ダイヤトーンの最近のブログ記事

菅野沖彦

ステレオサウンド 52号(1979年9月発行)
特集・「いま話題のアンプから何を選ぶか 最新セパレートアンプ32機種のテストリポートより

 細かい音色のニュアンスを再現しきれないので品位の高い再生音とはいいにくい。全体に、音の汚れが耳につく感じで、それぞれの楽器の固有の魅力を味わいにくいアンプだ。派手で、効果のある音ではあるが、セパレート型としての品位の点では物足りない。

ダイヤトーン TW-25

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井上卓也

HIGH-TECHNIC SERIES-3 世界のトゥイーター55機種の試聴とその選び方使い方(ステレオサウンド別冊・1978年冬発行)
「世界のトゥイーター総試聴《内外55機種をJBL・LE8Tとの2WAYで聴く》」より

 放送用スタジオモニタースピーカー2S305用に昭和31年に開発されたコーン型トゥイーターで、AS3002Pモニターにも、ほぼ等しいTW25Aが使ってある。口径は5cm、振動系の等価質量は0・37gはTW501と同じだが、φ35×30mmMK5A磁石とパーメンジュール使用の磁気回路は18、000ガウスの磁束密度をもち出力音圧レベルは96dBの高能率型となっている。クロスオーバー周波数は、1・5kHzで、この周波数から実際に使用できるのが特長である。

ダイヤトーン TW-501

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井上卓也

HIGH-TECHNIC SERIES-3 世界のトゥイーター55機種の試聴とその選び方使い方(ステレオサウンド別冊・1978年冬発行)
「世界のトゥイーター総試聴《内外55機種をJBL・LE8Tとの2WAYで聴く》」より

 業務用モニタースピーカー、2S208用に開発されたコーン型トゥイーターで、2ウェイユニット2U208にも使われている。口径は5cm、振動系の等価質量は0・37g、φ25×20mmの鋳造磁石を磁気回路に使い、12、000ガウスの磁束密度をもつため、出力音圧レベルはTW503よりも2dB高い94dBとなっている。クロスオーバー周波数は、2・5kHz前後と、低い周波数から使用できる特長があり、20〜25cm口径クラスのウーファーと2ウェイ構成で使う製品だ。

ダイヤトーン TW-503

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井上卓也

HIGH-TECHNIC SERIES-3 世界のトゥイーター55機種の試聴とその選び方使い方(ステレオサウンド別冊・1978年冬発行)
「世界のトゥイーター総試聴《内外55機種をJBL・LE8Tとの2WAYで聴く》」より

 従来のTW23にかわるダイヤトーンの単体として発売されている3機種のユニット中で、もっとも新しい製品である。口径は5cmのコーン型で振動系の等価質量は0・392g、φ20×15mmの鋳造磁石を磁気回路に使い9、500ガウスの磁束密度を得ている。クロスオーバー周波数は2・5kHzという低い周波数から使用できる特長があり、16〜20cm口径程度のフルレンジ型ユニットの高音用として2ウェイ構成で使用するのが相応しい製品である。

ダイヤトーン DS-40C

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菅野沖彦

ステレオサウンド 51号(1979年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'79ベストバイ・コンポーネントより

 先の401同様ハニカム構造コーンを採用したウーファーをもつ3ウェイだ。やはりクリアーで濁りのない、あくまで屈託なく音を前に押し出してくる大型フロアーの良さが満喫できる。

ダイヤトーン DS-401

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菅野沖彦

ステレオサウンド 51号(1979年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'79ベストバイ・コンポーネントより

 スケールの大きな再生音を聴かれる人に適したワイドレンジ型。音の緻密さやキメの細かさもダイヤトーンらしい密度の高さをもっている。

ダイヤトーン DS-35BMKII

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菅野沖彦

ステレオサウンド 51号(1979年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'79ベストバイ・コンポーネントより

 いわゆるハイフィデリティ再生を志向したスピーカーらしい、輪郭のはっきりした明快な音がする製品である。精緻な再生というべきか。
井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「読者の質問に沿って目的別のベストバイを選ぶより

 現在市販されているスピーカーシステムでは、価格的にみれば、もっとも製品数が多く、需要が集中しているのは、2万円台の後半から5万円台にいたる範囲である。とくに、ここでテーマとなっている3万円台から5万円台の価格帯は、現在の標準ブックシェルフ型システムでいえば、小型から中型の製品がほとんどであり、最近とみに注目を集めている超小型システムの海外製品は、この範囲に入るものもある。
 もともとスピーカーシステムは、機械的なトランスデューサーであり、エレクトロニクスを中心としたアンプのように素材・技術の急激な変化や発展がないために、この価格帯になかにも発売された時期がかなり古い製品も多く、見逃しがちである。しかし、基本的な性能・音質が優れていれば、最近のように進歩が著しいアンプでドライブすれば、発売時期での印象がかなり変化することをよく経験する。また、発売時点が古いということは、物価上昇を考えれば、現在の同等価格の新製品よりも物量を投入してつくられていることも見逃せない点である。
 スピーカーシステムで必要なチェックポイントは、ステレオフォニックな音場再現と音像定位の問題が基本であり、次に、音量の大小でバランスが変化しないことがあげられる。これらは、オーディオ的な経験や知識をほとんと必要とせずチェックできるメリットがある。また、FMチューナーの局間のノイズ、ディスクのスクラッチノイズやテープデッキのテープヒスなどのノイズの量と質に的を絞ってチェックすることも、少し慣れれば比較的に容易であり、スピーカーシステムにとっては、再生音で判断されるよりもはるかにシビアな方法である。
 以上を簡単に整理すると、音場感では、前後方向の遠近感が十分にとれるかどうかの点である。たとえば、楽器などが横一列に並ぶのは最悪である。また、音像定位では、ヴォーカルなどの音像が小さくまとまり、音像の輪郭がクッキリとし、音像が移動しないことが大切である。ノイズは量的に少ないのが当然好ましく、質的には耳ざわりなものや音楽や音に影響が少なく、分離のよいものが好ましいということになる。
 推選できる機種はすでに選出してあり、数量的な制約上で残した機種をあげることにするが、これらはやや古い製品や地味で目立たぬモデルがほとんどである。ダイヤトーンDS261、デンオンSC104、オンキョーM6II、パイオニアCS516/616、サンスイSP−L250、ビクターSX55、ヤマハNS−L225/325、セレッション・ディットン15XR、ダイナコA40XL、B&W・DM4/IIなどがこれに該当する製品である。

ダイヤトーン DP-EC2

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菅野沖彦

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

電子コントロールの便利さとマニュアルのよさが一致した実用機。

ダイヤトーン DA-A100

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菅野沖彦

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

新しい製品ではないがそれを超越した内容をもつ。

ダイヤトーン 2S-305

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菅野沖彦

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

高い技術と伝統に磨き抜かれたオリジナリティの溢れた製品。

ダイヤトーン DS-201

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菅野沖彦

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

コンパクトながら、その余裕のある低音とバランスのよさが立派。

ダイヤトーン DS-25B

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菅野沖彦

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

小型ながら表現力の大きな若々しい魅力的なサウンド。
瀬川冬樹

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「読者の質問に沿って目的別のベストバイを選ぶより

 オートプレーヤー(およびオートチェンジャー)が、長いあいだ日本に定着しにくかったのは、たとえば数年前までのオートプレーヤーの性能が、神経質で潔癖症の多い日本人のマニアにはなっとくのゆかないものであったこと、また、レコードの価格の安くないために、やや貴重品扱いされていたLPを、オートプレイで寿命を縮めることが嫌われた、などが大きな理由だろう。
 その枠を破ったのはテクニクスSL1300だ。DDモーターを搭載したターンテーブル。アームも1グラム級の針圧で動作する。それに、いわゆるオルトフォン/SMEタイプのプラグイン式ヘッドシェル交換型であったこともよかった。オートプレーヤーが日本のオーディオマニアのあいだで好まれなかったもうひとつの理由の中に、欧米の製品がカートリッジの交換がかなり不自由であったこともあげられる。SL1300は、つまりそれらすべての虚をついていた。オートが必要なら性能は多少犠牲になる。性能本位ならマニュアルタイプ、という固定観念は、この製品によって払拭された。
 性能や機能を犠牲にしないオートプレーヤーとして、こんにちの国産機の中から、ダイヤトーンDP−EC1MKIIおよびEC3、テクニクスSL1300MK2の3機種をまずあげよう。いずれも軽針圧カートリッジを不安なく使うことができる。とくにEC1MKIIの電子制御によるアームのマニュアルコントロールはうまくできている。
 B&O♯4002は、カートリッジが固定でターンテーブルがベルトドライブであるなど、性能面機能面でマニアには不満だろうが、形の美しさと操作の滑らかさで傑出している。形は少々武骨だがデュアル♯1249のオートチェンジャーの動作は信頼がおける。テクニクスSL1650はメカは立派だが外観その他にもうひとつこなれないところがある。テクニクスのローコスト機なら、むしろSL1301の方ができばえが良い。
 フルオートでなくオートアップおよびオートリターンのみの製品の中では、ビクターのQL−A7が性能を犠牲にしない良さで、またパイオニアXL1350が、よくぞここまで小型化したという点で、それぞれ製品としての特徴がある。

ダイヤトーン DP-EC3

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

電子制御を中級機の価格帯にもたらした新鮮な魅力をもつ製品。

ダイヤトーン DP-EC1MKII

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

電子制御を導入した新世代のプレーヤーの第二世代として見事な製品。

ダイヤトーン DA-A15DC

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

ユニークなデザインとハイパワーをバックにしたサウンドが魅力的。

ダイヤトーン Monitor-1

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

PCMモニター用らしい超高帯域と大きなスケール感は見事である。

ダイヤトーン Monitor-7

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

2S305の発展型モニター3のイメージを踏襲した小型モニター。

ダイヤトーン DS-40C

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

明るく伸びやかな音のリーゾナブルな価格の中型フロアーが魅力だ。

ダイヤトーン DS-30B

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

弾力的で力感のある低音は、同社の数ある製品中でも目立った存在。

ダイヤトーン DS-90C

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

新素材の大口径ウーファーの反応の早い、軽い低音は独特のものだ。

ダイヤトーン DS-35B

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

DS28Bの独特なプレゼンスを受け継ぎ、豊かな低域をもつ同社の代表作。

ダイヤトーン DS-5B

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

超小型モニターとしても使いうる性能と音は、さすがに同社の作品。

ダイヤトーン 2S-305

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

放送モニターシステムとして作られた安定度と信頼性の高さは別格。

ダイヤトーン DS-201

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

高密度設計の伝統を受け継いだ小型の高級ブックシェルフ独特の音だ。

ダイヤトーン DS-25B

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

現代的に明快で引き締った音で、表情のフレッシュさと安定感が魅力。

ダイヤトーン DP-EC3

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瀬川冬樹

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

EC1からスタートした電子式オートプレーヤーが中級機にも実った。

ダイヤトーン DP-EC1MKII

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瀬川冬樹

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

全電子制御フルオートの滑らかな操作性がMKIIになって一層洗練。

ダイヤトーン M-F01

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瀬川冬樹

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

同調点でダイヤル照明の変る意外性。コンパクト化への意欲に一票。

ダイヤトーン M-A01

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瀬川冬樹

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

まだ多少未消化だがコンパクト化にとり組んだ意欲に一票を入れる。

ダイヤトーン M-P01

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瀬川冬樹

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

ボリュウム以外は回転ツマミを一切排した調整箇所の整理が見事。

ダイヤトーン DS-5B

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瀬川冬樹

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

国産超ミニスピーカーの中では音のバランスが最もオーソドックス。

ダイヤトーン DS-505

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井上卓也

ステレオサウンド 56号(1980年9月発行)
「Best Products 話題の新製品を徹底解剖する」より

 ダイヤトーンのスピーカーシステムは、長期間にわたる放送用モニタースピーカーを主とした業務用機器での技術開発と実績を背景として、これをコンシュマーユースの製品開発に活かすという、他のメーカーにはない特長がある。
 業務用機器では要求される物理的な特性をベースに、高信頼度、高安定度が必須の条件である。たとえば、ユニット構造ひとつを例にあげても、同社の製品はコーン型ユニットを主とし、これにドーム型ユニットを中域、高域に配する手法が基本的である。振動板材質でも長期にわたり安定した性能を備え、充分に使いこなした紙がメインであり、高分子化合物のフィルムや金属などの採用は、むしろ例外的な使用ということもできるほど同社の設計方針は堅実である。
 今回発表されたDS505は、ユニット構成、新種振動板材料の全面採用、新型ネットワークなど、いずれの点からみても従来の製品とは一線を画した80年代の新システムともいうべき意欲的な製品である。エンクロージュアは完全密閉型を採用した大型ブックシェルフ型であり、同社の製品のなかでの位置づけは、小型、高密度設計をテーマとした高性能ブックシェルフ型の3桁のモデルナンバーをもつ、最初期のDS301、これに続くD303という、それぞれの時代に存在したブックシェルフ型システムのトップモデルを受け継ぐ同社のプレスティッジモデルである。
 DS301、DS303、DS505はともに4ウェイ構成である点は共通であるが、それぞれの時代のプログラムソースであるディスクの基本性能、それを再生するスピーカーシステムに対する要求の相関性から、4ウェイ構成のクロスオーバー周波数の設定には非常に興味深い変化があることに気付く。
 DS301が低域と中域のクロスオーバー周波数を比較的高い1・5kHzとし、それ以上を3ウェイ構成とした、いわば2S305のトゥイーター帯域を3個のユニットに分担させた高域重視の設計であったのに対して、次のDS303は、低域と中域のクロスオーバー周波数が約1オクターブ下った600Hzとなり、標準的3ウェイ構成プラス・スーパートゥイーターという設計に発展している。今回のDS505は、さらにクロスオーバー周波数が低く、350Hzとなり中低域と中高域が1・5kHz、中高域と高域が5kHzというブックシェルフ型システムとしては異例の本格的な4ウェイ構成に発展している。
 また、中域以上の振動板材質でも、DS301が紙系を主としたドーム型と超高域にメタルコーン型を採用していたのに対して、DS303では中域がフェノール系ダイアフラムのドーム型、中高域がパルプ系のドーム、超高域が軟質アルミのドーム型という材料の分散使用に変る。D得する505は、定位機中低域が数年前にダイヤトーンで開発し、製品に一部採用されたハニカムコンストラクションコーンのスキン材を改良し、新しくスキン材に芳香族ボリアミド系樹脂であるアラミド繊維で強化された可撓性レビンを特殊配合し、内部損失をもたせた新ハニカムコンストラクションコーンを採用した32cmと16cm口径のコーン型を使用している。
 一方、中高域と高域には、従来のドーム型の構造を抜本的に発展させた、ボイスコイルボビン部分とドーム型ダイアフラムを深絞り一体構造とし、 
これにサスペンション用のダンパーを接合した直接駆動型ボロン化ダイアフラムを採用している。ボロン化は、チタン箔を深絞り加工した後に、高温ボロン化処理をしたサンドイッチ構造の従来の方法とは異なるタイプで、全て社内で製造されている。
 その他、低域、中低域ユニットボイスコイルボビンを従来のポリアミドフィルムの約3倍のヤング率をもち、耐熱性、耐寒性が優れたポリイミドフィルムの採用、磁気回路のストロンチウム磁石と独自のニッケル系磁性合金を使った低歪磁気回路などがユニットで注目すべきところだ。
 エンクロージュアは、モーダル解析をベースに、ヒアリングをも加えて検討された完全密閉型であり、丈夫の中低域ユニット部分は独立した大型のバックチャンバーを備え、高音ユニットは、このバックチャンバー部分に取り付ける構造を採用している。ネットワークは、12dB/Octタイプだが、コイル関係の硅素鋼板を特殊樹脂で熱圧着積層した新タイプの採用、二重防振構造のポリエステルフィルムコンデンサーなどの主な素子を分散配置し、配線剤の無酸素銅化をはじめ、素子や配線の圧着方式によるワイヤリングをベースに新しい構想に基づくネットワーク理論の導入により、従来とは一線を画した低歪ネットワークとし、各ユニットの基本性能を充分に発揮できるように検討されている。
 DS505は、ステレオサウンドのリファレンスシステムで駆動したときに、従来には聴かれなかった広い周波数レスポンスとナチュラルなエネルギーバランス、全域にわたる高い分解能を示し、ここには、慣例的に持っていた、いわゆるダイヤトーンサウンドを感じさせるイメージはほとんど存在しない。
 とくに、各種ディスクの録音状況、製盤プロセスの優劣に対する反応はシャープでありマルチトラック録音でトラックダウンをしたディスクでは、エンジニアのテクニックが目に見えるように聴き取れる。また、使用コンポーネントに対する反応もシャープでアンプやカートリッジの得失をクリアーに引き出す。
 したがって、使用方法、使用条件によって、結果としての音はかなり変化をし、短時間の試聴では新世代のリファレンスモニター的傾向は把握できるが、にわかには、これがDS505の音と判断することはできない。それほど、異次元のシステムであるわけだ。

ダイヤトーン 2S-305

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菅野沖彦

音[オーディオ]の世紀(ステレオサウンド別冊・2000年秋発行)
「心に残るオーディオコンポーネント」より

 ダイヤトーン2S305は日本のスピーカーの歴史のなかでの傑作である。これほど、あらゆる点で日本的な美徳を備えたスピーカーシステムはないだろう。
 まず、桜のツキ板張りによるエンクロージュアのラウンドバッフルが見せる、その容姿である。グレイのサランネットと調和したサラッとした? 淡泊な印象。ちょっと見のつまらなさは、飽きの来ない日本的感性以外のなにものでもあるまい。これが作られたのは1950年代だから、こういう日本調が生まれたのかもしれない。いまなら、もっと欧米の影響を受けたものになったであろう。そして、その最大の日本的特色と言えば、なんと言っても音である。
「日本には2S305という素晴らしい製品がある。あんなに綺麗な音のスピーカーを聴いたことはない!」これは'70年代に、デヴィッド・ベイカーというアメリカ人の録音制作家が僕に語った言葉である。そして、そのとき、僕が思い出したのは、夭逝した不世出の名ピアニスト、ジュリアス・カッチェンが、以前、同じような言葉で日本製のピアノについて語ったことである。僕が彼の録音のために用意したスタインウェイDとヤマハの初期のCFを聴き比べた彼は、CFを「こんなに綺麗な音色のピアノは初めてだ!」と言ったのである。
 エキゾティシズムが美の要素足り得るかどうかは美学的には議論のあるところであろうが、僕が大変興味を持っているテーマである。彼らにとって、日本的な音はエキゾティックな魅力を強く感じさせるものではないだろうか? 逆にわれわれは欧米のサウンドには、彼ら以上に強い魅力を感じるのではないだろうか? 自国の文化には、ある意味で透明だからである。日本人の場合、欧米系の文化には基本的に劣等感が染み込んでいることに悲劇があって、オーディオや西洋音楽の美的評価には注意を要すると思っている。
 2S305はダイヤトーン・スピーカーで有名だった三菱電機が、NHKと共同で開発したスタジオモニタースピーカーである。放送用のモニターが主たる設計目標であったが、当時の日本ではNHKの「お墨付き」という技術的権威に裏付けされたエリート・システムであり、いまでは想像できないほどの君臨振りで、録音スタジオなどでも広く使われ、信頼度の高いものであった。当然、これにたいする反発も強く、一部には無味乾燥の音だとか、こんな音でモニタしているから日本の録音は駄目なんだ!などと非難する過激な人達はいたが、これらの意見はオーディオマニアに多かったように思う。バスレフ型エンクロージュアに、30cmのパルプコーンウーファーと、5cmの同じくパルプコーントゥイーターをハイパス・コンデンサー1個でつないだ2ウェイは、当時としては画期的で本格的なシステム設計であった。満開の桜を見るように、端正で、淡泊でいて豪華な響きの音は「はんなり」とでも形容したい上品な佇まいのバランスと音色であって、決して無味乾燥な音などではなかったと僕は思う。そしてなによりも、僕にとって長年にわたる録音制作の仕事に欠かせないモニターとしてなじんでいたものだから、忘れられない懐かしさなのである。

ダイヤトーン DS-5000

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井上卓也

音[オーディオ]の世紀(ステレオサウンド別冊・2000年秋発行)
「心に残るオーディオコンポーネント」より

 日本のスピーカーには、日立、東芝、三菱といった、いわゆる家電メーカーがトップランクの独自の技術を活かして高級スピーカーの分野で素晴らしいモデルを市場に送り出していた時代があった。このことは、現在の若いオーディオファイルにとっては、予想外の出来事であるであろう。
 しかし若い人でも、第2次大戦後に、NHKの放送局モニタースピーカーの開発を行ない誕生した三菱電機のダイヤトーンブランドのことは、おそらく、知っている人のほうが多いであろう。
 マランツ用OEMスピーカーとして開発したモデルのバリエーションタイプが同社民生用システムのスタートであったが、'70年に発売されたDS251は、驚異的なベストセラーモデルとして評価され、愛用されて民生用の地盤固めに成功する。
 同時に、かつてのNHKモニターとして全国的に採用された2S305系の2ウェイ方式・バスレフ型エンクロージュアから、次第にDS251やDS301系のマルチウェイ方式と完全密閉型エンクロージュア採用が同社製品で主流を占めるようになる。そして'80、振動板材料にハニカムコアとケブラースキン材を組み合わせたアラミド・ハニカム振動板(低・中低域用)や新素材ボロン化チタンをドーム型ユニットに採用し、振動板とボイスコイルボビンを一体化したDUD構造の開発(中域・高域用)など、いわば新世代のダイヤトーン・スピーカーとして誕生したのが、4ウェイ構成ブックシェルフ型DS505である。
 この新世代シリーズの頂点として開発されたモデルが、4ウェイシステムのDS5000で、中低域再生能力を高めるために大変に個性的な設計方針でつくられたモデルであった。それというのも、それまでの4ウェイシステムは、3ウェイ方式の中低域を補うために専用ユニットを組み合わせた開発だったのにたいし、本機では、中低域ユニットと中高域ユニットで2ウェイ構成の狭帯域バランスをつくり、これをベースに、いわばサブウーファーとスーパートゥイーターを加えたようなシステムアップしていたからである。ここがDS5000の最大の特徴であり、ミッドバスの充実したエネルギーバランスは、従来にない、大きな魅力であった。しかも、設計思想が最優先され、変換器としては高性能であろうが振動板材料の音が際立ったDS−V9000などの後継作と比較して、余裕タップリに大人の風格で音楽が楽しめる点では、同社の最高作品といえよう。
井上卓也

