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試聴テストを終えて

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井上卓也

HIGH-TECHNIC SERIES-3 世界のトゥイーター55機種の試聴とその選び方使い方(ステレオサウンド別冊・1978年冬発行)
「世界のトゥイーター総試聴《内外55機種をJBL・LE8Tとの2WAYで聴く》」より

 これまでにもステレオサウンド誌では、各種のオーディオコンポーネントの試聴をおこなってきたが、今回のようにトゥイーターユニット単体を対象として、数多くの機種を同一条件で試聴するということは創刊号以来、はじめての試みである。かつて、本誌6号でもマルチウェイ構成用のウーファー、スコーカー、トゥイーターなどを使って、実際に2ウェイ構成、3ウェイ構成といったスピーカーシステムを作って試聴したことはあったが、基本として同一メーカーのユニットを使うこととしたために、簡単に取替えられるトゥイーターも他社間の比較はしていない。
 本誌6号以来すでに十年をこす年月が経過しているが、当時の製品のうちでいくらかのものは、今日もなお現役製品として残っている。あらためていうまでもないが、スピーカーユニット前半にわたり、トランスデューサーというメカニズムをもつものであるだけに、その基本型となるものは1924年に米国のライスとケロッグが発明したダイナミック型である。材料面を中心とした改革はあっても、その基本を覆すほどの斬新な変換方法はいまだにあらわれず、依然としてムーングコイル型、つまりダイナミック型が、すべてのスピーカーユニットの主流の座にある。トゥイーターユニットでも、これは変わらない。
 たとえば、海外製品のうちで、今回の試聴に集められたアルテックの3000H、エレクトロボイスT35、T350、JBL・LE20、075などは、本誌6号時点でも、それぞれのメーカーを代表するトゥイーターであった。国内製品では、海外製品にくらべ、トゥイーターとしての平均的なクォリティもさして高くなく、製品の入れ替わりがあらゆるジャンルで難しいこともあって、海外製品に匹敵するロングセラーを誇るユニットはコーラルH1のみであり、これに準じた製品としては型番は変わっているが基本型が同じであるものに、YLの製品をあげることができる。
 いずれにせよ、新技術、新素材をベースとした技術革新のテンポが年ごとに早まり、現在もっともそれが激しいカセットデッキともなると、今年春に発表された製品が廃番になったり、そうでなくても代替機種が発表され、事実上の商品としての価値が失われたりしている状況と比較すれば、海外製品を中心としたスピーカーユニット全般にわたる製品寿命の長さは、いわば驚異的といってよいほどのものがある。
 トゥイーターユニットに限定して考えれば、現在の主流は、ブックシェルフ型スピーカーシステムが台頭して以来、完全にメーカーでアッセンブルしたスピーカーシステムである。かつてのようにスピーカーといえば、それは単体のスピーカーユニットの意味で、これを選択し、組み合わせ、エンクロージュアやネットワークを作って自分でシステムとして完成させるのが一般的であった時代が、大勢としては過去のものとなったことが大きな要因であると思われる。
 ユニットを選択し,組み合わせる、いわば自作型のスピーカーシステムづくりは、自らの求める音をつくりだすためにはもっとも相応しい方法で、現在でも市販のスピーカーシステムの限界をこえた性能、音を求める超高級ファンは、ただ一筋にスピーカーシステムのユニットの多角的な要求にもとづいた向上に努力している。しかし、市販のスピーカーシステムでは望みえない音を自らの手でつくり出そうとすることは、当然メーカー以上の予算、時間をかけ、その上で基礎となる技術、経験、間隔が要求されるため、ほとんど現実には不可能に近いといってもよいであろう。
 これに比較してメーカーでシステム化されたスピーカーシステムは、幅広い需要に対応する各種のコンセプトにより、数多くの製品が開発され販売される。つまり、量産効果を最大限に活用したメリットである価格帯性能・音質の比率が高い特長があり、この10年間急激に成長したオーディオの需要を満たすことができたが、反面においては、さして量産効果が活かされず、性能を向上させると飛躍的に価格が上昇する結果となり、単体ユニットの開発が限られることにもなる。
 国内製品のトゥイーターは、現在、予想以上に数多くの製品が存在している。これは、いきおい類型的にならざるをえない各メーカーのスピーカーシステムにあきたらずオーディオの原点に立ち返って、自らのためのオリジナルなスピーカーシステムをつくる、または、極めて単純に自分でスピーカーシステムをつくることに喜びを感じるファンが数を増し、その要求に答えるために開発された製品がほとんどといってよい。一部には、本質的な新技術や新素材の特長を活かし、従来では望みえなかった高度な性能・音質をもつ、いかにも現代のトゥイーターらしい製品があり、自らのスピーカーシステムをつくる場合に相応しいユニットというよりは、完成されたスピーカーシステムに追加して、システムそのものの性能・音質を改善する使用法を、これらの製品で試みることができる。この既製スピーカーシステムにトゥイーターを選択して、ある周波数以上を受け持つトゥイーター、もしくはスーパートゥイーターとして使う単体トゥイーターユニットの利用方法は、名器とうたわれる定評が高いスピーカーシステムから、現在のトップランクに位置づけされる最新のスピーカーシステム全般にわたって、ぜひとも一度は試みていただきたいものである。ある程度のオーディオやスピーカーの知識さえあれば、誰でも容易に着手できることであり、万一予想に反する結果を招いたとしても、スピーカーシステム本来の性能・音質に簡単に復元できる、いわば一種のギャランティが充分にあることも一つの大きなメリットだ。
 今回のトゥイーター試聴は、現在のトゥイーターの概要とその個々の性格を把握することを最大の目的としたことに注意していただきたい。このため、平均的で、しかも信頼のできる水準の性能・音質を備えたフルレンジ型ユニットJBL・LE8TをサンスイのEC20に組み込んだシステムをベーシックスピーカーとし、これにクロスオーバー周波数の選択が容易なエレクトロニック・クロスオーバーを使う、いわゆるマルチチャンネルアンプ方式でトゥイーターをクロスオーバーさせる、2ウェイを試聴の基本としている。
 各トゥイーターは、この条件のもとで使用され、クロスオーバー周波数の選択、レベルセット、それからLE8Tを含めた2ウェイシステムとしての音の試聴をおこなっている。当然のことながら、この場合ウーファーとして使ったLE8Tとトゥイーターとの相互関係、つまり性能、音質、音色、クォリティ、トゥイーター側の制約となるクロスオーバー周波数の選択の幅の広さなどで、本質的な各トゥイーターの音質やキャラクターを追求した結果とはなっていない。これは、55機種という数多くのトゥイーターを、同一条件で使うという原則からみれば仕方のないことで、たとえば、特定の、現在自分で使っているスピーカーシステムに、スーパートゥイーターとして追加する使用法を考えれば、今回の結果以上に充分に使えるトゥイーターが55機種のなかに存在するはずである。なぜならば、一般的にトゥイーターは高音専用ユニットであるだけに、クロスオーバー周波数を7〜8kHz以上にとり、受持帯域を狭くすれば、再生可能周波数下限まで使ったときにくらべて、予想以上に見事な音を聴かせてくれるものだからである。極端な例としては、標準的なクロスオーバー周波数で使った場合には、あまり高域のレスポンスが伸びていなかったユニットが、クロスオーバー周波数を7〜8kHz以上に上げて使うと、ナチュラルなプレゼンスが感じられるスーパートゥイーターになったという実例も数多くある。アルテックの3000H、JBL075などは、落してのあらわれかたの違いはあっても、トゥイーター、スーパートゥイーターと二通りの使い方ができる例である。もっとも、ローコストのトゥイーターのなかにも、スーパートゥイーター的に使ったほうが魅力が引き出せる製品が意外にあるはずである。かつてのテクニクス5HH17は、この好例といってもよいものである。
 試聴にあたっては、EC20のエンクロージュアの上にトゥイーターを置いておこなったが、トゥイーターもスピーカーユニットであるために、特別な例を除いて、いわゆるバッフル効果があり、30cm角程度のバッフルに取付けるとかなり結果としての音に違いがあらわれる。しかし、ドーム型は、バッフル面の仕上げや取付け方法が難しい、ホーン型は、予想よりもクロスオーバー周波数は高いほうがよい、また、ネットワークは6dB型がよいといった通説は、実際に数多くの経験をこなした上で実感として味わうものだと思う。

リチャードアレン DT20

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井上卓也

HIGH-TECHNIC SERIES-3 世界のトゥイーター55機種の試聴とその選び方使い方(ステレオサウンド別冊・1978年冬発行)
「世界のトゥイーター総試聴《内外55機種をJBL・LE8Tとの2WAYで聴く》」より

 直径20mmの薄いマイラーダイアフラムを使ったドーム型トゥイーターである。ユニット本体は磁気回路を含めて合成樹脂系のハウジング内部に収めてあり、ヨーロッパ系のユニットとしては美しく仕上げられた製品だ。ダイアフラムは取付フランジの厚み分だけ奥に取り付けてあり、周囲はテーパー状にカットしてある。クロスオーバー周波数は3・5kHz以上だが、ネットワークは、遮断カーブが鋭い18dB型と24dB型が、7kHzクロスオーバー時にも推奨されているのが特長である。

ピラミッド T1

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HIGH-TECHNIC SERIES-3 世界のトゥイーター55機種の試聴とその選び方使い方(ステレオサウンド別冊・1978年冬発行)
「世界のトゥイーター総試聴《内外55機種をJBL・LE8Tとの2WAYで聴く》」より

 米国製品として最初のリボン型トゥイーターである。振動板はリボン型としてはかなり面積が広い軽金属性で、クロスオーバー周波数が低くとれる点と音響エネルギーが充分にとれる特長がある。振動板面積が広いだけに磁気回路は非常に強力で、大型の円筒の一部をカットしたようなアルニコ系の巨大なマグネットをもつ。ステップダウン用トランスも銅版を二次巻線とした大型コアをもつタイプが採用され、ローカットフィルターとステップ型アッテネーターを内蔵している。

フィリップス AD0161/T8

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HIGH-TECHNIC SERIES-3 世界のトゥイーター55機種の試聴とその選び方使い方(ステレオサウンド別冊・1978年冬発行)
「世界のトゥイーター総試聴《内外55機種をJBL・LE8Tとの2WAYで聴く》」より

 ダイアフラムにポリカーボネートを使ったドーム型ユニットである。ダイアフラム前面には極めて短いショートホーンが取り付けてあり、その開口部の保護用ネット面には円板状のディフューザーがある。磁気回路は直径72mmのフェライト系マグネットで、直径25mmのダイアフラムを使用したトゥイーターユニットとしては標準的なものだ。このユニットは、1・6kHzの低いクロスオーバー周波数から使えるメリットがあり、フルレンジユニットからマルチウェイの高音用に好適である。

KEF T27

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HIGH-TECHNIC SERIES-3 世界のトゥイーター55機種の試聴とその選び方使い方(ステレオサウンド別冊・1978年冬発行)
「世界のトゥイーター総試聴《内外55機種をJBL・LE8Tとの2WAYで聴く》」より

 外観はシンプルなドーム型トゥイーターであるが、他の同様なユニットとくらべてユニークな構造を採用した製品である。ダイアフラムはKEF独特な黒色のプラスティック製で、磁気回路の前側のプレートの直径が108mmと大きく、この部分に直接ダイアフラムが装着されている。つまり、結果としては取付用フランジが前側の磁気回路を兼ねている独特な構造で、ダイアフラムは平面に取り付けられた純粋のドーム型である。クロスオーバーネットワークは18dB型が推奨されている。

JBL 2405

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「世界のトゥイーター総試聴《内外55機種をJBL・LE8Tとの2WAYで聴く》」より

 外観上は、077と類似したプロフェッショナルシリーズのスーパートゥイーターである。075をベースとしてホーンのカットオフ周波数を高くし、指向特性面からホーンを矩形断面としている。開発時期は077より早く、077がこの2405のコンシュマー版である。矩形断面のホーン内壁が軽金属製となっている点が077と異なる。物理的な両者の差はわずかだと考えられるが、結果としての音は、077より一段と引き締ったシャープな音である。

JBL 077

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「世界のトゥイーター総試聴《内外55機種をJBL・LE8Tとの2WAYで聴く》」より

 JBL初のスーパートゥイーターである2405プロフェッショナル用ユニットのコンシュマー版だ。基本形は075をベースとした磁気回路と振動系をもち、発表されているダイアフラム、マグネットアッセンブリー、磁束密度などは同じ値となっている。ホーン部分は、長方形断面で内側のイコライザーに相当する拡散エレメントが透明なアクリル製の点が視覚的にも、音色的にもこのユニットの特長。充分に高域が伸びたフルレンジ型やスコーカーと組み合わせたい製品だ。

JBL 075

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HIGH-TECHNIC SERIES-3 世界のトゥイーター55機種の試聴とその選び方使い方(ステレオサウンド別冊・1978年冬発行)
「世界のトゥイーター総試聴《内外55機種をJBL・LE8Tとの2WAYで聴く》」より

 EVのT350とともに米国を代表するホーン型トゥイーターだ。ダイアフラムは、軽金属性の薄いリングを断面がV字状になるように折曲げた直径79mmの独特な形状をもち、ボイスコイルはアルミ線エッジワイズ巻、径44mmである。ホーンの中央部にあるイコライザー状のものは、ホーン外壁とともにエクスポネンシャルホーンを形成するホーンの内壁であり、一般的なボストウィック型ホーントゥイーターのイコライザーとは異なる。充分なエネルギーが得られる点では抜群の製品。

JBL LE20

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HIGH-TECHNIC SERIES-3 世界のトゥイーター55機種の試聴とその選び方使い方(ステレオサウンド別冊・1978年冬発行)
「世界のトゥイーター総試聴《内外55機種をJBL・LE8Tとの2WAYで聴く》」より

 米国では、ユニットとして単品販売されているトゥイーターそのものが極めて少ないが、なかでもコーン型トゥイーターで現在入手できるのは、このLE20のみといってよい。コーン紙中央の紙製キャップはかなり突出した独特の形状で、ボイスコイル径1・6cm、コイル用線材は銅線である。磁気回路は、アルニコ系磁石をいわゆる内磁型構造としたもので全重量は700g、磁束密度12、000ガウスだ。2・5kHz以上で使える輝かしい音色をもつ。

イソフォン KK10

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HIGH-TECHNIC SERIES-3 世界のトゥイーター55機種の試聴とその選び方使い方(ステレオサウンド別冊・1978年冬発行)
「世界のトゥイーター総試聴《内外55機種をJBL・LE8Tとの2WAYで聴く》」より

 今回の試聴に参加した唯一の西独製品である。ダイアフラムは、乳白色をした口径25mmの合成樹脂系のフィルム製でエッジは凸字型、裏側にはダンピング材が入っている。磁気回路は直径70mmのフェライトマグネット使用だが、後側プレートは直径58mmとマグネット直径より小さく、前側プレートは逆に直径72mmと大きい、ユニークな構造が採用されているのが特長である。ボイスコイルインピーダンスは、KK10/4が4Ω、KK10/8が8Ωで3kHz以上の帯域で使用できる。

エレクトロボイス T350

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HIGH-TECHNIC SERIES-3 世界のトゥイーター55機種の試聴とその選び方使い方(ステレオサウンド別冊・1978年冬発行)
「世界のトゥイーター総試聴《内外55機種をJBL・LE8Tとの2WAYで聴く》」より

 T35のデラックスモデルである。ホーンはT35よりひとまわり大型化されたエレクトロボイス独自のディフラクション型である。また、イコライザーにユニークな構造のソノフェイズ型を採用しスムーズな高域特性を得ているのも同社のトゥイーターの特長である。ダイアフラムはフェノリックダイアフラムで、ボイスコイルはボビンを使わず直接ダイアフラムにエポキシ系接着剤で固定してある。磁気回路の磁石は重量453gのアルニコV型で、T35より3dB高能率である。

エレクトロボイス T35

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「世界のトゥイーター総試聴《内外55機種をJBL・LE8Tとの2WAYで聴く》」より

 トゥイーターユニットとしてはロングセラーを誇り、JBLの製品とともに米国を代表する専用トゥイーターユニットである。エレクトロボイスのドライバーユニットの特長は、ダイアフラム材料に軽合金を採用せず、ベークライト状の薄いフェノリックダイアフラムを使っていることで、これは、音色面でもかなりの違いとして感じられる。クロスオーバー周波数は3・5kHz以上で使えるのも特長で、フルレンジユニットとの2ウェイ、マルチシステムの高音用と幅広く使える。

デッカ London Ribbon

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「世界のトゥイーター総試聴《内外55機種をJBL・LE8Tとの2WAYで聴く》」より

 DK30をベースとし、中音域までをカバーできるように大型のホーンを組み合わせたユニークなデザインと構造をもつトゥイーターである。外観上での振動板や磁気回路はDK30と同じだが、マッチング用トランスはひとまわり大型化されている。クロスオーバー周波数は1kHzと発表されているために、軽量で硬いコーン紙を採用したウーファーとの2ウェイ構成で使用したいユニットだ。変則的な使用法としては、このうえにDK30を追加して帯域分割して使うのも魅力がある。

デッカ DK30

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「世界のトゥイーター総試聴《内外55機種をJBL・LE8Tとの2WAYで聴く》」より

 リボン型トゥイーターとしては現存するもっとも古い製品として、既に高い評価を得ているユニットである。ホーンが比較的に大型であるためクロスオーバー周波数は2・5kHzと、このタイプとしては非常に低い特長がある。振動板は細長いアルミ箔の横方向に凹凸のヒダを付けてコンプライアンスをとった、もっとも基本的なタイプで、マッチング用のトランスをユニット本体に付属させている。オプション部品に独特の構造をした音響レンズがあり、高域指向性の改善が可能である。

アルテック 3000H

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HIGH-TECHNIC SERIES-3 世界のトゥイーター55機種の試聴とその選び方使い方(ステレオサウンド別冊・1978年冬発行)
「世界のトゥイーター総試聴《内外55機種をJBL・LE8Tとの2WAYで聴く》」より

 アルテック製品のなかでは唯一のトゥイーターユニットであり、かつての矩形断面のホーンをもつ3000Bの改良モデルである。ドライバーユニットは、トゥイーターとしてはかなり小型で、マイクロフォンユニットをベースとして開発されたとのことで、シンプルな構造で優れた性能を得ているのは素晴らしいことだ。それだけに、国内製品のトゥイーターに多くの影響を与え、これを範とした製品がかなり多い。音色的にはフルレンジユニットの高音用に2ウェイで使いたい。

YL D-18000

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「世界のトゥイーター総試聴《内外55機種をJBL・LE8Tとの2WAYで聴く》」より

 D1800の上級モデルとして開発されたスーパートゥイーターである。このユニットは、ダイアフラムにジュラルミン系軽金属より硬質なチタンを採用し、磁気回路には巨大な円筒形のアルニコ系マグネットを外磁型構造とし、ボイスコイルの納まる磁極部分にはコバルト・鉄合金のパーメンジュールを使い、23、000ガウスの強い磁束密度を得て過渡特性を向上させ、D1800よりも一段と聴感上でのSN比がよく、より静かで繊細な音を再生するトゥイーターとしている。

YL D-1800

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「世界のトゥイーター総試聴《内外55機種をJBL・LE8Tとの2WAYで聴く》」より

 1810と異なったスーパートゥイーターとして開発された製品である。そのためにホーンの開口径は一段と小さくなり、超硬質ジュラルミン製でエッジに特殊合成樹脂を採用したダイアフラムと、イコライザーのギャップも狭くなっているようで、規格上での周波数帯域も1810より高域が一段と伸びている。ホーンはアルミ棒削り出し型で精密加工のイコライザーをもっている。用途は、同社の中高音用ユニットの高音用か、完成システムに追加するスーパートゥイーターであろう。

YL D-1810

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HIGH-TECHNIC SERIES-3 世界のトゥイーター55機種の試聴とその選び方使い方(ステレオサウンド別冊・1978年冬発行)
「世界のトゥイーター総試聴《内外55機種をJBL・LE8Tとの2WAYで聴く》」より

 ホーン型ユニット専門メーカーであるYLのトゥイーターは、最初のST18以来、H18、SH18などが高級ファンに愛用されたものだが、この1810は、現在のYLトゥイーターのスタンダードモデルで、ほかの2機種より開口径の大きなホーンを採用している。ホーンは、ユニットと一体化されたアルミ棒削り出し型で、スロートにはイコライザーが付いている。用途は同社の中音ユニットの高音用が本来の目的で、優れたフルレンジユニットの高音用としても好適である。

ヤマハ JA-0506

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HIGH-TECHNIC SERIES-3 世界のトゥイーター55機種の試聴とその選び方使い方(ステレオサウンド別冊・1978年冬発行)
「世界のトゥイーター総試聴《内外55機種をJBL・LE8Tとの2WAYで聴く》」より

 発泡ポリスチレン振動板を採用したヤマハ独特の平板型ウーファーJA5004、30cm口径のコーン型ウーファーJA3053Aと組み合わせるトゥイーターが、このJA0506である。ダイアフラムは厚さ30ミクロンの硬質ジュラルミンのリング型で、ボイスコイルの直径は23mm。磁気回路は、φ40mm鋳造マグネットで17、000ガウスの磁束密度を得ている。ホーンは、アルミ削り出し型で、中央の砲弾状イコライザーともどもリング状のホーンを形成していると考えられる。

テクニクス EAS-10TH1000

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「世界のトゥイーター総試聴《内外55機種をJBL・LE8Tとの2WAYで聴く》」より

 リボン型トゥイーターの変形と考えてよいユニットである。振動板は高耐熱性のポリイミドフィルム面にアルミを蒸着し、エッチングをしたボイスコイルを採用し、音響的には振動板中央に突出したヒレ状のイコライザーで左右二分割されている。磁気回路は1・3kgの鋳造磁石を使った独特なプッシュプル型でイコライザー部分をN極とすれば、振動板両側がS極となっている。ボイスコイルが蒸着型で8Ωのインピーダンスとしているためマッチングトランスは不用である。

テクニクス EAS-10KH501

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「世界のトゥイーター総試聴《内外55機種をJBL・LE8Tとの2WAYで聴く》」より

