが、いきている。

❷サウンドの厚みは感じとりにくい。

❸この部分についてはこのましいが、一面的なひびきになりがちだ。

❹つっこみはシャープだが、軽くひびきすぎる。声はまずまずだ。

❺言葉もたち、バックコーラスの効果もいきている。


ダブル・ベース

ニールス・ペデルセン&サム・ジョーンズ

❶スケール感が示されず、しかも音像が大きくふくれがちだ。

❷指の動きは示すが、それがなまなましさにはつながらない。

❸一応示すものの、その際のひびきに力がない。

❹力強さは充分とはいえないが、音の動きはわかる。

❺ペデルセンがとびだしすぎて、いささか不自然だ。


タワーリング・トッカータ

ラロ・シフリン

❶シャープに切りこむが、ひびきに力がほしい。

❷ブラスに輝きはあるが、力感にとぼしい。

❸音色的には充分な成果をあげているが、さらに強くてもいい。

❹音の見通しがつくために、後からきこえるトランペットがいきる。

❺リズムはシャープにきざまれているが、力がほしい。


座鬼太鼓座

❶尺八のひびきはこのましい。ひびきのひろがりも感じられる。

❷脂っぽさはまったくなく、このましいひびきになっている。

❸ぼんやりとひろがってだが、ききとることができる。

❹乾いた音になり、大きさも迫力も、示されない。

❺かなりくっきりききとれるものの、幾分わざとらしい。

デンオン SC-107

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瀬川冬樹


ステレオサウンド 44号(1977年9月発行)

特集・「フロアー型中心の最新スピーカーシステム(上)」より


 ちょっと国産らしからぬ艶の乗った、一種気品のある響きの美しさが、あきらかにSC104の兄貴分であることを思わせる。極上とまではゆかないが、国産のこの価格帯では相当に上質な音のスピーカーといえる。えてして国産の中で、音楽を楽しませるよりも音を分析する気にさせるような鳴り方をするのが少ないとは言えない中で、つい聴き惚れさせるといってオーバーなら、ともかくいつまでも聴いていて気になる音のしない気持の良い音で楽しませてくれる、といっても良いだろう。ただ、クラシック系にはレベルコントロール(高音のみ)を-1ぐらいまでほんの少し絞った方がいっそうバランスが良くなると感じたが。
 いわゆる輪郭鮮明型でなく、耳あたりのソフトなタイプだが、しかし不必要に角を丸めるようなことはなく、プログラムソースやアンプやカートリッジの音のちがいを素直に反映し(言いかえれば好みのカートリッジやアンプを自由に組み合わせることができる)ながら、適度に暖かく出しゃばらず、音楽のカンどころを確かにとらえて聴き手に伝えるという点が、やはり残念ながらヨーロッパ製のユニットの良さだろう。
 台は低め(約20cm)で、背面は壁からやや離す方がバランスがよかった。あえていえば、もうひと息の音の彫りの深さ、音場の奥行きと空間のひろがり、音の品位、などの点が、わずかとはいえ純欧州製との違いといえる。

デンオン SC-104

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瀬川冬樹


ステレオサウンド 44号(1977年9月発行)

特集・「フロアー型中心の最新スピーカーシステム(上)」より


 本誌43号で「ややポピュラー志向的に音を作っている」と書いた点をまず訂正したい。初期の製品はその傾向が強かったが、今回のサンプルは、以前にくらべてよくこなれてきたのか、クラシックからポピュラーまで、破綻の内バランスで気持よく楽しませてくれた。
 すべての音にどことなく脂の乗った照りを感じさせ、音がとてもみずみずしくよく弾むところが、国産としてはひと味ちがう良さ。どちらかといえば弦や木管やヴォーカルの暖かい丸みがよく出るタイプだが、たとえば4000D/IIIとCA2000で、メーターが振り切るまでパワーを上げてみても、パーカッシヴな音でもくずれたり濁ったりせずに音がよく延びる。またバルバラのシャンソンでは、STS455EとKA7300Dでのしっとりした情感、そして音像定位やプレゼンスの表現も、なかなか見事だし、F=ディスカウでSQ38FD/IIにしてみると、独特の声の滑らかさが生かされる......というように、カートリッジやアンプの選り好みもせずに、それぞれの良さをうまく鳴らし分ける。
 ユニットの配置は非対称だがR・Lの区別はない。約50cmの台で背面を壁につける置き方が、音の分離やシャープネスも適度に保って良好だが、そのまま台を約20cmと低くすると、低音の量感が出て総体に落ちつきを増して、私にはこの方が好ましく思えた。この価格帯では出色の佳作。

デンオン SC-104

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黒田恭一


ステレオサウンド 44号(1977年9月発行)

特集・「フロアー型中心の最新スピーカーシステム(上)」より

スピーカー泣かせのレコード10枚のチェックポイントの試聴メモ


カラヤン/ヴェルディ 序曲・前奏曲集

カラヤン/ベルリン・フィル

❶ピッチカートはさわやかにひびくが、木管は薄味だ。

❷スタッカートは鮮明で、ひろがりもあるが、ゆたかさに欠ける。

❸特徴的な音色をよく示し、他の楽器とのからみもききとれる。

❹ピッチカートはふくれない。音の動きは鮮明だ。

❺われもにごりもしないが、決して充分とはいえない。


モーツァルト:ピアノ協奏曲第22番

ブレンデル/マリナー/アカデミー室内管弦楽団

❶ピアノの音像が小さく、くっきり定位するのがいい。

❷音色的対比は、これみよがしにならず、このましく示される。

❸室内オーケストラのさわやかさが感じとれる音だ。

❹すっきりと、さわやかにきこえる。

❺幾分ひかえめにすぎるが、鮮明にききとれる。


J・シュトラウス:こうもり

クライバー/バイエルン国立歌劇場管弦楽団

❶言葉に残響がつきすぎないので、すっきりきこえる。

❷接近感を、ことさらめかさないで、さわやかに示す。

❸まろやかな音色を傷つけていない。声と楽器のバランスもいい。

❹声はあくまでもまろやかで、硬くならない。

❺ききての側で出むいていってきこうとすれば充分にきかせる。


「珠玉のマドリガル集」

キングス・シンガーズ

❶メンバーの並び方は、よくわかる。

❷声に多少残響がついているが、不鮮明になっていない。

❸子音のたち方なども過不足なく、細部までよくききとれる。

❹各声部の動きはあいまいになっていない。

❺一応の残響があるので、ポツンと切れてはいない。


浪漫(ロマン)