ステレオサウンド 124号(1997年9月発行)
特集・「オーディオの流儀──自分だけの『道』を探そう 流儀別システムプラン28選」より

 2ウェイ構成の放送モニターシステムとして名声の高い2S305系の技術を継承し、新素材振動板を採用して、現代のディジタルプログラム時代のコンシューマーモデルとして開発されたダイヤトーンDS205は、大変に魅力的な製品。モニターの基本構成は受け継いではいても、しなやかでほどよく反応が速く、響きの豊かなプレゼンスを狙って開発されたシステムであり、容量の大きなバスレフ設計が最大の特徴だ。CDプレーヤーは世界最高の一体型、ビクターXL−Z999が、高価ながら使って納得させられる力量が見事で必須の選択。アンプは、雰囲気と表現力の豊かさを狙えば優れた管球アンプが使いたくなる。入手がいまや困難かもしれないが、レプリカ版のマランツ7と8Bが想像を絶した、現代に通用する見事な音を聴かせる。一段としなやかでナイーブかつ鮮度感のある音を求めれば、U・BROSジュニア2とU・BROS1Kを使いたい。

ダイヤトーン DS-70C

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黒田恭一

ステレオサウンド 54号(1980年3月発行)
特集・「いまいちばんいいスピーカーを選ぶ・最新の45機種テスト」より

 くせのない音──といっていいだろう。しっかり基本をおさえた安定のいい音といういい方もできるにちがいない。ただ、シャープな反応に不足するところがあるというべきか、角のある音の提示に甘いところがある。たとえば、❸のレコードでのブラスのひびきなど、もう少し力と光をもって示されると、音色的な対比ということで、まろやかな音もはえるにちがいない。声についていえば、❸できかれる強い声より、❷できかれるかすれぎみの声の方で、このスピーカーのよさが示される。❶のレコードできかれるサウンドは、もう少し軽やかさにきこえる方がのぞましいが、それぞれのサウンドキャラクターは、一応つつがなく示されている。とはいっても、このスピーカーとしては、❶より、❷や❸のレコードの方が、その本領を発揮しやすいということはいえるだろう。まとまりのいい、くせのない音をきかせるスピーカーだ。

総合採点:7

試聴レコードとの対応
❶HERB ALPERT/RISE
(ほどほど)
❷「グルダ・ワークス」より「ゴロヴィンの森の物語」
(ほどほど)
❸ヴェルディ/オペラ「ドン・カルロ」
 カラヤン指揮ベルリン・フィル、バルツァ、フレーニ他
(好ましい)

ダイヤトーン DS-32B

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黒田恭一

ステレオサウンド 54号(1980年3月発行)
特集・「いまいちばんいいスピーカーを選ぶ・最新の45機種テスト」より

 この価格帯のスピーカーでは傑出したものと思う。むろん、大編成のオーケストラが力のかぎり演奏した音楽の迫力を十全にあきらかにしているなどといったら嘘になる。しかし、無理なく、そして誇張感なく、レコードにおさめられている音楽の性格をききてに伝えようとする、このスピーカーのこのましさは、誰もが認めることだろう。ひびきが、すっきりしていて、あかるさのあるがいい。たとえば、❷のレコードできかれるグルダによる強い打鍵の音など、たしかに充分とはいいがたいが、ききてがふみこんできこうとすれば、その音の強さを感じとることができる。❸のレコードでの、充分にひろがったオーケストラのひびきの中央から、声がくっきりときこえるあたりは、なかなか見事だ。さまざまな音に対して、かたよりなく素直に反応するために、安心してつかえるスピーカーということもできるはずだ。

総合採点:9

試聴レコードとの対応
❶HERB ALPERT/RISE
(好ましい)
❷「グルダ・ワークス」より「ゴロヴィンの森の物語」
(好ましい)
❸ヴェルディ/オペラ「ドン・カルロ」
 カラヤン指揮ベルリン・フィル、バルツァ、フレーニ他
(好ましい)

ダイヤトーン DS-70C

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瀬川冬樹

ステレオサウンド 54号(1980年3月発行)
特集・「いまいちばんいいスピーカーを選ぶ・最新の45機種テスト」より

 スピーカーとは正直なもので、エンクロージュアがこのぐらい大きくなると、それだけでもう相当のスケール感が出る。ただ、このまま床の上に置いたのでは音の抜けが少々よくないように思えたので、ブロック(平置き)一個だけ持ち上げた。少し前までのダイヤトーンの音は、なかば意図的に、そしておそらくなかば無意識に──というよりダイヤトーン側の好みで、中〜高域をかなりカチッとと張り出させていて、それがポップスでは一種独特の迫力になっていたものの、クラシックを聴けるバランスではないというのが多かった。その点この70Cでは、大づかみなバランスは一応整っている。やや爽やかさを欠くことと、その結果ステレオのひろがりや奥行きよりも、音のマッスとしての量感を出すタイプである点は以前からの作り方だ。しかしヴァイオリンの音に関しては、どうもこのメーカーはにが手なのか、それとも音のとらえ方が我々と違うのか、厚手の音。そしてオーケストラはいくぶん映画音楽的、スペクタクル的に響く。

総合採点:7

音域の広さ:7
バランス:7
質感:7
スケール感:8
ステレオエフェクト:7
耐入力・ダイナミックレンジ:9
音の魅力度:6
組合せ:普通
設置・調整:普通

ダイヤトーン DS-32B

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瀬川冬樹

ステレオサウンド 54号(1980年3月発行)
特集・「いまいちばんいいスピーカーを選ぶ・最新の45機種テスト」より

 ダイヤトーンのスピーカーに共通の、中音域のカチッと張り出した硬質でクリアーな音が、これはおそらくブラインドテストでも聴き分けが可能であろうほど、特徴的に鳴ってくる。楽器が聴き手のごく近くで鳴る感じ、ないしは楽器を自分でいじる人が納得する傾向の音、ともいえようか。言いかえれば、自然の楽器が、響きの良いホールで鳴ったときの、あの広い空間にどこまでも広がり、漂い、美しい余韻を残しながら消えてゆくあの感じの出にくいところもまた、ダイヤトーンのスピーカー各機種に共通の性格だといえる。トゥイーターの上限がスッと伸び切っていないという感じのする点が、いっそうそのように聴こえさせる。
 その結果、ややハードな傾向のポップス、ないしはアコースティックの楽器でない、電気楽器系の音を多用した音楽を、相当にパワフルに、手ごたえのある音で楽しめるというのが、このスピーカーの特徴だろうと思う。

総合採点:8

音域の広さ:6
バランス:6
質感:7
スケール感:7
ステレオエフェクト:6
耐入力・ダイナミックレンジ:7
音の魅力度:7
組合せ:やや選ぶ
設置・調整:普通

ダイヤトーン DS-70C

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菅野沖彦

ステレオサウンド 54号(1980年3月発行)
特集・「いまいちばんいいスピーカーを選ぶ・最新の45機種テスト」より

 3ウェイ・3スピーカーのフロアー型システムで、エンクロージュアはバスレフ。ウーファーは33cmと大き目だが、全体はフロアー型としてはスリムで、締ったまとまりである。ユニットそれぞれも構成も大変オーソドックスなシステムといってよいが、このシステムの最大の特徴は、ウーファーにHCコーンを使っていることだ。音は、バランスはよいが、透明度がやや物足りなく、俗にいう抜けの悪さが感じられる。ヴァイオリンは滑らかで、耳障りな刺々しさは出ないが、逆に、少々細かい音の再現が不十分で鈍い感じを受ける。ピアノも精緻な音ではなく、大掴みに、まろやかに聴きよく響くタイプ。低音は、しなやかさがなく、コンコンという癖がつきまとう。ダイヤトーンとしては、音像のエッジのシャープさもやや期待はずれという感じだ。しかし、全体にスムーズで聴きよい響き、ローレベルからハイレベルまでのリニアリティのよさ、帯域バランスのよさなどは、さすがにキャリアのあるメーカーらしく、広い音楽の適応性をもつ。

総合採点:8

ダイヤトーン DS-32B

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菅野沖彦

ステレオサウンド 54号(1980年3月発行)
特集・「いまいちばんいいスピーカーを選ぶ・最新の45機種テスト」より

 オールコーンのオーソドックスな3ウェイで、エンクロージュアはバスレフのブックシェルフ型となれば、ダイヤトーンが最も作りなれたフィーチュアで、当然あるレベル以上の信頼感が持てるシステムと予想した。私の鳴らし方がよほど悪かったのか......つまり、使ったアンプなどのマッチングが不幸にして悪かったのか、残念ながらこのシステムは予想に反するものだった。周波数帯域では十分な能力を持つシステムであることはわかったが、全体のバランスは決してよいものではなかった。各ユニットの質的なつながりは、ベテランのダイヤトーンらしからぬものがあるといいたいほどだ。特に指摘したいのはトゥイーターの音で、かなりノイズが目立つ。音も決してしなやかさと滑らかさをもったものではない。ヴァイオリンはトゲが気になるし、ピアノの中域は明らかに不明瞭だ。ジャズでも、ハイハットやシンバルの高域の質感は決して品位の高いものではなく、少なくともジルジャンの音ではなかった。

総合採点:6

ダイヤトーン DP-EC1MKII

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黒田恭一

ステレオサウンド 48号(1978年9月発行)
特集・「音の良いプレーヤーシステムは何か クォーツロック・DDターンテーブル18機種をテストする」より

 いずれのカートリッジにおいても、不鮮明になることから用心深く遠ざかりえているのは、このプレーヤーシステムが基本的なところでしっかりしているからだろう。オルトフォンMC20で、音像が過剰に大きくなっていないことは、注目すべきだ。ひびきがきめこまかくなると、それにつれて音像が肥大してしまうということが、このカートリッジでは起こりかねないが、ここでは、そういうことがない。
 それに、シュアーV15タイプIVできけたひびきが、きわだってきめこまかだったということも、興味深かった。つまり、このプレーヤーシステムは、それぞれのカートリッジのキャラクターに素直に反応するので、ききては、自分で使おうとしているカートリッジのマイナス方向の働きも計算に入れて使うといった、めんどうなことをしなくてもすむ。このましいと思ったカートリッジのそのこのましさが、このプレーヤーシステムでは、そのままいかされるということだ。全体のひびきの印象は、すっきりしていて、さわやかだが、ここに弱々しさは感じとれない。

ダイヤトーン DP-EC3

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黒田恭一

ステレオサウンド 48号(1978年9月発行)
特集・「音の良いプレーヤーシステムは何か クォーツロック・DDターンテーブル18機種をテストする」より

 個々のカートリッジに対してよく順応する。ということは、それぞれのカートリッジのよさをひきだす場合もあれば、逆にそれぞれのカートリッジの弱点を露呈することもあるということだ。しかし、いずれの方角をむいているプレーヤーシステムかということになれば、これはあきらかに、すっきりしたひびきをもたらす方角をむいていると考えるべきだ。
 デンオンDL103Sでの結果が、もっともこのましかった。弦楽器のひびきが幾分浅くなるが、ここできけるすっきりしたひびきは、このプレーヤーシステムのよさを示したものといえる。ただ、そこに力強さとか、濃厚なひびきとかを求めることはできない。
 オルトフォンMC20は、おそらく、このプレーヤーシステムがむかう方向とは逆の方向にむかおうとしているカートリッジで、そのために、結果は、思わしくなかった。すっきり、ことさらのこだわりなくきこうとするならシュアーV15タイプIV、少しつっこんできこうとするならデンオンDL103Sということになるのではないか。嫌味のない音をきかせるプレーヤーシステムだった。

ダイヤトーン DP-EC1MKII

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黒田恭一


ステレオサウンド 48号(1978年9月発行)

特集・「音の良いプレーヤーシステムは何か プレーヤーシステムによって同じカートリッジの音がどのように変わったか」より


オルトフォンMC20で聴く

 このカートリッジのよさに素直に反応しているといった印象だった。ひびきはきめこまかく、しかし音像のふくらみをおさえていた。はった声が硬くならず、まろやかさをたもっていた。


デンオンDL103Sで聴く

 鮮明だ。決して消極的ではないが、ひびきははしゃぎすぎていない。細部への見通しは大変いい。ピッチカートなど、ふくらみすぎずに、しかし効果的にひびく。もう少ししなやかさがあればと思わなくもない。


シュアーV15/IVで聴く

 弦楽器のひびきのきめのこまかさは特徴的だった。すっきりさわやかなひびきだが、それに加えて、いきいきとしたところがあってよかった。ピッチカートなどももう少しくっきり提示されてもいいが。

ダイヤトーン DP-EC3

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黒田恭一


ステレオサウンド 48号(1978年9月発行)

特集・「音の良いプレーヤーシステムは何か プレーヤーシステムによって同じカートリッジの音がどのように変わったか」より


オルトフォンMC20で聴く

 総じて音像は大きくなる。ピッチカートもたっぷりひびくし、声のまろやかさも示されるが、ひびきが重くなりすぎる。はった声も硬くならないのはいいが、もう少し鮮明さがほしい。


デンオンDL103Sで聴く

 音像はかならずしも小さいとはいえないものの、すっきりきかせるよさがある。ただ、オーケストラのひびきのとけあいより、個々のひびきを分解して示す傾向がある。弦のひびきにこくがほしい。


シュアーV15/IVで聴く

 音像も大きくないし、誇張感がないのがこのましい。弦楽器によるピッチカートもふくらまない。きいての印象は、幾分消極的だが、すっきりきかせるよさがある。声にももう少しまろやかさがほしい。

井上卓也

ステレオサウンド 45号(1977年12月発行)
「SOUND QUARTERLY 話題の国内・海外新製品を聴く」より

 ダイヤトーンのセパレート型アンプには、DA−P100/A100をはじめ、コントロールアンプとパワーアンプを機械的に結合すれば、プリメイン型化が可能な大変ユニークなコンストラクションを採用したDA−P10/A15に代表される一連のシリーズがあるが、今回発表された製品は、コントロールアンプは完全な新モデルであり、パワーアンプは従来の機種に改良をくわえたモデルである。また、コントロールアンプが19型ラックマウントタイプとなったために、パワーアンプとのドッキングはできない。実用上では問題はないがやや、残念な感がないでもない。
 DA−P15は、DA−P7/P10の上位に位置づけされるコントロールアンプである。
 フロントパネルは、スッキリとしてシンプルな19型ラックマウントタイプであり、最近の動向を反映したものだ。外観からは一般的なコンストラクションと受け取れるが、内部は、前シリーズで採用した2台のモーラルアンプを機械的に結合した、2モノーラル構造を踏襲している。
 機能的には、コントロールアンプらしくMCヘッドアンプ内蔵、テープデュプリケート、ターンオーバー可変型の左右独立したトーンコントロール、スピーカー切替など、現在の標準装備といってよい。
 DA−A15DCは、基本的には従来のDA−A15をDCアンプ化し、高域特性を改善したモデルである。ダイヤトーンのパワーアンプは、DA−A100以来、機能を象徴したユニークなデザインを採用している点に大きな特長があり、フロントパネルを持たないために、本来のセパレート型アンプの楽しみである任意のコントロールアンプとの組合せが、デザイン的な制約なしに可能なメリットがある。コンストラクションは、左右独立した2モノーラル構成であり、スピーカー切替はリレーを使い、コントロールアンプ側でリモートコントロールする方法を採用している。なお、シリーズ製品としてDA−A10DCとチューナーのDA−F15がある。
 この組合せは、コントロールアンプの性能が従来のDA−P7より一段と向上しているために、スッキリとした聴感上のf特が広く、歪感が少ない粒立ちの細やかな現代的なサウンドで、パワーアンプの150W+150Wのゆとりが、より十分に感じられ、スケール感も大きい。

ダイヤトーン DS-505

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井上卓也

ステレオサウンド 59号(1981年6月発行)
特集・「'81最新2403機種から選ぶ価格帯別ベストバイ・コンポーネント518選」より

 オーディオ帯域を専用ユニットで4分割する4ウェイは理想に近いユニット構成である。低音と中低音はアラミド・ハニカム構造コーン、中高音と高音はボイスコイル部分をも一体成型した特殊なボロン振動板採用で、振動板に制動材を使わずに性能を引出した技術は見事だ。ワイドレンジ、高分解能型の典型で、使用機器さらにプログラムソースのクォリティに敏感に反応する性能の高さは他とは次元が異なり、試聴上の注意点だ。

ダイヤトーン DP-EC2

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井上卓也

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
「SOUND QUARTERLY 話題の国内・海外新製品を聴く」より

 新しい時代のオートプレーヤーを象徴するような電子制御方式のプレーヤーを発売し、プレーヤー部門で一躍熱い視線を集めたダイヤトーンから、基本性能を同じくし、一部の機能を簡略化して、第2弾製品としてDP−EC2が発売された。
 EC1と比較すると、このタイプの特長である光線を使うレコード外形寸法の自動選択が、30cm盤と17cm盤の2種類となり、これに連動していた回転数自動選択がなくなり、マニュアル切替になっている。この他、リピートの動作状態が一部変更になっているが実質的な変化ではない。
 このEC2は、オート動作時にはスタートボタンを押して動作させるが、このボタンを押しつづければレコード外周以内はアームの移動速度が遅くなり、ボタンを放した位置で盤面に降下する。また、演奏中にストップダンを押せばアームはリターンするが、オートランプが消えるまで押しつづければアームはアップした位置で止まったままとなり、スタートボタンをワンタッチで押せば再び盤面に降下する。なお、ターンテーブル上にレコードがない場合にスタートボタンを押してもアームは最内周まで移動し降下することなくレストに復帰する動作などは、すべてEC1と同様であり、反応が速く機敏に動作をおこなう。
 他の基本的部分は、ターンテーブルゴムシートだけが新しいタイプとなっているが、それ以外の変更はない。

ダイヤトーン DIATONE F1

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井上卓也

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
「SOUND QUARTERLY 話題の国内・海外新製品を聴く」より

 ダイヤトーンの新スピーカーシステムは、意表をつくような独得のデザインと仕上げをしたエンクロージュアを採用した、まったくの新ラインの新製品である。
 エンクロージュアは、バスレフ型だが、ウーファーとトゥイーターの中間にバスレフのダクトを突出させてユニット間の干渉による混変調歪を軽減させる方式が採用されている。この方式を具体化する表現方法として、積極的にデザインのなかにこの方式の特長を生かす方法がとられ、見方によれば唐突とも受け取れるが、目的はさきに採用された独得の磁気回路構造を採用してユニットの歪を軽減した考え方と同じであり、トランスデューサーとしての物理特性を改善する目的と考えられる。
 エンクロージュアは、内部補強桟を不均一に配置した分散共振型で特定帯域でのいわゆる箱鳴きを抑えている。独得なダクト部分は中音ホーンとも受け取られやすいエクスポーネンシャル状のテーパー付である。
 システムとして高能率化が大きなポイントとなっていると発表されているが、実際に聴感上の能率が高く、キビキビして応答性が速い音を聴かせる。低域は伸びやかでよく弾み、充分の量感があり、中域から高域は、硬質さがなく透明感があり、ナチュラルである。しなやかで活き活きと屈託なく音を出してくれるあたりは、従来にない新しい時代の音であり、ダイヤトーンの試みは十分な成功を収めているようだ。

ダイヤトーン DA-U850

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菅野沖彦

ステレオサウンド 42号(1977年3月発行)
特集・「プリメインアンプは何を選ぶか最新35機種の総テスト」より

 このアンプの音は充実している。細かいところを問題にする前に、この豊かで輝かしい音の質は高く評価したい。ところで、問題は弦楽器の高い音域での一種ヒステリックなキャラクターで、これは、金管や打楽器系の再現では気にならないが、ヴァイオリンでは明らかに癖として出てくる。弦楽四重奏を聴いて、その点を強く感じた。一つ一つの音の彫琢の深さ、音の持っている弾力性のある実感は見事なものだけに、ここがスムーズに出てくれば高級アンプとしても最高の部類に入れられると思う。フィッシャー=ディスカウの越えなどに聴かれる美しく気品にみちた再現、ピアノの芯ががっちりしたタッチ感と、その輝かしい音色の再生は立派であった。ベースもよく弾むし、力感も十分で、定位や空間の再現も申し分ないものだ。残留ノイズは、現在の高級アンプとしてもう一息といったところだろう。実力のあるプリメインアンプだと思う。

ダイヤトーン DA-U750

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菅野沖彦

ステレオサウンド 42号(1977年3月発行)
特集・「プリメインアンプは何を選ぶか最新35機種の総テスト」より

 音の解像力もいいし、張りのある充実した響きは特性のいいアンプであることがわかる。力の入ったアンプだが細かく聴くと、いくつか気になる点がある。まず、高音域が、線が細く、やや耳を刺す。鉛筆にたとえれば、H、2Hといったタッチである。本当は、HBのタッチがほしいのだが。それでいて、中音から低音にかけては、HBからBの方向の感触なのだ。低音は大変豊かで、やや鈍重と評したくなるような重苦しさを備えているが、これは組み合わせるスピーカーと部屋の問題で変わってもくるだろう。これで、高域がのびきっている優秀な特性に、しなやかな肉ののったものになればかなりよい。弦楽器の音が硬く細い線になるのが惜しまれるのである。これは外観上のイメージとも共通するものでしっかりときれいに作られていながら、余裕のない硬さを感じさせるのである。明解さは、この高域によるところが大かもしれぬが、どうしても耳障りなキャラクターが残る。

ダイヤトーン DS-25B

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井上卓也

ステレオサウンド 41号(1976年12月発行)
「SOUND QUARTERLY 話題の国内・海外新製品を聴く」より

 コーン型ユニットを使う2ウェイ構成であり、エンクロージュア形式がバスレフ型となると、もっともダイヤトーンが得意とする伝統的なノウハウを生かせるスピーカーシステムである。ウーファーは、25cm口径で、ボイスコイル部分にゴムのダンプリングをつけ、クロスオーバー付近の特性を改善しているのは、DS40Cのウーファーと同様な手法である。トゥイーターは、5cm口径のコーン型で、コーン紙背面のバックチャンバーの容積が大きく、チャンバー内の残響を抑えるとともに、残響時間の不均一を防ぐスリット上のオリフィスを設けたサブフレームを取つけ音響制動をかけた無共振チャンバーを採用、振動系はコーン紙中央にチタン製ダイアフラムを使い分割振動を抑えている。
 DS25Bは、音に活気があり表情が明るく、伸びやかな魅力がある。基本的には、正統派のシステムだけに、物理特性的に不足感はなく、質的にもこのクラスでは抜群の高さがあることは特筆すべきことで、かつての発売時点でのDS251の再来と感じさせるダイヤトーンの快心作だ。