 ダイアフラムは、チタンの両面にボロンを生成させた新材料を使用したユニークなドーム型ユニットで、10KH50の高級モデルである。ダイアフラムと一体成形したエッジは、新形状ローンビック型で、ボイスコイルはアルミボビンと耐熱処理をした銅クラッドアルミ線で、最大許容入力は1・5kHz、18dB/octのネットワーク使用時に100Wと発表されている。磁気回路の総磁束は10KH50と同じ値だが、磁束密度では18、000ガウスと一段と強力になっている。

テクニクス EAS-10KH50

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「世界のトゥイーター総試聴《内外55機種をJBL・LE8Tとの2WAYで聴く》」より

 ダイアフラムにチタン箔を採用したドーム型トゥイーターで再生周波数帯域の下限が700Hzと発表されているように、かなりワイドレンジ型であるのが特長である。ダイアフラムのエッジはロールエッジで、ボイスコイルボビンはアルミ、コイルは耐熱処理のアルミ線を使用している。磁気回路は大形鋳造マグネット使用の内磁型で磁束密度は16、700ガウスと強く、出力音圧レベルも95dBと高い。30cm口径までの専用ウーファーと2ウェイ構成にできるのがユニットの魅力。

テクニクス EAS-5HH17G

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「世界のトゥイーター総試聴《内外55機種をJBL・LE8Tとの2WAYで聴く》」より

 かつてのミニスピーカー全盛期に国内製品の名作といわれた、テクニクス1のトゥイーターに採用されたユニットが、5HH17である。アルテック3000Bと同じ構想で開発された小口径ドーム型ユニットの前面に小型のホーンを取り付けたこのユニットは価格からは想像を絶した音を聴かせてくれた。5HH17Gはこれの改良型で、ダイアフラムがメタライズドフィルムとなり、ホーンがひとまわり大きな軽合金ダイキャスト製で開口部にオーナメントが付き単売品らしくなった。

パイオニア PT-R7

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「世界のトゥイーター総試聴《内外55機種をJBL・LE8Tとの2WAYで聴く》」より

 振動板を六角錐の集合した形に成形した、厚さ50ミクロンのアルミ箔を使ったリボン型トゥイーターだ。リボン振動板は、0・0026Ωと極度に低いインピーダンスをもちマッチングトランスを必要とするが、ここではパーマロイコアと二次側にも巻線幅いっぱいの銅箔を用い、一次、二次コイルとも4分割サンドイッチ巻としたものを使い、リボンとは銅版でつないでいる。振動板前面にはショートホーンが組み合わせてあり、4・5kHz以上で使用可能で出力音圧レベルも96dBと高い。

パイオニア PT-150

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「世界のトゥイーター総試聴《内外55機種をJBL・LE8Tとの2WAYで聴く》」より

 PT50と同じ設計方針で開発されたドーム型トゥイーターである。ダイアフラムには、質量が軽く、剛性が高く、音の伝播速度が速いベリリウムが採用され、超高域の特性を改善し、55、000Hzまでフラットなレスポンスを得ているとのことである。ダイアフラムをフランジ前面に突出させた構造により周囲からの反射を少なくし、マルチホールイコライザーとフィンを併用して、音の波面の乱れを防止する設計だ。なお、磁気回路はアルニコ系ロッドタイプを使っている。

パイオニア PT-100

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「世界のトゥイーター総試聴《内外55機種をJBL・LE8Tとの2WAYで聴く》」より

 半球面に10分割のマルチセルラホーンを組込んだ異色のデザインをもつホーン型トゥイーターである。発売時期からみれば、同様なマルチセルラホーンPH101とドライバーユニットPD100の高音用として開発された製品である。ダイアフラムは、アルミ軽合金箔を採用し、磁気回路は11、520ガウス、出力音圧レベルは100dBで、マルチセルラ型としては高い。ホーン開口部の上下の半円球は、ディフューザーとして働き、音の干渉や乱れを少なくする効果がある。

パイオニア PT-50

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「世界のトゥイーター総試聴《内外55機種をJBL・LE8Tとの2WAYで聴く》」より

 厚さ20ミクロンのチタン箔をダイアフラムとしたドーム型の製品である。ダイアフラムのエッジは発泡ポリウレタン製で、ボイスコイル直径は25mm、ボイスコイルのリード線はベリリウム銅線を使い、大振幅動作時にも充分に耐えられる設計である。磁気回路はアルニコ系磁石採用で、磁気回路内部には制動用フェルトが、ダイアフラムの内側にはミクロングラスウールが入っており、f0附近での歪の発生を抑え過渡特性が向上している。音のキャラクターからは2ウェイ構成で使いたい。

パイオニア PT-7

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井上卓也

HIGH-TECHNIC SERIES-3 世界のトゥイーター55機種の試聴とその選び方使い方(ステレオサウンド別冊・1978年冬発行)
「世界のトゥイーター総試聴《内外55機種をJBL・LE8Tとの2WAYで聴く》」より

 全体を角形にまとめたユニークな外観をもった製品である。ダイアフラムにはアルミ軽合金が採用され、磁束密度12、600ガウスの磁気回路と組み合わせ105dBの高い出力音圧レベルを得ている。角形開口のエクスポネンシャルホーンは、カットオフ周波数が1・4kHzと低く、2・9kHz以上のクロスオーバー周波数で使用できる。ホーンのスロート部には亜鉛ダイキャストのイコライザーを備えている。音のキャラクターからみれば2ウェイ構成で使いたいユニットである。

パイオニア PT-10

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井上卓也

HIGH-TECHNIC SERIES-3 世界のトゥイーター55機種の試聴とその選び方使い方(ステレオサウンド別冊・1978年冬発行)
「世界のトゥイーター総試聴《内外55機種をJBL・LE8Tとの2WAYで聴く》」より

 アルミダイキャスト製のフレームのなかにコーン型トゥイーターを組込んだ製品である。コーン紙のエッジ部分にはウレタン系の材料を加熱成形したロールエッジが採用され、エッジの反射が少なく滑らかなレスポンスを得ている。磁気回路は、13、000ガウスの磁束密度をもち、出力音圧レベルが95dBと高いことがこのPT10の特長である。コーン型のメリットでクロスオーバー周波数が2kHz以上で使える点を生かせば、30cm口径以下のウーファーと2ウェイ構成で使用できる。

パイオニア PT-8D

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井上卓也

HIGH-TECHNIC SERIES-3 世界のトゥイーター55機種の試聴とその選び方使い方(ステレオサウンド別冊・1978年冬発行)
「世界のトゥイーター総試聴《内外55機種をJBL・LE8Tとの2WAYで聴く》」より

 半球面の一部をカットし、そこに円形開口をもつホーン型トゥイーターを取り付けたようなユニークな形状をした製品である。ダイアフラムはポリエステル系合成樹脂フィルムにアルミを蒸着したメタライズドフィルム製で、ホーンはアルミダイキャストでつくられ、スロート部分にはイコライザーが組込まれている。このPT8Dは、フルレンジ型の高音用か、20cm口径程度のウーファーと2ウェイ構成で使うのが好ましいような音のキャラクターをもつ製品である。

パイオニア PT-20

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井上卓也

HIGH-TECHNIC SERIES-3 世界のトゥイーター55機種の試聴とその選び方使い方(ステレオサウンド別冊・1978年冬発行)
「世界のトゥイーター総試聴《内外55機種をJBL・LE8Tとの2WAYで聴く》」より

 ダイアフラムには、絹を素材とし、これに柔軟性のある合成樹脂を含浸し、成形したソフトドーム型トゥイーターである。磁気回路はフェライト磁石を使い、12、300ガウスをの磁束密度を得ているが、ドーム型であるため出力音圧レベルは89dBとやや低い。しかし、実用面では、2ウェイ構成の場合でもウーファーには直列にLが入り、この抵抗分によるロスがあるため、90dB前後の出力音圧レベルのフルレンジ型や20〜25cm口径程度のウーファーと組み合わせることが可能である。

オットー TW-77

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井上卓也

HIGH-TECHNIC SERIES-3 世界のトゥイーター55機種の試聴とその選び方使い方(ステレオサウンド別冊・1978年冬発行)
「世界のトゥイーター総試聴《内外55機種をJBL・LE8Tとの2WAYで聴く》」より

 現在、市販されているトゥイーターのなかでは、本体に固定したスラント型の音響レンズを採用し、専用の付属スタンドを備え、エンクロージュアの上にのせて使うコンセプトでつくられている点が特長の製品である。振動板と磁気回路はTW601と共通だが、ホーン部分が変更されたモデルで、クロスオーバー周波数2・5kHz以上から使用できる。スラント型の音響レンズは、6枚の鉄板プレスフィンを組み合わせてあり、使用目的により、少しデッドニングを施すことも考えられる。

オットー TW-601

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井上卓也

HIGH-TECHNIC SERIES-3 世界のトゥイーター55機種の試聴とその選び方使い方(ステレオサウンド別冊・1978年冬発行)
「世界のトゥイーター総試聴《内外55機種をJBL・LE8Tとの2WAYで聴く》」より

 開口部が6個のセルに分割されたマルチセルラホーンを採用した点が、このTW601の特長である。ホーンは軽合金ダイキャスト製で、前後が二分割でつくってある。振動板は、厚さ50ミクロンのマイラーフィルムで、ボイスコイル径17mm、ボイスコイルはアルミ線使用である。このTW601は、ホーン開口部面積が広く、クロスオーバー周波数3・5kHzで使用できるため、30cm口径までのフルレンジ型ユニットとの2ウェイ構成や既製スピーカーシステムの高域用も考えられる。

オンキョー TW-3001

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井上卓也

HIGH-TECHNIC SERIES-3 世界のトゥイーター55機種の試聴とその選び方使い方(ステレオサウンド別冊・1978年冬発行)
「世界のトゥイーター総試聴《内外55機種をJBL・LE8Tとの2WAYで聴く》」より

 数多くのユニットで構成されているオンキョーのSCEPTERグループ・システムスピーカーの最高音を受持つ製品として開発されたのが、このTW3001で、同社のトップモデルSCEPTER500にも採用されているユニットだ。ホーン開口径はφ45mmと小さく、スーパートゥイーターらしい外観をもっている。ダイアフラムはジュラルミン軽金属製で、磁気回路はφ30×20mmのアルニコ系マグネットを使った内磁型構造で14、000ガウスの磁束密度を得ている。

オンキョー TW-40A

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井上卓也

HIGH-TECHNIC SERIES-3 世界のトゥイーター55機種の試聴とその選び方使い方(ステレオサウンド別冊・1978年冬発行)
「世界のトゥイーター総試聴《内外55機種をJBL・LE8Tとの2WAYで聴く》」より

 オンキョーのM6MKII、M3MKIIは、出力音圧レベルが高く、明るい音色のスピーカーシステムとして定評を得ているが、これらのシステムに使われているトゥイーターと同じ設計方針でトゥイーター単体ユニットとして開発されたのがこのTW40Aである。4cm口径のカーボン繊維コーンの中央部にはチタンキャップが取り付けてあり、超高域で箱の部分がドーム型として動作をするため複合型トゥイーターとオンキョーでは名付けている。能率が高く広帯域型の製品だ。

マクソニック T45EX

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井上卓也

HIGH-TECHNIC SERIES-3 世界のトゥイーター55機種の試聴とその選び方使い方(ステレオサウンド別冊・1978年冬発行)
「世界のトゥイーター総試聴《内外55機種をJBL・LE8Tとの2WAYで聴く》」より

 基本的な構造はT45と同様なユニットであるが、磁気回路にはいわゆる磁石を使わず、磁気回路内部にコイルを巻込み、これに電流を流して電磁石とする励磁型を採用したモデルである。励磁用端子電圧8V時に20、600ガウスの磁束密度が得られるが、電圧を変化させれば磁束密度も変化し、ダイアフラムへの磁気制動が変わるため、一種のダンピングコントロールが可能となり音質をある範囲内で調整できる利点がある。外見寸法、重量ともパワートゥイーターといった印象。

マクソニック T45

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井上卓也

HIGH-TECHNIC SERIES-3 世界のトゥイーター55機種の試聴とその選び方使い方(ステレオサウンド別冊・1978年冬発行)
「世界のトゥイーター総試聴《内外55機種をJBL・LE8Tとの2WAYで聴く》」より

 一般にトゥイーターは軽量で直径が小さな振動板を使い高域特性を改善しているが、このT45は直径45mmのジュラルミンダイアフラムを使い、高域特性を向上するためには、同心円状に置かれた3個のイコライザー・マルチホーンにより小口径ダイアフラム同等の結果としている。なお、このマルチホーンは、長さとフレアが異なった3個のリングホーンの組合せで、ダイアフラムの平面波を球面波とするよう働き、指向性を改善しているのが特長である。

フォステクス T725

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HIGH-TECHNIC SERIES-3 世界のトゥイーター55機種の試聴とその選び方使い方(ステレオサウンド別冊・1978年冬発行)
「世界のトゥイーター総試聴《内外55機種をJBL・LE8Tとの2WAYで聴く》」より

 フォステクスのホーン型トゥイーターのトップモデルで、ドライバーユニットを使う本格派のスコーカーと組み合わせて使用するのが本来の目的である。開口径74mmのホーンはアルミブロックから削り出し加工でつくられ、かなり低い周波数から使用できる設計だ。磁気回路は、重量350gのアルニコ系マグネットを採用し、102dBの出力音圧レベルを得ている。このユニットは、マルチウェイ用で使うほかに、優れた20〜30cm口径のフルレンジ型ユニットとの2ウェイも考えられる。

フォステクス T925

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HIGH-TECHNIC SERIES-3 世界のトゥイーター55機種の試聴とその選び方使い方(ステレオサウンド別冊・1978年冬発行)
「世界のトゥイーター総試聴《内外55機種をJBL・LE8Tとの2WAYで聴く》」より

 フォステクスのTシリーズ・トゥイーターは同社の最高級モデルで、なかでもこのT925は、ホーンのカットオフ周波数が高く設計された、スーパートゥイーターであることが特長である。アルミ棒から削り出し加工をしたホーンは、開口径60mmで、5kHz以上からの再生周波数範囲をもっているが、クロスオーバー周波数は7kHz以上と考えてよい。磁気回路は、15、000ガウスの磁束密度をもち、出力音圧レベルが108dBと高いのもこのユニットの特長である。

フォステクス FT5RP

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HIGH-TECHNIC SERIES-3 世界のトゥイーター55機種の試聴とその選び方使い方(ステレオサウンド別冊・1978年冬発行)
「世界のトゥイーター総試聴《内外55機種をJBL・LE8Tとの2WAYで聴く》」より

 RPシリーズのトップモデルで、FT3RPをケースに収納した製品と考えてよい。振動板は、厚さ12・5ミクロンのポリイミドフィルムに高密度ボイスコイルパターンをエッチングしたタイプである。磁気回路は、強力な希土類コバルトマグネットを同極同士対向させ、そのサイズは前後非対称としている。この非対称が超高域での周波数特性と指向性の優れるRPシリーズのポイントだ。FT5RPは出力音圧レベルが93dBと高く、既製システムの超高域用としても使える。

フォステクス FT60H

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「世界のトゥイーター総試聴《内外55機種をJBL・LE8Tとの2WAYで聴く》」より

 カットオフ周波数1・5kHzの比較的口径が大きなホーンを採用したトゥイーターである。ホーンはアルミ合金を切削加工したハイパーボリックカーブをもち、ダイアフラム材料には、FT50Dの振動板と同様な構造の5層構造をもつ軽質量、高剛性のタイプを使っている。この振動板はグラスファイバーを中心とし熱硬化性樹脂と表面に金属蒸着としたタイプで、エッジ部分も振動板と一体成型されているのがFT50Dと異なる点だ。

フォステクス FT50D

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HIGH-TECHNIC SERIES-3 世界のトゥイーター55機種の試聴とその選び方使い方(ステレオサウンド別冊・1978年冬発行)
「世界のトゥイーター総試聴《内外55機種をJBL・LE8Tとの2WAYで聴く》」より

 フォステクスのドーム型トゥイーターのなかでトップランクに位置づけされる製品である。振動板には口径20mmの深絞り成型をしたグラスファイバーと熱硬化性樹脂5層構造のドームに、軽合金タンジェンシャルエッジを組み合わせ、1・5kHz以上で使える広帯域型としている。磁気回路はアルニコ系の鋳造マグネットを採用し、出力音圧レベル93dBを得ているため、組み合わせるユニットは、16〜20cmのフルレンジユニットや、30cmクラスのウーファーまで選択可能だ。

フォステクス FT40H

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井上卓也

HIGH-TECHNIC SERIES-3 世界のトゥイーター55機種の試聴とその選び方使い方(ステレオサウンド別冊・1978年冬発行)
「世界のトゥイーター総試聴《内外55機種をJBL・LE8Tとの2WAYで聴く》」より

 フォステクスのホーン型トゥイーターのなかでFT20Hとシリーズ製品となるユニットである。開口部の直径60mmの軽合金ダイキャストホーンはいわゆるボストウィック型の構造をもつ砲弾型のイコライザー付で、カットオフ周波数1・8kHz、苦降ろすオーバー周波数4kHz以上で使用する。ダイアフラムは金属蒸着フィルム型で、アルニコ系鋳造マグネット使用の磁気回路で98dBの高出力音圧レベルを得ている。20cmクラスのフルレンジユニットやウーファーと2ウェイで使いたい。

フォステクス FT1RP

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井上卓也

HIGH-TECHNIC SERIES-3 世界のトゥイーター55機種の試聴とその選び方使い方(ステレオサウンド別冊・1978年冬発行)
「世界のトゥイーター総試聴《内外55機種をJBL・LE8Tとの2WAYで聴く》」より

 フォステクスのRPシリーズのトゥイーターは、平面型の振動板を採用した大変ユニークな製品である。RPとはレギュラー・フェーズの略で、振動板の全面が同じ位相で動く、全面駆動方式をあらわしている。このタイプは、振動板が軽量なため超高域特性、過渡特性、指向周波数特性が優れることをはじめ、許容入力が大きくとれるなど多くの利点をもっている。FT1RPは、この方式を採用したユニット形式の製品で、能率面から20cm口径程度までのウーファーと組み合わせたい。

フォステクス FT1RP

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井上卓也

HIGH-TECHNIC SERIES-3 世界のトゥイーター55機種の試聴とその選び方使い方(ステレオサウンド別冊・1978年冬発行)
「世界のトゥイーター総試聴《内外55機種をJBL・LE8Tとの2WAYで聴く》」より

 フォステクスのRPシリーズのトゥイーターは、平面型の振動板を採用した大変ユニークな製品である。RPとはレギュラー・フェーズの略で、振動板の全面が同じ位相で動く、全面駆動方式をあらわしている。このタイプは、振動板が軽量なため超高域特性、過渡特性、指向周波数特性が優れることをはじめ、許容入力が大きくとれるなど多くの利点をもっている。FT1RPは、この方式を採用したユニット形式の製品で、能率面から20cm口径程度までのウーファーと組み合わせたい。

フォステクス FT30D

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井上卓也

HIGH-TECHNIC SERIES-3 世界のトゥイーター55機種の試聴とその選び方使い方(ステレオサウンド別冊・1978年冬発行)
「世界のトゥイーター総試聴《内外55機種をJBL・LE8Tとの2WAYで聴く》」より

 布をベースとし、これに特殊な制動材を塗布した振動板を採用したソフトドーム型のトゥイーターである。振動板口径は25mmと、ほぼ標準的な寸法をもっているために、再生周波数帯域、出力音圧レベル、許容入力などの特性面で優れた結果を得やすい特長がある。振動板の裏面にはミクロングラスファイバーなどを使った制動材が採用され、振動板の共振をダンプしている。また、磁気回路にもFT10Dとの価格差から考えられる以上の大型磁石を使い出力音圧レベル90dBを得ている。

フォステクス FT10D

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井上卓也

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「世界のトゥイーター総試聴《内外55機種をJBL・LE8Tとの2WAYで聴く》」より

 ローコストのトゥイーターユニットとしては珍しい、10kHz以上の周波数特性や指向周波数特性の向上を目的として開発されたドーム型の製品である。一般に振動板は直径が小さいほど、高い周波数帯で諸特性の向上をはかれる利点があるが、逆に、クロスオーバー周波数の制約や許容入力が大きくとれない問題がある。FT10Dは直径1・6cmの振動板を使ったドーム型で、3kHz以上で使用できるため、10cm口径程度の小口径ウーファーと2ウェイ構成で使用するのが相応しい。

フォステクス FT500

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井上卓也

HIGH-TECHNIC SERIES-3 世界のトゥイーター55機種の試聴とその選び方使い方(ステレオサウンド別冊・1978年冬発行)
「世界のトゥイーター総試聴《内外55機種をJBL・LE8Tとの2WAYで聴く》」より

 フォステクス製品中でただ一機種のコーン型トゥイーターである。口径4・5cmのコーンには、超高弾性無機質繊維シリコンカーバイトを配合したコーン紙とドーム型センターキャップを組み合わせた構造を採用し、低いクロスオーバー周波数で使える広帯域のトゥイーターだ。磁気回路はフェライトマグネット使用で、マグネット重量は70g、出力音圧レベル90dBを得ているため、小口径ウーファーとの2ウェイ構成やフルレンジ型ユニットの高域用に手軽に使える製品である。

フォステクス FT500

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井上卓也

HIGH-TECHNIC SERIES-3 世界のトゥイーター55機種の試聴とその選び方使い方(ステレオサウンド別冊・1978年冬発行)
「世界のトゥイーター総試聴《内外55機種をJBL・LE8Tとの2WAYで聴く》」より

 フォステクス製品中でただ一機種のコーン型トゥイーターである。口径4・5cmのコーンには、超高弾性無機質繊維シリコンカーバイトを配合したコーン紙とドーム型センターキャップを組み合わせた構造を採用し、低いクロスオーバー周波数で使える広帯域のトゥイーターだ。磁気回路はフェライトマグネット使用で、マグネット重量は70g、出力音圧レベル90dBを得ているため、小口径ウーファーとの2ウェイ構成やフルレンジ型ユニットの高域用に手軽に使える製品である。

ダイヤトーン TW-25

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井上卓也

HIGH-TECHNIC SERIES-3 世界のトゥイーター55機種の試聴とその選び方使い方(ステレオサウンド別冊・1978年冬発行)
「世界のトゥイーター総試聴《内外55機種をJBL・LE8Tとの2WAYで聴く》」より