タンジェリン・ドリーム

❶音色的にも、音像的にも、コントラストがついている。

❷ひびきの透明感のあるのがいい。クレッシェンドも自然である。

❸音に軽みがあり、ひきずらず、一応浮遊する。

❹前後のへだたりはとれている。ただ音にもう少し力がほしい。

❺ピークでは力不足を感じる。圧倒的なひびきにはなりえない。


アフター・ザ・レイン

テリエ・リビダル

❶透明感はある。ただ、ひろがりとんいうことでは、もう一歩だ。

❷ギターの音像がふくらまず、すっきり中央に定位するのがいい。

❸一応の効果はあげるが、ひびきに力がない。

❹そのひびきの特徴を示すが、いかにも薄い。

❺きこえることはきこえるが、ひきたたない。


ホテル・カリフォルニア

イーグルス

❶12弦ギターの音色の特徴はよく示すが、ベースは不足ぎみだ。

❷ひびきの厚みの提示は、かならずしも十全とはいいがたい。

❸すっきりとぬけてくるが、幾分ひびきに力が不足している。

❹ドラムスはシャープだが力感に不足している。声はいい。

❺バックコーラスの効果は示せている。言葉は鮮明だ。


ダブル・ベース

ニールス・ペデルセン&サム・ジョーンズ

❶音像がふくらみすぎないのはいいが、力強さがない。

❷なまなましく指の音をきかせるが、すごみはない。

❸音の消え方は、ききとりにくいので、スケール感がでない。

❹こまかい動きはわかるが、力強さはない。

❺音色的にはいいが、音像的に差がありすぎる。


タワーリング・トッカータ

ラロ・シフリン

❶シャープに切れこんでくるが、アタックの強さはない。

❷ブラスに力がないので、浅いひびきにとどまる。

❸一応の効果はあげるが、ひびきが刺激的になっている。

❹へだたりはあまり感じられず、したがって接近感は不足している。

❺ふやけないのはいいが、力がたりない。


座鬼太鼓座

❶尺八が奥にいるのはわかるが、消極的にすぎる。

❷音色的には問題ないが、ひびきにもう少し力がほしい。

❸ききとりにくい。深く沈む音の再生が不得手なためか。

❹スケールの大きさは感じとりにくい。

❺かすかにきこえるが、エフェクティヴではない。

デンオン POA-1001

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岩崎千明


スイングジャーナル 1月号(1976年12月発行)

「SJ選定新製品試聴記」より


 76年秋、デンオンはトランジスタ・アンプらしからざるマイルドな音色のソリッドステート型高級アンプとして、コントロール・アンプPRA1001、パワーアンプPOA1001を発表した。ちょうど1年前の秋には、同じデンオンが真空管アンプらしからざる透明感あふれる音色の、管球式高級アンプ1000シリーズを発表しているが、外観的にはこの1年前の管球式1000シリーズとはっきりした共通点が認められる。今回の1001シリーズは、こうした外観的な特長からも、またこの型番からも、1000シリーズのアンプの技術を土台にして、その上に結実した結果ということができよう。
 ところで、オーディオ界におけるデンオン・コロムビアのブランドは、ビクターと並んで、最も古くからその中核をなしその企業組織内にレコードを主とした音楽産業を併せ持つ、音楽的色彩の強いオーディオ・メーカーであることはよく知られているだから、デンオン・ブランドのオーディオ機器は、一般に他社とははっきりとした違いを持ち、受け手の側が音楽との関わりを深めていくにつれて、「デンオン」の製品のこうした音楽的特長に気付いてくるに違いない。
 ひとくちに言って、デンオンの製品は、スピーカーにしろアンプにしろ、あるいは、プロフェショナルに永く問わりを持ち、業務用という言い方で誰をも納得させてしまうデッキやプレイヤー関係の機器に至るまでのすべてにおいて、他とは違うサウンド上の特質ともいうべき「いきいきとした生命感ある音」を大変はっきりと示してくれている。
 このため、デンオンのプリメイン・アンプは数あるライバル製品の中にあって、どちらかというと割高の傾向をみせながらもなおその愛用者が少なくない。プロ用機器の技術を土台としたデッキやプレイヤーに比べて、サウンド感覚そのものが大きく判断を支配してしまうスピーカーやアンプにおいての成功は、デンオンのオーディオ機器の優れた本質を示してくれる裏付けであると言ってよいだろう。
 だから、デンオン・ブランドのプリメイン・アンプは、最近ますます音にうるさい愛用者の用うべき高級品だと評判も高い。
 当然のことながら、こうしたプリメイン型アンプのより高級なる地位を占めるべきセパレート型に対しての期待が大きかったわけだ。しかし、一般に、期待の大きい場合にはその大き過ぎたがゆえに、期待外れの失望感を味わいやすいものだ。
 ところが、今回発表された1001シリーズは、こうした危倶をまったく感じさせない。すっきりとした外観は、見るからに高級品然とした高い品位の風格を示し、プリメイン・アンプの高級品とも格段の相違をはっきりと示す。確かに、プリアンプ、パワーアンプあわせて30万を上まわるのだから、これは当然の配慮というべきだが、それが、一見して感じられるところも商品作りのうまい点だ。こうしたことは、最近のようにデザイン重視の傾向が進めば進むほど、意外にも見逃されがちのようである。例えばほとんど同じ系列の製品群に対して同一デザインを踏襲してしまい、仕上げまでも同一程度のため、安いものほど高級感が出てきて、高価なものではその逆にその高級感が物足りなくなってくることがままある。パワーアンプのような実質本位な製品は、デザインが軽視されがちだ。
 デンオンPOA1001は、ごくあっさりとした外観ながら、実はきわめて緻密な配慮のもとにデザインされていて、サブ・パネルの下に使用頻度の少ないツマミを収め、扱いやすさと風格とをあわせ持つ。スイッチを入れると、そのスピーカー保護回路が働くのも、高級アンプにふさわしいタイム・ラグを感じさせる。
 あくまで澄みきったサウンドのうえに、切れこみの良さと、耳になじんだ快さは、マイルドで芳醇なコーヒーの味にも似て、じっくりと味わうにつれ、その深みを増していくようである。