ダイヤトーン DS-35B

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井上卓也

ステレオサウンド 41号(1976年12月発行)
「SOUND QUARTERLY 話題の国内・海外新製品を聴く」より

 ブックシェルフ型システムのベストセラー機種であるDS28Bの上級モデルとして開発されたブックシェルフ型のシステムである。したがって最近のバスレフ型エンクロージュアを採用することが多い傾向に反して、本機は完全密閉型である。
 ユニット構成は、30cmウーファーをベースとした3ウェイシステムで、中音用は10cmコーン型、高音用は3cm口径のドーム型である。ウーファーは、機密性に富み腰が強いコルゲーション付コーン紙と耐熱性が高いボイスコイルボビンとコイルの組合せで、磁気回路は低歪化されている。スコーカーは、エッジ部分にリニアリティが高いポリエステルフィルムにダンピング処理を施して使い、パルシブな入力に対して立上がりの良い再生を可能としている。また、磁気回路はウーファー同様な低歪磁気回路である。トゥイーターのダイアフラム材質には、ガラス繊維強化プラスチック、GFRPを使っている。また、音色は、レーザーホログラフィーでの振動解析や、新しく導入されたインパルス応答による累積スペクトラムなど最新の技術とヒアリングにより検討されている。
 エンクロージュアは、分散共振型で補強桟は不均一に配置してあり、箱鳴りを抑えた設計である。
 DS35Bは、タイトで明快な低音をベースとして、粒立ちがよく、エネルギー感のある中域と滑らかに伸びた高域が巧みにバランスし、密度が濃い音を聴かせる。この音は、個性を聴かせるタイプではなく、オーソドックスな安定感、充実感が魅力であり、併用するアンプ、カートリッジで、かなり結果としての音をコントロールできる余裕があるようだ。価格帯から考えるともっとも正統派のシステムで信頼性が高い。

ダイヤトーン DS-40C

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井上卓也

ステレオサウンド 41号(1976年12月発行)
「SOUND QUARTERLY 話題の国内・海外新製品を聴く」より

 ダイヤトーンの新しいフロアー型システムは、既発売の3ウェイ構成のフロアー型DS50Cのシリーズ製品として開発された、2ウェイ構成のシステムである。
 エンクロージュアのプロポーションは、いわゆるトールボーイ型で、一般的なブックシェルフ型システムをタテ方向に伸ばしたようなタイプであり、床面積をあまり広く占有しないため設置上での制約が少ない利点がある。バッフルボード上のユニット配置は、変調歪みが少なく、椅子に座ったときに、音軸が耳の位置とほぼ同じ高さになるように位置ぎめされている。
 低音用の30cmウーファーは、バスレフ型エンクロージュア専用に設計してあり、クロスオーバー周波数付近の特性を良くするために、コーン紙はコルゲーション入りのいわゆるカーブドコーンを使っている。また、ボイスコイルにゴム製のダンプリングを付け、一種のメカニカルフィルターとして、ウーファーの高域特性をコントロールしている。エッジは、熱硬化性樹脂と念弾性樹脂を混合し、数回にわたりコーティングしたクロスエッジで、さらにその上から特殊なダンピング処理をしてある。
 磁気回路は、今回もっとも重点的に改良された部分である。一般の低歪磁気回路は、ポールピースに銅キャップをつける方法や硅素鉄板の積層材を使う方法があるが、ダイヤトーンで新しく開発した方法は、ポールピースに特殊な磁性合金でつくったリングをつける方法で、磁気回路での非直線歪みが、ボイスコイルにリアクションをして音の歪みとして再生されることを大幅に低減している。歪率の低下は、周波数によっては、1/10と発表されている。
 磁気回路のマグネットには、ダイヤトーンは、ウーファーに限りフェライトマグネットを使わないのがポリシーであったが、新しい低歪磁気回路の開発により、フェライトマグネットを採用しても低歪磁気回路の採用で、総合的な性能としては鋳造マグネットを上廻る、として、初めてフェライトマグネットが採用されているのも、新しいシステムの特長であろう。
 トゥイーターは、5cm口径のコーン型ユニットだが、センタードームが円錐形の独特な形状をしているためにセミ・ドーム型と呼ばれている。磁気回路は、クロスオーバー付近の特性を良くするために、磁束密度14000ガウスの強力磁気回路による磁気制動と、バックチャンバー容積を大きくして振動系を臨界制動で動作させている。なお、バックチャンバーは、楕円形でチャンバー内の残響をコントロールして、トランジェントの悪化を防いでいる。
 DS40Cは、バスレフ型の豊かな低音の味わいと、2ウェイらしいスッキリとした音がバランス下、ダイヤトーンらしい音である。低歪化のためか、クロスオーバー付近の硬さがなく、量的に不足しないのがメリットで、音像定位は明瞭で安定しているのは、ダイヤトーンの伝統である。

ダイヤトーン DP-EC1MKII

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井上卓也

ステレオサウンド 55号(1980年6月発行)
特集・「'80ベストバイコンポ209選」より

 光学センサーによる電子制御フルオート機の国産第1号であるEC1の改良モデルだ。前面操作方式、クォーツロック化などが変更されたポイント。低域を充分に制動したシャープで抜けのよい音をもち、クォリティはこの価格帯にふさわしい高さだ。

ダイヤトーン DP-EC3

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井上卓也

ステレオサウンド 55号(1980年6月発行)
特集・「'80ベストバイコンポ209選」より

 光学センサーによる30cmと17cm盤の自動サイズ選択と速度、、ターンテーブル上のレコードの有無をはじめフールプルーフに使えるフルオートプレーヤーである。ナチュラルな帯域感と素直な音は常用するにふさわしい製品である。

ダイヤトーン DS-205

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井上卓也

ステレオサウンド別冊「世界のオーディオブランド172」(1996年11月発行)より

 DS205は、当初Aシリーズの高級機と聞いていたが、型名は伝統的な放送用モニターに準じたものに変った。側面は大きく弧を描く積層合板製で、これをバッフルと裏板で結合し、これに天板と底板を嵌めこむ構造は、簡潔だがかなり高度な木工技術の成果であろう。20cmアラミドコーン型ウーファーは、DS−A3系の振動板とアルニコ・ツボ型磁気回路を採用したもので、明快なサウンドを志向した低域として同社初の設計だ。高域は2S3003系のDS8000出使われた5cmB4Cコーン型。2S3003系を、より豊かに柔らかくパワフルにした印象の音は、清澄な印象もあり、非常に興味深い意欲作だ。

ダイヤトーン DS-2000ZX

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井上卓也

ステレオサウンド別冊「世界のオーディオブランド172」(1996年11月発行)より

 DS2000ZXも、従来のZモデルから全面的にフレッシュアップされた新製品だ。ユニット構成は、伝統的なアラミドハニカムコーン採用の30cm低域、6cmB4C・DUDハードドーム型の中域、2・3cmB4C・DUDドーム型高域と変更はないが、各ユニットは基本的な部分から見直され、かなり大幅にクォリティアップされたようだ。低域は、ややタイトなアラミドハニカム振動板特有の音から、最低域までスローダウンして伸びる密閉型独自の性質がより聴きとれるようになった。特に低域ユニットのネットワークではカット不可能な中域〜中高域成分が巧みに処理され、クリアーさが一段と増しているため、鮮やかで歪みの少ない低域に力が増して、いかにも高級機らしい貫禄のある低音再生となった。
 中域は、低域とのつながりが厚くなり、B4C・DUD型の威力が一段と明瞭に発揮されている。特に分解能に優れ、シャープに付帯音なく伸びるダイナミックレンジ的な余裕度は、前作にないものだろう。中域ユニットとチューニングのリフレッシュで、高域ユニットも細部が改良されているらしく、やや硬質な面があった前作と比べ、しなやかさ、伸びやかさが加わり、固有の鳴きが低減されている点に注意したい。全体的に格段に内容が濃く、音的にもリファインされて完成度が向上。仕上げも美しくなりながら、予想に反して価格は大幅に低減されているのも異例のことで、このモデルに対する想い入れの深さの証であろう。

ダイヤトーン DS-200ZX

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井上卓也

ステレオサウンド別冊「世界のオーディオブランド172」(1996年11月発行)より

 '96年の最新注目モデルは3機種。まずDS200ZXは、DS1000ZX以来、従来モデルに改良を加え、DVDに代表される将来のハイサンプリング・ハイビットのプログラムソースに対応できるようリファインされてきたZXヴァージョン化が、同社のベーシックシステムDS200ZAに及んだ新製品だ。
 全体のデザインは、従来の安定感はあるが地味な存在といった印象が薄らぎ、新鮮な印象が加わったが、基本構成は変らず、ややエンクロージュアの奥行きが伸びただけだ。使用ユニットは、16cm低域、2・5cmDUD型ともに大幅に手が入れられている。特に高域のDUD型は、振動板材料がボロン化チタン材に変更され、その音色は見事な変化を遂げている。エンクロージュアは、前作を受け継ぐバスレフ型だが、木組み構造が変更され、全体に剛性感が高く、響きが明るくなっていることに注目したい。
 また、バスレフ型のチューニングにも手が加えられた。とかくこの種の小型システムは狭い場所に押し込められやすく、予想以上にブーミーでカブリ気味な低音となる点に注意が払われている。これがエンクロージュアの響きと相乗効果的に働き、明るくダイナミックになる低域が、この新モデル固有の美点だ。比較的明るくのびのびとは鳴るが、国内版ポップスなどでは、ややもすると騒々しくなりがちなシステムが多い中にあって、価格を超えた正統派の小型高級システムといった性格は実に小気味がよい。

ダイヤトーン DS-A5

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井上卓也

ステレオサウンド別冊「世界のオーディオブランド172」(1996年11月発行)より

 DS−A5は、Aシリーズ本来のエンクロージュア構造と材料に凝った魅力の小型高級システムだ。低域13cm、高域4cmの2ウェイ方式バスレフ型で、小粋な音とでも表現できる独特のサウンドが新鮮な味わいだ。

ダイヤトーン DS-A3

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井上卓也

ステレオサウンド別冊「世界のオーディオブランド172」(1996年11月発行)より

 DS−Aシリーズは、従来までの同社のブックシェルフ型やフロアー型システムとはひと味違ったエンクロージュアづくりを最大の特徴とした、大変に興味深いシリーズである。
 DS−A3は、2S3003系の両サイド・ラウンド形状バスレフ型エンクロージュアを採用。コーン型の振動板として、高域・低域ともにアラミド(ケヴラー)を使用し、物理値的な等音速の利点を活かして音色的な統一性を狙った、ハイクォリティな小型システムだ。バスレフ開口部は楕円型で断面積が大きく、最低音がいかにも開口部から放射されるような、つまりバスレフ開口部が第三のユニット的に動作しているのがわかるような、弾力的で、明るく伸びやかな低音が、このシステムの最大の魅力であろう。

ダイヤトーン DS-600ZX

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井上卓也

ステレオサウンド別冊「世界のオーディオブランド172」(1996年11月発行)より

 DS600ZXは、DS900EXを信頼感のある安定した兄貴分とすれば、のびのびと陽気で楽しい性格の弟分といった存在だ。基本のユニット構成は高域を除き相似しているが、エンクロージュアがバスレフ型であるため、反応が速く活気のある豊かな低音は、明らかな性格の違いである。27cm低域は、16cm径と比べて約2・8灰の振動板面積があり、空気を確実に捉えて駆動する低音の力強さ、豊かさ、迫力は、とても小口径型では味わえない、いかにも振動板面積の大きいウーファーならではのものだ。

ダイヤトーン DS-900EX

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井上卓也

ステレオサウンド別冊「世界のオーディオブランド172」(1996年11月発行)より

 DS900EXは、DSシリーズ当初から中核を形成してきた30cm低域ベースの3ウェイブックシェルフ型の系譜を受け継ぐモデルだ。現在の小口径低域全盛時代にあって30cm低域はさすがに大口径だが、小口径型の低音感とは別次元の、本物の低音再生ができることが最大の魅力だ。ソリッドなモニター的性格は皆無に等しく、この程よい開放感と明るい音色は、幅広いプログラムソースに対応可能で大変に使いやすい。

ダイヤトーン DS-1000ZX

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井上卓也

ステレオサウンド別冊「世界のオーディオブランド172」(1996年11月発行)より

 DS1000ZXは、磁気回路のプレート部でユニットを取り付けるダイレクトマウント方式の中・高域、磁気回路とフレームを強固に結合するDMM構造の低域というように、メカニズム的に従来のユニット構造を大幅に改善したユニットを採用し、'83年登場したDS1000系の最新モデルだ。同じユニット構成で改良に改良を加え、メカニズムとして十分な熟成期間を経ているだけに、一段と豊かさを増した印象だ。3ウェイならではの緻密さとエネルギー感のある中域を中心にした音のクォリティの高さが魅力。聴感上でのSN比も高く、音のディテールの優れた再生能力と奥深く見通しの良い音場感情報の豊かさは、このクラスとしては例外的なパフォーマンスを備えている。華やかさは少ないが、ダイヤトーンらしい信頼性が高いという印象は、まさにベストセラーモデル中のベストセラーと確信させられる。

ダイヤトーン 2S-1601

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井上卓也

ステレオサウンド別冊「世界のオーディオブランド172」(1996年11月発行)より

 2S1601は、ダイヤトーン50周年を記念して登場した、低域と高域にアラミドコーン採用の等音速2ウェイDS−A3をベースに、ユニットとエンクロージュアを極限までチューンナップし、小スタジオや放送局用小型モニターとして現場の信頼に応えるだけの性能にまで追い込んだ、一種のニアフィールドモニターである。したがって、サウンドキャラクターは、DS−A3の芳醇な音とは異なり、ソリッドで引き締まった質的な高さが特徴だ。

ダイヤトーン DS-8000N

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井上卓也

ステレオサウンド別冊「世界のオーディオブランド172」(1996年11月発行)より

 DS8000Nは、クロスオーバー特性可変の独立ネットワーク方式を採用したモデルで、同社初の38cm径紙コーンによる低域と、Aシリーズで開発された新アラミドクロスコーンの中域、2S3003直系のB4Cコーン型高域の3ウェイフロアー型システム。内容は非常に濃く、モニター的にも、家庭内での定音量再生でもバランスを崩さず、伸びやかに鳴る鳴りっぷりの良さは格別だ。なお、クロスオーバー固定型のベーシックモデルも用意されている。

ダイヤトーン DS-V9000

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井上卓也

ステレオサウンド別冊「世界のオーディオブランド172」(1996年11月発行)より

 DS−V9000は、磁気回路の歪みを低減する独自のADMC方式により、一段と振動系の能力を発揮させるようにした新フラッグシップVシリーズの4ウェイ密閉型システムだ。エンクロージュアには各種の天然材を適材適所に採用した同社としては異例の設計と、もの凄い物量投入型の豪華な使用ユニットに注目したい。大人の風格を感じさせる、使いこんではじめて魅力のわかる名機だ。

ダイヤトーン 2S-3003

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井上卓也

ステレオサウンド別冊「世界のオーディオブランド172」(1996年11月発行)より

 ディジタルプログラムソースに対応する新放送局用モニターとして、小型高密度設計で最大音圧レベルを大幅に向上したモデルが2S3003。低域はネットワークレスの全域型で、高域を低いクロスオーバーから使うコーン型2ウェイ方式は、2S305を受け継ぐ設計だ。定機器のアラミドハニカムコーンと、究極の振動板といわれるピュアボロン(B4C)コーン型の組合せにより、見事な音の純度の高さとダイナミックな表現力の豊かさが聴かれる。

ダイヤトーン

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井上卓也

ステレオサウンド別冊「世界のオーディオブランド172」(1996年11月発行)より

 三菱電機ほどの大企業が、すでに50年間オーディオ用のスピーカーシステムを開発し続けてきた例は他社にはない。
 その発端は、戦時中に東工大で開発された酸化鉄系のオキサイドパウダー(OP)磁石を製造していたが、戦後になって、その平和利用の一つとしてスピーカーの製造が発想されたことに始まる。好都合なことにNHK技研のバックアップで、ラジオ用としては異例に高域が伸びた全域型を完成。そして整合共振理論に基づくコーン制御により、後のベストセラーモデルP610の原形P62Fを生む。
 さらにNHK技研と共同開発により、2S660/205放送用モニターシステムの完成へと続き、厳しい基準であるBTS(放送技術規格)をクリアー。1958年には有名な2S305が完成し、コーン型2ウェイ放送モニターシステムの形態が確立された。
 一方、計測データの必要性から民間初の無響室が1953年に設置された。それまではカット・アンド・トライで、コーンのコルゲーションの位置を検討するのにも莫大な時間が必要であったことを、本誌企画のダイヤトーン三代記のインタビュー取材で、当時の設計スタッフから聞いた記憶がある。
 民生用スピーカーシステム開発の第1号機DS32Cの内容が2S305系ユニットであったことも、スピーカーシステムの設計に当って、平坦な周波数特性を現在でも最優先させているダイヤトーンならではのことだ。こうした、最も完成度が高く信頼できるユニットでシステムアップすることは、まさしく正統派の設計・開発である。
 放送用モニターの2S305、2S208という2ウェイ型や、全域ユニットP610の開発過程で得られた技術データとノウハウをもってすれば、民生用システムの開発は比較的に容易であったと思われる。
 民生用として'68年に発売されたDS11S/12S/31C/32Cは基本的に2ウェイ型で、これに続いて3ウェイ型のDS33B/34Bが発表された。そして、スーパーダイヤトーン・シリーズとしてハイエンドを狙う3桁ナンバーのDS251/301が、3ウェイ、4ウェイ型として登場し、ラインナップを拡げていくことになる。
 これらの一連の製品は、非常にフラットなf特をもっていたため、2S305の特性とオーバーラップし、定規で直線を引いたようなf特といわれた。また、3桁シリーズにはスーパートゥイーターが採用され、超高域レスポンスが表示されたこともあって、ダイヤトーン≒フラットレスポンスというイメージが一段と強調されたように思われる。
 優れたスピーカーシステムは、基本特性に優れたユニットとエンクロージュアの組合せが、まず基盤としてあり、これを無限ともいえる時間をかけてヒアリングし、システムを磨き上げていってはじめて完成する、ということが、当時から同社の伝統であるようだ。そのために、優れた振動板を求めてアラミドハニカム、ボロン化チタン、B4Cなどを開発する一方で、駆動歪みを低減するADMC磁気回路を開発するなど、常に基本からリセットして開発が始まっている。こうした製品作り姿勢が、製品に対する信頼感を高めているが、技術集団的なイメージがあまり感じられないことは、大変に興味深いことである。

ダイヤトーン DP-EC1

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井上卓也

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ '77ベストバイ・コンポーネント」より

 B&Oのエレクトロニクスコントロールのフルオートプレーヤーシステムが登場して以来、このタイプのオート化が望まれていたが、通常型のトーンアームとのコンビで製品化した最初の製品が、このDP−EC1である。演奏中にストップとリピートのボタンを押せば、アームはレストに戻らず最外周から再び演奏をはじめるあたりは、従来のメカ方式では得られない本機の利点であり、まさしく新時代のプレーヤーらしさが魅力的だ。

ダイヤトーン DP-EC2

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井上卓也

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ '77ベストバイ・コンポーネント」より

 EC1に続く第二弾のエレクトロニクスコントロールのフルオートシステムである。光線を使うレコードの盤径選択は30cm盤と17cm盤に限られたが、アームがドライとも表現できるように、途中で考え、止まることなくコントロールされるあたりは、まったく小気味よい。音は、いわゆる反応が速いタイプである。

ダイヤトーン DIATONE F1

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井上卓也

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ '77ベストバイ・コンポーネント」より

 思い切りのよい独特なデザインを採用したスピーカーシステムである。しかし、構成面はオーソドックスなコーン型ユニットを使う2ウェイ方式であり、高能率なシステムである。音色は明るく伸びやかであり、スケールも十分にある。とくに、しなやかで反応が速いトゥイーターは、見事な音を聴かせてくれる。

ダイヤトーン DS-40C

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井上卓也

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ '77ベストバイ・コンポーネント」より

 トールボーイ型のバスレフ・エンクロージュアに、30cmウーファーをベースとし、コーン型トゥイーターを組み合わせた、モニターシステム的な印象の製品である。ウーファーには、独得な低歪化のための磁気回路が使われ、トゥイーターコーンの中央に軽金属キャップが付いているあたりは、新しい製品らしいところで、DS−50Cの重厚さにくらべれば反応が速く、鮮明で伸びやかな音が、このシステムのフレッシュな魅力である。

ダイヤトーン DS-35B

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井上卓也

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ '77ベストバイ・コンポーネント」より

 本機は構成面からはDS28Bの後継機としてつくられたようで、ユニットの物理的な特性面、とくに低域の歪を減らす目的で、従来担い低歪化対策がおこなわれているのが特長である。低域の歪が少ない利点は、全帯域の音をナチュラルなものとし、アトラクティブではないが使いこんで良さがわかる音である。

ダイヤトーン DA-A15

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井上卓也

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ '77ベストバイ・コンポーネント」より

 ダイヤトーンのセパレート型アンプは、従来からもパワーアンプに、その機能的魅力を重視した簡潔なデザインが採用されていることに特長がある。このモデルは、コントロールアンプとの一体化をも含めた汎用性を狙ったデザインと、パワフルでストレートな音が巧みにバランスしたオーディオ的な魅力あふれる製品だ。

ダイヤトーン DS-25B

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井上卓也

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ '77ベストバイ・コンポーネント」より

 いわゆるコンポーネントシステムに使うスピーカーシステムとしては、価格的にローエンドの位置にあり、見落としやすい製品である。ダイヤトーンが伝統を誇る、コーン型ユニット採用の2ウェイ方式、バスレフエンクロージュア入りのシステムだけに、バランスの良いレスポンス、明るく、活き活きとした表現力は、価格からはオーバークォリティであるともいえる。シャープな定位をもつ利点を生かしてテープのモニター用にも使える。

ダイヤトーン DP-EC1

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井上卓也

ステレオサウンド 41号(1976年12月発行)
特集・「コンポーネントステレオ──世界の一流品」より

 プレーヤーシステムには、現在のように高度なメカニズムやエレクトロニクスが使用できる時代になっても、オートプレーヤーは正統派のコンポーネントではないとする考え方が残存しているようである。たしかにメカニズムを使うオート方式は、たとえばアームの動きひとつとってみても、いまだに手で操作したような、感覚的なスムーズさが得られないことが多いのは事実だが、オート化したための性能低下や、カートリッジの針先やディスクへの影響は、国内製品に限れば普及品といえども皆無である。
 DP−EC1は、エレクトロニクス・コントロールを意味する型番をもった、最新の技術を導入したフルオートプレーヤーシステムである。デザインはスリムな薄型にまとめられ、色彩的にも明るく、とかく重厚なデザインが多い高級モデルのなかでは、軽快さが特長である。機能面では、ディスクの有無、ディスクサイズと回転速度の自動選択が、光線を利用して純電気的にコントロールされ、アームの水平方向の移動速度は適度に早く、リフターの動作、アームの反転ともに連続的に休まず、滑らかに動作する。メカニズム使用の方式に慣れた感覚では、早く確実に動くために、ややドライに感じられるかもしれないが、逆に、これがエレクトロニクス・コントロールらしい新鮮な魅力である。システムトータルの音も現代的で、反応が早く、帯域の伸びた感じがあり、基本的なクォリティが充分に高いために、高級カートリッジの微妙なニュアンスの魅力をよく出して聴かせる。