 放送用スタジオモニタースピーカー2S305用に昭和31年に開発されたコーン型トゥイーターで、AS3002Pモニターにも、ほぼ等しいTW25Aが使ってある。口径は5cm、振動系の等価質量は0・37gはTW501と同じだが、φ35×30mmMK5A磁石とパーメンジュール使用の磁気回路は18、000ガウスの磁束密度をもち出力音圧レベルは96dBの高能率型となっている。クロスオーバー周波数は、1・5kHzで、この周波数から実際に使用できるのが特長である。

ダイヤトーン TW-501

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井上卓也

HIGH-TECHNIC SERIES-3 世界のトゥイーター55機種の試聴とその選び方使い方(ステレオサウンド別冊・1978年冬発行)
「世界のトゥイーター総試聴《内外55機種をJBL・LE8Tとの2WAYで聴く》」より

 業務用モニタースピーカー、2S208用に開発されたコーン型トゥイーターで、2ウェイユニット2U208にも使われている。口径は5cm、振動系の等価質量は0・37g、φ25×20mmの鋳造磁石を磁気回路に使い、12、000ガウスの磁束密度をもつため、出力音圧レベルはTW503よりも2dB高い94dBとなっている。クロスオーバー周波数は、2・5kHz前後と、低い周波数から使用できる特長があり、20〜25cm口径クラスのウーファーと2ウェイ構成で使う製品だ。

ダイヤトーン TW-503

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井上卓也

HIGH-TECHNIC SERIES-3 世界のトゥイーター55機種の試聴とその選び方使い方(ステレオサウンド別冊・1978年冬発行)
「世界のトゥイーター総試聴《内外55機種をJBL・LE8Tとの2WAYで聴く》」より

 従来のTW23にかわるダイヤトーンの単体として発売されている3機種のユニット中で、もっとも新しい製品である。口径は5cmのコーン型で振動系の等価質量は0・392g、φ20×15mmの鋳造磁石を磁気回路に使い9、500ガウスの磁束密度を得ている。クロスオーバー周波数は2・5kHzという低い周波数から使用できる特長があり、16〜20cm口径程度のフルレンジ型ユニットの高音用として2ウェイ構成で使用するのが相応しい製品である。

コーラル H-100

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井上卓也

HIGH-TECHNIC SERIES-3 世界のトゥイーター55機種の試聴とその選び方使い方(ステレオサウンド別冊・1978年冬発行)
「世界のトゥイーター総試聴《内外55機種をJBL・LE8Tとの2WAYで聴く》」より

 外観上では、H104と同じで区別がつきにくいが磁気回路のカバーの塗装の有無で両者の違いが判別できる。磁気回路はNKS5DGと純鉄の内磁型ヨークの組合せで、19、000ガウスの磁束密度はH104と等しいが、出力音圧レベルは2dB高い110dBと発表されている。ダイアフラムは、厚さ15ミクロンスーパージュラルミン製で、H104よりは軽量化されているようだ。クロスオーバー周波数を8〜10kHz程度として使う本格派のスーパートゥイーターである。

コーラル H-104

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井上卓也

HIGH-TECHNIC SERIES-3 世界のトゥイーター55機種の試聴とその選び方使い方(ステレオサウンド別冊・1978年冬発行)
「世界のトゥイーター総試聴《内外55機種をJBL・LE8Tとの2WAYで聴く》」より

 肉厚を充分にとった開口径が小さなアルミ棒削り出しのホーンを採用したスーパートゥイーターである。ダイアフラムは、厚さ15ミクロンのスーパージュラルミン製で、熱風炉で焼入れ加工が施してある。磁気回路はアルニコ系磁石とカップ型ヨークを組み合わせた内磁型で、漏洩磁束が少なく、19、000ガウスの磁束密度を得ている。このユニットは、3ウェイ構成以上の高音用や完成システムの最高音用に使いたいが、優れたフルレンジ型ユニットの高音用としても魅力がある。

コーラル H-70

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井上卓也

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「世界のトゥイーター総試聴《内外55機種をJBL・LE8Tとの2WAYで聴く》」より

 指定クロスオーバー周波数3.5kHzと発表されているようにホーン開口径も比較的大きい、トゥイーターらしい製品である。ダイアフラムは、厚さ18ミクロンのスーパージュラルミンでボイスコイルはアルミ線のエッジワイズ巻、ホーンは旋盤加工のアルミ棒削り出しでハイパーボリックカーブを採用している。磁気回路はアルニコ系磁石とカップ型ヨークで15、000ガウスの磁束密度を得ている。フルレンジユニットからマルチウェイ方式の高音用まで幅広く使えるユニットだ。

コーラル H-1

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井上卓也

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「世界のトゥイーター総試聴《内外55機種をJBL・LE8Tとの2WAYで聴く》」より

 コーラルは、国内初のホーン型トゥイーターHH2010を製品化した伝統を誇るメーカーであるが、第2弾製品がこのH1で、発売以来、既に20年程度の異例ともいえる超ロングセラーを続けている。アルミダイキャスト製のホーンはバッフル開口径が89mmと大きく、バッフルマウントとすれば、かなり低い周波数から使える特長がある。音のキャラクターが少なく、30cm口径程度以下のウーファーと2ウェイ構成で使うのが、もっとも相応しい使い方のようだ。

コーラル H-1

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井上卓也

HIGH-TECHNIC SERIES-3 世界のトゥイーター55機種の試聴とその選び方使い方(ステレオサウンド別冊・1978年冬発行)
「世界のトゥイーター総試聴《内外55機種をJBL・LE8Tとの2WAYで聴く》」より

 コーラルは、国内初のホーン型トゥイーターHH2010を製品化した伝統を誇るメーカーであるが、第2弾製品がこのH1で、発売以来、既に20年程度の異例ともいえる超ロングセラーを続けている。アルミダイキャスト製のホーンはバッフル開口径が89mmと大きく、バッフルマウントとすれば、かなり低い周波数から使える特長がある。音のキャラクターが少なく、30cm口径程度以下のウーファーと2ウェイ構成で使うのが、もっとも相応しい使い方のようだ。

コーラル H-60

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井上卓也

HIGH-TECHNIC SERIES-3 世界のトゥイーター55機種の試聴とその選び方使い方(ステレオサウンド別冊・1978年冬発行)
「世界のトゥイーター総試聴《内外55機種をJBL・LE8Tとの2WAYで聴く》」より

 ダイアフラムにはプレス加工後に熱処理を施した18ミクロン厚のスーパージュラルミンを使い、ボイスコイルは高導電率アルミ線をエッジワイズ巻とした、本格的な設計のホーン型トゥイーターである。ホーンとイコライザーは仕上り精度が高い亜鉛ダイキャスト製で、精度が要求される部分は機械加工で仕上げてある。このH60は、音のキャラクターがスーパートゥイーター的であるため、クロスオーバー周波数は7〜8kHz以上で使うほうが好結果が得られるように思われる。

コーラル H-30

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井上卓也

HIGH-TECHNIC SERIES-3 世界のトゥイーター55機種の試聴とその選び方使い方(ステレオサウンド別冊・1978年冬発行)
「世界のトゥイーター総試聴《内外55機種をJBL・LE8Tとの2WAYで聴く》」より

 メタライズドフィルムの軽量なダイアフラムを採用したドーム型ユニットの前面に円型のショートホーンを組み合わせたようなシンプルな構造をもつホーン型トゥイーターである。ホーンは、合成樹脂系の成形品であり、磁気回路にはアルニコ系のマグネットが採用され、12、000ガウスの磁束密度を得ている。このH30は、中小口径のフルレンジユニットの高域補整用として、約8kHzあたりから6dB/octのネットワークで抑え気味に使うことがポイントのように思われる。
井上卓也

HIGH-TECHNIC SERIES-1 マルチスピーカー・マルチアンプのすすめ(ステレオサウンド別冊・1977年秋発行)
「内外代表パーツ200機種によるマルチウェイ・システムプラン」より

 第3の高音や超高音のレスポンスを改善するぷらんのうち、超高音だけをスーパートゥイーターで補うプランは、ほとんどの既製のスピーカーシステムに応用することができるだろう。トゥイーターを追加して高音を改善するプランでは、まず比較的大型のフロアー型が考えられる。つまり、2ウェイ構成でクロスオーバー周波数がおよそ500〜800Hzにあるタイプだ。また、中口径以上のシングルコーン型、ダブルコーン型、それにメカニカル2ウェイ型などのユニットを使用したシステムもトゥイーターを追加して高音を改善するプランに相応しい。
 したがって、大型2ウェイシステムでは、クロスオーバー周波数がおよそ4000〜7000Hzとしてトゥイーターを追加することになる。スーパートゥイーターを一般のスピーカーシステムに追加する場合には、7000Hz以上が普通の使用法であり、ときには、15、000Hzあたり以上で使う例も見受けられそうだ。
 シングルコーン型に代表されるシステムにトゥイーターを追加する場合には、ユニットが小口径ならクロスオーバー周波数は2、500Hz以上のことが多く、30cm型や38cm型ユニットの場合でも改善を望む周波数帯域が高音のみでよければ、同様に使うことになる。ただし、より本格的に中音を含めた広い周波数帯域を改善する目的があれば、ドライバーユニットをホーンと組み合わせた、より高度な性能をもつユニットを選び、500〜1、500Hzあたりでクロスオーバーさせて使うべきである。
 追加するトゥイーターの種類、性質はバラエティに富む。使用帯域を1kHz以下まで希望すれば、本格的なホーン型ユニットの使用しかないが、高音だけを改善する目的ではホーン型、コーン型、さらにドーム型やコンデンサー型の使用が可能となり、音色的な変化範囲もかなり大幅にコントロールできる。
 このプランは、いずれの場合にも単なるマルチウェイ方式としてLC型ネットワークで使用できる。ユニットと同じメーカーの製品でなくても、クロスオーバー周波数が適当であったり、切り替え型でかなりのクロスオーバー周波数を選択できるLC型ネットワークも市販されているため、これらを使用されたい。
 しかし、ベースとなるスピーカーシステムのユニットと追加したトゥイーターをよりアクティブに追込み、その性能をフルに引き出そうとするには、マルチアンプがより望ましい。とくに、最近のエレクトロニック・クロスオーバーは、連続的にクロスオーバー周波数が可変できるバリアブルクロスオーバー型や、クロスオーバー周波数付近のレスポンスを細かく調整するQコントロール、さらにはフェイズシフター、独立して低音だけをブーストする低音コントロールなどを備え、LC型ネットワークでは望むことができないコントロールができるようになっている。

●スピーカーシステム
 ジョーダンワッツ Juno
 オーラトーン 5C
 アルテック A7-500-8
●トゥイーター
 KEF T27
 パイオニア PT-R7
井上卓也

HIGH-TECHNIC SERIES-1 マルチスピーカー・マルチアンプのすすめ(ステレオサウンド別冊・1977年秋発行)
「内外代表パーツ200機種によるマルチウェイ・システムプラン」より

 第2の中音用ユニットを加えるプランは、ベースとなるシステムが2ウェイ構成であるときに使いやすい。実際に、現在シリーズ製品としてメーカーから発売されているブックシェルフ型システムのなかには、同じウーファーとトゥイーターを使用し、上級モデルにはコーン型スコーカーを加えて3ウェイ構成としている例が多い。エンクロージュアの外形寸法では、2ウェイにくらべて3ウェイ構成のほうが、コーン型スコーカーのバックキャビティを必要とするために1サイズ大きくなるが、ウーファー用としてのエンクロージュア内容積では変わらず、低音の性能はほぼ同じと考えてよい。
 かつて、JBLのシステムにあったL88PAには、中音用のコーン型ユニットとLCネットワークが、M12ステップアップキットとして用意され、これを追加して88+12とすれば、現在も発売されている上級モデルのL100センチュリーにグレイドアップできる。実用的でユーモアのある方法が採用されていたことがある。
 ブックシェルフ型をベースとして、スコーカーを加えるプランには、JBLの例のように、むしろLCネットワークを使いたい。マルチアンプ方式を採用するためには、もう少し基本性能が高い2ウェイシステムが必要である。例えば、同軸2ウェイシステムとして定評が高いアルテック620Aモニターや、専用ユニットを使う2ウェイシステムであるエレクトロボイス セントリーVなどが、マルチアンプ方式で3ウェイ化したい既製スピーカーシステムである。この2機種は、前者には中音用として802−8Dドライバーユニットと511B、811Bの2種類のホーンがあり、後者には1823Mドライバーユニットと8HDホーンがあり、このプランには好適である。
 また、アルテックの場合には、511BホーンならN501−8A、811BならN801−8AというLCネットワークが低音と中音の間に使用可能であり、中音と高音の間も他社のLC型ネットワークを使用できる可能性がある。エレクトロボイスの場合には、X36とX8、2種類のネットワークとAT38アッテネーターで使えそうだ。
 マルチアンプ方式では、クロスオーバー周波数の選択、ユニットの出力音圧レベルやボイスコイルインピーダンスの制約がないために、スコーカーユニットの追加は大変に容易である。つまり音色の傾向さえ選択を誤らねば、他社のユニットホーンの採用も可能であり、実は、このように他社のユニットが自由に選べるのがマルチアンプ方式の本当の魅力だ。中音ユニットの音色傾向は、構造にも関係するが、ドライバーユニットなら主に振動板であるダイアフラム材質により左右される。アルテックが現在の主流である軽金属のダイアフラムであることにくらべて、エレクトロボイスは伝統的に硬質フェノール樹脂製のダイアフラムを採用している特長があり、これが、エレクトロボイスのサウンドの特徴になっている。このタイプのダイアフラムは、よくPA用と誤解されやすいが誤りであり、ナチュラルで軽金属ダイアフラムの苦手な弦やボーカルに優れた再生能力をもつ。
 その他のバリエーションには、3ウェイ構成のシステムの低音と中音の間に、主にコーン型の中低音ユニとを加える方法がある。この場合には、追加したユニットを置く位置がポイントになる。この方法は、クロスオーバー周波数が低くなるため、マルチアンプ方式のほうにメリットは大きいものがある。

●スピーカーシステム
 アルテック 620A Monitor
 エレクトロボイス SentryV
●ドライバー
 アルテック 802-8D
 エレクトロボイス 1823M
●ホーン
 アルテック 511B
 エレクトロボイス 8HD
●コントロールアンプ
 GAS Thoebe
●エレクトロニック・クロスオーバー・ネットワーク
 サンスイ CD-10
●パワーアンプ
 低音域:GAS Son of Ampzilla
 中音域:GAS Grandson
 高音域:GAS Grandson
井上卓也

HIGH-TECHNIC SERIES-1 マルチスピーカー・マルチアンプのすすめ(ステレオサウンド別冊・1977年秋発行)
「内外代表パーツ200機種によるマルチウェイ・システムプラン」より

 このところ、ヨーロッパ系を中心として、国内製品のスピーカーシステムにも超小型の主に2ウェイ構成の製品が増加の傾向がみられる。その多くは、10cm口径程度のウーファーとソフトドーム型トゥイーターを組み合わせているがこの種のシステムは、ウーファーを追加してマルチアンプ方式で3ウェイ化するために大変な魅力的な存在である。追加するウーファーに専用アンプを用意する、2チャンネルのマルチアンプ化をおこなうのがもっとも好ましい方法であるが、そのバリエーションとして、最近復活しはじめた3D方式もある。低音の指向性がゆるやかなこと、波長が長いために左右チャンネルの位相の狂いが少ないことなどを利用して、低音だけは両チャンネルの信号をミックスして1本のウーファーで再生するのがこの3D方式である。
 超小型システムをベースとし、ウーファーを加える方法は、ベースとなるシステムがこの種の製品独特な音像定位のクリアーさとステレオフォニックなプレゼンスの再現に魅力があるため、わずかに追加したウーファーにより低音を補えば、かなりのフロアー型システムに匹敵するスケール感の大きい、それでいてプレゼンスのある音を再生することができるはずである。この場合には、スピーカーと聴取位置との距離は短いほうが超小型システムの特長が活かされる。
 小型のブックシェルフ型をベースとして、超小型システムと同じアプローチが可能だ。このタイプになれば、ウーファーの口径ももっと大きいものが使用可能で標準的に部屋にセットしてもさらに大音量でフロアー型の音が楽しめる。
 その他のバリエーションとしては、小口径シングルコーンユニットを採用した超小型や小型システムをベースとして、まずウーファーを追加して低音の改善を計り、その次にトゥイーターを加えて3ウェイ化するアプローチがある。広い帯域を中音ユニットに受け持たせるため安定した音が独特の魅力だ。

●スピーカーシステム
 パイオニア CS-X3
 ブラウン "Output Compact" L100
 ヴィソニック David50
●ウーファー
 KEF B139MKII
●プリメインアンプ
 サンスイ AU-607
●エレクトロニック・クロスオーバー・ネットワーク
 サンスイ CD-10
●パワーアンプ
 低音域:サンスイ BA-2000
 中高音域:サンスイ AU-607(パワーアンプ部)

●スピーカーシステム
 ヤマハ NS-10M
 セレッション Ditton 11
 ロジャース LS3/5A
●ウーファー
 セレッション G15C
●プリメインアンプ
 マランツ Model 1180
●エレクトロニック・クロスオーバー・ネットワーク
 パイオニア D-70
●パワーアンプ
 低音域:マランツ Model 170DC
 中高音域:マランツ Model 1180(パワーアンプ部)
井上卓也

HIGH-TECHNIC SERIES-1 マルチスピーカー・マルチアンプのすすめ(ステレオサウンド別冊・1977年秋発行)
「内外代表パーツ200機種によるマルチウェイ・システムプラン」より

 既製のスピーカーシステムに専用ユニットを追加してマルチアンプ駆動するアプローチは、
 ①低音のレスポンスを改善し、よりスケール感が豊かな音を得ることを目的として、ウーファーまたはスーパーウーファーを使う。
 ②中音のエネルギー的なバランスの改善を主目的としてスコーカーを使う。
 ③高音のレスポンスや歪率、指向性を改善する目的で、トゥイーター、またはスーパートゥイーターを使う。
この3種類が基本的なアプローチの考え方として存在することになる。
 第1の低音を改善するためにウーファーを既製のシステムに加えるプランは、もっともマルチアンプ方式のメリットを活かした方法である。ほとんどの既製のスピーカーシステムは、3ウェイ構成が限度であり、エンクロージュアも商品として外形寸法的な制約があるため、フロアー型システムで38cmが多ウーファーを採用していても、予想より低音の周波数レスポンスは伸びていないのが一般的である。したがって、ハートレーやエレクトロボイスの超大口径スーパーウーファーは、ユニットを収納するエンクロージュアの設置場所に制約がないか、もしくは部屋の壁をバッフルとして利用できる場合は、ほとんどの大型を含むスピーカーシステムの超低音の周波数レスポンスの改善に効果がある。
 このようにウーファーを加えるプランは、既製システムとのクロスオーバー周波数が100〜200Hz程度と低くなるため、LCネットワークのほうが高価格になりやすく、マルチアンプ方式がもっとも得意とする舞台である。
井上卓也

HIGH-TECHNIC SERIES-1 マルチスピーカー・マルチアンプのすすめ(ステレオサウンド別冊・1977年秋発行)
「内外代表パーツ200機種によるマルチウェイ・システムプラン」より

 高音用ユニットの受持帯域にトゥイーターを追加するときには、音色的に共通の傾向をもつトゥイーターを選び、ベースとなるスピーカーシステム用に1台、トゥイーター用に1台のパワーアンプを用意し、できれば連続的にクロスオーバー周波数が変化できるタイプのエレクトロニック・クロスオーバーを使って最適なクロスオーバー周波数を探すべきである。クロスオーバー周波数が決まったら、そのままマルチアンプで使うことのほかに、場合によれば、マルチアンプ方式と比較しながら同等な音が得られるように、LCネットワークに置換えて調整することもできよう。つまり、マルチアンプ方式を使ってLCネットワークのときの最適クロスオーバー周波数を探そうという利用法である。
 同じ2ウェイシステムを3ウェイ化する場合でも、別の方法もある。前の例では、そのままトゥイーターを追加して3ウェイ構成としたが、2ウェイの高音用に使っているドライバーユニットの性能が優れており、なおかつ他メーカーを含めてより大型のクロスオーバー周波数が低くとれるホーンと組み合わせることができる場合は第1ステップとして低音と高音のクロスオーバー周波数の下限をマルチアンプ方式によりチェックし、これをスコーカーを追加して3ウェイ化するアプローチがある。数値上では、たとえば800Hzと500Hzとのクロスオーバー周波数の違いは小さく思われるかもしれないが、聴感上での両者の差は大きく、海外製品を主とする高級スピーカーシステムでは、共通の特長としてこのクロスオーバー周波数を低くとっている例が多いことからも、数値的な差の大きいことをわかっていただけると思う。この場合には、新しく決定したクロスオーバー周波数に対応できるLC型ネットワークがあれば幸運だが、ない場合には、本来のマルチアンプで使うことにしたい。低音と中音をマルチアンプ化してもスコーカーとトゥイーターはLC型ネットワークを使いたいところだが、スコーカーのほうが出力音圧レベルが高い例が多いため、これもマルチアンプ化せざるを得ないだろう。
 次に3ウェイ構成が標準のこのクラスのブックシェルフ型システムを考えてみると、専用端子が付属していても実質的なマルチアンプの利点が活かされないほど完成度は高いはずなので、スーパーウーファーを追加して超低域の拡張を考えたほうがよいだろう。当然、2チャンネルのマルチアンプ化である。
井上卓也

HIGH-TECHNIC SERIES-1 マルチスピーカー・マルチアンプのすすめ(ステレオサウンド別冊・1977年秋発行)
「内外代表パーツ200機種によるマルチウェイ・システムプラン」より