デンオン S-270MKII

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瀬川冬樹


ステレオサウンド 36号(1975年9月発行)

特集・「スピーカーシステムのすべて(上)最新40機種のテスト」より


 S170よりもすべての点でスケールが大きく、音に厚みとゆとりが増してきて、S170で感じられた中域のおさえられた傾向も270ではなくなって、前帯域にわたってバランスがいい。VS270以来の改良のつみ重ねが実って、さすがに完成度の高いシステムに仕上ってきている。VSのころはトゥイーターがホーン型だったのをコーン型に替えているが、これは弦楽器やヴォーカル系では、音の鮮明さを失わずにしかもやかましさやクセの少ない、さわやかに目の前に展開するというコーン型の利点が生かされている。反面、ピアノ及び打楽器の系統での立上りの輪郭がわずかながら甘くなるのは止むをえないことなのだろうか。しかし全体として音のバランスの良さは、あらゆるプログラムソースが一応それなりに聴けることから評価できる。あとは、国産スピーカーに共通に望むことだが、音の艶あるいは思わず聴き惚れさせる魅力、またとの彫りの深さや雰囲気などのいずれかの魅力をこれに加えてゆくことだろう。

デンオン S-170MKII

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瀬川冬樹


ステレオサウンド 36号(1975年9月発行)

特集・「スピーカーシステムのすべて(上)最新40機種のテスト」より


 きわめて大掴みに言えばビクターSX3IIと同じ傾向の音質。しかし細かく聴いてゆけばその性格には対照的といえるほどの違いがあり、その意味でSX3IIと比較しながらの方が説明がしやすい。第一にSX3よりも音の線が細い。たとえばオーケストラ曲で、SX3が音を渾然と溶合させて聴かせるのに対してS170は各パートあるいは各音を分解、あるいは分析的に聴かせる。中域をおさえぎみにバランスをとっているためか、やかましさや圧迫感のない、しかもよくひろがり、耳あたりの柔らかな割には音の鮮度を落さずに、明晰な鳴り方をする。オーケストラでもジャズでも、低音の土台となるベースや低音楽器のファンダメンタル領域の鳴り方では、SX3の方がピッチが低いように聴こえ、シンバルのような楽器でも170の方が帯域が上に寄る感じである。あまり高くない台に乗せ、場合によってはトーンで低音をやや補う方がよいと思う。ただ、このランクにしては聴感上の能率が非常に低いのはデメリットだろう。

デンオン TU-500

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井上卓也


ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)

特集・「'75ベストバイ・コンポーネント」より


 アマチュアイズムが横溢したチューナーである。意表をついたドラムが多ダイアル、対称的に配置された2個の多用途な指示メーターなど、在来型の枠をこえた構想が楽しい。

デンオン PMA-235

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瀬川冬樹


ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)

特集・「'75ベストバイ・コンポーネント」より


 外観も音質も、ひとつ前のシリーズの持っていた味の濃さというか個性、悪くいえばアクの強さが消えてバランスのよい自然な音質に仕上っている。穏健型というべきか。

デンオン PMA-300ZA

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瀬川冬樹


ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)

特集・「'75ベストバイ・コンポーネント」より


 音の品位、繊細さ、わずかに艶を感じさせる音色の魅力など、この価格では抜群の完成度を聴かせる。さすがに緻密さとかスケールの大きさは出にくいが、価格からみて水準以上の音。

デンオン PMA-255

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瀬川冬樹


ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)

特集・「'75ベストバイ・コンポーネント」より


 PMA500の音質には独特の作られた良さがあったが、500Zの方は必ずしも改良とは思えない。むしろこの255が、500に代わるべき新しい世代の製品だろう。

デンオン DP-3700F

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菅野沖彦


ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)

特集・「'75ベストバイ・コンポーネント」より


 DDモーターの中では、もっとも聴感上の問題のないのが、ここで使われているDP3000だし、トーンアームDA305もシンプルで安定した動作、高い適応性の優れたもの。

デンオン PMA-700Z

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瀬川冬樹


ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)

特集・「'75ベストバイ・コンポーネント」より


 700と比較すると確かに音質は改善されている。最も顕著なところは、オーケストラのトゥッティでも、音が固まらずきれいに分離してよく広がるところ。完成度の高い音質。

デンオン DP-1000

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瀬川冬樹


ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)

特集・「'75ベストバイ・コンポーネント」より


 DP3000と実質的な性能はあまり変らずコストダウンした。自作派用のローコストとして、スペースファクターの良さを含めて使いやすい製品のひとつ。

デンオン TU-500

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瀬川冬樹


ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)

特集・「'75ベストバイ・コンポーネント」より


 この種の製品には類型のないドラム式ダイアル。それで空いたパネルのスペースに、シグナルメーター兼用のVU計をつけるなど、メカ指向のマニアが喜ぶ発想が独特で楽しい。

デンオン S-170MKII

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瀬川冬樹


ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)