ダイヤトーン DS-32B

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菅野沖彦

ステレオサウンド 55号(1980年6月発行)
特集・「'80ベストバイコンポ209選」より

 ダイヤトーンDS32Bは、このクラス(1本5万円未満)としては最大のシステムだ。25cm、10cm、5cm各口径のオールコーンシステムは、同社の長年の技術の蓄積の上に成立った、けれんみのないものであるが、さすがにスケールの大きなワイドレンジの再生が可能で、ハイパワーでドライヴすると圧倒的迫力を十分楽しめる。

ダイヤトーン DS-25BMKII

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菅野沖彦

ステレオサウンド 55号(1980年6月発行)
特集・「'80ベストバイコンポ209選」より

 ダイヤトーンDS25B/IIは、25cmウーファーと5cmトゥイーターのオーソドックスな2ウェイで、かなりスケールの大きな再生音を聴かせてくれる。それだけに、やや透明度、柔軟性といった品のよさに欠ける嫌いがある。力強い低音と輪郭の鋭い高音域を埋める、中低域、中高域の柔らかさと豊かさが不足するためだろうが、明解な軽やかな音を好まれる人には向いている。

ダイヤトーン DS-35BMKII

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菅野沖彦

ステレオサウンド 55号(1980年6月発行)
特集・「'80ベストバイコンポ209選」より

 ダイヤトーンDS35B/IIは、このクラス(1本5万円〜10万円)として最も低価格といえる位置にあるが、その再生音は、このクラスを代表するといってよい充実したものだ。よく練り上げられたシステムといえるだろう。確度の高い明解な解像力をもち、よく弾む,豊かな低音に支えられた中、高域は明るく緻密である。周波数特性の広さは、よく最新のレコーディングのレンジをカバーする。

ダイヤトーン 2S-305

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菅野沖彦

ステレオサウンド 55号(1980年6月発行)
特集・「'80ベストバイコンポ209選」より

 ダイヤトーン2S305は、おそらく現役国産システム中、最も長い歴史をもち、国産スピーカーの数少ない名器として君臨しているものだ。30cmウーファーと5cmコーン・トゥイーターの2ウェイという、いまやごく平凡なユニット構成ながら、スタジオモニターらしい妥当なバランスをもつ。

ダイヤトーン DS-30B

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黒田恭一

ステレオサウンド 45号(1977年12月発行)
特集・「フロアー型中心の最新スピーカーシステム(下)」より
スピーカー泣かせのレコード10枚のチェックポイント50の試聴メモ

カラヤン/ヴェルディ 序曲・前奏曲集
カラヤン/ベルリン・フィル
❶ピッチカートのひびきに力がなく、かさかさした感じになる。
❷低音弦のひびきの特徴が充分に示されているとはいいがたい。
❸フラジオレットのひびきが、薄く、うきあがって感じられる。
❹ピッチカートはふくらみぎみで、第1ヴァイオリンのフレーズに艶がない。
❺高い方の音が刺激的になり、大オーケストラ本来の力強さに欠ける。

モーツァルト:ピアノ協奏曲第22番
ブレンデル/マリナー/アカデミー室内管弦楽団
❶ピアノの音像は、いくぶん大きくなりがちだ。
❷音色対比充分。さわやかな音色がいい。
❸響きに軽やかさと透明感があって、さわやかだ。
❹第1ヴァイオリンの響きのすっきりと示されるところがいい。
❺鮮明であり、誇張感がなく、自然なしなやかさがある。

J・シュトラウス:こうもり
クライバー/バイエルン国立歌劇場管弦楽団
❶声はいくぶん残響がついて、従って音像はふくらみがちだ。
❷アイゼンシュタインは、くっきり中央から接近する。
❸クラリネットの音色は少しかさかさするが、すっきりしたよさはある。
❹はった声は幾分硬めだが、ききにくいというほどではない。
❺きわだって鮮明にきこえる。バランスがいい。

「珠玉のマドリガル集」
キングス・シンガーズ
❶低い方の声がふくらんで前にせりだしがちだ。
❷言葉の角がまるくなって、いくぶんあいまいだ。
❸残響が強調気味なために、響きの鮮度がよくない。
❹もう少しすっきりと響きが切れるといいだろう。
❺のびてはいるものの、多少不自然なところがある。

浪漫(ロマン)
タンジェリン・ドリーム
❶音色的な対比は充分だ。もう少し広がりが感じられるとなおいい。
❷すっきりと、きわだって、効果的にきこえる。
❸軽さをもって個々の響きは、とびかう。
❹せまくるしさを感じさせないのが好ましい。
❺ピークでは、やはり多少響きがとげとげしくなる。

アフター・ザ・レイン
テリエ・リビダル
❶響きに透明感のあるのがいい。広がりも感じられる。
❷音色的な対比を充分につけて、せりだすが、せりだし方は自然だ。
❸くっきりときわだってきこえ、響きの特徴を充分に示す。
❹響きのきらびやかさが過不足なく示されている。
❺うめこまれることなく、好ましく示されている。

ホテル・カリフォルニア
イーグルス
❶すっきりした12弦ギターのひびきが充分に効果的だ。
❷ひびきそのものは軽いが、効果をそこねていない。
❸重くなったり、湿ったりしていないのが好ましい。
❹ドラムスのひびきの意味をあきらかにしているが、ひきずらない。
❺言葉のたち方はかなりシャープでこのましい。

ダブル・ベース
ニールス・ペデルセン&サム・ジョーンズ
❶一応の力を示し、スケール感もある程度感じられる。
❷ことさらなまなましいとはいえないが、鮮明である。
❸必要最小限の消える時の響きを明らかにする。
❹くっきりと、あいまいにらならずに、対応できている。
❺コントラストは、不自然になっていない。

タワーリング・トッカータ
ラロ・シフリン
❶もうひとつ響きに切れの鋭さがほしい。
❷力不足というべきか、響きがとげとげしくなっている。
❸一応の効果はあげるものの、有効とはいえない。
❹後へのひきは感じられるものの、効果的とはいえない。
❺ふやけてはいないが、めりはりのつけ方が不充分だ。

座鬼太鼓座
❶広がりは感じられるが、少し前にですぎている。
❷尺八らしさを感じさせる響きをきくことができる。
❸ごくかすかにきこえるにとどまり、きわだたない。
❹消え方は、一応示されるものの、薄味だ。
❺きわだってくっきりきこえて、効果的である。

ダイヤトーン DS-90C

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黒田恭一

ステレオサウンド 45号(1977年12月発行)
特集・「フロアー型中心の最新スピーカーシステム(下)」より
スピーカー泣かせのレコード10枚のチェックポイント50の試聴メモ

カラヤン/ヴェルディ 序曲・前奏曲集
カラヤン/ベルリン・フィル
❶幾分しめりけのある音ながら、ピッチカートはすっきりとこえる。
❷もうすこしくまどりがついてもいいだろうが、力のあるひびきでいい。
❸誇張感のないひびきで、しなやかにそれぞれの音色の特徴を示す。
❹第1ヴァイオリンのフレーズは艶があってこのましい。
❺もりあがりには、余裕がある。たっぷりひびくクライマックスはいい。

モーツァルト:ピアノ協奏曲第22番
ブレンデル/マリナー/アカデミー室内管弦楽団
❶ピアノはたっぷりひびくが、音像的には多少大きい。
❷暖色系のひびき故に、木管楽器のひびきの特徴をよく示す。
❸キメ駒かなひびきはこのましいが、いくぶんふくれすぎている。
❹しなやかだが、もう少しすっきりしてもいいだろう。
❺木管のひびきへの対応がよく、ここでも効果的だ。

J・シュトラウス:こうもり
クライバー/バイエルン国立歌劇場管弦楽団
❶声のしなやかさ、まろやかさをよく示す。
❷アイゼンシュタインの近づく感じを誇張感なく示す。
❸オーケストラと声との、ひびき方の点でのバランスは大変いい。
❹はった声が幾分硬くなって、ニュアンスに欠ける。
❺オーケストラのひびきの特徴を鮮明に示している。

「珠玉のマドリガル集」
キングス・シンガーズ
❶低い方の声がふくらみがちで、定位の点が問題がある。
❷声量をおとした分だけ、言葉のたち方が鈍くなる。
❸残響をひきずりがちで、言葉の角がみえにくい。
❹ソット・ヴォーチェの声は、さらに軽やかでもいいだろう。
❺声のまろやかさは示すが、さらに敏捷であってほしい。

浪漫(ロマン)
タンジェリン・ドリーム
❶音色的、音場的対比は充分についている。
❷シンセサイザーのひびきが独特の湿りけをおびている。
❸ひびきの湿りが歩く働いてはいないが、もう少し浮遊感がほしい。
❹前後のへだたりは充分で、提示される音場はかなり広い。
❺音に力があるので、ピークでのもりあげは圧倒的だ。

アフター・ザ・レイン
テリエ・リビダル
❶クォリティの高い音の後方でのひろがりは魅力的だ。
❷❶との対比の上でのここでのひびきの質がよく示されている。
❸実在感たしかに、くっきりとした音で提示される。
❹キメ細かいひびきで、効果的に輝いている。
❺うめこまれることなく、充分に自己主張しえている。

ホテル・カリフォルニア
イーグルス
❶ベースの音のはりだし方が特徴的だが、12弦ギターのひびきをよく示す。
❷ツイン・ギターによるひびきの厚みは、このましく示される。
❸すっきりしたひびきで、しかも薄味にならず示される。
❹ドラムスによる力感あるひびきはいい。
❺バック・コーラスでの声の重なりをよく示す。

ダブル・ベース
ニールス・ペデルセン&サム・ジョーンズ
❶音像はかなり大きい。低い方の音にエネルギーがかたよりすぎていないか。
❷オンでとられた音のなまなましさを伝えきれていない。
❹細かい音に対しての反応は、さらにシャープであってほしい。
❺両ベーシストの音像的な差のないのが、このスピーカーのよさだろう。

タワーリング・トッカータ
ラロ・シフリン
❶ひびき全体に切れ味が不足し、重くなっている。
❷ブラスの中央からのつっこみは、力があっていい。
❸申し分なくひろがるが、さらに前にはりだすべきだろう。
❹前後のへだたりはとれているが、音の見通しということでいま一歩だ。
❺めりはりは一応つけているが、音のつきはなしが弱い。

座鬼太鼓座
❶尺八の位置までのへだたりが聴感上感じとれるのがいい。
❷キメ細かいひびきで、尺八の音色をよく示す。
❸きこえるが、ひびきの輪郭を充分に示すとはいいがたい。
❹大太鼓のスケールゆたかなひびきはすばらしい。
❺ここで求められるひびきの特徴を十全に示しえている。

ダイヤトーン DS-30B

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瀬川冬樹

ステレオサウンド 45号(1977年12月発行)
特集・「フロアー型中心の最新スピーカーシステム(下)」より

 たとえばシェフィールドのダイレクトカッティングのシリーズを、思い切ってハイパワーでドライブしたときにも、音がくずれたり腰くだけになったりせずに、男性的とでもいいたいような、いくらかハードながら力強い緻密さで鳴る。表面的な小細工を感じさせずに、全音域に亘って正攻法で押してくるような音はまさにダイヤトーンの面目躍如たるものがある。ただそれでいて、クラシックのオーケストラを聴いても、従来の製品のどこか強情な感じか抑えられて、硬質の傾向ながらバランス的には一応納得のゆく音で聴かせるところが、いくらか変ったように思える。とくに本誌標準台のような(約50センチの)高めの台に乗せて左右にかなり開いて置くと、空間への広がりの感じもよく出るようになるが、弦合奏のデリケートなニュアンスを聴きとるには、ハイエンドの延びが(以前の製品よりもかなり延びてはきたもののまだ)もうひと息という感じだ。また、高い台ではクラシックの場合に低音の量感がやや物足りないが、といって台を低くするとごく低い周波数でどこか一ヵ所、重く鈍くひきずるような共鳴音が出てくるので、やはり台は高くしたままターンオーバーを低くとったトーンコントロール等で重低音を補いたい。総体にいくらか人工的な味わいのある音色なで、本質的にはポップス系が得意なスピーカーだと思う。

ダイヤトーン DS-90C

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瀬川冬樹

ステレオサウンド 45号(1977年12月発行)
特集・「フロアー型中心の最新スピーカーシステム(下)」より

 ものすごく大きい、という感じのする大型フロアータイプだ。ただし音質は大型だからというこけおどし的なところがなく、正攻法で作られたまさにダイヤトーンの音だ。とはいうものの、DS30Bのところでも書いたように、今回のダイヤトーンに関して言うかぎり、従来のいわゆるダイヤトーンの音がずいぶん傾向を変えた、という印象だ。もちろん、音色そのものが変わったのではない。全音域に手抜きのない、密度をたっぷり持たせた音はまさにダイヤトーンなのだが、同時に従来の製品が持っていた中域のよく張った、ときとして張りすぎた感じの作り方がぐっと抑えられた。それと共に、あるいはそのために聴感上のバランスがそう感じさせるのかもしれないが、トゥイーターのハイエンドも従前の製品よりはレンジをひろげてあるように聴きとれる。相当のハイパワーにもびくともしない耐入力を持っているようだが、それでいて小音量に絞っても全体のバランスや質感があまり変らない点は立派だ。大型ウーファーの弱点になりがちな音の重さもないが、ローエンドの伸びはもう少し欲しい。このクラスになるとCA2000のクラスではもはや少々役不足という感じで、セパレートのハイパワーアンプが欲しくなる。台は不要。左右にかなりひらく方が爽やかさが出る。部屋はデッドぎみに調整する方がよかった。

ダイヤトーン DA-U850

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瀬川冬樹

ステレオサウンド 42号(1977年3月発行)
特集・「プリメインアンプは何を選ぶか最新35機種の総テスト」より

 充実感のある音だ。しかも音の質が非常に高い。変な言い方だが、金のかかったぜいたくな音、つまりローコストのアンプでは絶対に鳴らしえない立派な音のすることが、聴いていてはっきりとわかる。たっぷりと密度のある豊かで安定な音が一貫している。低音域から高音域まで、音に力と重量感を感じさせる。つまり軽々しさがない。その意味では、プリメイン型としては望みうる最高の水準の音だと思う。しかしそこで多少の好みを言わせてもらえれば、音の密度あるいは力が、すべての音をやや線を太くする傾向が、そして、音と音とのあいだに空間的なさわやかなひろがりの感じられにくい点が、私には少し重荷に感じられる。楽器の音が鳴ってホールの隅々までひろがって消えてゆく、その空間のひろがりと消えてゆく余韻の部分が、私の聴き方では少し不足しすぎるように思える。ふわっと漂う感じの音、細やかに繊細にしなやかにゆらめく音、が出にくいタイプだ。

ダイヤトーン DA-U750

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瀬川冬樹

ステレオサウンド 42号(1977年3月発行)
特集・「プリメインアンプは何を選ぶか最新35機種の総テスト」より

 力のある音。ことに中音域のかなり広い音域を張り出させて、低音域にかけて適度の力を持たせた音、というように聴きとれる。また、これはDA−U750に限ったことではなく、スピーカーを含めてダイヤトーンの音は、高音のオーヴァートーンの領域で、スッと伸ばすという感じと逆に、いわゆるハイエンドをおさえこむ方向にまとめてあるので、高域でのたとえば弦合奏のユニゾンで音が空間を漂いながら消えてゆく、というような感じが出にくい。ただ、U850になると音全体に力と密度が充実してくるが、750ではそこまでの力はないので、850より柔らかい音に聴こえる。ことに低音の領域では音をややゆるめる傾向があるので、低音楽器がときとしてダブつき気味になることがある。総体にやや中間色的な、光沢のあまりない音質なので、スピーカーとこちらのあいだに、何か厚手の幕が遮っているような多少のもどかしさを感じさせる。

ダイヤトーン 2S-305

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瀬川冬樹

続コンポーネントステレオのすすめ(ステレオサウンド別冊・1979年秋発行)
「第20項・ダイヤトーン2S305 栄光の超ロングセラー」より

 アルテックの604シリーズ(17項UREI参照)というスピーカーが、アメリカを代表するかつてのモニタースピーカーだったとすれば、日本で、NHKをはじめ各放送局や録音スタジオ等、プロフェッショナルの現場で、いまでも主力のモニターとして活躍しているのが、三菱電機・ダイヤトーン2S305だ。このスピーカーの古いことといったら、何と昭和三十一年に最初の形が作られて以来、ほとんどそのまま、こんにちまでの約二十年以上、第一線で働きつづけているという、日本はおろか世界で珍しい超ロングセラーの長寿命スピーカーなのだ。ただし、放送規格(BTS)での型番はBTS・R305。またNHK収めの型番をAS3001という。数年前からNHKでは、改良型のAS3002のほうに切替えられているが、一般用としての2S305は最初の形のまま、しかも相変らず需要に応えて作り続けられている。モデルチェンジの激しい日本のオーディオ界で、これは全く驚異的なできごとだ。
 2S305は、スタジオでのモニター仕様のため、原則として、数十センチの高さの頑丈なスタンドに載せるのが最適特性を得る方法だと指定されている。が、個人の家で、床に直接置いて良い音を聴いている例も知っている。部屋の特性に応じて、原則や定石にこだわらずに、大胆に置き方を変えて試聴してきめるのが最適だ。そしてもちろんこの方法は、ダイヤトーンに限らずあらゆるスピーカーに試みるべきだ。スピーカーの置き方ばかりは、実際その部屋に収めて聴いてみるなり測定してみるなりしないうちは、全く何ともいえない。原則と正反対の置き方をしたほうが音が良いということは、スピーカーに関するかぎり稀ではない。
          ※
 ところで2S305は、さすがに開発年代の古い製品であるだけに、こんにちの耳で聴くと、高域の伸びは必ずしも十分とはいえないし、中音域に、たとえばピアノの打鍵音など、ことさらにコンコンという感じの強調される印象もあって、最近のモニタースピーカーのような、鮮鋭かつ繊細、そしてダイナミックな音は期待しにくい。けれど、総合的なまとまりのよさ、そして、音のスケール感、いろいろの点で、その後のダイヤトーンのスピーカーの中に、部分的にはこれを凌駕しても総合的なまとまりや魅力という点で、2S305を明らかに超えた製品が、私には拾い出しにくい。いまだに2S305というのは、そういう意味もある。
 スピーカーとはおもしろいもので、基本があまり変化していないものだから、古いと思っていたスピーカーでも、新しいアンプや新しいレコードで鳴らしてみると、意外に新しい音が出てびっくりすることもある。そういう見地から組合せを考えてみると、できるかぎり新しいパーツ類、しかも、かなりグレイドの高いパーツでまとめるのが、結局最良のように思う。またこれはマニア向けのヒントだが、ここにパイオニアのリポンやテクニクスのリーフのような、スーパートゥイーターを加えると、2S305は、またかなりフレッシュな音を聴かせる。

スピーカーシステム:ダイヤトーン 2S-305 ¥250,000×2
プリメインアンプ:マランツ Pm-8 ¥250,000
チューナー:マランツ St-8 ¥135,000
プレーヤーシステム:ダイヤトーン DP-EC1MKII ¥128.000
カートリッジ:デンオン DL-103D ¥35,000
計¥1,048,000

ダイヤトーン DT-4400

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菅野沖彦

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ '77ベストバイ・コンポーネント」より

 ダイヤトーンのカセットデッキは、いずれも手堅い。優秀な性能をもっていて、この社のこの分野に示す情熱がわかる。意外に地味な存在ながら、製品の実質は高い。このDT4400は、ヴァーチカルユースのコンポーネントデッキで、機能も充実しているし、音質もよい。実用価値の高い製品だ。

デンオン DP-3700F

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菅野沖彦

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ '77ベストバイ・コンポーネント」より

 デンオンのプレーヤーシステムとしてはオールドシリーズ。DDモーターのDP3000とトーンアームDA305を装備したシンプルなシステムだが、それだけに高い実質性能で信頼性がある。ハウリングにも強く、音質はいかなるカートリッジにも妥当なバランスを発揮する。間違いのない製品だ。

ダイヤトーン DP-EC1

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菅野沖彦

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ '77ベストバイ・コンポーネント」より

 フルオートマチックシステムでありながら、マニュアルプレーヤーの性能の高さをもつ。全電子式コントロールは、きわめてスムーズで未来的。一度使うと、その便利さが忘れられないオートプレーヤーだが、ここまで性能と動作の円滑な自動機構をバランスさせた製品は数少ない。国産唯一の電子コントロール・オートプレーヤーとして高く評価できる。デザインも悪くはないがもう一次元、洗練されてほしい。

ダイヤトーン DIATONE F1

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菅野沖彦

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ '77ベストバイ・コンポーネント」より

 このユニークな外観は若者向きなのだそうな。なぜ、若者となると、かくも画一的にメカメカしい機械観が表に出てくるのかわからない。大人の考える若者向きだとすれば問題だし、本当にこれが若者向きだとすれば、もっと問題だ。実に積極的に鳴り響くスピーカーで、屈託のない明るく豊かなサウンドである。

ダイヤトーン DS-28B

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菅野沖彦

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ '77ベストバイ・コンポーネント」より

 中型ブックシェルフ型スピーカーの代表的製品ともいえるシステムで、ダイヤトーンらしいスピーカー作りのベテランぶりが、音にも仕上げ外観にも滲み出している堅実な製品である。小さいながら、3ウェイ構成で、ウーファーは25cm口径、トゥイーターはポリエステルドームを使い、なめらかで明るいサウンドだ。

ダイヤトーン 2S-305

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菅野沖彦

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ '77ベストバイ・コンポーネント」より

 ダイヤトーンの代表的スピーカーシステムであり、日本のスピーカーの代表的な傑作といってもよい製品である。モニタースピーカーとして開発され、国内のスタジオで今でも多くが活躍している。305Dというウォルナットフィニッシュのものもあるが、こちらのほうは3万5千円安い。エンクロージュアのフィニッシュの違いだから好みで選べばよい。2ウェイのウェルバランスドなサウンドは、きわめて品がいい。

ダイヤトーン DS-35B

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 菅野沖彦

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ '77ベストバイ・コンポーネント」より

ダイヤトーンらしい、明晰な再生音に、かなりのスケールの大きさが加わって、余裕のある再生音を楽しめる。低音が充実して、豊麗でありながら、中高域の明瞭さを、いささかもマスクしていない。音像の明確な、しかも、位相差による空気感をもよく再現する優秀なもの。やや無機的な響きがなくもないが──。

ダイヤトーン DA-A15

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菅野沖彦

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ '77ベストバイ・コンポーネント」より

 ダイヤトーンのセパレートアンプでは、この上にDA−A100があるが、シリーズとしては別もので、これは、プリアンプのDA−Pシリーズとドッキングして一つのユニットになる新シリーズである。中でのトップモデルにふさわしく、このA15は、150Wのパワーの余裕に裏づけられた、信頼感のあるもので、大パワーながら優れた分解能をも聴かせ、音楽を大づかみにするに止まらない、力作である。