 マルチアンプ方式を採用するためには、ユニット構成が2ウェイなら2台、3ウェイなら3台のパワーアンプを使うことがベーシックな方法である。この場合、パワーアンプに同じモデルが使用できれば、各専用ユニットとそれに組み合わせるパワーアンプの関係は、もっとも差別がなく簡単に処理できる。しかし、異なったパワーアンプを混成して使用する場合には、定石としてパワーの大きいアンプから順に、ウーファー、スコーカー、トゥイーターと接続することである。これは、一般に、出力音圧レベルは、スコーカー、トゥイーターよりもウーファーがもっとも低いからだ。また、スコーカーとトゥイーターでは、スコーカーに強力なドライバーユニットホーンを組み合わせたタイプを使っていればスコーカーはトゥイーターよりも出力音圧レベルが高い例も多い。しかし、ユニットとしての構造上、トゥイーターのほうが小型で軽い振動系を使うためにスコーカー用とトゥイーター用のパワーアンプに出力の差があるときには、トゥイーター用に出力が小さいアンプを組み合わせることにしたい。
 マルチアンプ方式は、既製スピーカーシステムのスピーカーユニット構成に対応したパワーアンプを使う使用法のほかに、それをベースとして他の専用ユニットを追加し、さらにマルチウェイ構成としてグレイドアップする利用法がある。
 現在の10万円をこす価格帯のフロアー型システムでは、2ウェイ構成の場合には、高音用として、500〜800Hz程度の比較的低いクロスオーバー周波数から20kHzあたりの高音の限界まで、ドライバーユニットとホーンを組み合わせたホーン型ユニットで受け持たせている例が多い。このタイプのスピーカーシステムをベースとして、さらにグレイドアップする方法は、高音ユニットの受持帯域をさらに分割して、トゥイーターを追加して、3ウェイ化することが考えられる。
井上卓也

HIGH-TECHNIC SERIES-1 マルチスピーカー・マルチアンプのすすめ(ステレオサウンド別冊・1977年秋発行)
「内外代表パーツ200機種によるマルチウェイ・システムプラン」より

 テクニクスのSB10000は、現在までに発売されたフロアー型システムのなかでは、国内製品でもっとも大型なシステムである。低音用に46cm型ウーファーを採用し、中音と高音に開口角度の広いラジアルホーンを採用したホーン型ユニットを使用している。
 同社からは低音用の46cmが多ウーファーとしては、すでにEAS46PL80NAが発売されているが、この単売ユニットとSB10000に採用されたユニットの関係は不明である。しかし、世界的にみても46cm型ウーファーは、製品数も少なく、国内製品で現在発売されているのはテクニクスだけということになる。
 このシステムの中音用、高音用ユニットは、ラジアルホーンとドライバーユニットを結合する部分のスロートが極めて短縮された、特長のある方式を採用しているのが従来に見られなかった方法である。中音用のドライバーユニット部分のダイアフラムは、直径100mmと非常に大口径型で、受持帯域の下側、つまり中音から低音にクロスオーバーするあたりのエネルギーが、より直径の小さいダイアフラムより一段と強く、ウーファーとのつながりが大変にスムーズである。
 高音用は、中音用が磁気回路の後部にダイアフラムをセットした、いわゆるリアドライブ方式であることにくらべ、一般的にトゥイーターに採用されることが多い、磁気回路の前部にダイアフラムをセットしたタイプだ。このダイアフラムは直径35mmで、材料にはチタン箔の両面に軽量で非常に硬度が高いボロンを真空蒸着させた新材料を使っているが、これは世界最初の試みである。
 ウーファー用のエンクロージュアは、バッフル盤の両側にスリット状のポートをもつバスレフ型である。この上に、中音用と高音用のユニットが前後方向に、リニアフェイズ方式に従って、スタガーしてレイアウトされている。
 このシステムは、LC型ネットワークにも位相補正方式が採用されているとのことであるから、マルチアンプでドライブするプランは単純に各ユニットを直接パワーアンプにつないでドライブして、LC型ネットワーク以上の音質が得られるかどうかがポイントになる。
 しかし、現実的に、マルチアンプドライブ化したシステムを調整する場合には、各ユニットの位置的な関係を移動できるタイプでは、相対的なユニット一のコントロールで、最良の音に追込むプロセスは、いわば、マルチアンプの実施面での定石である。したがって、SB10000でも、少なくとも、聴取位置を原点として聴きながら、中音と高音ユニットを前後させてベストポイントを探すべきであろう。アンプには、一連のテクニクス製品を選んだが、低音用には、左右それぞれにモノ接続としたパワーアンプを使用することにしたい。このシリーズのアンプは、性能、価格などからマルチアンプ方式には好適な製品だ。

●スピーカーシステム
 テクニクス SB-10000
●コントロールアンプ
 テクニクス SU-9070II (70AII)
●エレクトロニック・クロスオーバー・ネットワーク
 テクニクス SH-9015C (15C)
●パワーアンプ
 低音域:テクニクス SE-9060II (60AII)×2
 中音域:テクニクス SE-9060II (60AII)
 高音域:テクニクス SE-9060II (60AII)
井上卓也

HIGH-TECHNIC SERIES-1 マルチスピーカー・マルチアンプのすすめ(ステレオサウンド別冊・1977年秋発行)
「内外代表パーツ200機種によるマルチウェイ・システムプラン」より

 アルテックA5システムは、一般によく知られているA7−500−8システムを内容的に一段とグレイドアップしたタイプで、ザ・ボイス・オブ・ザ・シアターシリーズ業務用スピーカーシステムのなかでは、A7ととならび、実用上、家庭内に持込んでコンシュマー用として使用できるもっとも小型な製品である。
 現在、国内でA5システムと呼ばれているタイプは、A5Xシステムといわれるタイプをベースとして、ハイフレケンシーユニットをと組み合わせるホーンを、マルチセルラ型から大型セクトラルホーン311−90に置換え、コンシュマー用に相応しい指向性を得ようとしたシステムである。
 もともとA5システムは、開発された時点においては、現在のタイプとはまったく異なったより大型のエンクロージュアを採用しており、システムとしては、ウーファーと高音用のドライバーユニットの基本的な構造や規格で同じであることに類似点があるのみであるから、このA5システムも、A5シリーズのヴァリエーションのひとつとして考えてもよいと思われる。
 エンクロージュアは、A7−500−8システムと共通のフロントホーンとバスレフ型を複合した独特の828Bで、ウーファーは、416−8Bの強力型ユニットである515Bを組み合わせている。このユニットは、コーン紙を含む振動系は、ほぼ416−8Bと同等だが、磁気回路はアルニコ系の鋳造マグネットを採用した強力なタイプで、出力音圧レベルは105dBと発表されている。
 高音用には、振動系が改良され、モデルナンバーが異なる291−16Aが指定されていたこともあったが、現在では、オリジナルともいうべき288−16Gドライバーユニットと311−90セクトラルホーンを組み合わせて使用している。
 クロスオーバー周波数は、より大型のドライバーユニットとホーンの組合せにもかかわらず、より小型なA7−500−8システムと同じ500Hzが指定されている。LC型ネットワークは、超大型のN500F−Aがマッチする。この場合の聴感上の特長は、A7−500−8にくらべ中音のエネルギー感と密度が格段に優り、低音も引締まった充実した響きで、いかにも業務用システムらしい堂々とした音が得られる点である。
 また、A5システムは、フロントホーン付の828Bエンクロージュアを採用し、高音ユニットとのエネルギー的、音色的つながりが意図されていると同時に、低音と高音の両ユニット間の位相が調整されている特長があることも見落とせない重要なポイントとしてあげることができる。
 マルチアンプ化のプランには、GASのアンプをベースにDBシステムズのエレクトロニック・クロスオーバーを使う。家庭用としての使用では、クロスオーバー周波数を指定より下げてみるのも大変に興味深い。

●スピーカーシステム
 アルテック A5
●コントロールアンプ
 GAS Thaedra
●エレクトロニック・クロスオーバー・ネットワーク
 DBシステムズ DB-3+DB-2
●パワーアンプ
 低音域:GAS Ampzilla II
 中高音域:GAS Son of Ampzilla
井上卓也

HIGH-TECHNIC SERIES-1 マルチスピーカー・マルチアンプのすすめ(ステレオサウンド別冊・1977年秋発行)
「内外代表パーツ200機種によるマルチウェイ・システムプラン」より

 アルテックA5システムは、一般によく知られているA7−500−8システムを内容的に一段とグレイドアップしたタイプで、ザ・ボイス・オブ・ザ・シアターシリーズ業務用スピーカーシステムのなかでは、A7とならび、実用上、家庭内に持込んでコンシュマー用として使用できるもっとも小型な製品である。
 現在、国内でA5システムと呼ばれているタイプは、A5Xシステムといわれるタイプをベースとして、ハイフレケンシーユニットと組み合わせるホーンを、マルチセルラ型から大型セクトラルホーン311−90に置換え、コンシュマー用に相応しい指向性を得ようとしたシステムである。
 もともとA5システムは、開発された時点においては、現在のタイプとはまったく異なったより大型のエンクロージュアを採用しており、システムとしては、ウーファーと高音用のドライバーユニットの基本的な構造や規格で同じであることに類似点があるのみであるから、このA5システムも、A5シリーズのヴァリエーションのひとつとして考えてもよいと思われる。
 エンクロージュアは、A7−500−8システムと共通のフロントホーンとバスレフ型を複合した独特の828Bで、ウーファーは、416−8Bの強力型ユニットである515Bを組み合わせている。このユニットは、コーン紙を含む振動系は、ほぼ416−8Bと同等だが、磁気回路はアルニコ系の鋳造マグネットを採用した強力なタイプで、出力音圧レベルは105dBと発表されている。
 高音用には、振動系が改良され、モデルナンバーが異なる291−16Aが指定されていたこともあったが、現在では、オリジナルともいうべき288−16Gドライバーユニットと311−90セクトラルホーンを組み合わせて使用している。
 クロスオーバー周波数は、より大型のドライバーユニットとホーンの組合せにもかかわらず、より小型なA7−500−8システムと同じ500Hzが指定されている。LC型ネットワークは、超大型のN500F−Aがマッチする。この場合の聴感上の特長は、A7−500−8にくらべ中音のエネルギー感と密度が格段に優り、低音も引締まった充実した響きで、いかにも業務用システムらしい堂々とした音が得られる点である。
 また、A5システムは、フロントホーン付の828Bエンクロージュアを採用し、高音ユニットとのエネルギー的、音色的つながりが意図されていると同時に、低音と高音の両ユニット間の位相が調整されている特長があることも見落とせない重要なポイントとしてあげることができる。
 マルチアンプ化のプランには、GASのアンプをベースにDBシステムズのエレクトロニック・クロスオーバーを使う。家庭用としての使用では、クロスオーバー周波数を指定より下げてみるのも大変に興味深い。

●スピーカーシステム
 アルテック A5
●コントロールアンプ
 GAS Thaedra
●エレクトロニック・クロスオーバー・ネットワーク
 DBシステムズ DB-3+DB-2
●パワーアンプ
 低音域:GAS Ampzilla II
 中高音域:GAS Son of Ampzilla
井上卓也

HIGH-TECHNIC SERIES-1 マルチスピーカー・マルチアンプのすすめ(ステレオサウンド別冊・1977年秋発行)
「内外代表パーツ200機種によるマルチウェイ・システムプラン」より

 ヴァイタヴォックスCN191コーナーホーンシステムは、英国をふくめたヨーロッパ製品のなかで、コンシュマーユースのスピーカーシステムとしてはもっとも大型なフロアーシステムである。
 エンクロージュアにはクリプッシュKタイプといわれるフロントロードホーン型の一種が採用されている。フロントロードホーンでは、その名称のように、ウーファーコーンの前面の音だけをホーンを使って放射しているが、バックローディングホーン型では、ウーファーコーンの前面の音は直接放射され、後面の音がホーンを使って、低音の一部だけをホーン効果により補うタイプである点が異なる。このクリプッシュKタイプでは、ウーファー前面からの音が、特殊な形状に折り曲げられたホーンから一度エンクロージュア背面に導かれ、さらに部屋のコーナーを低音ホーンの延長として利用し、エンクロージュア両側の開口部から前面に放射される。
 クリプッシュKタイプホーンは、ホーン型エンクロージュアらしい、厚みがあり緻密な堂々とした低音が得られる大きなメリットがある。しかし、折曲げ型ホーンのためにウーファーコーンからの中音は減衰しやすく組み合わせる中音用や中音から高音用のスピーカーユニットには、十分に低い周波数から使用できるタイプが必要である。
 ウーファーは、CN191システム用に指定されているAK157、中音から高音用には、直径76・2mmという大型軽金属製ダイアフラムと16、000ガウスの磁束密度をもつドライバーユニットS2と、アルミ合金製のセクトラルホーンCN157を組み合わせ使用する。なお最近のCN157ホーンは、ホーンのカーブが設計変更されて改良されているようで、一段と音質面でのグレイドアップが期待できる。指定LC型ネットワークは、クロスオーバー周波数500Hzの典型的な12dB型NW500である。
 しーぁぬ191は、部屋の壁面を低音ホーンの一部として利用することが前提として設計されているために、強度が十分にある、レンガやコンクリートなどの壁が相応しい。そうでない場合には、少なくとも、30mm以上の厚さの良質な板で、エンクロージュア後側の壁と接する面に使う衝立をつくり使用することが望ましい。
 マルチアンプ化のプランは、CN191がトラディショナルな英国の音をもつことを考えれば、少なくとも、スピーカーとダイレクトに結合するパワーアンプには,英国系の製品を使用したい。ここでは、QUADの2機種のパワーアンプを選んでいるが、低音用の303Jは、モノーラル構成で、出力部分にインピーダンスマッチング用のトランスをもつ特長があり、適度に最低域がカットされるため、ホーン型ウーファーには好適である。コントロールアンプその他は、管球タイプで音色的なバランスを重視して選んである。

●スピーカーシステム
 ヴァイタヴォックス CN191 Corner Horn
●コントロールアンプ
 ウエスギ U-BROS-1
●エレクトロニック・クロスオーバー・ネットワーク
 ウエスギ U-BROS-2
●パワーアンプ
 低音域:QUAD 303J(×2)
 高音域:QUAD 303
井上卓也

HIGH-TECHNIC SERIES-1 マルチスピーカー・マルチアンプのすすめ(ステレオサウンド別冊・1977年秋発行)
「内外代表パーツ200機種によるマルチウェイ・システムプラン」より

 JBLのプロフェッショナルモニターシリーズのモニタースピーカーには、現在、30cmウーファーをベースにした4311から、38cmウーファーをパラレルドライブする大型の4350まで多くの機種がある。そのなかでは、スタジオモニターとして多く使用されている中型の4331A、4333Aは、マルチアンプ化のプランの対象として十分なクォリティの高さを備えた、優れたユニットを採用したシステムといえよう。しかし、2ウェイ構成の4331Aは、そのままマルチアンプ化することよりも、高音用に2405トゥイーターを追加して、3ウェイ化することのほうがグレイドアップの効果が高い。3ウェイ構成の4333Aでは、中音用ユニットのほうが高音用ユニットよりも高能率であり、低音を一台、中音と高音を一台のパワーアンプで駆動する2チャンネルのマルチアンプ方式には好ましくなく、完全にスピーカーユニットに対応したパワーアンプを使う3チャンネルのマルチアンプ化が必要である。むしろ、この場合は、コンシュマーユースとしての使用を前提とすれば単なるマルチアンプ化よりも、グレイドアップにおける投じた経費と結果での効率の高さにポイントをおくべきだ。マルチアンプ化は、2チャンネルとして、中音と低音の間に中低音用のコーン型ユニットを追加するか、超低音を補うために46cm型以上の専用ウーファーの追加や、3D方式なら、さらに大口径の60cm型や76cm型のウーファーを採用するプランが考えられる。
 それに対して、さらにマルチウェイ化され、4ウェイ構成になっている4343や4350は、ともに中低音用のコーン型ウーファーが採用されているのが大きな特徴だ。このため、これをベースとして中音用、高音用の能率的なバランスが保たれ、マルチアンプ方式の基本型である2チャンネル方式のために最適な条件を備えている。
 4343は、これらの条件が備わっているため、システムとして最初からスイッチ切替で2チャンネルのマルチアンプ使用が考えられており、4350では、全帯域をLC型ネットワークで使用することは考えられてなく、中低音以上と低音は、2チャンネルのマルチアンプで分割して使用することを前提とした設計である。そのために、ボイスコイルインピーダンスは、中低音以上は8Ω、低音は、ソリッドステートパワーアンプでは8Ωよりもパワーが得やすい4Ωになっている点は、見逃せないポイントである。
 マルチアンプ化は、各使用ユニットの数に応じたパワーアンプを使う本来の意味でのマルチアンプのプランを採用するのが、これらのシステムのもつ性能をさらに一段と飛躍させるためには好ましいことになる。しかし、ここでは、性能が高い、ハイパワーアンプによる2チャンネルの例をあげておく。これを使い、さらにマルチアンプ化していくことが、アプローチとしてはオーソドックスと思う。

●スピーカーシステム
 JBL 4350A
●コントロールアンプ
 マークレビンソン ML-1L
●エレクトロニック・クロスオーバー・ネットワーク
 マークレビンソン LNC-2L
●パワーアンプ
 低音域:マランツ 510M
 中/高音域:マランツ 510M
井上卓也

HIGH-TECHNIC SERIES-1 マルチスピーカー・マルチアンプのすすめ(ステレオサウンド別冊・1977年秋発行)
「内外代表パーツ200機種によるマルチウェイ・システムプラン」より

 JBLのD44000パラゴンは、現在の大型スピーカーシステムとしては異例な性格をもった、極めてユニークな製品である。
 ステレオのスピーカーシステムは、一般的には左右チャンネルそれぞれ専用のスピーカーシステムを使う方法が標準であるが、パラゴンでは、左右チャンネル用のスピーカーシステムを一体化して使う構想で設計されている。構造上では、独立した左右対称型のフロントロードホーン型エンクロージュアを金具を使用して中央部分で結合し、デザイン的には、中央から左右に円弧状のカーブをもつ反射板で連続して、このまま家具として置いても素晴らしいオブジェとして眺められるユニークな完成度の高さが感じられる。しかも、エンクロージュアは、床面の影響を避けられるように、脚で床から離れているため、音楽的な面での処理も完全である。
 JBLには、かつて、このパラゴンのシリーズ製品として、同じ構想に基いた小型のミニゴンシステム、各種のユニットによりバリエーション豊かなシステムができるメトロゴンがあった。このシリーズのもうひとつの特長として、2チャンネルステレオでは、とくに左右スピーカー中心の音が弱くなり、実体感が薄れる点を補うために、エンクロージュア前面にある円弧状の反射板に主に中音ユニットの音を当て、その反射を左右のスピーカーに対して第3の音源として利用していることがあげられる。
 2チャンネルステレオでは、中央の音が弱く感じられない程度に左右のスピーカーシステムの間隔を調整することが、ステレオフォニックな音場感を再生する基本である。しかし、左右スピーカーの位置にある音源は、直接スピーカーからの音を聴くために、仮りにこれを実像とすれば、スピーカーの内中央の音源は、そこに定位をしたとしても、虚像にたとえることができる。パラゴンに採用された反射板を利用して第3の音源をつくる方式は、中央の音もスピーカーからの反射音を聴く実像である点が大きな特長である。
 パラゴンは、このように音響的に特殊な方式を採用しているため、最適リスニングポイントの範囲は一般のスピーカーシステムよりも狭く、制約がある。おおよその位置は、両側のトゥイーターの軸上を延長した線の交点あたりで、かなりスピーカーシステムと最適リスニングポイントの距離は近い。
 パラゴンを巧みに鳴らすキーポイントは低音にあるが、特にパワーアンプが重要である。ここではかつて故岩崎千明氏が愛用され、とかくホーン型のキャラクターが出がちなパラゴンを見事にコントロールし、素晴らしい低音として響かせていた実例をベースとして、マルチアンプ化のプランとしている。このプランにより、パラゴンを時間をかけて調整し、追込んでいけば、独得の魅力をさらに一段と聴かせてくれるだろう。

●スピーカーシステム
 JBL D44000 Paragon
●コントロールアンプ
 クワドエイト LM6200R
●エレクトロニック・クロスオーバー・ネットワーク
 JBL 5234(×2)
●パワーアンプ
 低音域:パイオニア Exclusive M4
 中音域:パイオニア Exclusive M4
 高音域:パイオニア Exclusive M4
井上卓也

HIGH-TECHNIC SERIES-1 マルチスピーカー・マルチアンプのすすめ(ステレオサウンド別冊・1977年秋発行)
「内外代表パーツ200機種によるマルチウェイ・システムプラン」より

●単体ユニットによるマルチウェイシステムと専用ユニットによるマルチウェイ・マルチアンプのプラン
 単体のシングルコーン型や同軸2ウェイ型ユニットをベースとする考え方の基本は、既製スピーカーシステムに専用ユニットを追加するプランと同一である。
 専用ユニットによるマルチウェイ・マルチアンプのプランは、もっともマルチアンプ方式らしい考え方で、現在市販されているスピーカーユニットとプリメインアンプを含む、アンプのすべてが選択の対象となる。その組合せも無限にあるといってもよいほどである。ここでは、スピーカーユニットとアンプ以外に、エンクロージュアが完成したシステムの成否を決定する重要なポイントである。
 たとえば、同じ材料と接着剤を使用しても、組み立てる人の手順によって簡単に結果としての音が変化するほど微妙なものであるから、エンクロージュアが完成してからケース・バイ・ケースで手を加え、希望する音が得られるまで調整をする必要がある。したがって、指定のエンクロージュアが単売されていればそれを使うことが成功への確実な切符となる。しかし、自らの音をクリエイトするマルチアンプの大きなメリットからはやや後退したことにもなるわけである。
 ウーファー用のエンクロージュアと同様に、4ウェイシステムで中低音にコーン型ユニットを使用する場合には、このためのエンクロージュアが必要である。既製のスピーカーシステムに採用されている容積を参考にするか、そのユニットを作ったメーカーに用途を説明して適切なる回答を得ることが必要であろう。
井上卓也

HIGH-TECHNIC SERIES-1 マルチスピーカー・マルチアンプのすすめ(ステレオサウンド別冊・1977年秋発行)
「内外代表パーツ200機種によるマルチウェイ・システムプラン」より