特集・「'75ベストバイ・コンポーネント」より


 PMA500などの持っていた生き生きと新鮮な感じの音の魅力が、スピーカーにも生かされたという印象。同系のS270IIや370はもう少し真面目な音だが共に佳作。

デンオン DP-3000

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瀬川冬樹


ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)

特集・「'75ベストバイ・コンポーネント」より


 国産DDの中ではもはやロングセラーのひとつ。それだけに性能の安定している点が安心できる。初期の製品にくらべると最近の方がトルクが増して使いやすくなっている。

デンオン PMA-700Z

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岩崎千明


ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)

特集・「'75ベストバイ・コンポーネント」より


 音楽をのびのびと鳴らすといった印象の鳴り方でスピーカーをドライブする点、デンオンのアンプは他に類のない魅力だ。700Zは広帯域感をより強めて質的にも前進した。

デンオン DP-3700F

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井上卓也


ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)

特集・「'75ベストバイ・コンポーネント」より


 業務用を基盤とするデンオンならではのシステムである。高級マニュアルシステムとして性能、音質、操作性、が優れ、トータルバランスの良さでも抜群の存在である。

デンオン DP-5000F

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岩崎千明


ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)

特集・「'75ベストバイ・コンポーネント」より


 デンオンのDDモーターの、もっとも高価格の一般用製品だ。完璧なサーボは大型トランジスターの採用による。この熱を逃がす放熱器を最近外部に出し厚くなるのも直った。

デンオン DP-1000

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岩崎千明


ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)

特集・「'75ベストバイ・コンポーネント」より


 さすがDDでオリジナリティの濃いデンオンのモーター。外観も性能もほとんど変えずに、この製品をこの価格で出したところは、珍しく冴えた企画性を発揮したといえよう。

デンオン DP-3000

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岩崎千明


ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)

特集・「'75ベストバイ・コンポーネント」より


 マニアなら、これを使ってるか、使いたいと志しているかで「できるな」ということになるのだ。なにせプロ用としての実績が底流にあり、類似デザインの業務用が使われてるのだ。

デンオン S-500

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岩崎千明


ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)

特集・「'75ベストバイ・コンポーネント」より


 バックロードホーンが流行しそうだが、市販品中、ビクターと並ぶ注目製品だ。とくに中域から低域にかけての充実した音は、どんな音楽にも発揮され、使いやすく鳴らしやすい。

デンオン TU-500

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岩崎千明


ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)

特集・「'75ベストバイ・コンポーネント」より


 2個のVUメーターという大いなるプラスαが、このチューナーの最大の魅力。やや手綱をゆるめすぎた音も、ダイアルメカやメーターアクセサリーで揃って余りある製品。

デンオン DA-305

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岩崎千明


ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)

特集・「'75ベストバイ・コンポーネント」より


 いわゆるプロフェッショナルユースの色彩の濃いシンプルなメカニズムと頑丈な構造で、使いよさ抜群のアームだ。複雑な各種のバランサーがないのは使用者にとってプラスだ。

デンオン VS-370

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井上卓也


ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)

特集・「'75ベストバイ・コンポーネント」より


 おだやかな性格のスピーカーだけに、あまり印象的な点はない。しかし、聴き込むにしたがって、内面的なよさがわかってくるタイプである。長期間、落着いて使う製品である。

デンオン S-270MKII

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井上卓也


ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)

特集・「'75ベストバイ・コンポーネント」より


 VS270Zの改良された製品である。オールコーン型構成であるために、f特的、質感的なバランスが巧みにコントロールされていて、よく粘り、弾む低音に特長がある。

デンオン DL-103S

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岩崎千明


ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)

特集・「'75ベストバイ・コンポーネント」より


 103を、より広帯域化しよりデリケートな表現を可能にした改良は、より一般的高級ファンに受け入れられよう。出力の低下も僅かで、専用トランスはそのままだから便利だ。

デンオン DL-103

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岩崎千明


ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)

特集・「'75ベストバイ・コンポーネント」より


 国内製品中最高の信頼性と音の解像力と定評に裏づけされファンは少なくない。クリアなサウンドは迫力も十分で引きしまった響きは原型といわれるオルトフォン以上の鮮明さ。

デンオン S-170MKII

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井上卓也


ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)

特集・「'75ベストバイ・コンポーネント」より


 中域がシッカリとしたバランスのよい音をもっている。音像の定位は明瞭であり、独奏楽器やヴォーカルが、楽器群の前にクッキリと浮かび上るような印象がある。

デンオン PMA-500Z

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菅野沖彦


ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)

特集・「'75ベストバイ・コンポーネント」より


 実感のある音を再現するアンプだ。中低域が一段と締って力強くなったZ型だが、以前からの品位、絶対感覚に快く訴える音のあじわいで一貫している魅力的な製品。

デンオン PMA-350Z

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井上卓也


ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)

特集・「'75ベストバイ・コンポーネント」より


 音質的には旧PMA500系の音をもつ機種だ。この音は、大変にチャーミングで楽しい雰囲気をもっている。JBLのディケードシリーズのマッチペアと考える。

デンオン PMA-500Z

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井上卓也


ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)

特集・「'75ベストバイ・コンポーネント」より


 楽しく音楽を聴かせたPMA500に改良が加えられて、性格面でもかなりマジメさが感じられる。音の輪郭が明快になり、カッチリとした粒立ちの良い音である。

デンオン PMA-235

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井上卓也


ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)

特集・「'75ベストバイ・コンポーネント」より


 スッキリとして透明感があり、躍動的で弾力性のある音が素晴らしい。PMA700Zとは対照的な音で、誰にでも親しみやすく誰にでも良さがわかる。楽しく素敵な機種だ。

デンオン DP-3700F

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岩崎千明


ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)