ダイヤトーン DS-25B

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菅野沖彦

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ '77ベストバイ・コンポーネント」より

 中型ブックシェルフ・スピーカーとして完成の域に達したシステムであろうと思う。明るく解像力の高い再生音は、プログラム・ソースを生き生きと鳴らし、快い。中級システムとして一般家庭では十二分な能力をもった優秀な機械である。あえて機械であると表現した所が、多少の私の不満を現わしたところである。

ダイヤトーン DP-EC1

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瀬川冬樹

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ '77ベストバイ・コンポーネント」より

 電子制御のフルオートプレーヤーだが、その動作は見た目にもいかにも精密かつ軽妙でしかもエレガント。使っていてそのフィーリングはとても気持がいい。これは確かに高級品の雰囲気だ。ターンテーブルがDDであることばかりでなく、アームの設計自体が基本性能に十分に検討されているためか、MMでもMCでもよく特長を発揮させる。この製品の出現で、オートプレーヤーの地位が向上したことは喜ばしい。

ダイヤトーン DP-EC2

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瀬川冬樹

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ '77ベストバイ・コンポーネント」より

 いうまでもなく兄貴分EC1の第二世代で、前者の経験をもとに、操作機能やキャビネットの装飾板など一部を簡略化してローコスト化をはかっているが、ハウリングマージンの点では、後発であるだけにむしろやや優れ、アームを含めた音質はEC1よりもクリアーな感じに仕上がっている。優秀な兄弟同士。

ダイヤトーン 2S-305

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瀬川冬樹

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ '77ベストバイ・コンポーネント」より

 一年に一度は、郡山の三菱電機の研究所で新製品を試聴させてもらうが、比較のために鳴らす2S305が、いつでも、どんな新製品よりも申し訳ないが良く聴こえて、そのたびに305の優秀であることを再認識させられる。個人的な好みでいえば、一般市販はしていないがこれの改良型であるNHK現用のAS3002モニターの音の方がもっと上だと思うが、市販品としては2S305しか入手できない。

ダイヤトーン DS-40C

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瀬川冬樹

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ '77ベストバイ・コンポーネント」より

 先に発売された50Cの音は、私には少し目の詰りすぎのように聴こえて、40Cの音の方が気楽に聴ける。価格的にはSB6000などとぶつかる製品だろうが、その音は全く対照的で、SB6000が音像をスピーカーの奥にひろげて展開する鳴り方ををするのに対して、DS40Cは音像をむしろ固めて押し出すような感じで鳴る。力や迫力ではダイヤトーン、空間の表現力ではテクニクスと、それぞれに特長がある。

ダイヤトーン DA-A15

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瀬川冬樹


ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)

特集・「評論家の選ぶ '77ベストバイ・コンポーネント」より


 DA−A100でハイパワーアンプに自信をつけたダイヤトーンの、第二作の一連のシリーズの中で、弱音の美しさでややA10が勝るが、ハイパワーアンプ時の音の充実感ではA15が総合的にやはり優秀。プリアンプを前面につけると一体型のようになるコンストラクションのアイデアは秀抜。やふがっしり型の音だが、安定度の高い動作は、さすがプロ用機器できたえられた成果が実っているという印象。パワーに比べて割安。

ダイヤトーン DA-P7, DA-A7

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岩崎千明

週刊FM No.17(1976年発行)
「私の手にした新製品」より

 ダイヤトーンの新シリーズ・セパレート型の一番安い、といっても、プリとパワー合わせて10万円の組合わせだ。70W+70Wだから、プリ・メイン一体型と価格的には相等しい。プリ・アンブが分離している構造がお徳用となるわけだ。その構造によって、SN比はよくなることは間違いなく、それが音質上にもはっきりとプラスをもたらして、クリアーな音の粒立ちと、ロー・レヴェルでのリニアリティの良さかがデリケートな音の違いの上にくっきりと出ている。プリ・アンブはデザインはまったく違うこの上のP10とは構造も違うが、伝統的に歪みの低さ、クロストークの少なさは、10万円台のアンブを越えているようで、それが音の上にも感じられるのだろう。プリとメインを分けるこの構造は、P7+A7では一体構造で用いる場合も少なくないと思われるが、実に堅固で、4本の取付けボルトさえ確実にしめつけてあれば絶対に安全、かつ確かだ。端子の位置も使いやすく、そうした意味での操作性は理想に近い。
 70W十70Wのパワー感も、セパレート型として、あるいは物足りないのでは、と不安もあろうが、実際に使ってみると、どうしてどうして、100W+100Wクラスにさえひけをとるものではない。使用中にあまり低音のブーストをやりすぎなければ充分なるパワーといってよい。この、いかにも中味の充実した中域から低音にかけての力強さは、高音の輝かしいクール・トーンと共にダイヤトーンの大きな魅力だろう。

ダイヤトーン DS-25B

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瀬川冬樹

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ '77ベストバイ・コンポーネント」より

 一台3万円を切る最近の国産品の中で、オンキョーM1と対照的だが共になかなかよくできたスピーカー。以前のDS251よりも音の表情にメリハリをつけた印象だが、しかしダイヤトーンらしく適度に抑制が利いている。能率が割合高いので、ローコストのアンプと組み合わせても力不足にならない点、この価格ランクとしての性格をよくわきまえている。ただ個人的にはもう少し楽しい感じで鳴ってくれると一層良いと思う。

ダイヤトーン DA-A100

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岩崎千明

ステレオサウンド 41号(1976年12月発行)
特集・「世界の一流品」より

 ダイヤトーンの歴史は、日本のオーディオの歴史そのものといってもよい。日本におけるハイファイ創成期ともいうべき昭和20年代以後から早くもダイヤトーンの16センチのスピーカーの活躍はスタジオ、放送局で始められていた。というわけで、必ず出てくるのはスピーカーだけだった。ダイヤトーンがこのDA−A100をデビューさせるまで、ダイヤトーンのアンプの存在は、スピーカーの影にかすんで、すっかり薄くなってしまっていた、といわざるを得ない。ところが電機メーカーとしての三菱の技術は、当然、アンプの分野でも三菱ののれんにかけて、おそらくそれなりの指向をもっていたろうし、それはスタジオ用の大型スピーカー・システムを作ったときに早くも、地道ながら成果を挙げて「システム・ドライブ用出力増幅器」として存在していたわけだ。こう語れば判る通り、ダイヤトーンアンプはデビューするはるか以前から、その独自の技術をつくした成果を遂げていたわけである。だからDA−A100が出たとき、始めて知ったその技術は驚くべき水準にあったとしても少しも不思議ではない。ハイファイの歴史の、陽の当らざる所にあったアンプの技術は、かくてDA−A100のデビューによって力強く見事に芽吹いたのである。DA−A100の実力は、デビュー以来三年経た今日といえども少しも影ることはない。中音の充実したイメージのまま、全体に無駄のない透明感に加え、冷たさのないサウンドの完成度は実に高い。

ダイヤトーン DS-205

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菅野沖彦


ステレオサウンド 121号(1996年12月発行)

特集・「ザ・ベストバイ コンポーネントランキング710選」より


 ダイヤトーンの今年の新製品であるが、本家帰りというイメージの佳作である。往年のモニターシステムのよさを再認識したのだろう。ラウンド・コーナーのエンクロージュアにも、ユニット設計、システム構成思想にも明らかにそれが現われている。しかし技術はまったく新しい。温故知新の優れた製品である。

ダイヤトーン DS-8000N

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井上卓也


ステレオサウンド 121号(1996年12月発行)

特集・「ザ・ベストバイ コンポーネントランキング710選」より


 DS8000にクロスオーバー周波数付近の遮断特性可変型の新ネットワークを組み合わせたモデル。音のクリアーさ、浸透力は明らかに1ランク向上し、音のニュアンスの表現能力が増した点が有難い。本来のパワフルでしなやか、かつ、したたかな特徴と相乗効果的にはたらき、このダイナミックな再生能力は実に凄い、の一語。

ダイヤトーン DS-205

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井上卓也


ステレオサウンド 121号(1996年12月発行)

特集・「ザ・ベストバイ コンポーネントランキング710選」より


 放送用中型モニターとして活躍した2S308的な魅力を、新技術・新構想に基づいてコンシューマー用として開化させた今年最大の注目作。容積の大きい本格派バスレフ型エンクロージュアと中口径のウーファーとの組合せは、全域型ユニットがもつ独特の魅力と類似し、これに加えてB4C高域独自の音を混えた成果は実に素晴らしい。

ダイヤトーン DS-1000ZX

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井上卓也


ステレオサウンド 121号(1996年12月発行)

特集・「ザ・ベストバイ コンポーネントランキング710選」より


 高密度・密閉型システムの魅力を集大成した本格派の音は、価格を超えて実力の高さを物語る証し。ナチュラルに伸び、スムーズにつながる広帯域型のレスポンスは、中域のエネルギー感、密度感の高い点に注目すべきだ。アンプに関しては、懐は深いが、グレードの差は的確に出すため音質検討時には要注意。

ダイヤトーン DS-200ZX

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井上卓也


ステレオサウンド 121号(1996年12月発行)

特集・「ザ・ベストバイ コンポーネントランキング710選」より


 型番は、前作を受け継ぐが、内容は予想を超えて充実しており、この価格帯では見事な正統派のスピーカーとして完成されている点に注目すべきだ。とくに前作と比べて高域ユニットの改善は格段の差があるようで、ストレートにハイエンドに向かって伸びきった高域はこの価格帯では異例。使いやすく大変に内容の濃い魅力作。

ダイヤトーン DS-A1

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井上卓也


オーディオ世界の一流品(ステレオサウンド別冊・1994年春発行)

「世界の一流品 スピーカーシステム篇」より


 ダイヤトーンのコンシューマー用スピーカーシステムは、受注生産となったDS−V9000、V5000、V3000のシリーズと、中堅モデルとして開発されたDS2000Z、1000Z、800Z、600ZをラインナップするZシリーズがその基本路線であり、同社の標榜する「ダイヤトーン工房」的な構想のモデルが、スペシャリティモデルのDS20000や、このDS−A1と考えることができる。
 DS−A1は、最初に目に触れたのがプロジェクションTV用スクリーンの両脇に置かれた総合カタログであったため、AV用システムとの誤解を招いた。基本的にはディフラクションを避けるために楕円断面のエンクロージュアを設計し、その天板部分をラウンド形状とするプロポーションがベースであり、各社ともに、このタイプのエンクロージュアを試作し検討した例は多い。これを実際に商品化するモデルとして、制約のなかで出来上がったプロポーションが本機採用のデザインであろう。
 本機に組み合せるユニットは、新世代のデジタルリファレンス放送モニター、2S30003のユニット開発の成果が投入されたもので、B4C・5cmコーン型高域と三軸織りアラミッドスキン・ハニカム振動板と三軸織りエッジは、システム価格をはるかに超えた超豪華設計といえる。低域用のネットワークレスの全域ユニットは、2S30003直系の設計である。エンクロージュアは剛性重視設計ではなく響きの豊かさを狙った設計で、開放感があり、のびやかによく鳴り、これは本機以降の同社システムの新しい方向性のようだ。
使いこなしポイント
 全域ユニット+トゥイーターの2ウェイ方式とバスレフ型の組合せは、反応がシャープかつセンシティヴで、プログラムソースに素直に反応するため、オーソドックスなアンプが不可欠。設置周囲の影響にも敏感で、設置には細心の注意が必要だ。

ダイヤトーン 2S-3003

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菅野沖彦


オーディオ世界の一流品(ステレオサウンド別冊・1994年春発行)

「世界の一流品 スピーカーシステム篇」より


 最も日本的な特徴を凝縮した一流品と呼べるスピーカーシステムといってよいのが、今ならこのダイヤトーン2S3003であろう。この製品の原器といってよい2S305というシステムは、1958年にNHKとの共同開発によりBTS(放送技術標準規格)に基づいて生まれたものであるが、実に、その後35年もロングランを続け、放送局、録音スタジオ、そしてオーディオファンの間で広く愛用されてきた。これを現代の技術で再検討し、現代のモニター・スピーカーシステムとして通用するようにという考え方によって生まれたのが、この2S3003。2ウェイという構成や、コーナー・ラウンドのバスレフ型エンクロージュアという基本構造は変らない。外形は幅が狭くなり、高さが縮んだ代りに奥行きが深くなったが重量は10kg近く増している。
 音質的には、現在のデジタルソースへの対応性が高まり、鋭敏なレスポンスと広いDレンジに余裕をもって応答できるものとなり、パワーハンドリングの強化が最も大きな相違点だ。モニターレベルが昔と今では全く異なって、大音量モニターが要求されるようになったことへの対応だろう。音楽の性格もハードロックなどの激しい音源が多くなり、しかも、モニタースピーカーは演奏者へのプレイバックスピーカーをも兼用する場合がほとんどなため、よりヘヴィデューティな性能が要求されてくるのである。
 冒頭に書いた、最も日本的特質の凝縮した一流品という意味は、このシステムに使われている諸々の技術の新しさ、製品作りの細部に至る完璧主義といってよい丁寧さなどにあり、それが結果としてのサウンドにも現われている。
 もともと、プロ用モニターとして作られた製品であるが、一般のオーディオファンが使う上でも特に難しさや不都合はないと思う。ただ、強い個性や説得力を求める人には物足りなさとして感じられるかもしれない。

ダイヤトーン DS-V9000

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菅野沖彦


オーディオ世界の一流品(ステレオサウンド創刊100号記念別冊・1991年秋発行)

「世界の一流品 スピーカーシステム篇」より


 ダイヤトーンは日本のスピーカーの代表といってよい。三菱電機という大電機メーカーが、スピーカーシステムという分野にここまで根を下ろしたことは興味深い。電気製品の中では最もソフト要素の強い、今流行の言葉でいえばファジーでありニューロなものだし、サウンドという嗜好性の強い趣味的な世界は、このような電機メーカーにとって扱い難い分野である。NHKのモニタースピーカーを戦後間もなく開発したのが縁でダイヤトーンは今やスピーカーでは名門になってしまった。技術志向が必ずしも音のよいスピーカーに連らないこの世界で、ダイヤトーンは技術とヒューマニティのバランスを真面目に追求してきたメーカーだ。高級な大型システムの開発を常に中心においてスピーカー作りを進めてきている努力が、ダイヤトーンを国産スピーカーメーカーNo.1の地位を得さしめたのだ。その一つの項点が、このDS−V9000というモデルである。無共振思想、剛性第一主義を貫きながら、適度に柔軟な姿勢で戸惑いながらも妥協点を求める以外にスピーカーとしての完成度は得られないように思えるが、ダイヤトーンは一見、技術一点張りに見えながら、この術を心得てもいる。このバランスを保つことがいかにむずかしいか、DS−V9000はその困難を克服した現時点での成果であると思えるのだ。これをダイヤトーンはハイブリダート・シリーズと呼ぶ。高剛性と最適内部損失の調和である。トゥイーターとミッドハイに使われているB4Cという素材が現在のダイヤトーンのアイデンティティ。確かにB4Cドームユニットはレスポンスの鋭敏さにもかかわらず、音に硬質な嫌味がなく品位の高い再生音が得られる。コーンは同社得意の高剛性ハニカム構造材である。長年の使いこなしにより、この材料も使い方がこなれてきた。曖昧さのない造形の確かな再生音は立派である。味とか風格といった個性の魅力とは違うところにダイヤトーンはある。

ダイヤトーン DS-V9000

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井上卓也


'89NEWコンポーネント(ステレオサウンド別冊・1989年1月発行)

「'89注目新製品徹底解剖 Big Audio Compo」より


 ダイヤトーンのスピーカーシステムには、数字構成のモデルナンバーの末尾にアルファベットを付けた型番を採用することはあったが、今回の新大型システムDS−V9000のように、数字の前にアルファベットを置く型番は、大変に異例ともいうべき印象で受け止められるようである。
 高級機のジャンルで、独自のミッドバス構成と名付けられた4ウェイ方式のシステムを開発する、いわば定石めいた手法を採用することが他に類例のないダイヤトーンスピーカーシステムの特徴であり、4個のユニットで構成する比較的にコンベンショナルなシステムアップの実力を備えたメーカーは、世界的にもさほど多いものではない。
 基本的に40cmウーファーをベースにした4ウェイ方式のフロアー型システムという点では、数年前に開発され、現時点でも日本を代表するフロアー型として活躍をしているDS5000系の流れを受け継いでいるシステムである。
 外観上のイメージは、基本構想が同一であるだけに非常に類似したイメージを受けるが、比較をすれば、中低域ユニットの位置がかなり下側に移動していることと、エンクロージュア両サイドの部分にわずかにカーブがつき、バッフル面より前方にセリ出しているデザインに気がつくであろう。
 音響理論とデザインの一致が、ダイヤトーンスピーカーの基盤であるが、このところのラウンドバッフル流行の原点である2S305の理論に基づいた流麗なラウンドバッフルと、V9000でのサイドブロックに見られる考え方の差には、大変に興味深いものがあるようだ。
 バッフルボード上で、もっとも大きく目立ち、かつ魅力的に思われるのは超大型とも表現できる中高域ユニットだ。
 従来からも独自のボイスコイル巻枠部と振動板を一体化したDUD構造を開発した時点以来、振動板材料にはこれも独自の開発によるボロナイズドチタンが、ボロンの略称でダイヤトーンDUDユニットを推進してきたが、今回の新製品にはそれ以来の画期的な新材料ともいうべきB4C(炭化硼素)が振動板材料として、中高域と高域ユニットに採用されることになった。
 B4Cを実用化するに当り、摂氏2450度という高融点であることがドーム状に成型することを困難にしていたが、プラズマ溶射法による製造条件の確立と熱処理の方法が完成され、実用化された。これはチタンの5倍、ボロン化チタンの2・2倍の物性値を示し、実測値でも1万1000m/secを越える値が得られているが、特に注目したいことは、金属系振動板でありながらほぼ1桁違う内部損失を備えていることで、固有音が極めて少なく、振動減衰が早いことにより、広帯域化と素直なレスポンスが得られるメリットは絶大なものがある。
 中高域と高域のB4Cを支える中低域と低域は、ハニカムコアの両側をアラミッドスキンでサンドイッチ構造とした従来のコーン構造の前面に、カーボン繊維のアラミッド繊維を混繊したイントラプライスキンを加えた、表スキンが2重構造のイントラプライ・ハイブリッド・カーブド・ハニカム振動板を採用したことに特徴がある。
 全ユニットは、DS9Zで採用された球状黒鉛鋳鉄採用の、高剛性で振動減衰特性に優れたフェライト系磁石によるハイピュアリティ防磁構造と、実績のあるDM及びDMM方式を採用している。
 低域と中低域ユニットでは、新開発の新磁気回路方式(ADMC)採用が最大のポイントだ。ボイスコイルで発生する交流磁束の影響が磁気回路の動作を不安定にする問題を、有限要素法により直流磁界解析および交流磁界解析した結果がADMCであり、ユニットの音圧歪みは2次、3次ともに0・1%を達成、ボイスコイルの駆動力が常にボイスコイルの中心に位置する理想の動作状態が保たれる成果は大きい。
 ネットワークは、コイルにコンピューターシミュレーションにより設計をした低歪み、低抵抗型を採用。コア材料は珪素鋼板をラミネート構造とし、エポキシ樹脂でコーティングしたコア鳴きの少ない圧着鉄芯、コイルは1・4mmφのOFC線材採用などの他、素子間の配線は金メッキ処理OFCスリーブによる圧着型という伝統的な手法が見受けられる。
 エンクロージュアはパイプダクトをバッフル面に付けたバスレフ型。バッフルは堅く響きが良いシベリア産カラ松合板の直交張り合せ、他の部分はカナダ産針葉樹材2プライ・パーティクル板で、両面はスワンプアッシュ材突板サンドイッチ張り構造により、高い剛性と耐候性を得ている。バッフル表面には低音用上部にソリッド・スワンプアッシュ材を溝に埋め込んだ表面波に対する隔壁が設けてあり、低域と中低域以上のユニット用の相互干渉を避ける設計だ。また、中低域用内部キャビティは、新しく二つのラウンドコーナーをもつ新設計によるもので、低域に対しても定在波の発生が少なく、高剛性化をも達成している。
 ユニットの不要振動の発生を避ける取付けビス部のゴムキャップ、ハイブリッド構造の中高域ユニット保護ネットなど、徹底した高SN比設計は同社のポリシーの表われでもあるようだ。
 百聞は一聴にしかず、が、このシステムの音であろう。異次元の音でもある。

ダイヤトーン M-U07

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瀬川冬樹


別冊FM fan 25号(1979年12月発行)

「20万円コンポのためのプリメインアンプ18機種徹底レポート」より


 このアンプは一見してわかる通り、いわゆるミニアンプの系統に属する。今回のテストのように、ごくスタンダードのプリメインアンプをテストの対象としている中に、ミニアンプを混ぜるということは、テストとしてはあまりフェアーではない。これを承知のうえで取り上げた理由というのは、現在ダイヤトーンのアンプのカタログの中に、この価格ランクのものがほかにあまり見当たらない、ということと、これが比較的新しい製品であるということなので、あえて取り上げてみた。そのミニであることのハンデというのは、何かというと、当然同じ価格で極力小型化するためには使うパーツ、あるいはそれに付随する回路設計にいろいろ制約が出てくる。同じ価格でより小型化した場合に、無理に小型化しないで普通にゆったり作ったアンプに比べてどこか性能が劣るということは、これはやむを得ないことだ。したがって、ミニアンプは、ミニアンプの仲間の中に混ぜて、ミニアンプ同士のテストというのをすべきで、このアンプに関しては多少そういう点、ハンデをあげた採点をしようと思う。
音質 まず音全体の印象だが、割合に柔らかい、フワッとした、どちらかといえば甘口とも言えるような聴きやすい音が第一印象だ。これは実はダイヤトーンのアンプということをわれわれが頭に置いて聴くと、意外な感じを覚える。ダイヤトーンのアンプというのは、比較的カチッと硬めの音を出す。これがダイヤトーンのスピーカーにも共通する一つのトーン・ポリシーだと思っていたが、このミニアンプでは反対に割合に柔らかい音が聴こえてきた。
 柔らかい音というのは、また別な言い方をすると、少し音の芯が弱いという感じがする。これは繰り返すようだが、ミニアンプだからそう高望みをしても仕方がないことだと思う。この価格、そしてこの大きさ、それから公称出力が25Wということを頭に置いて聴くと、意外にボリュームを上げても音がしっかりと出てくる。これはミニとしてはむしろよくできた方のアンプだという印象を持った。
トーン&ラウドネス このアンプにはMCヘッドアンプは入っていない。そういう点は非常に作り方としては、割り切っている。スピーカーもA、B切り替えというものはなく、一本きり。その割にはテープが二系統あるというようにテープ機能を、かなり優先させている。また、トーン・コントロールの効きは、比較的大きい方で、ラウドネスも割合にはっきりと効く。ということはこういうミニサイズのアンプにはミニサイズのスピーカー組み合わされるというケースが多いだろうということを考えると、特に低音の方で効きを大きくしたという作り方は妥当だと思う。
ヘッドホン ヘッドホン端子での音の出方というのは、ヤマハA5のところでも言ったように、ボリュームの同じ位置で、スピーカーを鳴らしていると同じような音量感で、ヘッドホンが鳴ってくれるのが理想だが、このアンプもヘッドホン端子での出力をやや抑えぎみにしてある。
 テストには主にエラックのカートリッジ794Eを使った。多少シャープな感じのするカートリッジだ。それよりはスタントンの881S、比較的音の線が細くない厚味を持った音のカートリッジだが、その方がこのアンプの弱点を補うような気がする。つまりカートリッジには線の細いものよりは、密度のある線の太い音のカートリッジ、スピーカーも含めてそういう組合せをすると、このアンプはなかなか魅力を発揮する音が出せると思う。
 最後に、このアンプのマイクロホンの機能が充実しており、レベル設定やミキシング、それにリバーブが付けられるなど、カラオケを意識したようなファンクションもあり、楽しめる。