●既製スピーカーシステムに専用ユニットを加えるプラン
 ここでは、既製のスピーカーシステムにマッチした専用ユニットを追加して、かなり大幅なシステムのグレイドアップをしようとする考え方である。マルチアンプドライブ用のアンプには、セパレート型とプリメインアンプを組み合わせて使っているが、場合によればまったく同じプリメインアンプを使うことも面白い。この場合には、4チャンネルステレオにも利用できるし、マルチアンプ化を止めたときにも無駄が少なく現実的である。
 このプランは、基本的には追加する専用ユニットが、ウーファー、スコーカー、それにトゥイーターの場合があり、3種類のアプローチがあることになる。
 第1には、最近かなり機種が増加している超小型の2ウェイシステムや小型のブックシェルフ型システムをベースとして、ウーファーを追加し、フロアー型システムに匹敵するスケール感を求める方法。いわば、低音補強型であるが、場合によれば低音での指向性が問題にならないことを利用した3D方式とすれば、1本のウーファーでもかなり効果的な低音感を得ることが期待できるだろう。
 第2は、2ウェイスピーカーシステムに同系統の本格的なホーン型ユニットを追加してスコーカーとして使い、この種のシステムに感じやすい中域のエネルギー不足を解消しようとする考え方である。基本となるユニットの性能が高いだけに、グレイドアップとしてはかなり本格的なものが期待できるだろう。この変形として、トゥイーターとスコーカーにホーン型ユニットを使った3ウェイシステムに、中低音用として中口径のウーファーかフルレンジを追加することも考えられる。例えば、JBL 4333Aに2110を加え、4343に準じたシステムを狙うことになる。
 第3は、フルレンジユニットや、クロスオーバー周波数が比較的に低い2ウェイシステムに、トゥイーターを追加して高域のレスポンスを伸ばし、ステレオフォニックな音場感を拡くしようとする考え方で、グレイドアップの基本的な方法である。
井上卓也

HIGH-TECHNIC SERIES-1 マルチスピーカー・マルチアンプのすすめ(ステレオサウンド別冊・1977年秋発行)
「内外代表パーツ200機種によるマルチウェイ・システムプラン」より

●既製スピーカーシステムをマルチアンプ化するプラン
 マルチアンプ化するに相応しいスピーカーシステムは、基本的には、構成ユニット及びシステムそのものが、かなり高度の性能をもつことが条件である。現在のスピーカーシステムには、そのすべてではないがマルチアンプ用の接続端子が付属しているモデルがかなりある。そのほとんどはフロアー型システムであるが、ブックシェルフ型システムの場合には、特別の例でもない限りマルチアンプ方式とするだけのメリットはもっていないと考える。やはり、スピーカーシステム自体の価格に比較してアンプにかける投資があまりにも大きく、それに見合うメリットは望みえないからである。
 大型フロアーシステムは、ほとんどがマルチアンプ化への対象になる。一部のコンシュマー用として製作された大型フロアーシステムのなかには、ボザークのように完全にLCネットワークがエンクロージュア内部に収納され、容易にはマルチアンプ化が望めないものもあるが、逆にプロ用のアルテックなどは、比較的簡単にマルチアンプ化ができる例である。このような大型フロアーシステムは、基本性能が高いだけにマルチアンプ化のメリットは大きい。したがって、各ユニットにマッチしたパワーアンプとクロスオーバー周波数の選択により、現時点のオーディオとしてもっとも豪華なシステムとすることが可能だ。
 これに対して、中型のフロアーシステムは、ウーファーとエンクロージュアをベースとして専用ユニットを追加し、2ウェイ、3ウェイと発展させるプランの方が、システムを単にマルチアンプ化することよりもサウンド的には制約のない楽しみ方ができるであろう。
井上卓也

HIGH-TECHNIC SERIES-1 マルチスピーカー・マルチアンプのすすめ(ステレオサウンド別冊・1977年秋発行)
「内外代表パーツ200機種によるマルチウェイ・システムプラン」より

 しかし、この究極のオーディオシステムともいうべきマルチアンプ方式は、ある程度の障害を乗りこえてもチャレンジするだけの魅力を限りなく備えた独特の世界であり、今まで愛聴したディスクにこれほどの音が入っていたのかと驚かされることは、つねに経験するすることである。一度この世界に入ったオーディオファンのほとんどは、従来のLCネットワークの世界にもどることはないようである。とくに、現代のオーディオファンのように、幼少の頃から音楽や楽器のなかで育ち、学ばずして身に付けているとなれば、アンプとスピーカーをダイレクト結合し、スピーカーユニットの性能をフルに発揮させて、自らのオリジナリティのあるサウンドをつくるマルチアンプ方式は、基礎的な知識だけをマスターすれば、予想外に手軽に自らのものとできるにちがいなかろう。
 実際にマルチアンプ方式にアプローチをする場合には、そのプロセスとして各種の方法が存在することになるが、ここでは各種のマルチアンプ方式のサンプルプランを実例としてあげることにしたい。しかし、現実には、マルチアンプ方式は、実際にプランを練り、スピーカーユニットやパワーアンプ、コントロールアンプを選択して使ってみなければその成果はわからないといってもよい。そこで、スピーカーシステムやスピーカーユニットは、同一メーカーのユニットを使用することを前提とし、アンプもそれに従うことを原則として、一般のコンポーネントシステムの組合せと同じ考え方でシステムをまとめることにしている。しかし、エレクトロニック・クロスオーバーについては、すべてのメーカーで商品化されているわけではなく、まだかなりの制約があるのが現状である。
井上卓也

HIGH-TECHNIC SERIES-1 マルチスピーカー・マルチアンプのすすめ(ステレオサウンド別冊・1977年秋発行)
「内外代表パーツ200機種によるマルチウェイ・システムプラン」より

 このように、スピーカーとアンプが相応しいバランスとなった現在は、再びマルチアンプ方式にとって最適の土壌を得たようである。マルチアンプ方式は、オーディオ・コンポーネントシステムにとって、複数個のスピーカーユニットと複数個のパワーアンプを組み合わせて使用する、いわば究極的な方式である。このため、オーソドックスに採用すれば、経済的な制約を無視したとしても、方式そのものを理解し、適確にコントロールするための技術的な基盤と、最適なバランスを得るための経験の豊富さ、感覚が要求されることになる。オーディオに限らず、構成要素が複雑で高度な性能をもつ機器を正しく運用するためには、それに相応しい知識とトレーニングが必要であることに変わりはない。
 マルチアンプ方式は、LCネットワークでは望みえない数多くのメリットをもっている。LCネットワークでは、ウーファーの出力音圧レベルにくらべ、スコーカーやトゥイーターの出力音圧レベルが高く、ボイスコイルインピーダンスが等しいことがミニマムの条件として基本的に存在するが、マルチアンプ方式には、このいずれに対しても制約は皆無である。したがって、組み合わせるユニットの自由度が広いうえに、クロスオーバー周波数の選択、ハイパス側とローパス側の単独調整、遮断特性の選択、さらにQコントロールによるクロスオーバー周波数付近の細かい調整などの基本的なメリットがある。また、各社各様の専用ユニットに最適にマッチするアンプを幅広い対象のなかから選択できるメリットもある。
 しかし、スピーカーユニット対応するだけのパワーアンプが必要という経済面のデメリットもある。また、実用上での初歩的な、ユニットとパワーアンプの位相関係を含む接続ミス、ダイレクトにパワーアンプとスピーカーユニットが接続されていることに起因する、トゥイーターやスコーカーの不注意によるショック性のイズによる焼損、接続コードが多くなるためのハムやTV強電界地区でのバズ妨害などのトラブル、パワーアンプ選択時のパワーや利得、さらに、レベル調整の有無など数多くの注意点が必要である。おそらく、マルチアンプ方式のファンで、トゥイーターやスコーカーを焼損した経験のない人はないであろう。
井上卓也

HIGH-TECHNIC SERIES-1 マルチスピーカー・マルチアンプのすすめ(ステレオサウンド別冊・1977年秋発行)
「内外代表パーツ200機種によるマルチウェイ・システムプラン」より

 マルチアンプ方式というと、言葉の意味からして、あたかもアンプが中心となった方式のように思われやすい。しかし、オーディオの初期においてはアンプは存在せず、アンプが実用化された以後においても、つねにスピーカーがその中心の存在であることに変わりはない。マルチアンプ方式の場合も、スピーカーとパワーアンプを1ブロックとして考えるが、最終的にパワーアンプの音はスピーカーを通す以外には聴けないこともあって、スピーカーが主であり、パワーアンプは従属的な立場にある。つまり、いかに優れた性能を誇るパワーアンプがあったとしても、それにバランスのとれた優れたスピーカーがなければ、結果としての音にアンプのメリットが活かせないことになるわけだ。
 スピーカー関係のジャンルでは、エレクトロニクス関係のアンプのように、新素材、新技術が豊富に開発されず、変換方式においても画期的なものが出現していない。そのため、見かけ上の発展のテンポは遅く、技術的な成果もかなりベーシックな部分が主となり、着実に積み上げていくほかはないようである。
 昨年来、スピーカー関係でとみに目立つことは、主流を占めるブックシェルフ型システムをベースとしてて、中型から大形にいたるフロアー型システムが各社から相次いで製品化されたことだ。今年の全日本オーディオフェアでの大きな話題は、参考出品として近い将来に発売されるであろうモデルを含めた、この種のフロアー型スピーカーであり、それも高級機種が各社のブースに並んでいたことである。
 これらのシステムを構成する高性能ユニットは(単売されるユニット、それにシステムを含む)、マルチアンプ化プランには絶好の対象である。これを、2〜3年以前に、各社からハイパワーのセパレート型アンプが製品化されたものの、これらのアンプでドライブするに相応しいスピーカーシステムの少なさを嘆いたのと比較すれば、隔世の感があるといっても過言ではあるまい。
井上卓也

HIGH-TECHNIC SERIES-1 マルチスピーカー・マルチアンプのすすめ(ステレオサウンド別冊・1977年秋発行)
「内外代表パーツ200機種によるマルチウェイ・システムプラン」より

 かつて、シングルコーン型に代表されるフルレンジ型ユニットが主流を占めていた頃には、アンプとスピーカーはダイレクトに結合していたが、現在のスピーカーシステムのように、専用ユニットを使うマルチウェイシステムが登場し、LCネットワークがアンプとスピーカーの中間に入ることになった。それに対して、最近話題にのぼりはじめたマルチアンプ方式は、マルチウェイスピーカーには不可欠なLCネットワークを取り除き、再びアンプとスピーカーをダイレクトに結合してスピーカーの性能を最大限に引出そうとする方法である。
 スピーカーがマルチウェイ化に発展したことにパワーアンプを対応させ、スピーカーユニットとパワーアンプをひとつのブロックとして考えるマルチアンプ方式は、すでに4半世紀以前から考えられ、実用化されていた。その間理想的な再生方式としてたびたび話題を集めたことがあったが、高度な性能のスピーカーシステムほど高度な性能のアンプを要求し、しかも、スピーカーのユニットの数に対応させたパワーアンプが必要となると、現実的には実用性が少なく、しかも、技術的なSN比や歪率の劣化などの未解決な問題点も多かったためか、経済的にも技術的にも感覚的にも恵まれた、ごく一部のオーディオファンに支えられて現在にいたっているようだ。
 ところが、このところ、アンプ関係の技術の発展がいちじるしく、プリメインアンプの枠をこえて、機能単位に細分化し、一層の性能の向上を計るセパレート型アンプが脚光を浴び、機種のバラエティが豊かになってきた。と同時に、現在の技術に裏付けされ、各社各様に創意をこらしたエレクトロニック・クロスオーバーが製品化されてきている。それをみるとアンプ関係でのマルチアンプ方式に対する準備は、ほぼ完全にととのっているように思われる。
井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「読者の質問に沿って目的別のベストバイを選ぶより

 オープンリールのテープデッキを概念的に考えると、10号メタルリールを装着し、38cm/secで廻す2トラ38は、やはりテープデッキを入手しようとすれば、それ自体にこだわりたくなる存在である。
 たしかに、2トラック38cm/secの魅力は、業務用機器ではディスク制作用のマスターテープに使用される例に代表されるように、その情報量の大きいことはカセットデッキの約32倍であり、ディスクとはまったく異なった次元の音そのものにある。しかし、業務用機とコンシュマー用機との格差は非常に大きく、当然の結果として、それだけの価格差があるわけだ。これが2トラック38cm/secのデッキを考える場合の前提条件である。
 また、コンシュマー用機であったとしても、2トラック38cm/secの、これならではの世界を実感として味わうためには、特別の例でもないかぎり、マイク録音をしないかぎり鮮度の高いエネルギー感にあふれた音は得られない。平均的なFM放送のエアチェック用としては、送り出し側が19cm/secのことが多く、FM放送という電波の介在したプロセスを経れば、2トラック38cm/secでの録音は完全に録音側がオーバークォリティとなり、一般的には無意味といってもよい。
 さらに、テープのランニングコストを考えれば、コンシュマー用機には2トラック38cm/secは荷が重すぎ、現実の使用側をみても10号リールのテープは最初の1〜2本で、以後は7号が中心となるのが一般的な傾向である。
 最近の新しいデッキでは、2トラック19cm/secに焦点をあわせた製品が数を増す傾向が見受けられる。ルボックスB77がそれであり、デンオンDH510も38cm/secで使用できるが、基本的には19cm/sec指向型である。また、ポータブル機ではあるが、ウーヘル4200REPORT・ICやソニーTC5550−2も、このタイプの製品として貴重な存在である。
 2トラック19cm/secのデッキでの良い音を望む場合に必要なことは、そのデッキにピッタリとマッチしたテープの選択が重要である。ウーヘルとBASF・DP26HS、ソニーとDUADの組合せは定評があり、独特のテープオーディオの魅力をもった音を聴かせる。最近のテープには、従来の38cm/secを対象とした製品ではなく、19cm/sec専用のスコッチ♯1500/2000のようなユニークな製品が出ていることも19cm/secの魅力を一段と高めている。各社からこのタイプの製品が発売され、5号から10号にいたる選択の自由が得られれば、2トラック19cm/secは、コンシュマー用の主流となるはずだ。
井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「読者の質問に沿って目的別のベストバイを選ぶより

 セパレート型アンプは本来、コントロールアンプとパワーアンプが独立した存在であり、数多くの組合せのなかから、自分の望む音、それにふさわしいデザイン的なマッチングを楽しむことに、プリメインアンプには求められない独特の魅力の世界がある。しかし、実際にはその組合せの総数は莫大であり、それを試聴する機会が得られず、幸運に機会があったとしても、試聴をして自らの求める音を判断し選択するためには、十分にオーディオと音楽を熟知し、数多くの経験をもつ場合にのみ好結果が得られやすいという制約がある。
 したがって、同一メーカーのペアとして発売されている製品の組合せがもっとも成功率が高く、次に、同一メーカーのランクの異なった組合せが好ましいというかなり常識的なことになってしまうわけである。
 他社間の組合せの場合には、現在のセパレート型アンプでは、コントロールアンプに際立った音をもつ製品が少なく、パワーアンプのほうが平均的に水準が高く、ほとんどの製品が優れた性能と音をもっていることが選択の前提条件である。つまり、優れたコントロールアンプを選択することがポイントであり、次に、それと組み合わせて自分の求める音が得られるパワーアンプを選出するアプローチが確率の高い方法である。
 価格的な制約が30万円前後と狭い範囲に絞られると、候補製品はかなり限定されてくる。
 コントロールアンプとして考えられるのは、価格的に15万円が上限となる。まず、国内製品では、デンオンPRA1003、サンスイCA2000、ソニーTA−E88、テクニクスSU9070II、ビクターP3030、ヤマハC2とC4であり、海外製品では、マランツ♯3250がある。少し枠をこすが、GAS・サリア、SAE・MARK2900は、個性派でできれば使いたいモデルだ。
 パワーアンプは、同様に15万円をリミットとすれば、国内製品はかなり多く選択が難しい。海外製品は、QUAD♯405とマランツ♯170DCのみで、ダイナコMARKIII×2やSAE・MARK2200が範囲をこすが魅力をもつモデルである。
 実際に組み合わせて使用した経験からは、ヤマハC2+QUAD♯405、マランツ♯3250+QUAD♯405が、このクラスでは好結果をもたらした例である。予想の範囲では、GAS・サリアやSAE・MARK2900ベースのダイヤトーンDA−A15DC、ビクターM3030、ヤマハB4のAクラスとBクラスがデザイン的にも興味深く、マランツ♯3250ベースのパイオニアM25、ヤマハB4も一度試みたい組合せである。
井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「読者の質問に沿って目的別のベストバイを選ぶより

 カセットのポータブル機は、移動使用をするためにカセットハーフが360度内の立体的な位置の変化、さらに外部振動にも影響されずに安定した走行性が要求されるため、オーディオ用としても音のクォリティを条件とすると小型化は至難というほかはない。
 現在の平均的なポータブル機の重量は約4kgであり、外形寸法も大きく、これをもって野外の録音をしようとすると、ある程度以上の心の準備が必要である。もっとも典型的な肩掛け使用をする場合には、物理的な重量ももちろんであるが、肩掛け用ベルトの幅や材質、それに外形寸法では、横幅と厚さが感覚的な重さに直接関係をもつことを体験する。たとえば、横幅が狭く厚さが薄いほど心理的にも感覚的にも重さが軽減されるようだ。
 現在のポータブル機のなかで、気軽にポータブルならではの楽しみを味わうための製品としては、価格も併せてソニーTC2220が唯一の存在である。小型・軽量で、オートマチック録音機能を備え、電池の消耗も神経質にならないだけの寿命がある。また、音質的にも十分であるが、この製品に限らず、再生には高級デッキを使用すると予想以上の結果が得られるのは、ポータブル機使用の常識といってよい。
 やや価格が上がると、ビクターKD2がある。モニタースピーカーを除き、スーパーANRSを備えた機能と、ラフに使えるボディの仕上げが、いかにも実戦派といった印象である。電池寿命は長く、音質、走行性能、再生能力は、コンポーネント型の5〜6万円台に匹敵する汎用機である。
 10万円前後の価格になると、新しいソニーTC−D5が超小型、軽量機として最近のポータブル機の話題を集めている。単1型2本使用でもアルカリタイプなら5時間の録音が可能であり、自動テープ選択、ヘッドフォン専用レベルコントロールなどの機能を備えた、いわばTC2220の高級機だ。また、走行性、音質ともにコンポーネントシステムの常用デッキとして十分なものがある。
 テクニクスRS686Dは、ほぼフル機能をもった小型の高級機である。とくにイヤホーンでモニタできる実質的な3ヘッドならではの魅力は、一発勝負のポータブル機に必須なものだ。このデッキは電源の寿命がアキレス腱であるが、オプションの単1型7個使用のパワーパックを併用すれば、その大半はカバーできる。操作は、走行性が優れ、音質も滑らかでキメ細かいクォリティの高さが感じられるものだ。
 特別ランクは、ウーヘルCR210である。趣味性を加えると依然としてトップランクの存在である。実質的にはもっともスペースファクターが優れる。操作性は抜群であり、走行性は平均的に留まる。録音優先型の設計のため、再生には是非ともしかるべきデッキを使いたい。その音質は欧州系小型スピーカーに似た独特の魅力がある。
井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「読者の質問に沿って目的別のベストバイを選ぶより

 カートリッジは、コンポーネントシステムの音の入り口にあるため、トータルのシステムの音にかなりの変化を与えるものである。実際に複数個のカートリッジを用意し、聴いてみれば、容易にバランス、音色、表現などの変化を聴きとることができる。
 ここてテーマとなっている「グレイドアップのワンステップとして......」ということになると、そのベースとなるプレーヤーシステムがどのランクの製品であるかが最大の問題点である。単に、音色の変化などを楽しむということであれば、それなりの他紙の身は味わえるが、確実にグレイドアップをしただけのクォリティ的な改良が得られる、という条件にこだわると大変に難しい。それに、価格的制限が2万円までとなるとなおさらである。ここでは、プレーヤーシステムとして平均的と考えられる、4万円台から6万円台を対象としてみよう。
 カートリッジの価格を2万円までとすると、国内製品ではオーディオテクニカAT14E、FRのFR5E、グレースF8L10、少し範囲をこすか、テクニクス205CIISが考えられる。これらの製品は、発電方式がMM型で使いやすく、音色や表現力の変化というよりは、優れた物理特性をベースとした、付属カートリッジとは一線を画した純度の高い音が得られる。最近、とくに注目されているMC型では、デンオンDL103、サテンM117Eがあり、103はこの場合、最近のアンプには付属していることが多いMC型用ヘッドアンプを使うことになる。ともに、MC型らしい鮮鋭な音と明瞭な個性をもった定評あるモデルである。
 海外製品では、ADC・QLM36/II、AKG・P6E、エンパイア2000E/II、フィリップスGP401II、ピカリングXV15/750E、シュアーM95ED、スタントン600EEなどに注目したい。これらは、国内製品にくらべ個性が明瞭であり、クォリティというよりは音色、表現力の差を楽しむという使い方になる。海外製品には他にも同価格帯、それよりもかなり下の価格帯に興味深い製品があるが、使用するプレーヤーの基本性能、とくに安定にカートリッジを支持できるアームを使うことが前提となる。
 整理すると、素直にクォリティアップを望むなら国内製品のMM型、よりシャープで解像力の優れた音を求めれば、国内製品のMC型、音色の変化や音に対する反応や表現力の変化を期待すれば、海外製品ということになる。
 ここでは、表示価格を2万円までとしたが、実際に購入する価格として考えれば、対象となる製品の幅は飛躍的に広くなり、本格的なカートリッジによるトータルシステムのグレイドアップが可能になるはずだ。
井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「読者の質問に沿って目的別のベストバイを選ぶより