特集・「'75ベストバイ・コンポーネント」より


 数あるDDプレーヤーの中で、マニアという自覚のもとに選ばれることのもっとも多いのが、このプレーヤー。ターンテーブル周辺の検出機構がマニアに対し説得力をプラス。

デンオン PMA-300ZA

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井上卓也


ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)

特集・「'75ベストバイ・コンポーネント」より


 デンオンの評価を築いたPMA300に2回の改良が加えられた機種である。それだけに安定した充分の実力をもっているのが好ましい。高級スピーカーを鳴らせる普及機。

デンオン DP-2700

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瀬川冬樹


ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)

特集・「'75ベストバイ・コンポーネント」より


 明るい色を使った割には何となく理詰の印象を与えたり、実寸よりも大柄にみえたり、要するに洗練という域には遠いが、価格、性能の実質的なバランスでまあまあの製品。

デンオン DP-3700F

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瀬川冬樹


ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)

特集・「'75ベストバイ・コンポーネント」より


 モーターやアームの性能のバランス、ハウリング対策の十分なキャビネットと、特性重視型でありながら外観の統一もよく、シンプルで美しく、信頼できるプレーヤーのひとつ。

デンオン PMA-255

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井上卓也


ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)

特集・「'75ベストバイ・コンポーネント」より


 高度な物理的特性と良い音をもった機種だ。いわば健康な優等生といった性格で、バーサタイルに音楽をこなし楽しませてくれる。第三世代のデンオンを代表する見事なものだ。

デンオン PMA-700Z

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井上卓也


ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)

特集・「'75ベストバイ・コンポーネント」より


 充分に熟成され方大人っぽい魅力をもった音である。それだけに、ちょっと聴きには、このアンプのもつ良さを感じにくい面があるだろう。経験により評価の分かれるアンプだ。

デンオン DP-1000

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井上卓也


ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)

特集・「'75ベストバイ・コンポーネント」より


 基本的にベストフォノモーターとして定評が高いDP3000のデザインと機能を受継ぎ、小型化された点は特筆に価するものがある。実際に早く購入して使いたい製品だ。

デンオン DP-3000

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井上卓也


ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)

特集・「'75ベストバイ・コンポーネント」より


 数多いDD型フォノモーターのなかで、もっとも安心して音楽が聴け、かつ音質がよい点では、この製品をおいて他にない。フォノモーターによる音質の違いを知るのに最適だ。

デンオン PMA-700Z

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菅野沖彦


ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)

特集・「'75ベストバイ・コンポーネント」より


 暖かさ、明解さ、重厚さがよくバランスした品位の高い音質で、パワーも充実した力感も加わった。音像にあういまいさがなく、かつ、無機的な冷たさがないので音楽に血が通う。

デンオン DA-305

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井上卓也


ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)

特集・「'75ベストバイ・コンポーネント」より


 業務用機器では定評のあるデンオンらしい製品である。機能的には必要最少限にとどめトーンアームの本質を追求しているのは好ましい点だ。デザインは細身だが音質は緻密。

デンオン DL-103S

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菅野沖彦


ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)

特集・「'75ベストバイ・コンポーネント」より


 オルトフォンタイプの103をさらに改良し、ハイ・コンプライアンス化したS型はAU320トランスとの併用で偏色のない音を再生する。嗜好を満たす音色も持っている。

デンオン DP-5000F

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菅野沖彦


ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)

特集・「'75ベストバイ・コンポーネント」より


 デンオンのDDターンテーブルの高級機でユニークなデザインは魅力的。商品価値としてはローコストのDP3000のほうが高いと思うが、オリジナリティを買おう。

デンオン DP-3000

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菅野沖彦


ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)

特集・「'75ベストバイ・コンポーネント」より


 ユニークなデザイン、安定した動作、ターンテーブル単体として存在の価値ある製品だ。実用的には充分な性能をもっていて、価格がこなれているので商品性が高い。

デンオン DA-304

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菅野沖彦


ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)

特集・「'75ベストバイ・コンポーネント」より


 シンプルだが実用上のポイントはよくおさえられ、カートリッジ自重の適応範囲も広い使いやすいアームである。余計なアクセサリーを一切排除した行き方に好感がもてる。

デンオン DL-103

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井上卓也


ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)

特集・「'75ベストバイ・コンポーネント」より


 標準カートリッジとしてのDL103の存在価値は大変に大きいものがある。製品間の音質的、性能的な差が少なく、充分に管理されているのは見事で、安定度は抜群である。

デンオン DH-710S

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菅野沖彦


ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)

特集・「'75ベストバイ・コンポーネント」より


 アマチュア用として最高のデッキだ。S型はエレクトロニクスとトランスポートが分離され、生録音への機動性を持つ。サーボコントロールのスムースなトランスポート。

デンオン PMA-700

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井上卓也


ステレオサウンド 31号(1974年6月発行)

特集・「オーディオ機器の魅力をさぐる」より


 シリーズ製品ながらPMA700は、PMA500とは性質が異なっている。ちょっと聴くと誰しもPMA500のサウンドに魅力を感じるだろうが、内面的な表現力の大きさでは比較にならぬ格差があることが、聴き込むにしたがって判るはずである。いわば体質的に異なった大陸的な稽古をもつためにオーディオ道楽をかなりしないと魅力はつかみ切れない音である。これがボザークと共通なPMA700の魅力だ。

デンオン PMA-500

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井上卓也


ステレオサウンド 31号(1974年6月発行)

特集・「オーディオ機器の魅力をさぐる」より


 プリメインアンプが現在ほどの完成度をもたなかった二年半ほど以前、初めて聴いたPMA500の音は鮮烈な印象そのものであった。アンプとしての基本的性能を抑えたうえで、音楽をいきいきと躍動感に富んで聴かせるパフォーマンスは見事である。スッキリとした音ながら色あいは濃いタイプで、ステレオフォニックなプレゼンスの再現に優れる。いまだに、このクラスの新製品でこのアンプを上回る機種がないのは何故か。