ダイヤトーン DA-P15S

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瀬川冬樹

世界のコントロールアンプとパワーアンプ(ステレオサウンド別冊・1978年春発行)
「最新型94機種のテストリポート」より

 音の切れこみのよさ。シャープな表現。一聴していかにも解像力の高いという感じの音がする。バランス的にも低音域から中低音域にかけての支えがやや弱く中〜高音域にかけてキラキラした輝きがあるため、かなり硬質で金属的に聴こえる。したがって打楽器の切れ味の鋭さなどには特徴を出す反面、弦やヴォーカルは骨ばった冷たい音になる。もう少し音に暖かさや響きのしなやかさが欲しい。内蔵のヘッドアンプは、MC20では高域が鈍く音が細くなり情報量の減る感じになる。DL103Sでは専用のトランスよりは解像力が上るが中〜高域が張ってくる。ローフィルターやトーンコントロールをONにしたときの音質の変化はやや大きい。

ダイヤトーン DA-A15DC

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井上卓也


世界のコントロールアンプとパワーアンプ(ステレオサウンド別冊・1978年春発行)

「最新型94機種のテストリポート」より


 このパワーアンプは、いわゆるDCアンプらしい聴感上のレスポンスがワイドレンジ型とならず中域のエネルギー感が充分にあることが特長である。この中域のエネルギー感があることと、このクラスのパワーアンプとしては充分にパワフルであるため、音像定位はかなりクッキリとし、左右のスピーカー間の少し前にまで出てくる。ステレオフォニックな音場感は、かなりナチュラルである。バランス的にはローエンドが量的に充分あり、音色が少し暗く、その上の低域がやや薄いようだ。中域は厚みがあり、かなり表情もある。これに対して、中高域から高域は、基本的には明るい音色をもつが、音の粒子は少し粗粒子型である。

ダイヤトーン DA-A10DC

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井上卓也


世界のコントロールアンプとパワーアンプ(ステレオサウンド別冊・1978年春発行)

「最新型94機種のテストリポート」より


 シリーズ製品のパワーアンプA15DCと比較すると、このA10DCのほうが、聴感上での周波数レンジが、かなりワイドレンジ型で伸びており、音のクリアーさ、特に、中高域から高域にかけての細やかさ、滑らかさで優れ、トータルのクォリティも高いように感じる。
 バランス的には、低域が、やや豊かで柔らかく、中域は量的に抑えられているが、音色は柔らかく、明るいタイプである。
 音場感は、左右のスピーカーの少し奥に引っ込んで広がり、音像はA15DCよりも大きく、輪郭はソフトになる。スケールは小さいが、素直で、柔らかく滑らかに磨かれた音が、このパワーアンプの個性である。

ダイヤトーン DA-A15DC

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瀬川冬樹

世界のコントロールアンプとパワーアンプ(ステレオサウンド別冊・1978年春発行)
「最新型94機種のテストリポート」より

 弱点をどんどんおさえていって、欠点も少ないがおもしろみに欠けた音になってしまう、いわば減点法で仕上げる例の少ないとはいえない国産機の中では、かなり積極的に音を作り上げたという感じの強い、なかなかユニークなパワーアンプだ。ダイヤトーンのスピーカーもそうだが、どちらかといえばクラシックの弦やヴォーカルよりは、ポップスの打音の切れこみのよさや、張りのある力強い音の再現を狙っているらしく、やや金属質ともいえるハードによく張った音といえる。非常にクリアーな印象で、たとえばシェフィールドでテルマ・ヒューストンのヴォーカルがバックからよく浮き出すというように、コントラストを高めて輪郭の鮮明な音に仕上げてある点が特徴。

ダイヤトーン DA-A10DC

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瀬川冬樹

世界のコントロールアンプとパワーアンプ(ステレオサウンド別冊・1978年春発行)
「最新型94機種のテストリポート」より

 A15DCの弟分ということをかなり意識して仕上げたのか、それともむしろ意図して音の傾向を変えているのか、ともかくA15とはずいぶん音質が違う。兄貴分がかなり硬質の、むしろ金属質のハードでクールな音を聴かせたのに対して、A10DCの方はもう少し力の誇示をおさえて、おだやかな鳴り方をする。ただそれはあくまでもダイヤトーンどおしの比較の話で、他社の音の中に混じるとやはり硬質の傾向で、たとえば弦楽四重奏でもA15DCのときほど各声部を目立たせることはないが、本質的にポップス系志向の傾向はあって、弦や声はどちらかというと骨ばって聴こえる。反面、ポップスの打音の系統は、かなりシャープに浮き上って聴こえる。

ダイヤトーン DA-P15S

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井上卓也


世界のコントロールアンプとパワーアンプ(ステレオサウンド別冊・1978年春発行)

「最新型94機種のテストリポート」より


 リファレンスパワーアンプ♯510Mと組み合わせると、A15DCの場合よりも、全体にソリッドで、引締った音になる。しかし、音が薄く、予想よりもコントラストが付かない。音色は、軽く明るいタイプで、低域は少し柔らかく、中高域に一種の色付けがあり、アクセントをつけている。
 MCカートリッジ用ヘッドアンプは、柔らかく細やかで、音色が明るい。聴感上の周波数レンジは広く、伸びているが、MC20では、スケール感が一段と小さくなり可愛らしい音になる。DL103Sのほうが、ワイドレンジ型で、クッキリと粒立ちがよい鮮度の高い音だ。音像定位もスッキリとし、輪郭がクリアーで表情が若々しくなる。

瀬川冬樹


世界のコントロールアンプとパワーアンプ(ステレオサウンド別冊・1978年春発行)

「最新型94機種のテストリポート」より


 P15、A15のどちらも、音の輪郭の鮮明さや切れこみのよさを際立たせるタイプの、どちらかといえば金属的で硬質のハードな輝きを持っているが、両者を組合せるとそれがかなり相乗効果を招いて、総じて冷徹でコントラストの強い音に仕上ってくる。同じ♯15のつくシリーズ同士の組合せなのだから、これはかなり意図的に作りあげられた個性なのだろう。こういう輪郭も鮮明な音であっても、本質的には骨格の太い、構築のがっしりした支えがあるために、表面的にわめくタイプの音ではなく、たとえばピアノの強打や、あるいはシェフィールドのダイレクトカッティングレコードの、テルマ・ヒューストンのヴォーカルを支えるバックのリズムセクションなど、かなりのパワーでも腰がくだけたりせずに、良く張り出して力を失わない。パワーアンプ単体のところでも書いたが、ダイヤトーンの相性が、基本的にはクラシック系よりもポップス系にピントを合わせてあるらしく、この積極的にハードに徹した作り方はひとつの特徴といえる。

瀬川冬樹


世界のコントロールアンプとパワーアンプ(ステレオサウンド別冊・1978年春発行)

「最新型94機種のテストリポート」より


 パワーアンプの方が兄貴分のA15DCにくらべてややおとなしい音に仕上っているためか、同じP15との組合せでも、総合的にはニュアンスのかなり違う音になる。P15+A15DCのときの、ひとつひとつの音が輪郭をかちっと隈取られてバックから飛び出してくるかのようなコントラストの強い、金属質かつ硬質に徹してしまう傾向の方が、ひとつの強烈な個性として徹底していておもしろいといえなくもないが、ただそれでは少々硬すぎると感じる向きには、P15+A10DCの方が、むろん基本的にはダイヤトーンの個性を保ったまま、もう少し穏やかな方向の音として受け入れられるのではないたろうか。しかしパワーアンプ単体のところでも書いたように、本質的にポップス志向といえると思う。つまり、弦や女性ヴォーカルにはかなりハードな感じをあたえるのに対して、このアンプの持っている骨太に前面に押し出してくる力の強さが、ポップス系のことにハードな音楽には一種の特徴となる。

瀬川冬樹


ステレオサウンド 46号(1978年3月発行)

特集・「世界のモニタースピーカー そのサウンドと特質をさぐる」より


 おそろしく密度の高い、そしておそらくかなり周波数レインジは広くフラットなのであろうと思わせる音が鳴ってくる。フラットとは言っても、欧米のスピーカーの多くを聴いたあとで国産のスピーカーを聴くと概して中高音域が張り出して聴こえることが多く、それが日本人の平均的な音感であるらしいが、4S4002Pもその例に洩れない。この製品にはAS3002Pと違ってレベルコントロールがついている。MIDDLE/HIGH/SUPER HIGH の三個とも、+1,0,-1、-2,-3の5段切換えになっている。指定の0のポジションでは右のように中域以上が少し張り出しすぎてバランスをくずしているように思われたので調整を加えて、結局、MIDDLE と SUPER HIGH を共に-1、そして HIGH を-3と、やや絞りぎみに調整してみたところ、かなり納得のゆくバランスになってきた。好みによって、あるいはプログラムソースによっては、HIGH は-3でなく-2ぐらいにとどめた方がいいかもしれない。
 いずれにせよ、ここまで絞ってもダイヤトーンの製品に共通の中音域全体にタップリと密度を持たせた鳴り方は少しも失われないで、相当に上質の、スケールの大きい、しかし見た目から受ける印象よりはるかに反応の鋭敏な音が聴ける。ただどちらかといえば、クラシックよりもやはりシェフィールドのクロスオーヴァー的な音楽を、思い切りパワーを上げて聴いたときの方が、いかにも凄みのある音で聴き手を驚かせる。クラシックのオーケストラでは、パワーを上げると弦が少々きつい感じになるし、スーパー・ハイの領域でチリチリという感じで、もしかするとトゥイーターのエージングが進めば柔らかくなるのかもしれないが、テストの時点ではまだ硬い音がした。
 2503Pや3002Pよりははるかにグレイドの高い緻密な音だが、音の透明感がもう少しほしい気もする。このスピーカーの鳴らす中~高音域には、やや硬質の滑らかさはあるのだが、その肌ざわりが金属やガラスよりも陶器の肌を思わせる質感でいわば不透明な硬さ、を思わせるためによけいそういう感じがするのかもしれない。
 カートリッジを二~三つけかえてみると、ハイエンドの音のくせをとても敏感に鳴らし分けて高域の強調感のあるカートリッジを嫌う傾向がことに強い。とうぜんアンプの差にも敏感だ。ただ、アンプやプレーヤーをいろいろ変えてみても、弦楽器に関するかぎり、どうも実際の楽器の音と相当に印象が違う。ピアノの場合はスケールの大きさがいかにもフルコンのイメージを再現はするが、ヤマハかスタインウェイかの区別がややあいまいではないかと思った。潜在的に持っている相当に強い個性が、楽器の色あいをスピーカーの持っている音色の方にひきずってゆく傾向がある。

菅野沖彦


ステレオサウンド 46号(1978年3月発行)

特集・「世界のモニタースピーカー そのサウンドと特質をさぐる」より


 ダイヤトーン4S4002Pはモニター1と称され、一本100万円という高価なものだが、数々の新開発技術を生かして作られた新製品である。構成は、4ウェイ、4スピーカーシステムで、2S2503Pと同じく、パッシヴラジェーター方式が採用されている。ウーファー、スコーカーのコーンには、ハニカム構造のアルミをグラスファイバー計のシートでサンドウィッチ構造としたものが使用され、より理想的なピストンモーションにより低歪化が計られている。当然ながら、相当な大型システムで40センチ・ウーファーをベースに構成された4つのユニットが、見上げるばかりの大型エンクロージュアに収められ、総重量は実に135kgにも達するものだ。音質は、色づけが少ないといえるけれど、音楽の愉悦感には不足する。大音量で、かなりの聴取距離をおいて使うことを目的として設計されているので、一般家庭の至近距離で聴くと、音像定位には、やや問題が生じざるを得ない。中高域ユニットがかなり高い位置にくるので、低音と中高音が分離して聴こえてくるのである。しかし、これは使い方が間違っているので、広い場所で距離をとれば問題ではなかろう。さすがにDレンジとパワーハンドリングには余裕があり、大音量再生にもびくともしない。広い場所でのプレイバック用として効果的。

瀬川冬樹


ステレオサウンド 46号(1978年3月発行)

特集・「世界のモニタースピーカー そのサウンドと特質をさぐる」より


 ブラームスのピアノ協奏曲のオーケストラの前奏で、中域に密度のある、しかしアルテックとは違って音が明らかに張り出すわけではなく、丸みのあるソフトなバランスの良い音が鳴ってくる。ただしそれは中程度以下の音量の場合で、、音量を上げるにつれてまず中高音域が張り出してきていくらか圧迫感が出てくるし、やがてピアノが入ってくると、おもに右手の活躍する中音域のあたりで、コンコンと箱をこぶしで叩く感じの固有音がつきまとうことが少し気になってくる。バックのオーケストラも、ひとつのマッスとしては充実しているが、その中から各声部のデリケイトな音の動きや色彩の変化、さらにソロとの対比などを聴き分けようとすると、もう少しこのもつれて固まった井とをときほぐしたいという気持になってくる。次のラヴェルの「シェラザーデ」を含めて、これらのレコードのオーケストラのパートは、広さと奥行きを十分に感じさせるステレオ録音のはずだが、3002Pではその広さと奥行きを総体に狭める傾向に鳴る。こういうタイプのスピーカーは概して左右に思い切って開いて置くといい。事実ミクシングルームなどでもこのスピーカーは左右に3メートル以上開いて置かれるあることが多いので、本誌試聴室でもほとんど4メートル近くまで左右に離してみるが、私の求めるひろがりと奥行きをこのスピーカーに望むのは少し無理のようだ。ただしかし、ステレオの音像の定位をきわめて正確かつ明確に表現する点はさすがだと思った。左右にどこまでひろげても少しも音の抜けるようなことがないのは見事というほかない。
 ところでピアノの音にまつわる固有音だが、たとえばアルゲリチのショパン(スケルツォ)でも、冒頭の三連音などことに箱の中で共鳴している感じが強く、音がスピーカーのところからこちら側に浮き上ってこない。この試聴の一週間ほどあとで、某スタジオであるピアニストの録音に立ち会った際にもこのAS3002Pが使われていたが、プレイバックの際にそのピアニストが、なぜ私のピアノがこんなにコンコンいう音に録音されてしまうのか、と不満を漏らしていたが、どうもこのスピーカーにその傾向が強いようだ。
 一旦そういう音色に気づいてしまうと弦合奏の再生にもやはりその傾向はあることがわかる。たとえばヴァイオリンの低弦(だからせいぜい200Hz以上)で、胴鳴りの響きが実際の楽器よりももっと固有音に近い感じで箱の中にこもって弦の響きにおおいかぶさってくるので、不自然な感じがする。総体に音の粒立ちが甘く、音像が一列横隊の平面的で、ポップス系でも低音のリズムがやや粘る。
 このスピーカーはパワーアンプを内蔵しているのでそのアンプのまま試聴したから、右の傾向がスピーカーそのものか、それともアンプを代えるといくらか軽減されるのかは確かめていない。

菅野沖彦


ステレオサウンド 46号(1978年3月発行)

特集・「世界のモニタースピーカー そのサウンドと特質をさぐる」より


 ダイヤトーンAS3002P、俗称モニター3は、同社のモニターシステムとして伝統的な2S305の発展型である。30センチ・ウーファーと5センチ・トゥイーターの2ウェイのオールコーン・タイプである。国産モニタースピーカーの傑作といえる2S305は、鑑賞用として家庭で使っている人も多いだろう。この3002Pは、このシステムをさらにリファインしてドライヴィングアンプを内蔵させたものだ。モノーラルアンプのMA100Pがそれで、出力は100Wである。一言にして、このシステムの音を表現すると、実に標準的な真面目な音といえるだろう。キメの細かい、やや細身の中高域は、繊細優美な質感だ。すっきりとした全体の音の印象が、いかにも日本的な精緻さを感じさせる。バランス、解像力など、難のつけようのない端正さであるが、裏返していえば、強い個性的魅力、それも西欧の音楽に感じる血の通った人間的な生命感、バタ臭い、油ののった艶というものに欠ける。だから、音楽によっては、やや淡泊になり過ぎる嫌いも或る。いかに高性能なモニターシステムといえども、音色を持たないスピーカーは皆無であるという現実からして、このシステムを鑑賞用として使うとなれば当然、この淡泊な色彩感を好むか好まないかというユーザーの嗜好にゆだねる他はあるまい。しかし現状で最も標準的なシステムといってよいだろう。

瀬川冬樹


ステレオサウンド 46号(1978年3月発行)

特集・「世界のモニタースピーカー そのサウンドと特質をさぐる」より


 ブラームスのピアノ協奏曲No.1(ギレリス)から鳴らしはじめる。オーケストラのパートで声部のバランスがどこかおかしいというようなことはないし、ピアノとの対比も過不足ない。ポップス系のソフトでは、パワーにも相当に強いことがわかり、かなりの音量でも音がくずれない。途中からアンプのトーンコントロールを1~2ステップ動かしてみると、実に鋭敏に反応する。むろんアンプの差にも敏感だ。そうした聴き分けをしたいという目的をモニター的というのなら、プロフェッショナル用としては価格も程ほどで、相当に信頼のおける物差しのひとつとして使える。
 レベルコントロールは0を中心に+2、-2と振り分けた3点切換型だが、中央のポジションのままがバランス上最もよかった。専用の(別売)キャスターつきのスタンドに乗せたまま試聴したが、家庭用としては音源の位置が少し高いところにゆきすぎて、ことに低いソファに深く腰をおろした場合には、音が頭の上からくる感じで、ステージのかぶりつき近くで聴くような印象になるから、家庭に持ち込むにはもう少し低い台でいろいろ工夫する必要があるだろう。ゆか上にじかに置くと音が重くなるので、丈夫な台がないとまずい。
 いろいろなレコードを聴き込んでゆくと、もちろんモニター用だから当然かもしれないが、鳴り方がかなり生真面目で、どんなレコードでも音を行儀よく整理してしまう傾向がある。別の言い方をすると、このスピーカーの鳴らす音は、輪郭の線はほぼ正確に描かれてはいるが描線の自在さがもっと欲しい。あるいは、プログラムソースに盛られている音の精妙な色あいを、一様にモノトーンで塗りつぶしてしまうような印象がある。たとえばブラームスP協のベルリン・フィルの音、ラヴェルのコンセルヴァトワルの、バッハV協のザルツブルクの、ぶらムース五重奏のウィーンの弦の、それぞれの音色の違い。別の角度からみればDGGの、EMIの、DECCAの、それぞれの音色のとらえかたの違い。そうした、音源側での色どりの豊富さにかかわらず、2503Pがもともと持っている音色の傾向がやや暗い無彩色なので、すべての音がそういう色あいで表現されるのだろう。
 そうしたところから、このスピーカーへの評価はかなり分かれるにちがいない。たとえば前述のように、レコーディングセッションのモニターとして、マイクアレンジの際に各パートの音量バランスをチェックするといった目的には、価格を頭に置けば十分以上に信頼が置ける。が反面、もしこれを家庭での音楽鑑賞用として考えるとすれば(たぶんこのスピーカーを企画したメーカー側がそうは考えていないだろうことは、外観や作り方の姿勢から充分に察せられるが)、右に書いたような音の色あいの鳴らし分けの点で不満が生じるに違いない。

菅野沖彦


ステレオサウンド 46号(1978年3月発行)

特集・「世界のモニタースピーカー そのサウンドと特質をさぐる」より


 ダイヤトーンの2S2503Pは同社のモニターシステムとしては小型なもので、構成は2ウェイ。25センチ・ウーファーと、5センチ・トゥイーターの二つのユニットが装着されている。公称最大入力は60Wと表示されているが、マスターレコーディングのメインモニターとしては、少々物足りないといわざるを得ない。スタジオにおけるメインモニターの再生レベルは、一般に想像されるそれより、はるかに高いのが普通だし、演奏直後のプレイバックには、ハイレベル再生が必要な場合が多いものだ。率直にいって、このシステムは、サブモニターとして使われる種類のものだろう。
 音色は、ややボクシー、つまり箱鳴きの感じられるもので、腰が弱く頼りなさが残る。音像の輪郭もシャープとはいえないし、中低域の明解さが不十分で、少々濁り気味である。しかし、エコーの流れや、はランスなどは、さすがに一般用スピーカーより明確に判り、モニタースピーカーとしての設計意図が生きている。綜合的にいってこの音は、むしろ鑑賞用としてよいと思われるあらの目立たない音だが、長時間仕事に使うモニターシステムとして、こうした疲れないソフトタッチのお供、モニターとしての一つの思想の中にある。オリジナルマスターを聴いても、レコードのようなこなれた音になるシステムだ。

ダイヤトーン DS-50CS

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黒田恭一


ステレオサウンド 44号(1977年9月発行)

特集・「フロアー型中心の最新スピーカーシステム(上)」より

スピーカー泣かせのレコード10枚のチェックポイントの試聴メモ


カラヤン/ヴェルディ 序曲・前奏曲集

カラヤン/ベルリン・フィル

❶ピッチカートはまろやかにひびくが、前にでる。

❷奥ゆきがとれていてひろがる。スタッカートに力がほしい。

❸フラジオレットの特徴はよく示されている。

❹多少ふくれぎみだが、切れはよい。

❺クライマックスでかたくならないよさがある。迫力を示す。


モーツァルト:ピアノ協奏曲第22番

ブレンデル/マリナー/アカデミー室内管弦楽団

❶音像は大きめで、たっぷりひびくが、定位はいい。

❷音色的な対比は充分についている。

❸もう少しすっきりひびいてもいいだろうが、こまやかさがある。

❹このフレーズの特徴は、充分にいきている。音色は暖色系だ。

❺各楽器の特徴は、キメこまかに示される。


J・シュトラウス:こうもり

クライバー/バイエルン国立歌劇場管弦楽団

❶声にまろやかさがあり、息づかいなども自然に感じられる。

❷接近感を無理なく示し、強調感がない。音像はいくぶん大きい。

❸クラリネットの音色はよく伝える。声とのバランスもいい。

❹はった声もかたくならず、なまなましさを失わない。

❺各楽器のひびきを、ほどよく、自然にきかせる。


「珠玉のマドリガル集」

キングス・シンガーズ

❶音像が大きめのため、定位はよくない。

❷声量をおとすと、言葉は不鮮明になる傾向がある。

❸残響をひっぱるため、言葉の細部はききとりにくい。

❹バリトンが強調されがちなため不鮮明になりがちだ。

❺一応の余韻は伝えるが、効果的とはいえない。


浪漫(ロマン)