 現在市販されているスピーカーシステムでは、価格的にみれば、もっとも製品数が多く、需要が集中しているのは、2万円台の後半から5万円台にいたる範囲である。とくに、ここでテーマとなっている3万円台から5万円台の価格帯は、現在の標準ブックシェルフ型システムでいえば、小型から中型の製品がほとんどであり、最近とみに注目を集めている超小型システムの海外製品は、この範囲に入るものもある。
 もともとスピーカーシステムは、機械的なトランスデューサーであり、エレクトロニクスを中心としたアンプのように素材・技術の急激な変化や発展がないために、この価格帯になかにも発売された時期がかなり古い製品も多く、見逃しがちである。しかし、基本的な性能・音質が優れていれば、最近のように進歩が著しいアンプでドライブすれば、発売時期での印象がかなり変化することをよく経験する。また、発売時点が古いということは、物価上昇を考えれば、現在の同等価格の新製品よりも物量を投入してつくられていることも見逃せない点である。
 スピーカーシステムで必要なチェックポイントは、ステレオフォニックな音場再現と音像定位の問題が基本であり、次に、音量の大小でバランスが変化しないことがあげられる。これらは、オーディオ的な経験や知識をほとんと必要とせずチェックできるメリットがある。また、FMチューナーの局間のノイズ、ディスクのスクラッチノイズやテープデッキのテープヒスなどのノイズの量と質に的を絞ってチェックすることも、少し慣れれば比較的に容易であり、スピーカーシステムにとっては、再生音で判断されるよりもはるかにシビアな方法である。
 以上を簡単に整理すると、音場感では、前後方向の遠近感が十分にとれるかどうかの点である。たとえば、楽器などが横一列に並ぶのは最悪である。また、音像定位では、ヴォーカルなどの音像が小さくまとまり、音像の輪郭がクッキリとし、音像が移動しないことが大切である。ノイズは量的に少ないのが当然好ましく、質的には耳ざわりなものや音楽や音に影響が少なく、分離のよいものが好ましいということになる。
 推選できる機種はすでに選出してあり、数量的な制約上で残した機種をあげることにするが、これらはやや古い製品や地味で目立たぬモデルがほとんどである。ダイヤトーンDS261、デンオンSC104、オンキョーM6II、パイオニアCS516/616、サンスイSP−L250、ビクターSX55、ヤマハNS−L225/325、セレッション・ディットン15XR、ダイナコA40XL、B&W・DM4/IIなどがこれに該当する製品である。

マランツ Model 5420

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

とかく、弱々しいカセット欠点を覆したダイナミックさが独得。

ヤマハ TC-800GL

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

ユニークなデザインとDC動作が可能なポータビリティは特異な存在。

ビクター KD-25SA

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

コンパクトで、レベルセッティングをしやすい機能は際立った存在。

マランツ Model 5030

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

カセットらしからぬパワフルで活気のある音を聴かせる個性派の代表機。

ソニー TC-K96R

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

待望のオートリバース録音・再生を可能とした機能そのものが魅力。

ソニー TC-2220

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

小型、軽量でポータブル機の魅力を十分に味わえる実用機。

ソニー EL-7

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

コンパクトなエルカセットのメリットを生かした小型な高級機である。

ソニー EL-D8

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

自動テープ選択を備える唯一のポータブル機として貴重な存在だ。

パイオニア CT-700

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

トータルバランスが優れ、商品性の高さはさすがにパイオニアである。

Lo-D D-650

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

中級機に3ヘッドの魅力をもたらした独得の走行系は見事である。

パイオニア CT-600

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

バーサタイルに各種テープをこなせる安定した音がこのクラスでの魅力。

ソニー TC-K60

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

曲間自動頭出しと独得のピークメーターを備えた実用性抜群の傑作。

ビクター KD-2

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

魅力のスーパーANRS装備のタフネスさを誇る実用デッキの代表作。

ソニー TC-K6

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

高級機に匹敵する充実した内容をもつソニーならではの製品である。

ソニー TC-K5

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

数ある同クラスのモデル中で流石に一味違う魅力を味わわせる実力派。

デンオン DR-750

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

現代のトップランクモデルらしい性能と見事な音を聴かせる超高級機。

テクニクス RS-686D

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

コンポーネント機に匹敵する性能、機能、音質をもつ超小型高級機だ。

Lo-D D-7500

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

新ホール素子を導入した技術とトータルバランスの高さが魅力的。

ソニー TC-K7II

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

現代カセットデッキのリファレンスにできる名実ともに標準機である。

サンスイ SC-7

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

フレッシュで爽やかなカセットサウンドの魅力を聴かせる中級機だ。

ソニー TC-K8B

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

オーバーオールの性能の高さと音質、商品性が高いソニーのトップ機。

ビクター KD-85SA

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

パノラミックディスプレイ採用の斬新さと優れた音質が魅力である。

ウーヘル CR210

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

実質的にもっとも小型機の魅力を味わわせてくれる趣味のポータブル。

ヤマハ TC-1000

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

性能、機能を重視した見事な音を聴かせる高級機の代表作。

テクニクス RS-M85

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

超薄型パネルを採用し、抜群の走行性の高さを誇る素晴らしいモデル。

ソニー TC-8750-2

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

類例のないピークメーターを装備したソニーらしいまとめ方が魅力。

ビクター TD-4000SA

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

リーゾナブルな価格で、カセットデッキのマスターとして使える魅力。

ティアック 40-4

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

新しいアマチュア録音の魅力を開いたTEACの野心作だ。

パイオニア RT-2044

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

すべてのトラック、速度、マルチに対応できる多機能は他にない魅力。

デンオン DH-510

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

2トラック19cmに的をしぼった企画そのものが抜群の魅力である。

テクニクス RS-1506U

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

性能、音質、走行性のバランスが素晴らしい4トラックの代表機だ。

デンオン DH-710F

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

見事な走行系メカニズムをもつ安定感、信頼性の高い実力派の典型。

ルボックス A77MKIV

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

高級ディスクファンの長期間にわたる熱い注目を集めた傑作モデルだ。

スチューダー B67

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

アマチュア録音の最高級として是非とも狙いたいプロならではの世界。

ステラボックス SP8

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

カセットポータブルより小さい38機としてルポ用には最高のモデル。

ルボックス HS77MKIV

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

小型軽量で長期間トップモデルの座を維持する実力は驚きである。

ナグラ VI SD

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

QGB使用でマスターデッキとして使える性能は夢のポータブルだ。

ルボックス B77

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

2トラック19cmの高クォリティを提示する老舗らしい自信作である。

ソニー TC-5550-2

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

オープンリールポータブル機として国内製品唯一の存在時代が魅力。
井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

無類のタフネスを誇る信頼性と音質のよさはマニア必携のモデルだ。

EMT 929

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

TSD15の専用アームとして不可欠の存在。これが本当の音だ。
井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

現在では少ないダイナミックバランス型独特の安定感が際立つ。

オルトフォン RMA309

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

Aシェル付SPUの本来の魅力を引き出す信頼性の高さは見事である。

ソニー PUA-1600S

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

高感度と安定性を両立させた本来のユニバーサル型らしい魅力をもつ。

デンオン DA-305

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

シンプルな業務用機器的なデザインと性能がバランスした実用機。

デンオン DA-308

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

デンオンらしく安定度を一段と向上した信頼性の高さが魅力的。

オルトフォン RMG212

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

独特の優雅にS字を描くパイプの曲線は見るだけで楽しい。
井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

業務用として開発された安定度の高さを誇るロングセラーモデルだ。

ビクター UA-7045

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

幅広くカートリッジに対応し、個性を引き出す信頼性の高さは抜群。

SME 3009/SIII

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

スケールモデルエンジニアリングらしい超精密工作はものすごい魅力。

ソニー TTS-8000

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

現代的にサーボ能力をフルに生かした性能の高さは同社独特の魅力だ。

ビクター TT-101

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

音質が優れたフォノモーターとして、その定評の高さは抜群である。

マイクロ DDX-1000

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

ユニークなデザインをもつ意欲的な作品である。個性的な魅力は抜群。

デンオン DP-7000

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

業務用の経験をコンシュマー用に生かした性能と安定性は流石に見事。

マイクロ SLC80WX

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

専門メーカーらしい実力とノウハウを結集したトップランクモデルだ。

スタントン 681SE

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

大人っぽい洗練さと力強い表現力をもつ現在では異例の音である。

AKG P6E

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

力強く明快で、適度に重厚な魅力をもったAKGらしい魅力である。

AKG P8ES

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

音の細部のデリケートさを見事に引き出す高品位で優雅な音が魅力だ。

エンパイア 2000Z

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

伸びやかで適度に活気があり、表情が明るい都会的な魅力。

フィリップス GP422II

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

軽くしなやかで、独特の艶やかな音は素晴らしい個性である。

ソニー XL-55pro

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

ユニークな発電機構を一体化シェルに組み込んだ業務用機器的な魅力。

デンオン DL-103S

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

現在の放送局用カートリッジとして抜群の安定度と信頼性の高さ。

グレース F-10L

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

バーサタイルに使えるMC型としてトータルバランスの高さが特徴。
井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

シェル一体型の繊細さのなかに暖かさがある新しい魅力がある。

ビクター MC-1

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

ダイレクトカップリングの魅力を感じさせる鮮明さが個性的である。

サテン M-18BX

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

驚くべき発電効率の高さと超精密工作を誇る芸術品的な貴重な存在。

アントレー EC-10

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

細やかなデリケートさとフレッシュさを併せた爽やかさが魅力的。

スタントン 881S

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

ラボラトリースタンダードの現在の基準となるスタントンらしい音だ。

デンオン DL-103

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

現在最高のロングセラーを誇るMC型の原点ともいえる傑作である。

オルトフォン SPU-A/E

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

伝統を感じさせる重厚で洗練された、これならではの貴重な音である。

EMT XSD15

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

ディスクの音ながらテープの感覚を感じさせる業務用独特の貫禄。

デッカ Mark V/ee

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

正統的なダイレクトカップリングの魅力を一段と洗練した個性派だ。

エンパイア 4000D/III

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

高級なブランデーに似た味わいをもったソフィスティケートな魅力。

シュアー V15 TypeIV

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

常に新しい話題を提供するシュアーらしさが十分にある製品である。
井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

MC型独特の繊細さに力強さを加えたFR最高の見事な製品。

オルトフォン MC20

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

現代的な物理特性のよさをもった新しいオルトフォンの魅力である。

マカラ 4842A

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

エアーコントロールの独特の技術を活かした高級機の新しい顔だ。

ヤマハ YP-D10

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ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

超重量級の安定度を重視したアームが目立つヤマハの高級モデルだ。

デンオン DP-1600

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

ベストセラー機らしいオーバーオールのバランスの良さが魅力的だ。

ビクター JL-B37R

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

定評ある技術を結集した価格を感じさせぬ性能と音質が魅力的である。

テクニクス SL-FM1

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

FMマルチ付プレーヤーとして行動派には好適の新しい魅力だ。

デンオン DP-7700

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

定評あるデンオンプレーヤーを代表する完成度の高さが独特の魅力。

ダイヤトーン DP-EC3

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

電子制御を中級機の価格帯にもたらした新鮮な魅力をもつ製品。

ヤマハ PX-1

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

超重量級のベースとリニアアームを採用した超高級オート機の本格派。

パイオニア XL-A800

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

パイオニアの電子制御を導入した第一作。動作は軽快で素早い。

サンスイ SR-838

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

音質を重点的に開発された充実した中域のエネルギー感が独特の魅力。

デンオン DP-2500

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

中級マニュアルプレーヤーとして推奨に値する性能と音質をもつ。

ダイヤトーン DP-EC1MKII

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

電子制御を導入した新世代のプレーヤーの第二世代として見事な製品。

ソニー PS-X9

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

セミプロ機の世界を開いたソニーらしい新構想のシステム製品だ。

ルボックス B790

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

類例を脱したユニークな発想をもつ趣味性の豊かさが独特の個性だ。

EMT 930st

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

業務用機器の魅力を十分に感じさせる充実した性能と機能、音である。

ビクター QL-A7

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

独特のチューニングを施した活気のある高いクォリティの音が特長。

ナカミチ Nakamichi 730

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

全タッチコントロールを導入し見事にまとめ上げた実力の高さは抜群。

マランツ Model 150

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

スコープディスプレイをもつ伝統的なマランツの味をもつ現代版。

パイオニア F-007

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

読取精度抜群のダイアルを誇るFM多局化時代対応の進歩性が魅力。

ビクター T-7070

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

シンセサイザーチューナーとしてオーソドックスにつくられた実力派。

デンオン TU-1000

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

レギュラーサイズのシンセサイザーチューナーの手堅い製品である。

ビクター T-50F

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

新方式検波回路をもつローコストの超高級機。ノイズの違いがわかる。

パイオニア Exclusive F3

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

高級機らしい見事な仕上りをもつ現代でも第一級の性能は流石だ。

ヤマハ T-2

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

マニュアルチューニングの楽しさを残した超薄型の高級機。

パイオニア F-26

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

超薄型チューナーとしてシンプルな魅力を感じさせる高性能機である。

セクエラ Model 1

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

パノラミックディスプレイをもつ現代チューナーの最高峰をゆく魅力。
井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

極限にまでシンプル化した操作性は現代チューナーのひとつの顔だ。

SAE Mark 2200

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

木綿の肌ざわりを思わせる、爽やかで力強い音が独特の魅力である。
井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

パワフルで、緻密で、十分に厚みのある中域は高級機の風格。

ソニー TA-N88

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

現代テクノロジーを結集した性能の高さと、独特の音が魅力的。

マランツ Model 170DC

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

ワイドレンジで、しかも中域のエネルギー感をもつミニ高級機である。

スチューダー A68

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

業務用機器らしい安定度と信頼性の高さに魅力があるユニークな存在。

ビクター M-7070

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

シャープで透明感があり、表情が生き生きとした同社の最高級機。

デンオン POA-1003

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

反応が早く鮮度の高い音は、いかにも現代のDCアンプの特徴だ。

ヤマハ B-I

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

安定して落着いた音をもつ高級機らしい風格は現在も変らない。

テクニクス SE-9021A

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

ローコストのセパレート型アンプとして新鮮な音が際立った製品。

GAS Grandson

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

40Wとは思われぬ力強い音をもち、中域が充実した注目の製品である。

デンオン POA-1001

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

個性的な構造、優れピークメーターと正統派の音をもつ確実な製品。
井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

音の粒子が細かく滑らかで、独特の個性的な音をもつ魅力ある製品だ。

Lo-D HMA-9500

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

柔らかく、暖かく、十分に磨き込まれたサウンドクォリティは独特。

ビクター M-3030

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

力強く安定した低音をベースに活気のある音は同社ならではの魅力。

ソニー TA-N86

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

爽やかで健康的な音を聴かせるソニーならではの個性が特徴だ。

ルボックス A740

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

ヨーロッパ系アンプ独特の魅力を聴かせる数少ない貴重な存在。

ダイヤトーン DA-A15DC

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

ユニークなデザインとハイパワーをバックにしたサウンドが魅力的。

アキュフェーズ M-60

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

モノ構成のハイパワーアンプらしく、エネルギー感は流石に見事。

テクニクス SE-A1

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

天動説を地動説に変えたユニークな発想と巨大なパワーが魅力的。

マッキントッシュ MC2300

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

実質的に600Wを感じさせるパワー感は、現在の高出力機の王者だ。

テクニクス SE-9060II

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

コンパクトなパワーアンプとして幅広く使える信頼性の高さが特徴。

ヤマハ B-3

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

反応が早く、鮮明でフレッシュな音とデザインが個性的な魅力である。

GAS Ampzilla II

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

IIとなって低域が充実し安定感を一段と高めたウォームトーンが魅力。

パイオニア M-25

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

弾力的で伸びやかな音と機能に徹したデザインが独特の魅力である。

マークレビンソン ML-2L

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

定格出力と聴感上のパワー感の常識をくつがえした超高級モデルだ。

QUAD 405

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

コンパクトでパワーがあり、反応の早い音は、これならではの魅力。

ヤマハ B-4

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

現代のA級増幅の魅力の世界を聴かせる内容の充実した新製品。

マランツ Model P510M

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

現在のリファレンスパワーアンプの座を維持する実力派の貫禄がある。

パイオニア Exclusive M4

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

A級アンプの独特な魅力の世界を開いたパイオニアとして貴重な存在。

SAE Mark 2100

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

スッキリと割り切った現代的な音と独特のイコライザーが際立つ製品。

ヤマハ C-I

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

多機能コントロールアンプの先鞭をつけた高級機のひとつの典型だ。

デイトンライト SPS MK3

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

異例のプロポーションをもつユニット型アンプらしい構造が個性的。

サンスイ CA-2000

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

スッキリと爽やかなプレゼンスを聴かせる見逃しがちな力作。

ウエスギ U-BROS-1

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

暖かく、それでいて独特のプレゼンスの豊かさをもつ管球ならではの音。

アキュフェーズ C-200S

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

C200の内容を充実させ現代的となった信頼度の高さが魅力である。

デンオン PRA-1003

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

適度に反応が早く、フレッシュな音をもつデンオンの新しい魅力。

マランツ Model 3250

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

このクラスとしては抜群の伸びやかな音を聴かせる注目の製品である。

テクニクス SU-9011A

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

価格を感じさせぬクォリティといきいきとした音は新しい魅力だ。

マッキントッシュ C27

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

現代アンプの純度とは異なった、井戸水の自然さを感じさせる音だ。
井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

他では求められない、暖かく豊かで、力強さを秘めた独特な魅力。

GAS Thalia

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

現代アンプとしては、力強く彫りの深い音をもつ爽やかな製品。

ソニー TA-E86

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

独特の構造を採用した、伸びやかな音をもつソニーの魅力的な製品。

マランツ Model P3600

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

際立った特徴をもたないが、比較試聴に強いのはやはり伝統である。

ビクター P-3030

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

超薄型パネルにフル機能を装備し、活気ある音を聴かせる野心作。

ソニー TA-E88

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

新しいソニーの音を感じさせるフレッシュさと構造が魅力的である。

ビクター EQ-7070

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

独特のシャープで解像力の優れた魅力をもつ現代アンプの代表作。

テクニクス SU-A2

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

コントロールアンプの世界最高に挑戦したテクニクスならではの製品。

テクニクス SU-9070II

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

IIとなって格段に内容の濃さと表情の伸びやかさが加わっている。

パイオニア Exclusive C3

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

M4とのコンビは今もって国内製品のティピカルな存在である。

AGI Model 511

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

初期にくらべ格段に洗練度を増したこのクラスのトップモデルだ。

GAS Thaedra II

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

現代を代表するウォームトーン系の厚みのある音は貴重な存在である。

マークレビンソン ML-1L

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

マークレビンソンのディスクの世界を聴かせるハイクォリティの音。

ラックス CL36

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

古典的といわれた管球アンプの伝統をくつがえした新しい魅力は見事。

マークレビンソン LNP-2L

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

録音・再生アンプながらディスクにも最高の結果は全く見事である。

ヤマハ C-2

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

キュートに引き締ったシャープな魅力はセパレート型ならではのもの。

ヤマハ C-4

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

バーサタイルにパワーアンプを選べるセパレート型らしさが特徴。

マランツ Model 1122

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

安定感があり、力感が十分にある低域と活気のある表情が魅力である。

デンオン PMA-850

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

全段プッシュプル構成の優れた性能を秘めた落着いた実力をもつ。

ヤマハ CA-R1

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

おだやかな音の中に緻密で十分に磨かれた音楽性の高さが特徴。

マランツ Model 1180

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

現代アンプらしいワイドレンジ感と中域の充実した魅力はマランツだ。

ビクター JA-S77

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

同じ兄弟としてつくられているが、S55の流石に上級らしさがある。

サンスイ AU-607

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

独特のプレゼンスのよさを聴かせる中級機の中の個性派である。

ビクター JA-S55

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

柔らかく豊かなサウンドに感じられる活気は、やはり血統である。

ヤマハ A-3

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

物理的特性の高さを裏づける粒立ちのクリアーさと細やかさが特徴。

マランツ Model 1250

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

セパレート型の魅力を凝縮した内容の濃い長時間使える安定感がある。

パイオニア A-0012

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

洗練された、しっとりとして落着いた魅力を聴かせる同社の最高級機。

サンスイ AU-707

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

バーサタイルにスピーカーをドライブできる信頼性の高さが特徴だ。

ヤマハ CA-2000

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

安定した実力を示す、プリメインらしいトータルバランスは見事だ。

トリオ KA-7300D

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

感覚的にフレッシュさがあるトリオのアンプを代表する現代アンプだ。

ヤマハ A-1

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

プリメインに新しい形態を導入したヤマハらしさが爽やかである。

デンオン PMA-830

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

フレッシュな魅力を感じさせるA級動作付の新デンオンの力作。

ラックス LX38

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

管球アンプの新しい魅力を提示した同社ならではの優れた作品だ。

サンスイ AU-D907

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

JBLをもっともよくドライブできるプリメインのトップランク製品。

ダイヤトーン Monitor-1

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

PCMモニター用らしい超高帯域と大きなスケール感は見事である。
井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

伝統的なEVサウンドをもっとも正統に伝えたセミモニターシステム。

ヤマハ NS-1000

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

落着いて、緻密さがある渋い音をもつ、いわば大人の魅力である。

タンノイ Eaton

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

小型でタンノイの魅力を味わえる製品。落着いて音楽が聴ける。

ビクター SX-7

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

ソフトドーム型で、活発な表情をもつクォリティの高い製品である。

ビクター GB-1H

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

使用範囲がオーディオをこえたロングセラーぶりは異例ともいえよう。

オンキョー M3II

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

Mシリーズ中でもっともバランスが優れた完成度の高い製品である。

サンスイ SP-L150

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

十分に伸びた高域と中域のエネルギー感が特徴の、目立たない正統派。
井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

比較的に新しい製品だが、老舗の貫禄を示した、らしい製品である。

アルテック 612C Monitor

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

伝統的なスタジオモニターのサイズでまとめた実力はさすがに見事だ。

ダイヤトーン Monitor-7

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

2S305の発展型モニター3のイメージを踏襲した小型モニター。

ダイヤトーン DS-40C

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

明るく伸びやかな音のリーゾナブルな価格の中型フロアーが魅力だ。

デンオン SC-105

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

定評あるSC104をベースにしたオーソドックスなバランスが好ましい。

スキャンダイナ A403

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

滑らかで、密度が濃い音をもつトータルバランスの高さが好ましい。

ダイヤトーン DS-30B

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

弾力的で力感のある低音は、同社の数ある製品中でも目立った存在。
井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

全帯域ユニットらしい音色の統一と独特の軽やかさは他にない魅力。

オーラトーン 5C

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

超小型システムの流行の発端となった製品。中域の力感は見事である。

テクニクス SB-X01

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

木のエンクロージュア使用の軽やかで適度に反応の早い軽快な魅力。

ボザーク B4000A Moorish

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

充実した内容の濃さをもつ、渋い魅力をもった一流品ならではの貫禄。

ダイヤトーン DS-90C

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

新素材の大口径ウーファーの反応の早い、軽い低音は独特のものだ。

ダイヤトーン DS-35B

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

DS28Bの独特なプレゼンスを受け継ぎ、豊かな低域をもつ同社の代表作。

サンスイ SP-L100

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

中域が充実し、ヴォーカルのリアルさに独特の魅力をもつ正統派。

パイオニア CS-X3

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

既に多くの愛用者をもち、安定した評価をもつ机上のメインシステム。

キャバス Brigantin

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

これならではの、しっとりと落着いた音を聴かせる一流品の貫禄。

ブラウン L300

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

大口径ソフトドームユニットの魅力を生かした3ウェイらしさが魅力。

ヤマハ FX-1

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

現代的なヤマハサウンドを象徴する鮮烈な魅力をもつ高級機である。

ダイヤトーン DS-5B

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

超小型モニターとしても使いうる性能と音は、さすがに同社の作品。

アルテック 620A Monitor

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

新しき装いをもつ伝統をバックにした完成度の高いモニターである。
井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