デンオン DH-710

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岩崎千明


ステレオサウンド 31号(1974年6月発行)

特集・「オーディオ機器の魅力をさぐる」より


 オープンリールは、目下わが家には2トラがない。せめて1台ぐらいはないと、と考えていろいろ探し試聴してみると、海外製品に並んでこのデンオンの新製品がクローズアップされてきた。だから、これは手元において確かめたものではなく、手元において、よくみて使いたい。国産品といえども海外製品と並べてもおそらくその期待を裏切られない製品だと思う。デンオンの回転機器の確かさを日頃放送局のスタジオでみてるためか。

デンオン DH-710

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菅野沖彦


ステレオサウンド 31号(1974年6月発行)

特集・「オーディオ機器の魅力をさぐる」より


 デンオンが業務用のテープデッキの技術をよく生かして民生用の2トラ38cmに置きかえたデッキ。デュアル・キャプスタン、サーボ・コントロールのトランスポートは大変スムースで安定。キメの細かい滑らかな音質は、よい意味での日本的繊細さを感じさせる。可搬型はトランスポートとエレクトロニクスが分かれてキャリング・ケースに収まるが、ケースに少々寸法の狂いがあったりして私の信頼感を傷つけた。木製のキャビネット入り。

デンオン DH-710S

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井上卓也


ステレオサウンド 31号(1974年6月発行)

特集・「オーディオ機器の魅力をさぐる」より


 業務用テープデッキでは定評の高いデンオンの38cm2トラックは永らく発表が待たれた製品である。DH710Sはメカニズム部分とアンプ部分を分割したトランクに入れたポータブルタイプにできているのが魅力である。重量が30kg程度と重いので簡単に持運ぶことはできないが、内部を見れば重量がある理由はうなずけるはずである。実際に常用してみると安定感があり、信頼がおけるのはデンオンならではである。

デンオン VS-370

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瀬川冬樹


ステレオサウンド 29号(1973年12月発行)

特集・「最新ブックシェルフスピーカーのすべて(下)」より


 以前に一度試作品を聴いたときはあまり良くなかったが、追加試聴に加えられた製品は相当によくなっていた。そして本誌の合同試聴のあとさらに改良された試作品を聴いたところ、ここに載っている製品からまた音質が変っていっそう改善されていた、というように、まだ量産の決定以前の段階での試聴なので、音質について細かなことを書いても市販品と違ってしまうおそれがあるので、ごく大まかな言い方をしたいが、いくつかの段階で試聴した音に共通しているのは音の彫りが深いという点で、ここに載っているものではそれが少しオーヴァーに出て聴いていてリラックスするよりもむしろ緊張させられているような固苦しさがあったが、その後の改良品ではそこにもっと弾みと柔らかさが出てきて、少なくとも音のバランスとか周波数レインジなどの点では十分なものを持っているから、この方向に改良が続けられ市販されれば、ヤマハ690、ビクターSX7と好対照をなす製品に仕上がるだろうことは断言できる。右のような理由から、今回の採点は少し辛くなっているが、ビクターSX7と同じようにもっと点数の上がる可能性を十分に持っている。

周波数レンジ:☆☆☆☆
質感:☆☆☆
ダイナミックレンジ:☆☆☆
解像力:☆☆☆☆
余韻:☆☆☆
プレゼンス:☆☆☆☆
魅力:☆☆☆

総合評価:☆☆☆★

デンオン DP-5000

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岩崎千明


スイングジャーナル 3月号(1972年2月発行)

「SJ選定新製品試聴記」より


 今月のこのページを一見して、おやまた、ダイレクト・ドライブかと思われる読者が多いことであろう。
 先月号のテクニタスSL1000に引き続いて、今月はコロムビア/デンオンのDP5000の登場である。これで、この1年間に登場したプレイヤー関係の3機種が国産ダイレクト・ドライブ(以下DD)ターンテーブル関係の製品で占められたことになるわけである。先陣を切ったテクニクスSP10、続いて量産化の名乗りを挙げたソニーTTS2500とその高級型TTS4000、先月紹介のテクニクスSL1000、今月のデンオンDP5000、とすでに登場した製品群に続いて、さらにパイオニアMU3000が控えているし、開発完了を伝えられるマイクロ精機のDD型ターンテーブルも市場に姿を現わすのも間近いことだろう。
 すでに多くの機会に語られているように、これらのDD型ターンテーブルの出現は、国産ターンテーブルおよびそれを基盤としたプレイヤーの、飛躍的向上を意味する具体的な成果として、受け取ってよい。この、技術は、例えていえば自動車産業における、ロータリー・エンジンの、レシプロに対する優位性以上に評価され得よう。いくら賞賛しても決して過ぎることのない優れた研究開発であるし、製品化技術であり、それ一世界のオーディオ・メーカーのすべてに先駆けた、純粋の国産技術であるという点において、その価値が一段と輝きを増すのだが、それだけに、どうしてもDD技術に対するその評価は甘くなり勝ちなのだ。
 そうはいっても、国内市場において国産メーカー同志のDD型ターンテーブルやプレイヤーが肩を並べて競い合うようになってくると、それぞれの製品に対する特長づけや評価が要求されるものだし、それに応えるのが、このページの責任でもあろう。
 さて、今月のデンオンDP5000、さすが業務用一本槍に生き続けてきた筋金入り本格派老舗直系のブランド商品である。
 まずひと目みてスタイルが実にユニークだ。元来ターンテーブルのデザインほどむづかしいものはなかろう。
 ディスクを乗せるターンテーブルはまずまったくといってよいほど形を変えられるものではないし、そのまわりもモーターボードと名付けられる通り板状の域を越えるのか難かしいものだ。そうかといってターンテーブルのまわりがないのもは高級品には見当らないのだ。DP5000は視覚的にはまさにこの両方の中間的なスタイルボードではないがメカニカルには堅牢この上ないボードが30センチピッタリのターンテーブルの周囲をゆるやかに取りかこんでいる。ゆるやかにということばは妙ないいまわしだが、それは手前で幅広く、奥で狭くなるように傾斜を変えてあるために感じられるデザインのなせるわざだ。このユニークなプロフィルは、最初にちょっと、とっつき難い印象を受けるのだが、それを手元におけば、実に扱いやすく、演奏前後のレコードを傷つける可能性を根絶した配慮を知らされるに違いない。ターンテーブルのふちはその上でレコードを裏がえす際に、時に障害になり得るし、外し損なったレコードをしばしば傷つけるものだ。
 この傾斜したターンテーブルまわりのボード(?)は、レコードの取り外しの際30センチというターンテーブルとゴムシートの作るわずかの隙間に指をかけやすくする、という大きな利点をも生み出している。さらにもうひとつの意味はプレイヤーの大きさやアームを追加する際にも制限をなくしている。
 加えて、ほこりがつき難いこともいい足してよかろう。
 このわずかなボードに、ストロボと操作を考えて大きく並べたプッシュスイッチの角型つまみ。
 ランプを内蔵している点もいたれりつくせりの感がある。
 さて、本来の性能だが、ACサーボというテクニクス方式とはやや異なる電子サーボを採用しているがその特長は、大きなトルクを得られる点にあり、まさに業務用ということを強く意識した瞬間定速型で、1/3回転で定速度に達するのが大きなポイントとなっている。
 むろんその回転むらや振動の少なさはDD型そのものズバリで、いうことはなかろう。価格も適正な上、信頼度の高いデンオン・ブランドのDD型の出現は、マニアにとって大きな購売目標となって永く市場を確保するであろう。