タンジェリン・ドリーム

❶音色的、音像的対比は充分について、効果的である。

❷クレッシェンドは、無理なく示される。

❸ひびきに浮遊感があり、重くひきずらない。

❹前後のへだたりが充分に示されて、ひろびろと感じられる。

❺幾分ピークでひびきがかたくなるが、一応の迫力を示す。


アフター・ザ・レイン

テリエ・リビダル

❶ひびきが暖色系のため、透明感が幾分うすれる。

❷ギターの音像が大きめのため、せりだしが感じとりにくい。

❸軽く、浮いてひびく。充分な効果をあげられない。

❹ひびきに輝きがなく、他のひびきにうめこまれがちだ。

❺耳をかたむけて、どうやらきける程度だ。


ホテル・カリフォルニア

イーグルス

❶12弦ギターのひびきが幾分甘くなっている。

❷サウンドの厚みはでているが、さらにくっきり示されてもいい。

❸ハットシンバルのひびきが幾分湿っている。

❹ドラムスの音像が大きい。声はまずまずた。

❺バックコーラスの効果はでているが、言葉はたちにくい。


ダブル・ベース

ニールス・ペデルセン&サム・ジョーンズ

❶ペデルセンのベースがエネルギー充分にひびく。

❷指の動きを明らかにし、オンでとったよさを示す。

❸音が尾をひいて消えていく感じを一応は伝える。

❹こまかい音の動きに対しての対応は充分とはいえない。

❺音像的な面でのサム・ジョーンズとの対比が不自然だ。


タワーリング・トッカータ

ラロ・シフリン

❶ドラムスは、重くひびいて、アタックの鋭さはない。

❷ブラスは、本来の輝きに不足しているものの、効果はあげる。

❸フルートは、前にせりだしてきて、有効な働きをする。

❹全体に音像が大きめなので、音の見通しがよくない。

❺幾分ふやけぎみだ。もう少しすっりしてもいい。


座鬼太鼓座

❶尺八との距離感がさほどついているとはいいがたい。

❷尺八の響きが、幾分脂っぽくなっている。

❸あいまいにならず、かなりくっきりききとれる。

❹スケール感ゆたかに示される。エネルギーも感じられる。

❺大太鼓の音の消え方とのバランスがよく、雰囲気をだしている。


ダイヤトーン DS-40C

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黒田恭一

ステレオサウンド 44号(1977年9月発行)
特集・「フロアー型中心の最新スピーカーシステム(上)」より
スピーカー泣かせのレコード10枚のチェックポイントの試聴メモ

カラヤン/ヴェルディ 序曲・前奏曲集
カラヤン/ベルリン・フィル
❶ピッチカートのひびきがまろやかでいい。木管の音色もいい。
❷もう少し力があってもいいように思うがすっきりしたよさがある。
❸フラジオレットの特徴的なひびきがよくでている。
❹もう少しひびきにつやがほしいが弦の響きの美しさはでている。
❺ひびきのゆたかさと力が充分でない。

モーツァルト:ピアノ協奏曲第22番
ブレンデル/マリナー/アカデミー室内管弦楽団
❶音像は小さめでこのましいが、ピアノの音に力がほしい。
❷音色的な対比は示せている。薄味のひびきにとどまる。
❸ひびきがもう少し軽やかでいいだろう。
❹きめこまかく示すが、幾分しめりがち。
❺かなりオンでとっているようにきこえる。

J・シュトラウス:こうもり
クライバー/バイエルン国立歌劇場管弦楽団
❶子音がいつくひびく。音像はふくらみがちだ。
❷接近感は示すが、定位が鮮明ではない。
❸クラリネットの音色はよく示すが、声とのバランスはよくない。
❹はった声は硬くなり、声のしなやかさがなくなる。
❺とがったひびきが強調ぎみになる。

「珠玉のマドリガル集」
キングス・シンガーズ
❶ひびきの目がつまりすぎているので、定位がすっきりしない。
❷まろやかなひびののよさはあるが、鮮明さがたりない。
❸残響をぴっぱりすぎるためか、すっきりしない。
❹とけあってはきこえるが、各声部の動きは不鮮明だ。
❺ポツンときれずに、ある程度の余韻を感じさせる。

浪漫(ロマン)
タンジェリン・ドリーム
❶暖色系のひびきのためか、音色対比は充分でない。
❷ひびきの後へのひきがかならずしも充分でない。
❸ひびきに浮遊感がたりず、ひきずりぎみにきこえる。
❹前後のへだたりがあまりなく、空間がせまくきこえる。
❺ピークでは、ひびきが金属的になる。

アフター・ザ・レイン
テリエ・リビダル
❶ひろがりは一応感じられるが、ひびきに透明感が不足している。
❷これと❶での音との、サウンドの性格のちがいがはっきりしない。
❸他のひびきにうめこまれがちで、ひきたたない。
❹かなりめだってききとれる。ひびきに輝きがある。
❺一応ききとれるが、かならずしも効果的といえない。

ホテル・カリフォルニア
イーグルス
❶12弦ギターのひびきから角がとれすぎている。
❷サウンドの厚みは充分に示されているとはいえない。
❸かなり積極的に前にでてくるが、さわやかさがたりない。
❹切れがにぶいので、アタックの鋭さがでない。声はまずまず。
❺言葉のたち方は弱い。声とのとけあい方はよくわかる。

ダブル・ベース
ニールス・ペデルセン&サム・ジョーンズ
❶スケールの大きさは示すが、迫力ではたりないところがある。
❷指の動きの示し方は、かなり鮮明だ。
❸かならずしも余裕をもって示すとはいいがたい。
❹こまかい音の動きに対応するのは得意ではないようだ。
❺サム・ジョーンズの音色の示し方に問題がある。

タワーリング・トッカータ
ラロ・シフリン
❶ドラムスに力が不足しているので、にぶい。
❷ブラスのつっこみはそれなりの効果をあげる。
❸せりだしてくるが、ひびきは幾分刺激的になる。
❹個々のサウンドを分離して示すより、とけあう傾向にかたむく。
❺幾分ふやけぎみで、めりはりがつきにくい。

座鬼太鼓座
❶尺八はかなり奥の方にひいた感じできこえる。
❷尺八の音色の特徴を、よく示した。
❸一応ききとれるものの、ごくかすかにきこえるだけだ。
❹スケールのゆたかさは示すが、力強さがたりない。
❺かならずしも充分にはきこえない。

ダイヤトーン DS-50CS

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瀬川冬樹


ステレオサウンド 44号(1977年9月発行)

特集・「フロアー型中心の最新スピーカーシステム(上)」より


 ダイヤトーンの音は、つねに中音域の密度に最も重点を置いた作り方が特徴だ。スピーカー作りの方法論的にいえば、中音域(ごく大まかにいえば500Hz近辺から2kHzあたりまで)に密度を感じさせるためには、いわゆる手抜きのない正攻法の設計が要求される。人間の耳に最も敏感な帯域であるだけに、張りすぎればやかましくなるし、おさえすぎると迫力や緻密さが失われる。プログラムソース別にみると、ポップス系にはやや張り気味に、そしてクラシック等にはやや抑え気味に作る方がいい。ダイヤトーンの音は、その意味でポップス系に焦点を合わせてあると聴きとれる。言いかえれば、オーケストラのトゥッティ等では、もう少し中域のかたまりを解きほぐして音の表情をやわらげ、空間のひろがりを出したいと感じる。またこれもDS40Cと共通のことだが、たとえばソロに対するバックが同じ平面状で鳴るように聴こえる傾向がある。つまり音像がよく張り出す反面、奥行きの表現に弱点がある。40Cよりも明らかにグレイドの高い音質だが、部分的には中域をもう少しおさえたいし(この点はレベルコントロールを一段絞ることでやや改善される)、低域端(ローエンド)でももう少し開放的な弾みが、そして高域端(ハイエンド)のもっとよく延びて繊細な感じが、それぞれ欲しい。置き方についてはフロアーに直接、そして背面を壁からやや離すのがよい。

ダイヤトーン DS-40C

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瀬川冬樹


ステレオサウンド 44号(1977年9月発行)

特集・「フロアー型中心の最新スピーカーシステム(上)」より


 このスピーカーにとくに向いているプログラムソースは、たとえばシェフィールドのダイレクトカッティング・レコード等の鳴らす一種鮮烈なポップス系の音楽だ。そして音量をあまり絞らずに、少なくとも平均85dB以上、できれば100dBぐらいの平均音量になるくらいのパワー(本誌試聴室での場合、おおよそ3ワットから30ワット以上)を放り込んで鳴らすと、ブラスの輝きや迫力、あるいはパーカッションの力強さや弾みがおもしろいように浮かび出て、聴き手を楽しませる。ところがクラシック系の音楽、あるいはポップス系でも、とくに弦楽器や女声あるいは木管のように、しなやかさ、しっとりした艶、あるいは暖かい息づかいなどを要求したい傾向の楽器を、音量を絞って楽しみたいという場合には、このスピーカーの本来内包している力の強さが逆にマイナスになりがちだ。もしもそういう音楽までこなそうとする場合には、中域の張ったカートリッジやアンプを避けて、できるだけ繊細な表情の出る組合せをくふうしたい。試みにトゥイーターのレベルを一段絞ってみたが、ウーファーの中高域の張り出すところが逆に強調されてつながりが悪くなる。むしろ一段上げてこの鮮明な迫力に徹してしまう方がおもしろいと感じた。フロアータイプなので台は不要。背面は壁からやや離す方がよかった。

菅野沖彦


スイングジャーナル 6月号(1976年5月発行)

「SJ選定新製品試聴記」より


 ダイヤトーンのアンプにかける惰熱がありありとわかる新製品が登場した。今月発売された一連のセパレート・アンプ・シリーズである。プリアンプ2機種とパワー・アンプ3機種が同時に発表されたが、いずれもひとつの明確な思想のもとに開発されたオリジナリティーをもったアンプである。中でも高級機が、今月の選定新製品になったDA−P10プリアンプと、DA−A15パワー・アンプである。このシリーズのアンプでまず目をひくのは、プリ・アンプとパワー・アンプを1台のインテグラル・アンプとしてカップリングできる構造をとったアイデアである。これは今迄、ちょっと考えつかなかった発想ではなかろうか。セパレート・アンプとしての純粋な形からすれば、わざわざカップリングさせるとは余計な考え過ぎという見方もできなくはないが、スペースに制限がある場合、こういう使い方ができるようになっていることはありがたい。しかも、そのドッキング機構もシンプルで確実だし、デザイン的にも、いかにもたくましいインテグラル・アンプの魅力たっぷりな姿が実現する。シャーシ・パネル構造は大変がっちりした頼もしいもので信頼感に、溢れている。
 外観が先になってしまったが、肝腎の中身のほうも、セパレート・アンプとしての必然性を十分保証する密度の高いもので、DA−P10もDA−A15も、完全なモノーラル・コンストラクションを採用した本格的な高級アンプなのだ。このコンストラクションにより、従来見逃されていたクロストークの害からほとんど理想的に逃れることを可能にしているのである。両チャンネル間のダイナミックな動作状態においては、クロストークは、単にセバレーション、音像定位などに悪影響を与えるのみならず、歪による音質劣化という現象としての害をダイヤトーンは徹底的に追求したというが、たしかに、このような完全モーラル・コンストラクションによるアンプの音と従来のステレオ・コンストラクション(ただ電源が2台あるだけでは不十分の場合もあり、電源が1つでも急所を抑え余裕のあるものの場合は意外に好結果が得られる)と聴き比べて、臨場感や音像の安定感の差は瀝然なのである。筆者は、2台のステレオ・アンプを使って、この差を確認しているが、それは全体的な音質の差という聴感的な認識をもたらすほどだった。その昔、マランツがモノーラル・アンプを2台カップリングしたアンプを発売していたが、その頃、ステレオといえども、この方式に大きなメリットのあることを某社のエンジニアに話しをしたが全くとり合ってもらえなかったことを思い起こすにつけ、アンプも進歩したものだ? という妙な感慨をもったものだ。薄紙をはぐように、紙一重の音質の向上に、大切なお金と貴重な時間をさいている我々アマチュア精神の持ち主が考えることなど、いちいち聞いてもらえないのも当然だと思っていたものなのだが、最近のようにメーカーが本格的に、こうした地道な基本に目を向け、その成果を定量的なデーターとしても明らかにしてくれることは喜びにたえないのである。
 ところで、このアンプ、いくらモノーラル・コンストラクションがいいといっても、それが全てでは勿論ないし先にも書いたように、ステレオ・コンストラクションでもいいアンプはたくさんあるのだが、音質のほうも、なかなかすばらしい。特にDA−A15パワー・アンプが素晴らしい。差動2段、カレントミー・ドライブ、3段ダーリントンによるピュア・コンプリメンタリー・サーキットは余裕のある安定した電源から150W×2(8Ω)の出力を引き出す。音に深味があって、しかも解像力のよい鋭い切れ込みをきかせる。高域も決してやせないし肉がつく。これに対してDA−P10のプリ・アンプのほうが、やや声域がハーシュに響く。ダイヤトーン独特の高域の華やぎといえるが、筆者にはこれが気になる。高域はもっとしっとり、繊細さと鋭さが豊かさと肉付きを犠牲にしてはならないと思うのだ。これで、そういうニュアンスが再生されたら、倍の値段でも高いとは思えない定価がさらにこの商品の可能性と魅力を高めているのである。
 情熱に裏付けられた、よほどの販売自信がなければ、この品物をこの値段で売ることはできないのではないかと思うほどの価値をもったアンプだ。

ダイヤトーン 2S-305

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岩崎千明


サウンド No.6(1976年5月発行)

「岩崎千明のグレート・ハンティング これだけは持ちたいコンポ・ベスト8(スピーカー編)」より


 世界のスピーカーがすべて「ローディストーション、ワイドレンジ、フラットレスポンス」を目指す今日、その先見の銘をもっていたのがダイヤトーンの305だ、といったら誰かになじられようか。事実、三菱がハイファイ・スピーカーに志向し始めたとき、その目標としたのが前提の3項目であるし、それはなんと今から20年も前のことだった。

 その最初の成果が30センチの2ウェイ305であり、続く2弾が16センチのP610であり、どちらも20年以上の超ロングセラーの製品なのだ。305は最初、良質なる音響再生に目をつけたNHKによってモニター用として使用され始め、今日にいたるも、その主要モニターとして活躍し続けている。30センチの大型ウーファーに5センチの高音ユニットを、1500Hzのクロスオーバーで使うこの2ウェイ構成は、なんとごく最近の英国KEF製のBBCモニターにおいてトゥイーターユニットが2つだが、まったく同じ組合わせの形をしている。これは果たして偶然なのであろうか。KEFのモニターが、よく聴いてみればダイヤトーン22S305と酷似しているのは当然すぎるほど当然だ。三菱305の場合、日本のマニアからみれば国産品という点において、いわゆる舶来品との違いが商品としての魅力の点で「差」となってしまうのが落し穴なのだ。

 だから、もう一度見直して、いや聴き直してみたい。それがこの2S305だ。いくつかの驚くべき技術が305には秘められているが、そのひとつはウーファーのボイスコイルだ。そのマグネットは巨大で、ヨークの厚さに対してボイスコイルが短かい、いわゆるロングボイスコイルの逆の、ショートボイスコイル方式だ。これはダイヤトーンのウーファー以外には、JBLの旧タイプのウーファーだけの技術である。国産品の中にJBLの技術にひけをとらないといい得るのは、なんとこの305だけなのである。JBLなみに手元におきたいモニターシステムというのは、その理由だ。

岩崎千明


コンポーネントステレオの世界(ステレオサウンド別冊・1976年1月発行)

「スピーカーシステム中心の特選コンポーネント集〈131選〉」より


 ダイヤトーンのフロア型というだけでスタジオユースのモニターシステムのイメージが濃いが、その外形といいサウンドといい、期待を越えてマニアにとって新たなる魅力を秘めた新型といえるスピーカーだ。
 30cmのウーファーながらゆとりとスケール感はもっと大型のシステムに一歩もひけをとるところがない。しかも中音域の充実感、バランスの良い再生帯域のエネルギースペクトラム。広帯域という意識は感じさせないにしろ、モニターたり得るだけのハイエンドの延びは今日の再生と音楽の条件を十分に満足させよう。能率の高さからパワーアンプの出力はあまり大きい必要はないにしろ音離れのよい響きに迫力をも求めれば高出力ほどよいのは当然。マランツMODEL1150はその規格出力以上のパワー感をもち、こうしたときに最も適応できよう。価格を考えても国産メーカーの中でこの質に達した製品は決して多くないはずだ。中域の充実感はダイヤトーンスピーカーの持つ最大の美点だが、マランツのアンプはこれに一層みがきをかけるであろう。
 EMTのカートリッジがその質をさらに高めてくれる。

スピーカーシステム:ダイヤトーン DS-50C ¥88,000×2
プリメインアンプ:マランツ Model 1150 ¥125,000
チューナー:マランツ Model 125 ¥84,900
ターンテーブル:マイクロ DDX-1000 ¥138,000
トーンアーム:マイクロ MA-505 ¥35,000
カートリッジ:EMT XSD15 ¥65,000
計¥623,900

ダイヤトーン DS-50C

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瀬川冬樹


ステレオサウンド 37号(1975年12月発行)

特集・「スピーカーシステムのすべて(下)最新40機種のテスト」より


 DS38Bとおそらく同じユニットをフロアタイプにまとめた製品だと思うが、念のため、38Bと一緒に比較試聴してみた。まず大づかみにいえば同じ範疇の音である。そのことをまず言っておいてこまかな比較をすると、38Bではことに重く鈍く感じた低音域に、開放感ともいえる軽さ、(といってもあくまても同じ兄弟という枠の中での話だが)が出てくる。また全音域を通じて、38Bよりも音が空間に浮かび漂う感じが出てくる。それらの差はわずかとはいっても、総体には38Bより聴き疲れしにくい。あるいは38Bほど自己主張が強くないといおうか、ランクが上がった音質といえる。なお、この製品にかぎらず、フロアタイプであっても概して台の上に乗せた音が、音のもやつきがなくなる傾向があるが、50Cの場合も、ブロック1~2個分上にあげた方がよい。カートリッジについては38Bのところで書いたと同じことがいえる。これだけの音の密度にさわやかさが加わったら、もっと好ましい音になるのにと思う。

採点:85点

ダイヤトーン DS-38B

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瀬川冬樹


ステレオサウンド 37号(1975年12月発行)

特集・「スピーカーシステムのすべて(下)最新40機種のテスト」より


 DS28B(36号237ページ)やDS261で、ダイヤトーンのスピーカーにしては中域をおさえてよりナチュラルな方向に近づいていることを書いたが、38Bになると、再び中域に密度を持たせてがっしりと構築した特徴のある音色が出てきている。楽器の音ひとつひとつが、ほかのスピーカーよりも重く聴こえる。眼前に奥行きをともなって爽やかに展開する傾向のレコードをかけても、厚手の緞帳を通して鳴ってくるような、鈍い錆色のような音に聴こえがちだ。ジャズのコンボでは中域の密度の高さが一種力強い迫力を聴かせるが、低域がそれにくらべて重く、高域ももっと爽やかに延ばしたくなる。総じてハードなタイプのポピュラー系が最も無難で、それもオルトフォンVMS20EやB&O・MMC4000のようなカートリッジだと音がベタついて鈍くなるので、シュアーV15/IIIのようなアクの強いカートリッジで強引にドライブする方が合うと感じた。台はあまり高くない方(20~30センチ)がよかった。

採点:79点

ダイヤトーン DS-261

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瀬川冬樹


ステレオサウンド 37号(1975年12月発行)

特集・「スピーカーシステムのすべて(下)最新40機種のテスト」より


 型番からも明白だが音を聴いてみて、251の兄弟であることが明らかに聴きとれる。251もそうだったが261も、本誌標準の50センチの台よりも低めの、20~30センチ程度の台に乗せる方がバランス上好ましい。総体的に同社各型に共通の、中域のよく張ったやや硬質の音色だが、その範囲でどてプログラムソースも一応過不足のない音で聴かせる。ただ、音の硬い傾向にしてはステレオの音像がスピーカーの向うに引っこむ形で定位するし、音像にいまひとつシャープさを欠く。音の繊細な余韻をやや抑えすぎる傾向があるためかもしれない。そういう面が生きてくると、弦の音などにもっと漂うようなしなやかさが出てくるにちがいない。もうひとつ、解き放たれたような弾みのある楽器の低音に対して261の低音は(251と似た点だが)ごく僅かとはいえ、箱の中でこもって出きらないという感じが自然感をやや損う。しかしアルゲリッチのピアノなど、SB5000と比較すると音の品位という面ではこちらの方がやや上、という感じだ。

採点:88点

ダイヤトーン DS-28B

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瀬川冬樹


ステレオサウンド 36号(1975年9月発行)

特集・「スピーカーシステムのすべて(上)最新40機種のテスト」より


 ダイヤトーンと聞くとまず中域のよく張った硬質な音を思いえがく。過去の一連の製品がそういう路線で作られていた。ところがこの287Bから、このメーカーにしては異色といいたいほど、中域をおさえて、新しいバランスを作りはじめた。初期のロットと比較しても、さらに中域をフラットにコントロールしはじめたような傾向が聴きとれる。また高域のレインジもよくのびてきて、したがって以前のダイヤトーンにくらべると、音に爽やかさが増して、キメのこまかな、楽器の音色や奏法上の音のニュアンスの変化がより正しく聴きとれるようになった。アンプやカートリッジの音色の差やグレイドの差をそのままさらけ出してしまう点、物理特性も相当に良いことが想像される。もちろんSX551のところでも書いたように、本質はやはりダイヤトーンである。国産のスピーカーのこの価格帯で、先発のヤマハのNS670やビクターのSX5/IIを追って、SX551と並んで好敵手あらわる、という印象。

ダイヤトーン DS-22BR

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瀬川冬樹


ステレオサウンド 36号(1975年9月発行)