ホーンドライバーの経験を生かした充実した内容の本格派の製品。

ヤマハ NS-890

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

独特の構想による4ウェイ構成の最新作。スムーズなレスポンスだ。

ヤマハ NS-690II

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

ソフトドームのしなやかで密度が濃い音をもちバランスの高さが魅力。

JBL 4301WX

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

プロ用モニターのサウンドを感じさせる小型システムの典型的作品。

KEF Model 103

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

小型モニターとしても使える音と性格をもつKEFならではの製品。

B&W DM5

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

新しい英国の音を感じさせる、しなやかで爽やかな音が素晴らしい。

JR JR149

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

ディフィニションがよく、細部を鮮明に聴かせる音場空間再現型。

デンオン SC-106

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

新30cmウーファー使用のピアレスユニットを使いこなした代表作品。

ヴィソニック David 50

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

超小型システムに独特の洗練した音を聴かせる同社の代表作品だ。

シーメンス Eurodyn

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

正統的なドイツ系の音を伝える西独スピーカーの文字通りの王者。

ボザーク B410 Moorish

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

米東海岸の重厚で、独特な渋さのある音を正統的に現代に伝える製品。

JBL 4333A

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

JBLモニターシリーズとして最高の完成度を誇る3ウェイ機だ。

アルテック A5

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

巨大なエネルギーを感じさせる中域は大型ドライバーの独特の魅力。

ソニー SS-G7

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

物量を投入して正統的につくられた中型フロアーのトップランク製品。

デンオン SC-107

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

ダブルウーファーの使用の豊かで柔らかい低域ベースの安定感が魅力。

KEF Model 104aB

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

音像定位がシャープで、プレゼンスの豊かな音場感の再生は独特だ。

ダイヤトーン 2S-305

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

放送モニターシステムとして作られた安定度と信頼性の高さは別格。

サンスイ SP-G300

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

小音量でスケール感とプレゼンスが優れるフロアーならではの魅力。

ロジャース LS3/5A

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

超小型モニターらしいし近距離でのフィデリティの高さは抜群だ。

ダイヤトーン DS-201

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

高密度設計の伝統を受け継いだ小型の高級ブックシェルフ独特の音だ。

ダイヤトーン DS-25B

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

現代的に明快で引き締った音で、表情のフレッシュさと安定感が魅力。

JBL L300

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

現在のJBLを代表する実力を十分にもつコンシュマー用の高級機。

ヤマハ NS-10M

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

NS451ゆずりの活気のある、明るくフレッシュな表情が特徴。

UREI Model 813

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

古き器に新しき酒をもった伝統と技術の巧みな調和は強烈な魅力だ。

パイオニア CS-955

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

発売当初に比べ驚くほどの完成度を高めた名実ともに同社の代表作。

ビクター SX-3III

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

2度の改良を経て完成度を高めた、内容の濃い同社の中級機。

JBL D44000 Paragon

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

造形的にも素晴らしいデザインをもつ、それだけで高級な家具である。
井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

良き時代のコーナーホーンの魅力を現代に残す貴重な存在である。

タンノイ Arden

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

オリジナル・タンノイの魅力を最も多く受け継いだ事実上の最高級機。

スペンドール BCII

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

間隔を十分にとって置き、プレゼンスの豊かさを味わうべき製品だ。

JBL 4343

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

現在のリファレンススピーカーの実力をもつモニターのトップモデル。

ヤマハ NS-1000M

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

着実に完成度を高めた国内ブックシェルフ型の代表的作品である。

QUAD ESL

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井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ'78ベストバイ・コンポーネントより

後を追う数多くのESLを寄せつけない完成度の高さはさすがである。

デンオン SC-5000

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井上卓也

ステレオサウンド 56号(1980年9月発行)
「Best Products 話題の新製品を徹底解剖する」より

 デンオンのフロアー型システムは、古くはコロムビアブランドの時代から常にシリーズのなかに核時代を代表するモデルが存在していた。70年以降の最近の例でも、デンオンが輸入をしている米ボザーク社の大型システムの陰にかくれた印象があったが、41cm口径コラーゲンウーファーと中音及び高音にホーン型を採用したVSS8000、40cmコーン型ウーファーをベースに独特な音響レンズを持つホーン型の中音と高音を組み合わせたD9があった。
 今回のSC5000は、デジタル録音やダイレクトディスクに代表されるプログラムソース側の高性能化に対応すべく高能率、高耐入力、低歪率なスピーカーシステムを実現する目的で開発された新製品だ。その最大の特長は、High−M(高剛性)振動板を開発し採用した点にある。この新タイプ振動板は、低域用にはPタイプと呼ばれる、伝統的な紙の利点を最大限に活用し、特殊なリブ一体成型の特性ラミー繊維を木材パルプに配合し剛性を高めながらも軽量化が可能で、ピストン振動帯域を従来の約1・5倍の1kHzにまで高めたタイプを採用している。磁気回路は、直径220mmのフェライト磁石使用で低歪化がおこなわれ、直径100mmのボイスコイルの磁束密度は11、000ガウスを誇っている。
 15cm中域用と5cm高域用ユニットは、Tタイプと呼ばれる高弾性アラミド繊維織布を特殊樹脂で強化したコーン採用だ。磁気回路は中域用が直径140Mmフェライト磁石、高域用が直径120mmストロンチウムフェライト磁石採用で、それぞれ97dB、97・5dBとコーン型としては異例の高能率を発揮している。
 エンクロージュアは、側板が3種類の高密度パーチクル板をサンドイッチ構造とした35mm厚。他は25mm厚高密度パーチクルボード使用の185ℓのバスレフ型である。
 SC5000は、充分に余裕のある安定した低域をベースに比較的反応が速く、明るく軽快な音色の中域と高域がスムーズなレスポンスでつながるワイドレンジ型の音である。キャラクターが少ないため97dBという高能率ながら刺激的な感じがなく、ゆたりとエネルギー感のある音が聴かれる。アンプ、カートリッジに対する反応はかなり鋭敏で、固有のキャラクターの少ないタイプでないと本領が発揮されない。

ダイヤトーン DS-505

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井上卓也

ステレオサウンド 56号(1980年9月発行)
「Best Products 話題の新製品を徹底解剖する」より

 ダイヤトーンのスピーカーシステムは、長期間にわたる放送用モニタースピーカーを主とした業務用機器での技術開発と実績を背景として、これをコンシュマーユースの製品開発に活かすという、他のメーカーにはない特長がある。
 業務用機器では要求される物理的な特性をベースに、高信頼度、高安定度が必須の条件である。たとえば、ユニット構造ひとつを例にあげても、同社の製品はコーン型ユニットを主とし、これにドーム型ユニットを中域、高域に配する手法が基本的である。振動板材質でも長期にわたり安定した性能を備え、充分に使いこなした紙がメインであり、高分子化合物のフィルムや金属などの採用は、むしろ例外的な使用ということもできるほど同社の設計方針は堅実である。
 今回発表されたDS505は、ユニット構成、新種振動板材料の全面採用、新型ネットワークなど、いずれの点からみても従来の製品とは一線を画した80年代の新システムともいうべき意欲的な製品である。エンクロージュアは完全密閉型を採用した大型ブックシェルフ型であり、同社の製品のなかでの位置づけは、小型、高密度設計をテーマとした高性能ブックシェルフ型の3桁のモデルナンバーをもつ、最初期のDS301、これに続くD303という、それぞれの時代に存在したブックシェルフ型システムのトップモデルを受け継ぐ同社のプレスティッジモデルである。
 DS301、DS303、DS505はともに4ウェイ構成である点は共通であるが、それぞれの時代のプログラムソースであるディスクの基本性能、それを再生するスピーカーシステムに対する要求の相関性から、4ウェイ構成のクロスオーバー周波数の設定には非常に興味深い変化があることに気付く。
 DS301が低域と中域のクロスオーバー周波数を比較的高い1・5kHzとし、それ以上を3ウェイ構成とした、いわば2S305のトゥイーター帯域を3個のユニットに分担させた高域重視の設計であったのに対して、次のDS303は、低域と中域のクロスオーバー周波数が約1オクターブ下った600Hzとなり、標準的3ウェイ構成プラス・スーパートゥイーターという設計に発展している。今回のDS505は、さらにクロスオーバー周波数が低く、350Hzとなり中低域と中高域が1・5kHz、中高域と高域が5kHzというブックシェルフ型システムとしては異例の本格的な4ウェイ構成に発展している。
 また、中域以上の振動板材質でも、DS301が紙系を主としたドーム型と超高域にメタルコーン型を採用していたのに対して、DS303では中域がフェノール系ダイアフラムのドーム型、中高域がパルプ系のドーム、超高域が軟質アルミのドーム型という材料の分散使用に変る。D得する505は、定位機中低域が数年前にダイヤトーンで開発し、製品に一部採用されたハニカムコンストラクションコーンのスキン材を改良し、新しくスキン材に芳香族ボリアミド系樹脂であるアラミド繊維で強化された可撓性レビンを特殊配合し、内部損失をもたせた新ハニカムコンストラクションコーンを採用した32cmと16cm口径のコーン型を使用している。
 一方、中高域と高域には、従来のドーム型の構造を抜本的に発展させた、ボイスコイルボビン部分とドーム型ダイアフラムを深絞り一体構造とし、 
これにサスペンション用のダンパーを接合した直接駆動型ボロン化ダイアフラムを採用している。ボロン化は、チタン箔を深絞り加工した後に、高温ボロン化処理をしたサンドイッチ構造の従来の方法とは異なるタイプで、全て社内で製造されている。
 その他、低域、中低域ユニットボイスコイルボビンを従来のポリアミドフィルムの約3倍のヤング率をもち、耐熱性、耐寒性が優れたポリイミドフィルムの採用、磁気回路のストロンチウム磁石と独自のニッケル系磁性合金を使った低歪磁気回路などがユニットで注目すべきところだ。
 エンクロージュアは、モーダル解析をベースに、ヒアリングをも加えて検討された完全密閉型であり、丈夫の中低域ユニット部分は独立した大型のバックチャンバーを備え、高音ユニットは、このバックチャンバー部分に取り付ける構造を採用している。ネットワークは、12dB/Octタイプだが、コイル関係の硅素鋼板を特殊樹脂で熱圧着積層した新タイプの採用、二重防振構造のポリエステルフィルムコンデンサーなどの主な素子を分散配置し、配線剤の無酸素銅化をはじめ、素子や配線の圧着方式によるワイヤリングをベースに新しい構想に基づくネットワーク理論の導入により、従来とは一線を画した低歪ネットワークとし、各ユニットの基本性能を充分に発揮できるように検討されている。
 DS505は、ステレオサウンドのリファレンスシステムで駆動したときに、従来には聴かれなかった広い周波数レスポンスとナチュラルなエネルギーバランス、全域にわたる高い分解能を示し、ここには、慣例的に持っていた、いわゆるダイヤトーンサウンドを感じさせるイメージはほとんど存在しない。
 とくに、各種ディスクの録音状況、製盤プロセスの優劣に対する反応はシャープでありマルチトラック録音でトラックダウンをしたディスクでは、エンジニアのテクニックが目に見えるように聴き取れる。また、使用コンポーネントに対する反応もシャープでアンプやカートリッジの得失をクリアーに引き出す。
 したがって、使用方法、使用条件によって、結果としての音はかなり変化をし、短時間の試聴では新世代のリファレンスモニター的傾向は把握できるが、にわかには、これがDS505の音と判断することはできない。それほど、異次元のシステムであるわけだ。
井上卓也

音[オーディオ]の世紀(ステレオサウンド別冊・2000年秋発行)
「心に残るオーディオコンポーネント」より

 今回のテーマは、心に残るオーディオコンポーネントである。
 考えてみれば、個人的なオーディオの歴史は、非常に遠いはるかむかしの、手巻き蓄音器を聴いて、その音の楽しさ、音楽の楽しさが芽生えた幼児期に遡ることになる。
 歳月が経過し、わずかばかりの記憶の糸も非常に細く途切れそうにはなっていても、ある一部は、感覚的に昨日の出来事のように、いや、それ以上に鮮明に残っているようで、今回のテーマのように、あらためて問い返されてみると、かなり意外な部分が浮き出してくる。
 ちなみに、今回の10モデルの選択では7モデルをスピーカーシステムにしているが、心情的にもっともノスタルジックな意味で心に残る、というよりは、観念的に想い出すモデルは、タンノイのオートグラフである。しかし、その理由を考えてみると、何のことはない1−90に始まってクレデンザにいたる、幼い時に聴いた蓄音器の音をイメージアップさせる、独自のエンクロージュアに巧みに残されたホーンの香りめいた味わいに、心を惹かれているのではないだろうか。
 同様な理由だろうが、現代の製品に置き換えれば、同じタンノイのウェストミンスター・ロイヤルに、類似した残り香があるように感じる。
 心情的なノスタルジックな部分は、誰しも生きていること自体の内側に否応なしに存在はしている。心に残るオーディオコンポーネントを想い浮かべてみると、佳き時代のスピーカーシステムが、もっとも魅力的な存在として浮上してくる。しかしそれは、多分に現実的な性格を反映してか、現在の相当に高度な次元にまで発展、進化を遂げた次世代オーディオのプログラムソースと、超高度な物理特性をスポイルすることのないレベルにまで到達した、高SN比、高セパレーション特性を備えたアンプ系によって、佳き時代のスピーカーを充分にドライブし、鳴らし切ってみたいという意味からなのである。
 ただ、古き佳き時代のスピーカーシステムがいかに心に残るコンポーネントであったとしても、経時変化という絶対不可避な劣化は、当然覚悟しなければならず、基本的に紙パルプ系コーンを採用していた振動板そのものの劣化や、エッジ、スパイダーなどの支持系をはじめ問題点は多い。現実に状態の良いシステムを実際に鳴らしてみたとしても、かつて備えていた本来の状態をベースに聴かせた音の再現は完全には不可能であり、例えば、1モデルに1ヵ月の時間を費やしてメインテナンスしたとしても、絶対年齢は、リカバリー不能であろう。逆説的ではあるが、イメージ的に心にわずかばかり残っている、残像を大切に扱い、想い浮かべた印象を文字として表現したほうが、むしろリアルであろうか、とも考えている。
 選択には、2モデルのアンプを選んではいるが、里程標的な意味での存在であり、幸いなることに、比較的最近、それぞれの復刻版が登場しているため、現代的な材料や製造技術に裏付けられて、リフレッシュした音を聴くことが可能である。
 心情的には、早くから使ったマランツ7は、その個体が現在でも手もとに在るけれども、少なくとも、この2年間は電源スイッチをONにしたこともない。充分にエージング時間をかけ音を聴いたのは、キット版発売の時と、復刻版発売の時の2回で、それぞれ約1ヵ月は使ってみたものの、老化は激しく比較対象外の印象であり、最新復刻版を聴いても、強度のNFB採用のアンプは、何とはなく息苦しい雰囲気が存在をして、長時間聴くと疲れる印象である。
 その意味では、効率の高いAB級的動作を採用し、独自のバイファイラー巻線技術を出力トランスに導入して、当時としては、異例中の異例ともいえる超広帯域パワーアンプとして完成されたマッキントッシュMC275のほうが、現代に通用するフレキシビリティがあり、聴かせる音である。ただし、当時最新の単純な基板採用の配線技術は、広帯域アンプであるだけに疑問点は多いが、独自の音がする理由として理解可能な部分ではある。
 7機種のスピーカーシステムは、それぞれに異なった発想の独創的技術を背景にして開発されたモデルで、そのほとんどは製造コストが現在では採算不可能なまで高くなるはずである。そのため基本技術は温存していたとしても、経費、人材、時間の3要素で再現は至難であろう。
 これらの製造をも含めた技術レベルは非常に高く、構造が単純な変換器であるだけに、開発をした人達の英知のヒラメキが眩く強烈な印象が残る。

スピーカーシステム   ボザーク     B410ムーリッシュ
            ダイヤトーン   DS-5000
            エレクトロボイス パトリシアン600
            インフィニティ  IRS-Beta
            ソニー      SS-GR1
            タンノイ     オートグラフ
            ビクター     SX-1000ラボラトリー

コントロールアンプ   マランツ     モデル7

パワーアンプ      マッキントッシュ MC275

カートリッジ      オルトフォン   SPU-A

インフィニティ IRS-Beta

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井上卓也

音[オーディオ]の世紀(ステレオサウンド別冊・2000年秋発行)
「心に残るオーディオコンポーネント」より

 ハイエンドスピーカーシステムをつくるメーカーとして、伝統と独自の開発技術を持つ米国のインフィニティは、コンデンサー型スピーカーメーカーとしてスタートをしたという興味深い会社である。
 コーン型、ホーン型、ドーム型など、磁気回路のリング状ギャップの内側にボイスコイルを置き、これに信号を加えて振動板を介して電気音響変換をするダイナミック型が、現在においても、スピーカーユニットの主流を占めるメカニズムだ。
 しかしインフィニティは、静電型の利点と動電(ダイナミック)型の利点を併せ持つタイプの変換系としてEMI型ユニットを開発した。これは耐熱樹脂カプトンフィルムにボイスコイルを貼り付け、前後双方向に音を放射する平面振動板方式の動電型ユニットである。
 インフィニティのトップモデルシリーズであるIRS(インフィニティ・リファレンス・スタンダード)シリーズは、次第に小型化され、独自のEMIユニットは、ドーム型やコーン型に移行しているようである。おそらく、製造技術面での問題と経費をはじめ、感度、許容入力と最大振幅リニアリティなど数多くのネックをクリアーすると標準的なコーン型が最も高効率となるからであろう。
 しかしIRSベータが開発された時期は、世界的にインフィニティのIRSシリーズが、ハイエンドオーディオのスピーカーシステムとして認められたころであり、IRS−Vを筆頭に、ベータ、ガンマ、デルタと揃った一連のIRSシリーズの展開は、物凄くゴージャスなラインナップであった。
 トップモデルのIRS−Vが天井から床まで低音、中音、高音の各専用ユニットを一直線に配置した、いわゆるインライン配置のユニット取付方法を採用した伝統的なインフィニティタイプであることにくらべ、ベータ、ガンマ、デルタの3モデルは、基本的に床面に近いほうから低域、中低域、中高域と高域の各ユニットを配置したコンベンショナルレイアウトの採用が一般的であり、特徴ともいえるだろう。
 ベータならではの特徴は、低域用タワーと中低域以上用のタワーの2ブロック構成であることにある。
 低域タワーには、グラファイト強化ポリプロピレンコーンの30cmウーファーが4個搭載され、その1個は、いわゆるMFB方式を採用したサーボコントロール型ユニット。このコーンに指を軽く触れ、少し押すと瞬間的に押し返されるような反応があり、部屋の条件や駆動状態にアクティヴに制御されるサーボ系独自の特徴が実感できるのが楽しい。
 中高域以上のタワーは、基本的には、EMI型が双方向(前後)に音を放射するバイポーラ型であるため、平板にユニットを取付けたプレーンバッフル構造である。
 興味深いのは、使用帯域が高い周波数になる、つまり中低域、中高域、高域になるにしたがい、ユニットの左右のバッフルがカットされ、あたかもユニットが中空に浮かんでいるような、バッフルの反射を避けた独自の発想が感じられる部分だ。なお、高域用EMITは、バイポーラ音源とはいっても絶対的な寸法が小さく、背面放射が少ないため、背面放射用のEMITがもうひとつ後方放射用に取付けてある。
 独自のサーボコントロールユニットはシステムのコントロールセンター的な働きを備え、一通りの調整を覚え、効果的に扱うまでには半年は必要だろう。
 予想以上にコンパクトで6畳の部屋にも置ける魅力と、双方向放射型独自の音場感や風圧を感じさせる低域は絶妙の味わいだ。

デンオン PMA-970

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井上卓也

ステレオサウンド 55号(1980年6月発行)
「SOUND QUARTERLY 話題の国内・海外新製品を聴く」より

 PMA970は、既発売のコントロールアンプPRA2000と、独自のA級増幅を出発点とした高能率A級増幅を採用したPOA3000の基本構成をドッキングさせたプリメインアンプである。
 基本回路構成は、2段のダイレクトDCサーボアンプ間にRIAAイコライザー素子を置く、MC型使用可能なハイゲインDC構成CR型イコライザーアンプとリアルバイアス回路に寄る高能率A級増幅の100W+100Wのパワーアンプの2段構成である。トーンコントロールはパワーステージ前後のサーボ回路を利用するという、シンプルで信号系路を短縮化できるタイプ。
 電源回路は大型トロイダルトランスと33000μF×2の電解コンデンサーによるパワー段電源、電圧増幅段用とイコライザーアンプ用に独立した別巻線を使う定電圧電源と左右共通、前後方向分割の3電源方式であり、各ユニットアンプ部の電源インピーダンスを低くする設計である点がセパレート型と異なる。
 PMA970は、独自のダイレクトDCサーボ方式が従来より改良されたために、基本的に音の粒子が細かく磨かれ、スムーズに伸びた帯域感とナチュラルな表情のセパレート型の魅力を受け継ぐが、エネルギー感と緻密さが加わり、余裕の感じられる豊かさが新しい魅力となっている。音場感的な拡がりとパースペクティブ、音像のクリアーさもトップランクのプリメインアンプに応しい見事さだ。

マランツ Sm-10

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井上卓也

ステレオサウンド 55号(1980年6月発行)
「SOUND QUARTERLY 話題の国内・海外新製品を聴く」より

 Sm10は、既発売のA級、AB級切替可能なMa5を2台並列とし、一枚のパネルに取付けたステレオパワーアンプだ。パワーメーターは省略されたが、BTL接続用入力を使用して350Wのモノ・ハイパワーアンプにできるのが魅力だ。