コロムビア VS-450

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瀬川冬樹


ステレオサウンド 16号(1970年9月発行)

特集・「スピーカーシステム最新53機種の試聴テスト」より


 ウーファーとトゥイーターのつながりが良いためか、中音以上のバランスはなかなか良く、きれいな音を聴かせてくれる。超小型のシステムを音質本位に作れば、とうぜん能率は悪くなるわけで、それを承知で聴いてみたが、それにしても聴感上の能率では、テスト機種中、最低といえるほど、ほかのシステムからこれに切換えると音量がガクンと下がる。そこでボリュームをグンと上げようと思うのだが、残念なことに、意外とハイパワーに弱く、あまり大音量では鳴らせなかった。とくにフラットな音をと意識したためか、音に冴えたところがなく、曲によって何となくボール紙くさい音にきこえるときがある。中低域以下の厚みに欠けるため、すべて小じんまりと、薄くスケールの小さい音になってしまう。いいところも少なくないが、使いこなしの難しいスピーカーのようだ。

採点表
大編成:★★★
小編成:★★★
独奏:★★
声楽:★★★
音の品位:★★
音のバランス:★★
音域の広さ:★★★
能率:★
デザイン:★★★
コストパフォーマンス:★★

デンオン VS-260

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瀬川冬樹


ステレオサウンド 16号(1970年9月発行)

特集・「スピーカーシステム最新53機種の試聴テスト」より


 スピーカー・ユニットを数多くとりつけたシステムの場合ほど、各音域のあいだのつながりを滑らかにするのが難しく、バランスをとることもまた困難になるようだが、このDENONブランドの新製品は、この点にずいぶん苦労したのだろうと思わせるような製品である。キャビネットの工作などかなり手がこんでいるし、背面のマルチ・アンプ用端子を含めてレベル・コントロール等のまとめかたも、マニアライクなところがあって、眺めて楽しい要素もあるが、かんじんの音の方は、なんとなく音のつながりがよくないし、各ユニットがそれぞれ少しずつ違った音色を持っているようにも思われ、それよりも音の質そのものがやや品位に欠けるのが残念だ。低音の質は必ずしも悪くないが、中域から高域にかけて、もうひとつなめらかさがほしくなる。

採点表
大編成:★★
小編成:★★
独奏:★★
声楽:★★★
音の品位:★★
音のバランス:★★
音域の広さ:★★★
能率:★★★
デザイン:★★★
コストパフォーマンス:★★

デンオン DL-103

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瀬川冬樹


ステレオサウンド 12号(1969年9月発行)

特集・「最新カートリッジ40機種のブラインド試聴」より


 総体的に上の部に入るカートリッジであろう。物理特性も良さそうだし、聴感上もなかなか好ましい。オーケストラでは音が柔らかくキメ細かで、バランス良く、フォルティシモでの音の伸びも充分だし、歪みも少ない。立体感の再現も良く、楽器の距離感や奥行きの描写に優れている。ピアノもバランス良く、腰のすわった見事な音。弦合奏はやや強さに欠けるが圧迫感がなくハーモニーが美しい。ロスアンヘレスの声もまるくつやっぽいが、声と伴奏との距離感がやや不足。ヴェルディはオケと声部が安定してよく拡がって、やや細いが分離良く澄んだ音で、特に男声が美しい。ジャズも臨場感を伴なって音像が良く浮き上がる。スクラッチノイズは僅かに耳につくが、総じて優れた製品のようだ。

オーケストラ:☆☆☆☆☆
ピアノ:☆☆☆☆☆
弦楽器:☆☆☆☆★
声楽:☆☆☆☆★
コーラス:☆☆☆☆☆
ジャズ:☆☆☆☆
ムード:☆☆☆☆★
打楽器:☆☆☆☆★
総合評価:90
コストパフォーマンス:95

デンオン DL-107

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瀬川冬樹


ステレオサウンド 12号(1969年9月発行)