特集・「スピーカーシステムのすべて(上)最新40機種のテスト」より


 中域のよく張った、ダイヤトーン製品に共通のバランスがこのスピーカーにも一貫して聴きとれる。ローコストの製品の中には、中~高音のやかましさを抑えるために適度に中域を抜くという手の使われる場合があるが、このスピーカーの場合は全くオーソドックスに、低音から高音まで、中身のいっぱい詰ったゴマ化しのない音がする。聴感上の周波数レインジは必ずしも広いとはいえないが、この価格でよくここまで本格的にとりくんだものだと感心させられる。したがって、カートリッジやアンプの音色の違いを正直に鳴らし分ける。これと対照的なエレクトロリサーチの300と聴きくらべると、ダイヤトーン独特の張りつめたような音質がことさら硬質に感じられて、音楽の柔らかな表情をどこか一本調子で鳴らすという傾向が少し気になるので、そうした面を少しでも補うには、アンプやカートリッジに、音の表情の豊かな、ニュアンスの濃やかな製品を組み合わせるように工夫したい。やや高めの頑丈な台にのせる。背面は固い壁がよい。


ダイヤトーン P-610A

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井上卓也


ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)

特集・「'75ベストバイ・コンポーネント」より


 小口径フルレンジユニットの傑作である。この種のユニットとしては、あまり中高域が強調されず、おだやかで、スッキリとした音は、まとまりがよく、落着きのある音である。

ダイヤトーン DS-28B

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井上卓也


ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)

特集・「'75ベストバイ・コンポーネント」より


 あかるく、のびのびとした音は、従来のダイヤトーンの音から一歩前進したものである。音量を小さくしてもバランスがくずれないところが特長で、好評さも納得できるところだ。

ダイヤトーン DA-A100

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菅野沖彦


ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)

特集・「'75ベストバイ・コンポーネント」より


 オーソドックスなアンプで、堂々としたハイ・パワーアンプらしい力強さをもっている。いかにもベーシック・アンプというイメージの堅実な製品だ。

ダイヤトーン DA-A100

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井上卓也


ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)

特集・「'75ベストバイ・コンポーネント」より


 現在では、さしてパワフルなアンプではないが、A級アンプを思わせる、やわらかさと透明感をもっているのが好ましい点だ。とくに小音量で音の姿や型が崩れないのがよい。

ダイヤトーン DS-36BR

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井上卓也


ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)

特集・「'75ベストバイ・コンポーネント」より


 大型なブックシェルフ型らしく、スケールの大きな、のびのよい低音をベースに、あかるく透明感のある中高音を聴かせてくれる。外観こそ、やや落着いてはいるが、音は楽しい。

ダイヤトーン DS-22BR

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井上卓也


ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)

特集・「'75ベストバイ・コンポーネント」より


 2ウェイ構成、バスレフ型というダイヤトーンモニターの伝統を受け継いだ唯一のシステムである。バスレフ型独特ののびのある低音は個性があり、聴いていて実に楽しい感じだ。

ダイヤトーン DS-28B

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瀬川冬樹


ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)

特集・「'75ベストバイ・コンポーネント」より


 旧製品のDS26Bと、ヒット作DS251の良いところをとって作ったという感じの構成だが、結果的には251の延長線上でのグレイドアップモデルという印象で見事に仕上がった。

ダイヤトーン DA-A100

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岩崎千明


ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)

特集・「'75ベストバイ・コンポーネント」より


 スピーカーを、このアンプほどよく鳴らすアンプはない。それも当然ダイヤトーンスピーカーを伝統とする三菱郡山工場の開発アンプなのだから。規格出力より大きなパワー感。

ダイヤトーン 2S-305

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菅野沖彦


ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)

特集・「'75ベストバイ・コンポーネント」より


 歴史的な日本のモニターシステム。良くも悪しくも日本的な優等生だ。低音の厚みと豊かさ、弾力性に筆者としては不満があるが、さわやかなタッチの美音だと思う。

ダイヤトーン DS-303

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井上卓也


ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)

特集・「'75ベストバイ・コンポーネント」より


 大変に真面目な性格のスピーカーである。適合アンプは100Wクラスを要求するが、ある程度以上の音量で鳴らすときの音は、想像以上に豊かであり、活気のある見事さである。

ダイヤトーン DS-251MKII

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井上卓也


ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)

特集・「'75ベストバイ・コンポーネント」より


 名実ともにベストセラースピーカーシステムとして定評の高い製品である。整然と音を整理して聴かせる、このシステムの性格はダイヤトーンモニターの系譜を受継いだものだ。

ダイヤトーン DS-28B

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菅野沖彦


ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)

特集・「'75ベストバイ・コンポーネント」より


 その安定したバランスと、かっしりとした音像再現は、ソースの内容を過不足なく聴かせてくれる。実に忠実に変換器としての責任をしっかり果してくれる優秀器だ。

ダイヤトーン DA-P100

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岩崎千明


ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)

特集・「'75ベストバイ・コンポーネント」より


 ややおとなしいがこのプリアンプのオーソドックスなサウンドの中にある最新技術に裏づけされた透明感は、質の高さ以上に音に対する正当な姿勢の確かさを知ることができる。

ダイヤトーン P-610B

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菅野沖彦


ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)

特集・「'75ベストバイ・コンポーネント」より


 ロクハンの代名詞をほしいままにした伝統的な製品で、Bは8Ωヴァージョン。明快でバランスがよくモニターとしても、鑑賞用としても高く評価できる。

ダイヤトーン DA-A100

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瀬川冬樹


ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)

特集・「'75ベストバイ・コンポーネント」より


 厳選した最少のパーツで最大の性能を抽き出そうという設計思想は2S305とも共通の性格。パワーメーターなど一切省略して実質を置いた性能本位の正攻法に好感を持つ。

ダイヤトーン P-610A

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瀬川冬樹


ステレオサウンド 35号(1975年6月発行)

特集・「'75ベストバイ・コンポーネント」より


 モニター用として設計され、永いあいだ改良を加えながら作り続けられただけあって、さすがに完成度の高いユニットである。世界に誇れる16センチ・スピーカーだ。

ダイヤトーン DS-28B

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岩崎千明


スイングジャーナル 12月号(1974年11月発行)

「SJ選定新製品試聴記」より


 この秋の新製品の中でも文句なしの出来と認められているのが、このダイヤトーンの新型システムDS28Bだ。
 ダイヤトーンは、言うまでもなく、初心者にとっては名作といわれる16センチ・フルレンジ型ユニットP610のブランドとして良く知られ、オーディオ・ファンとしてそろそろ判ってくると、これまた日本の名作スピーカーDS251という名のブックシェルフ・スピーカーのブランド名として忘れられない名前となっており、さらにマニア度が昂じてくると、今度はNHKで活躍し本格派にとって目標とされるモニター・スピーカー2S305のメーカー名として脳に叩き込まれる。
 つまり、オーディオ・ファンのあらゆる層に対して、ほんの、しかもオーディオという事象が日本で始まった時から、僅かでも絶えることなく、偉大なるウェイトと輝きをもってファンの上に聳え続けてきた。こうした事実は、三菱電機郡山音響部というより、ダイヤトーン・スピーカーの実力の高さを示す以外なにものでもないのだが、メーカーにとってはかえって不幸となるべき要素も胎んでいるのである。3つのピークが永い年月を乗り越えてきたので、あまりにも大きく裾が広く、まさに壮大というほどの輝やかしいものだから、その他の峰はすべて霞んで、いかに光ろうと、目立つことがないからだ。
 かつてDS301という画期的な名作ブックシェルフがあった。決して影の薄い商品ではないし、現在でも、そのマイナー・チェンジ版がDS303として確固たる座にあり、海外誌でしばしばこのうえなく誉め讃えられてきた。にもかかわらず、DS301やDS303は果してDS251ほどの人気を持っているかというと、答えるまでもなく、P610と、251と、305の輝きの下で霞んでしまっているとしか形容できないのである。まだある。DS36Bというフロア型ともいえそうな大型ブックシェルフ・スピーカー・システムが、一部のファンの間で熱愛されているが、これまたDS251の前には商品としてすっかり薄れてしまう。つまり余りに3つの印象は大きく強烈なのである。そうした内側の問題ともいえそうな3つのピークは今秋遂に打破られた。そう言っても言い過ぎではなかろう。それは時間が証明するだろう。
 かくて、DS251以来の、それ以上の出来をささやかれ、認められつつあるこのDS28Bは、今後のダイヤトーンの最も主力たるスピーカー・システムとなるであろうことは、まず間違いない。というのは、今やコンポーネントの一環としての、市販スピーカーは、ひとつの価格水準として、ほぼ4万前後がオーディオ・ファンの最も多くから認められる最大公約数といえるからである。もっとも、そうした最近の状況をよくわきまえた上で企画されたのがDS28Bであり、その成功を獲得するための、あらゆる条件を究めつくした結果と言うこともできる。
 28Bは一見したところ、従来のダイヤトーン・スピーカーとはまったく異って、現代的なセンスに溢れる。まるで海外製品のようだ。更に前面グリルをはずしても、それが言える。
 あるいは全世界の製品中、最も秀れた外観的デザインと云われる米国JBLのブックシェルフと間違えるほどに、フィーリングが相似であるのは今までの三菱というメーか−を知るものにとり、その製品の武骨な外観を見てきたものにとって意外なほどだ。その次に音に触れると、それは感嘆に変わるだろう。なんと鮮明な、なんと壮麗で豪華なサウンドであろう。そこにはブックシェルフ型というイメージはまったくない。もっと10倍も大きなシステムからのみ得られる、深々とした重低域の迫力と、歪を極端に抑えた静けきと、生命力の躍動する生き生きとした力とが、まったく見事に融合して湛えられているのを知るのである。音のバランスは確かにDS251と相通ずるものがあるが、その帯域の広さと音のゆとりとの点で一桁も二桁も高い水準にあり、DS251たりといえども28Bとは比べむべくもないほどだ。音像の確かさと広いステレオ感などとやかく言うこともあるまい。必ずや28Bは251を軽く凌ぐ人気と実績をものにするだろうから。

ダイヤトーン DA-A100

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井上卓也


ステレオサウンド 31号(1974年6月発行)

特集・「オーディオ機器の魅力をさぐる」より


 パワーアンプが自己の存在を主張し、フロントパネルをメーターなどで装う傾向が強いなかにあって、このアンプのように機能に徹したデザインはオールドファッションではあるが不思議に心をひかれる魅力がある。音の隈どりがナチュラルでローレベルの音の消え方が美しい。現在ではアンティーク化したと感じた往年の名器マランツ♯7に精気をよみがらせ、新しい原題の音の魅力として私に教えてくれたのは、このアンプなのだ。

ダイヤトーン DA-A100

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瀬川冬樹


ステレオサウンド 31号(1974年6月発行)

特集・「オーディオ機器の魅力をさぐる」より


 どことなくマッキントッシュやその類型のイメージが拭いきれなくて無条件にとはいえないにしても、ある種の凄味を感じさせ、ハイパワーアンプとして良いまとまりをみせている。この系統には管球式ではダイナコのMKIII、ラックスのMQシリーズや、トランジスターではC/Mラボの35Dなどのすばらしくチャーミングなデザインもあって、三菱だけが抜群という意味ではない。ペアになるプリはデザイン、性能とももう一息。

ダイヤトーン DS-251MKII

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瀬川冬樹


ステレオサウンド 29号(1973年12月発行)

特集・「最新ブックシェルフスピーカーのすべて(下)」より


 改良型のデザインはシャープで垢抜けしている。国産スピーカーの中でも良いデザインの方だが、外観もさることながら、従来は背面についていたレベルコントロールがバッフル面についたことの方が、ユーザーにとってはありがたい。というのは、この製品についているスーパー・トゥイーターが、レベルセットのスイッチを「インクリーズ」のポジションにした場合だけ動作して、音にピリッとスパイスを利かせ、「ノーマル」や「ディクリーズ」では切離されるという独特な設計であるだけに、その日の気分や聴く曲によって、ふつうのスピーカーの場合よりもいじる機会が多いからだ。ところでかんじんの音質だが、おおすじでは変っていない。28号の251のところで書いた中域の張りは最近のダイヤトーンの音のポリシィとしてむしろ強まっているし、中低域で箱の共鳴ふうの、(原因は違うかもしれないが)音をふくらませる性質も、目立って変ったようには聴きとれなかった。細かくみると良くなった点もある反面価格もペアで7千円上ってしまったので、価格ぬきで評価すれば28号とほぼ同点だが、綜合評価では0・5マイナスということになった。

周波数レンジ:☆☆☆
質感:☆☆☆
ダイナミックレンジ:☆☆☆☆
解像力:☆☆☆
余韻:☆☆
プレゼンス:☆☆☆
魅力:☆☆☆

総合評価:☆☆☆

ダイヤトーン DS-301

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瀬川冬樹


ステレオサウンド 29号(1973年12月発行)

特集・「最新ブックシェルフスピーカーのすべて(下)」より


 発売以来三年あまりというのは国産では寿命の長い方だが、内外の新型のあいだに混じると少々古い感じの音に聴こえる。前回(本誌23号)聴いたものと印象が少し違って、ことに女性歌手が老けて聴こえ、はつらつとした生気を欠き情感や色気が出にくい。中低音から中音にかけての音域に重点を置いて、音楽の土台はしっかり支えている反面、中音域では音の薄いところがあり、またDS251などとくらべるとスーパートゥイーターがさほど効ているように思えず高音域のレインジがせまく感じられるためか、ソロ・ヴァイオリンの高域の張りつめた響きが冷たく切れこんでゆく感じ、弦合奏のハーモニクスがふわっと浮く感じ、シンバルやスネアの乾いてスキンのよく張った感じ、などが出にくく、ことに音量を絞った場合に総体に粘ったような重い鳴り方をする。パワーを思い切り送り込むと様相は一変して音離れの良い、よく張って切れこむ音質になるがそういう長所を発揮できるのは、かなりのハイパワーアンプで音量を思い切り上げた場合に限られる。狭い部屋ではこの良さを生かすのは少し難しい。

周波数レンジ:☆☆☆☆
質感:☆☆☆☆
ダイナミックレンジ:☆☆☆☆
解像力:☆☆☆☆
余韻:☆☆☆
プレゼンス:☆☆☆
魅力:☆☆☆

総合評価:☆☆☆

ダイヤトーン DS-22BR

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瀬川冬樹


ステレオサウンド 29号(1973年12月発行)

特集・「最新ブックシェルフスピーカーのすべて(下)」より


 ダイヤトーン製品に共通の中音域のよく張った特徴を持っているにしても、その中では音のバランスに関するかぎり最もくせの少ない製品と聴きとれた。たとえば前号げてふれたDS26Bあたりの中域の張り出した音質は私には少々やりきれないほどやかましく感じられる場合があったが、22BRではそういうこともなく、すべてのプログラムを通じてあまり過不足を感じさせないうまいバランスを保っていた。ただしこれもダイヤトーン製品に共通の、高音域をある点からスパッと切る作り方は22BRでも同じらしく、少なくとも聴感上はハイがスッと延びているようには聴こえず、ステレオの音場の漂うような繊細感が感じられない。音の表情のしなやかさを出すというタイプでなく、生真面目に音をきちんと鳴らすという感じである。ことに弦の独奏や合奏では、音の芯の硬さがいまひと息とれてほしいように思う。パワーにはわりあい強いタイプで、ジャズの実況録音("Live at Junk")をかなりの音量で鳴らした場合も音がくずれたり濁ったりせずによく延びて、快適な音を聴かせてくれた。国産のローコスト型としては水準以上の立派な出来だと思う。

周波数レンジ:☆☆☆
質感:☆☆☆
ダイナミックレンジ:☆☆☆
解像力:☆☆☆
余韻:☆☆
プレゼンス:☆☆☆
魅力:☆☆☆

総合評価:☆☆☆

ダイヤトーン DA-30R

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瀬川冬樹


ステレオサウンド 18号(1971年3月発行)

特集・「FMチューナー最新33機種のテストリポート」より


 大部分のメーカーが、ペアとなるプリメイン・アンプと外形寸法をぴったり揃えているのに対し、三菱の場合は、プリメインDA33Uの40センチに対して、チューナーの方は34センチとかなり切りつめてある。ダイアル窓のあけかたに特徴があるが、左右にあまり長くないから目盛の実効長は約9・5センチと短かい。文字の入れかたなど、窓の中の表示は清潔で美しいが、スタンダードの項目でも指摘したようにこのFM/AMの周波数バンドを挟んで、一見、等間隔スケールとまぎらわしい目盛が刻んである。他のチューナーでも十等分(又は百等分)の目盛を入れたものが多いが、この製品の場合、いかにもFMバンドがリニアスケールであるかのような表示にみえてしまうのは具合が悪い。
 背面パネルもフロント同様に清潔にすっきりと整理されているが、アンテナをいいかげんに繋ぐとシャーシに接触しそうなターミナルの出しかたは一考を要する。
 しかしローコスト機にもかかわらず全体に仕上げがていねいで、心のこもった作りかたは細部のミスを十分カバーしている。

ダイヤトーン DS-251

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瀬川冬樹


ステレオサウンド 16号(1970年9月発行)

特集・「スピーカーシステム最新53機種の試聴テスト」より


 とび抜けて高音が強調された感じに聴こえる。ちょうど、アンプのトーン・コントロールで高音を上げたような、しり上がりの強調感で、そういう部分に影響されてか、中音がひどく引っ込んで聴こえてしまう。念のために、バランス調整スイッチをDECREASEにしてみたが、それだけではバランスがとりきれない。そこでアンプのトーン・コントロールでハイを相当に絞ってみると、一応バランスの良い音質になって、しかもそうしてみると、各音域の質そのものは決して悪くなく、ユニットの素性はなかなか良さそうに思えた。キャビネットの工作やグリルネットの意匠なども美しく、ネットを外したときのユニットの仕上げもみごとなものだ。低音から中高音にかけての音のつながりに、もうひと息、スムーズさがあれば相当に良いシステムだろうと思う。

採点表
大編成:★★
小編成:★★
独奏:★★
声楽:★★
音の品位:★★
音のバランス:★★
音域の広さ:★★★
能率:★★
デザイン:★★★★
コストパフォーマンス:★★

ダイヤトーン DS-301

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瀬川冬樹


ステレオサウンド 16号(1970年9月発行)

特集・「スピーカーシステム最新53機種の試聴テスト」より


 ネットを外してみても、ぜいたくなユニットを使って、かなり手のこんだ作りかたをしていることがわかる。眺めていてもゴージャスで、いかにも良い音が出そうな気がしてくるが、こういう印象を与えるというのは、商品としてやはり大切なことだ。
 しかしそういう期待を抱いたにかかわらず、DS251に似た中高域以上がかなり強調されたやや特異なバランスに、ちょっと首をかしげさせられた。トーン・コントロールでハイを絞れば、バランスは良くなるし、中高域のユニットの質は相当に良いものらしいと感じさせるが、ウーファーからスコーカーに受け渡すあたりの音のやや抜けた感じと、それ以上が急に盛り上る印象と、各音域のつながりに納得のゆかないところがあった。優れた素材を使いながら、調理法がやや独特だという感じである。

採点表
大編成:★★★★
小編成:★★★
独奏:★★★
声楽:★★★
音の品位:★★★
音のバランス:★★★
音域の広さ:★★★
能率:★★★
デザイン:★★★★
コストパフォーマンス:★★★
(準推薦)

ダイヤトーン DS-34BII

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瀬川冬樹


ステレオサウンド 16号(1970年9月発行)

特集・「スピーカーシステム最新53機種の試聴テスト」より


 中高域が張り出す華やかな音色は、やはり三菱独特の音だ。小型密閉箱の割には重低音の不足感も少なく、バス・ドラムの音など量感をともなってたっぷりと再現される。ソフトムード的なスピーカーからこれに切りかえると、音源がぐんと近接した感じを受ける。こういう音のスピーカーは、アンプやそれ以前のあらゆるアラをさらけ出すから、雑な組み合わせでは粗くきたない音になりやすいので注意が必要だ。これらの点は従来の34Bの性格をそのまま受けついでいるといえる。プライヴェートなテストで、34Bを耳よりずっと高い位置に上げてみたら、非常に素直な抜けのいい音質になって驚いたことがあったが、II型もおそらく同様だろう。音のバランスのとりかた、音域のつながりなど、今回の三菱の三機種の中では最も納得できた製品である。

採点表
大編成:★★★★
小編成:★★★★
独奏:★★★
声楽:★★★
音の品位:★★
音のバランス:★★★★
音域の広さ:★★★★
能率:★★★★
デザイン:★★★
コストパフォーマンス:★★★
(準推薦)

ダイヤトーン DS-33B

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菅野沖彦


ステレオサウンド 10号(1969年3月発行)

特集・「スピーカーシステムブラインド試聴」より


 まず、水準以上のシステムだと思う。しかし、最高水準という点からものをいえば、質がやや安っぽく、高域のざらつきが気になる。低域のダンピングも充分とはいいにくい。ベルリン・フィルの重厚なソノリティは生きてこなかった。ジャズでは高域がとげとげしく、シンバルの厚味や、豊かさが不足し、中域の迫力も今一歩という感じだった。全体によくまとまっているだけに、質的な点で不満が残るシステムだ。豊かさ、柔らかさ、重厚味がほしい。

ダイヤトーン DS-34B

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菅野沖彦


ステレオサウンド 10号(1969年3月発行)

特集・「スピーカーシステムブラインド試聴」より


 全体にまず感じられたのは、にぎやかな音という印象だ。中高域に汚れがあってどぎつさが耳につく。それでいて、ジャズの再現には中域の腰の強さとねばりが足らず、ガッツが不足する。高域の華麗さは少々化粧が濃すぎる感じで、もう少しおさえて自然なバランスでありたい。オケのテュッティが濁るので騒々しいわりに迫力がないし、ヴォーカルではざらついて暖かさがない。ジャズのシンバルのスティック・ワークだけがリアルに聴こえた。

ダイヤトーン DS-33B

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瀬川冬樹


ステレオサウンド 10号(1969年3月発行)

特集・「スピーカーシステムブラインド試聴 純粋聴感で選ぶベストシステム」より


 ちょっとドンシャリ的で、とくに高域の鋭さは耳につく。安っぽいハイファイ・トーンというイメージが無いわけではないが、よく聴くと、全体としてかなり注意深く作られた製品のようで、もしも、中〜高域のレベルを少し落せるなら、全体の音の印象はもっと向上するはずである。今回のテスト機種の中には、トーンコントロールで高域を多少抑えたぐらいでは、とても聴くにたえないものが七〜八に止まらなかったが、このNo.29にはそういう製品とは一線を引いて違う良さがある。
テスト番号No.29[推選]

ダイヤトーン DS-22B

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菅野沖彦


ステレオサウンド 10号(1969年3月発行)

特集・「スピーカーシステムブラインド試聴」より


 バランスのよくとれたシステムで音色も切れ込みもよい美しいもの。再生音のスケールは大きくないが緻密なクオリティで好ましい。オーケストラやジャズでは小じんまりした感じはあるが音がよく立ち、生き生きしている。ピアノのクオリティが、やや不安定なのが気になったが、この他はすべてスムーズに通った。透明度も高くよく抜けるシステムだ。抜ける感じは何によるものかは全体の問題としてきわめて興味深く、また難しい問題だと思う。

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