特集・「最新カートリッジ40機種のブラインド試聴」より


 ハイ・エンドのしゃくれ上がりは感じられないが、中高域がやや張り出し気味で、スクラッチノイズがわずかながら耳につく。こういう特性のためか総体にやや派手な、明るい印象を受ける。オーケストラは多少勇ましいという感じがあり、ピアノはきらびやかでタッチが軽く、打鍵もしっかりして切れ込みが良い。しかし弦合奏のユニゾンがややうるさく、合唱では特に中高域の張りが目立ちすぎ、内声部の温かみも欠け、ロスアンヘレスの声は、何となくハスキーがかる......というように、音のバランス上難点があった。音の性質(タチ)そのものはそう悪い方ではないのだから、おそらくもっと良くできるカートリッジのはずだ。

オーケストラ:☆☆☆☆
ピアノ:☆☆☆☆★
弦楽器:☆☆☆
声楽:☆☆☆★
コーラス:☆☆☆★
ジャズ:☆☆☆★
ムード:☆☆☆
打楽器:☆☆☆☆
総合評価:75
コストパフォーマンス:80

デンオン DP-4500

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岩崎千明


スイングジャーナル 4月号(1969年3月発行)

 「SJ選定 ベスト・バイ・ステレオ」より


 音楽ファンが、レコードから音楽だけでなく、音そのもののよしあしに気付いてくると、機械の方にもこり出してくる。そして装置がステレオ・セットから、アンプ、スピーカー、プレイヤーと、独立したコンポーネントになり、さらにそれが高級化の道をたどるようになって、オーディオ・マニアと呼ばれるようになる。その辺で妥協してしまえばよいのにこのあとも時間と金をつぎこみ、泥沼に入るようになると、呼ばれているだけでなく、本当の「マニア」になってしまう。そういうマニアが極点として、放送局仕様のコンポーネントを揃えるというのはしばしばみられる行き方である。海外製の高級パーツを揃える場合と似て、ひとつの標準として、自分自身に納得させ、安心させるに足るよりどころをそなえている点が、魅力となっているのだろう。たしかに、放送というぼう大な聴き手のマスコミにおいて使われる機器であるだけに、それは最大公約数的な意味の「標準」として、またさらに信頼度と安定度とを要求される。この「標準」によって音楽を聞くことにより、ひとつの安心感のもとに音楽を楽しむことができるというものだ。
 またさらにオーディオ一辺倒の音キチでなく、本当の音楽ファンが音の良さに気付いた場合の機械に対する手段としても、放送局仕様のパーツで装置を形成するケースも少なくない。どちらの場合でも、局用仕様という点が「標準」として誰をも納得させるからであり、そういう点では正しい結論といい得る。
 オーディオ技術が進み、しだいに優れた製品が多くなり、どれを選んだらよいかという嬉しい迷いが多くなったこの頃、放送局用仕様という「スタンダード」は、かくて大きな意味を持ってきたようである。
 特にNHKにおいて使われている音楽再生装置に最近は著しくマニアの眼が向けられるようになった。三菱のダイヤトーンのスピーカーがそうであり、コロムビア・デンオンのテープ・デッキや、ここに紹介するデンオン・プレイヤーがそうである。
 デンオンは本来、NHKのスタジオ演奏用機器の設計製作だけを目的としたメーカーであった。NHKの他、官公庁の装置をわずか作るだけで、全然といってよいほど一般市販品を作っていなかった。
 ところが、コロムビアがデンオンを吸収したことが、マニアの福音となって、待ちこがれた局用仕様がマニアの手に入ることになった。
 その中でも、特に注目されているのが、DL103カートリッジである。
 ステレオ・レコード演奏用としてNHK技術研究所と、デンオンが協同開発したカートリッジである。昔モノーラル・レコード用として同様に協同開発したPUC3が米国の最高級と絶賛されたフェアチャイルドなどと互角に張り合った高性能を知る者にとって、このDL103は大きな期待を抱かせた。そしてDL103のこの上ない素直な音はどんなマニアをも納得させずにはおかなかった。装置の他の部分がよければよいほどDL103はそれにこたえて新らしい音の世界を開いてくれたのである。
 コロムビア・デンオンが、高級マニアのために企画したプレイヤーDP4500に、このDL103がつくのは当然すぎる企画だろう。そしてこのカートリッジの高性能を引出すシンプルな、しかし高精度で仕上げられたアームと、マグネフロート機構でロング・ベスト・セラーのベルト・ドライブ・ターンテーブルを組み合せたプレイヤーが、このDP4500だ。もし、予算に制限をつけず、安心して使えるプレイヤーを選ぶことを望まれたら、少しの迷いもなく薦められる、価値あるプレイヤーだろう。

デンオン VS-220

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菅野沖彦


ステレオサウンド 10号(1969年3月発行)

特集・「スピーカーシステムブラインド試聴」より


 音の品位が悪く、中音の下のほうに不自然な鳴きがあるし、高音域も制動不足のようなトランジェントの悪さが感じられる。音の印象は派手だが、ジャズを聴くと平板で、奥行き厚みがなくて物足りない。ポピュラー・ヴォーカルのかなり音づくりのきいたソースやムードものでは華やかさがプラスとなって効果的な響きがするが、価格的にも、もう一息オーソドックスな品位の高い音を要求したくなる。

デンオン VS-120

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菅野沖彦


ステレオサウンド 10号(1969年3月発行)

特集・「スピーカーシステムブラインド試聴」より


 音のキメが荒いが、よくこなしたシステムといえる。つまり、高域が派手な音色のために全体にややどぎつい印象を受けるが、まとまりとしては悪くない。オーケストラのスケール感は十分ではないが、多彩な音の綾がよく出るほうだ。ポピュラーものには小じんまりまとまりで、効果的な音が聴ける。ジャズでは、要求をシビアーにすると、さすがに無理といった感じで、再生音の品位、スケールに不満がでてくる。

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