マランツ Sc-9, Sm-9

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井上卓也

ステレオサウンド 55号(1980年6月発行)
「SOUND QUARTERLY 話題の国内・海外新製品を聴く」より

 Sc9は、そのフロントパネルのレイアウトからもわかるように、基本的に従来のSc7を発展、改良した、そのMKIIと考えてもよいコントロールアンプである。
 基本的な回路構成は、FET使用DC構成のMCヘッドアンプ、同じくFET・DC構成のイコライザーアンプ、中音を加えたターンオーバー可変の高・低音コントロールアンプとヘッドフォンアンプのオーソドックスなラインナップで、バイパススイッチによりトーンコントロールアンプを通さずにフォノ入力はダイレクトにプリアウトへ信号を送り出し可能である。また、トーンコントロールがREC OUTに切替使用できるのはSc7以来の特長である。
 回路は各ブロックごとに基本から再検討され、部品関係、配線材関係に新しいタイプが採用されているが、Sc7に比べ大きく変更しているのはモード切替スイッチ関係の基板を廃止し、直結方式としてセパレーション特性の改善を図ったこと、電源部の新設計の2点がある。MCカートリッジ用ヘッドアンプも新タイプになった。
 また、マホガニー材使用の木製キャビネットが標準装備となり、パネルフェイスにESOTECの文字が加わった。
 Sm9は、Sc9と同様に、従来のSm7をベースとしてリファインしたAB級動作150W+150Wのステレオパワーアンプである。
 主変更点は、パワートランジスターに高域特性が優れスイッチング歪が少ない新開発スーパーfTトランジスターの採用。電源部のコンデンサーに高周波特性が優れたコンピューターグレイドの大容量型が使われている他に、部品、配線材料の検討がおこなわれていることなどである。
 外装関係では、マホガニーキャビネットの標準装備、ESOTECシリーズになりメーターの色調が、高級機のSm1000と同様のブルー系に変った。
 Sc9とSm9のペアは、Sc7/Sm7がやや中域が薄く滑らかで、細かい粒立ちのワイドレンジ型であったのに比べ、安定したダイナミックな低域をベースとするアメリカ系アンプの魅力である。エネルギー感が充分にある中域、ナチュラルに伸びた高域をもつ、エネルギーバランスがフラットなタイプに変っている。音色は明るく活気があり、ステレオフォニックな音場感の拡がり、音像定位のシャープさも第一級のできである。とくに分解能が優れた印象は、主にSc9側のグレイドアップによるものであろう。

オプトニカ SO-9, SX-9

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井上卓也

ステレオサウンド 55号(1980年6月発行)
「SOUND QUARTERLY 話題の国内・海外新製品を聴く」より

 SO9は、昨年秋のオーディオフェアで発表された、全増幅段をすべてFET構成にしたコントロールアンプだ。
 薄型のプロポーションにまとめられたパネルフェイスは、コントロールアンプというイメージよりは、最近のFMチューナーのようにカラフルにデザインされ、このところヨーロッパで一つの傾向として受入れられている各種のカラーで照明された、華やかで軽快なデザイン傾向と共通点が感じられる。
 構成は、MCヘッドアンプ、イコライザー、トーンコントロールアンプの3段構成で、全段FET使用のDC構成が目立つ。機能は、表示ランプ付のPHONO2カートリッジ負荷抵抗切替、モード切替、テープモニター、高・低フィルター、ラウドネスなどの他、一般のゴム脚部分がプレーヤーシステムのインシュレーターと同様に、高さ調整可能であるのがユニークだ。
 SX9はSO9とペアとなる全段FET構成の100W+100Wのステレオパワーアンプである。出力段のパワーMOS型FETは高域特性が優れスイッチング歪が無視できる特長があり、放熱器にはフレオンガス流体放熱器を使う。なお、電源部は左右独立型トロイダルトランスだ。パネルフェイスには、デジトロンパワーメーターと信号をグラフィックに見せるオーディオスペクトロアナライザーを備える。

ヤマハ C-6

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井上卓也

ステレオサウンド 55号(1980年6月発行)
「SOUND QUARTERLY 話題の国内・海外新製品を聴く」より

 C6は、モデルナンバーから考えるとX電源、X増幅を採用した最新のパワーアンプB6とペアになるコントロールアンプに思われやすいが、製品系列からは従来のC4の後継モデルに位置づけされる製品である。
 基本的な構成は、MC型カートリッジ用ヘッドアンプ、イコライザーアンプ、フラットアンプにパラメトリックトーンコントロールをもつオーソドックスなタイプだ。各ユニットアンプには、独自の開発による電源部とアンプ系の相互干渉を排除するピュアカレントサーボ方式がパラメトリックトーンコントロール部分を除いて採用されているのが目立つ。
 機能面は、新採用の高音と低音に2分割したパラメトリックトーンコントロールが特長である。国内製品では最初に採用されたこのコントロールは、グラフィックイコライザーの高音と低音の各1素子にあたる部分が、低域では31・5 〜640Hzの範囲で任意の周波数に連続可変でシフトできるタイプと考えるとわかりやすい。また、そのシフトした周波数でのレベルのブーストとカット量、帯域幅が変化でき、合計で3つのパラメーターが独立して連続可変できる。
 C6はクリアーで反応が速い音をもち、クォリティは充分に高い。広い帯域感、明るい音色は、まさにベストバイだ。

ヤマハ A-6

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井上卓也

ステレオサウンド 55号(1980年6月発行)
「SOUND QUARTERLY 話題の国内・海外新製品を聴く」より

 A6は、定評あるプリメインアンプA5のボディにX電源方式を採用した、100W+100Wのパワーをもつプリメインアンプの新製品である。
 構成は、MC・MM切替可能なハイゲイン・ピュアカレントサーボ・イコライザー、新設計ヤマハ型トーンコントロールアンプとハイゲインDCパワーアンプの3段構成で、メインダイレクトスイッチによりトーンアンプをバイパスできる。
 A6は、X電源の特長である安定した低域をベースに素直に伸びたワイドレンジ型の帯域感をもつ。音色は明るく滑らかで、スムーズに音を聴かせるタイプだ。

ヤマハ B-6

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井上卓也

ステレオサウンド 55号(1980年6月発行)
「SOUND QUARTERLY 話題の国内・海外新製品を聴く」より

 B6はデザインのユニークさもさることながら、アンプの高能率化とハイクォリティを両立させた、今後のパワーアンプのひとつの方向性を示した画期的な新製品である。
 わずかに重量9kgの軽量でありながら、200W+200Wのパワーと200W、8Ω負荷時に20Hz〜20kHzでTHD0・003%をクリアーする高性能は、2つの新方式の採用のめざましい結果だ。
 まず電源部のX電源方式は、電源部の負荷であるパワーアンプの消費電力に応じて最適量の電力を電源の大容量コンデンサーにチャージさせるタイプで、電源トランスの一次側に切替用素子としてTRIACを直列に入れ、出力側の直流電圧の低下を基準電圧と比較し、フォトカプラーを通して高速フィードバックによりTRIACを制御し、交流の通電位相角を変え高能率低電圧回路としたものである。
 パワーアンプのX電源方式は、電源電圧を2段切替とし低出力時に低電圧をかけ発熱による損失を抑え、大出力時には高電圧に切替えハイパワーを得るという構想だ。
 リアルタイム・ウェーブプロセッサーによる電源電圧の切替は、100kHz一波でも正確にレスポンスし、電源電圧の切替えの立上りの遅れによる波形の欠損はなく、音楽信号に忠実に応答するとのことである。
 B6とリファレンス用コントロールアンプのマークレビンソンのML6×2を組合せる。新方式の成果を調べるためには、低域の十分に入ったプログラムソースによる試聴が応しいが、B6は低域レスポンスが十分に伸び、とくに50Hz〜100Hzあたりの帯域では、X電源の定電圧の特長が感じられる引締った再生が目立つ。聴感上の帯域感は最新のアンプらしいワイドレンジ型で、音色は明るく機敏な反応を示す。中高域の分解能は、非常に優れたピュアカレントサーボ方式で純A級増幅のBX1と比較すると一歩譲るが、アンプのランクからみれば充分に優れており、トータルなパワーアンプとして考えれば、200W+200WのパワーのゆとりはBX1を凌ぐとさえいえるようだ。

オプトニカ CP-3

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井上卓也

ステレオサウンド 55号(1980年6月発行)
「SOUND QUARTERLY 話題の国内・海外新製品を聴く」より

 CP3は、この価格帯としては珍しい160ℓの大型エンクロージュアに、38cmウーファーを採用した3ウェイ構成のバスレフ型スピーカーシステムだ。
 38cmウーファーは、アルカライズド・プリヒート・ロウテンパレーチュア・プレス(APL)方式による高ヤング率、軽量コーンと、直径156mm磁石とポールに銅キャップ低歪処理をした磁気回路の組合せ。16cmフリーエッジ・コーン型スコーカーは2・8ℓのバックキャビティ付で、ウーファー同様のコルゲーション入りコーンと銅クラッド・アルミ線(CCAW)ボイスコイル、同じくメタルボイスコイルボビンを採用している。トゥイーターは、前面にスランド型音響レンズ付の口径5cmフリーエッジ・コーン型で、クロスオーバー周波数4kHzで使用。
 エンクロージュアはバスレフ型で、内容積160ℓ、システム重量41kgのスタジオモニターを連想させる大型4面仕上げである。ネットワークは音質対策をした部品による低損失設計で、各定数はヒアリングテストにより決定されたとのことだ。
 CP3は事実上はフロアー型サイズのシステムだが、4面仕上げのスタジオモニター的設計であるため、標準としている60cm角のアングルに乗せて使った。帯域バランスはスケールの大きい低域ベースの安定型で高域もスムーズ、音色も明るい。

オットー SX-P5

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井上卓也

ステレオサウンド 55号(1980年6月発行)
「SOUND QUARTERLY 話題の国内・海外新製品を聴く」より

 SX−P5は発泡金属コーンウーファーと全面駆動フィルムトゥイーターを採用した3ウェイ・ブックシェルフ型システムだ。
 口径25cmウーファーは、オットー独自の開発による、ニッケル発泡金属、ポーラスメタルを振動板に採用した特長があり、既発売のSX−P1/2/3に採用し、実績をもつタイプである。今回は、従来のウーファーユニットをベースに一段と改良が加えられているが、主な点は、磁気回路を強化する目的で、フェライト磁石よりも磁束密度が高いストロンチウムフェライト磁石の直径120mmのタイプが使われていることだ。スコーカーは、振動板に高剛性3層構造アルミを使った口径80mmの逆ドーム型であり、位相特性上でメリットがあるとのことだ。トゥイーターは、振動板に米国NASAで開発された特殊耐熱樹脂ポリイミドフィルム面にボイスコイルを耐熱接着した全面駆動型で、振動板前面にはショートホーンが付く。なお、磁気回路は希土類マグネット採用である。
 ネットワークはとくにコンデンサーを重視し、フィルム型、ネットワーク専用電解型を新開発。エンクロー樹は、表面ブピンガ材仕上げ20mm厚パーチクルボード製ツインダクト・バスレフ型である。
 SX−P5はナチュラルな帯域感と穏やかでしっとりした表情のある音である。音の粒子は細かくキャラクターが少ない。

ビクター Zero-3

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井上卓也

ステレオサウンド 55号(1980年6月発行)
「SOUND QUARTERLY 話題の国内・海外新製品を聴く」より

 Zero3は、新シリーズとして最初に登場したZero5、平面振動板採用の4ウェイ構成のZero7に続く、第3弾の製品である。基本構成は、上級機種のZero5を受け継いだ25cmウーファー使用の3ウェイ型であり、4万円台の価格帯に最初にリボン型トゥイーターを採用したシステムであることが注目される。
 ウーファーは、振動板面積の25%を占めるエッジの悪影響を避ける目的で、ユニークなシールデッドエッジ採用に特長がある。新開発アルファーコーンは、周辺部の強度を高めるリブ構造。マグネットはストロンチウムフェライト磁石採用である。口径7cmコーン型スコーカーは、紙の両面に無電解金属メッキをしたメインコーンとセンタードームにチタンを使った複合型で、紙と金属の利点を併せもつタイプだ。トゥイーターは、独自のダイナフラット・リボン型で、振動板は10μ厚ポリイミドフィルム面に15μ厚のアルミ箔を融着し、ストロンチウムコバルト磁石閉回路方式磁気回路と組み合わされ、振動板前面にはショートホーンが付く。エンクロージュアはバスレフ型、左右対称のユニット配置だ。
 本機は小型ながら低域レスポンスが伸び、分解能が優れた中域とキャラクターが抑えられ透明感のある高域が巧みなバランスを保ち、この価格帯として抜群のクォリティであり、上下指向性も大変によい。

トリオ LS-100

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井上卓也

ステレオサウンド 55号(1980年6月発行)
「SOUND QUARTERLY 話題の国内・海外新製品を聴く」より

 LS100は、コーン前面に放射状にリブをつけた25cmウーファーと口径4cm平面振動板トゥイーターを組み合わせたユニークな2ウェイ・ブックシェルフ型である。
 ウーファーは、リブドHAプレスコーンと名付けられた独自のコーンを採用している。従来からもトリオのスピーカーシステムは、低域ユニット用に損失が少なく軽量のコーンを使い、中音、高音と周波数が高くなると次第に損失の大きいコーンを採用するという、一般の手法とは逆のアプローチを見せた点に独自性があったが、今回も低損失、軽量のホットプレスコーンに、コーンと同一素材のリブを奇数個つけて軽量、高剛性のリブドHAコーンとし、インナー・ロスを追放したコーンのキャッチフレーズでその設計思想を表面に出している。トゥイーターは、断面が台形のアクリル樹脂振動板採用のプレーンラジェーターで、磁束密度は15、000ガウス、音圧レベル91dBの定格であり、2kHzクロスオーバーで使用される。
 エンクロージュアはバスレフ型で、ユニット間の振動クロストークを防ぐ独自の2重構造バッフル採用、ネットワークも素子間の電気的クロストークを防ぐ目的で、ネットワークを遠隔配置している。
 LS100は活気のある低域をベースに2ウェイ独特の細身ですっきりとした音が特長。低域は反応が速く質も高い。

オンキョー M55II

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井上卓也

ステレオサウンド 55号(1980年6月発行)
「SOUND QUARTERLY 話題の国内・海外新製品を聴く」より

 M55IIは、従来のM55を改良した小型ブックシェルフ型システムである。広帯域化、高入力化、高能率化が改良点で、弾力的な低域ベースのスムーズに伸びるレスポンスと適度に明るい音色が特長。

オンキョー M90

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井上卓也

ステレオサウンド 55号(1980年6月発行)
「SOUND QUARTERLY 話題の国内・海外新製品を聴く」より

 M90は、32cm口径の回転抄造コーンを採用したウーファーと、新開発ダイレクトドライブトゥイーターに特長がある3ウェイ構成ブックシェルフシステムである。
 ウーファーは、既発売のモニター100用ユニットの設計方針を受け継ぎ、大入力時にも安定した振動モードを確保し歪の発生を抑えるという回転抄造コーンと直径76mmのロングトラベル型ボイスコイル、リンセイ銅箔ボビンの組合せと直径160mmの大型高密度マグネット使用の磁気回路により、120Wのパワーハンドリングと92dBの出力音圧レベルを得ている。
 口径10cmコーン型スコーカーはカーボン混抄コーン採用で、0・37gの軽量級。高域特性を改善するためにチタンダストキャップ採用であり、12、000ガウスの磁束密度の磁気回路を組み合わせ、バックキャビティは1・8ℓと大型である。
 口径3cmのトゥイーターは、ユニークなダイレクトドライブ型と名付けられたタイプだ。振動板は12・5μのポリイミドフィルムと20μのアルミ箔を重層構造とし、これに円環状にボイスコイルをエッチングしたダイアフラムを直接駆動する方式で、振動板は円環状のリング型である。前面にはアルミ削出しイコライザーが付き、磁気回路は直径90mmの磁石が2個使用され、重量的には直径120mmの磁石に相当する強力なタイプだ。
 エンクロージュアはバスレフ型を採用し、バッフルボード面のユニット配置は、同社の開発テーマのひとつであるリスニングエリアの拡大を目的として、高音と中音ユニットをできるだけ近接させ、厚さ10mmのアルミダイキャストフレームに一体化してマウントしてある。ネットワークは低損失コンデンサー、低抵抗内部配線材を使用し、コンピューターシミュレーションと試聴により最適定数を決定したとのこと。
 M90は厚みのある重い低域と明快な中域、シャープで透明感のある各ユニットのキャラクターが適度に一体化した帯域バランスをもつ。約60cm角のアングル上の位置では、サランネットを付けると高域のレベルを上げ気味としたほうがトータルバランス上から低域の反応が早くなり、バランスもナチュラルとなる。ハイパワー型の設計と発表されているが、試聴室での結果では、一般的なレベルより高いことが多いことを基準として、平均的かやや抑え気味で、M90の3ウェイ構成の特長がよく引き出される。高入力時では抑えてあるがウーファーに独特の固有音が感じられ、楽器固有の音色が判然としがたい。

パイオニア S-570

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井上卓也

ステレオサウンド 55号(1980年6月発行)
「SOUND QUARTERLY 話題の国内・海外新製品を聴く」より

 S570は、パイオニアの新しいシステムラインナップとして登場したオール・デイ・コンポのネーミングをもつシリーズのスピーカーシステムとして開発された、26cmウーファー採用の3ウェイ製品である。なお、このシリーズはプリメインアンプA570/470、チューナーF570とS570の4機種が同時発売された。
 ウーファーは、コルゲーション入りのストレートコーンを発泡ウレタンロールエッジ、高耐熱ボイスコイルをセンターポール上部に銅キャップを装着した外径120mmフェライト磁石採用の磁気回路使用。10cmコーン型スコーカーは制動材塗布コルゲーションエッジ、銅クラッド・アルミ線エッジワイズボイスコイル使用で、ボイスコイル部分とコーンの接合精度を高くし、駆動速度を上げ伝達ロスを低くした設計だ。トゥイーターは後継25mmのユニークなボロン振動板採用のドーム型で、S180Aに採用されたものと同一ユニットだ。
 エンクロージュアはバスレフ型で、内容積45・5ℓ。外形寸法は高さ59cmの中型ブックシェルフで、ユニット配置は左右対称型、集中は位置でタテ、ヨコ位置での音像定位を両立させる設計である。
 本機は低音感が豊かにある低域をベースに3ウェイらしい中域の張り、シャープな高域がバランスした明るい音だが、高音レベルを少し上げたほうが魅力的だ。

デンオン SC-307

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井上卓也

ステレオサウンド 55号(1980年6月発行)
「SOUND QUARTERLY 話題の国内・海外新製品を聴く」より

 デンオンのSC304以上のシステムは、デンマーク・ピアレス社と共同開発のユニットを採用した点が国内製品としてユニークな存在であり、国産ユニットとはひと味ちがったユニットのキャラクターを充分に引き出した独自のサウンドと完成度の高さはすでに定評が高いが、SC304/306につづき、今回SC307が第2世代の300シリーズの型番で発売された。
 ユニット構成は従来のSC107を受け継いだ3ウェイ・5スピーカーシステムだ。ウーファーは、25cmユニット×2のツイン駆動方式。軽量振動系で35cmウーファーに匹敵する振動面積をもち、ユニット振幅が少なくリアリティが優れる特長をもつ。10cmスコーカーはフレーム一体構造のダイキャストバックチャンバー付で、裏面に制動材を塗布したノンプレスコーンとアルミボイスコイルボビン採用。トゥイーターは5cmコーン型のパラレル接続ツイン駆動だ。
 エンクロージュアは65・5ℓ密閉型。2種類のグラスウール、アルミ箔ラミネート型ブチルゴム制動、補強棧レス、ユニットは独自のサンドイッチ支持方式取付け。ネットワークは、コンデンサーは全て2個並列使用、種類はアルミ・プレーン箔電解、メタライズドフィルム型だ。
 本機はSC107に比較し、フラットな帯域感、素直な高域の伸び、粒立ちの細やかさなど完成度が格段に向上した。
井上卓也

音[オーディオ]の世紀(ステレオサウンド別冊・2000年秋発行)
「心に残るオーディオコンポーネント」より

 米国のスピーカーシステムには、感覚的なサウンド傾向と音楽的な表現力から考えると、対比的なサウンドを持った、いわゆる西海岸タイプと東海岸タイプが、かつては明確に存在していたように思われる。
 西海岸タイプはウェスタン・エレクトリックの流れを汲んだ、例えばプレッシャー(コンプレッション)ドライバーユニットの振動板材料でいえばアルミ軽金属ダイアフラムを採用したものが多いのにたいし、東海岸タイプは、エレクトロボイス(EV)、クリプシュ、かつてのユニヴァーシティなど、フェノール系のしっかりと焼いた黒茶色のダイアフラムを採用しており、この両者の音質、音色、さらに、エネルギーバランスやトランジェントレスポンスの違いは、しっかりと聴きこめば誰にでも簡単にわかるものであった。こうした好き嫌いを越えた、地域的、文化的な大きな違いが確実に存在することは、簡易単に否定できない現実であろう。
 近代におよび、ブックシェルフ型が台頭してくると、低感度ながら驚異的な低音再生能力をもつようになり、メカニズムそのものの姿・形がストレートに音質、音色、表現力に表われる新世代スピーカーシステムが、沈静した新しい音の世界を展開するようになる。しかし、そのひとつ以前の世代では、JBL、アルテックといった西海岸タイプと、EV(地域的には中西部になるが)、クリプシュの東海岸タイプの音の対比が大変に興味深い話題であった。
 EVはいまはプロ用システムのイメージが強いが、かつてはステレオ時代以前から、ホームユース主体のハイエンドブランドとして、わが国でも揺るぎない地位を得ていた。
 EVの製品もステレオ時代を迎えて全体に小型傾向が進展したようではあるが、ここで取り上げるパトリシアン600は、EVならではの、スピーカーづくりの真髄を製品化したモノーラル時代のオールホーン型コーナーシステムである。
 低域はP・クリプシュが発明した独得な構造のコーナーホーン型エンクロージュアによるもので、部屋のコーナーに設置することで、その能力から考えると非常にコンパクトにまとめられた構造に驚かされる。このエンクロージュアには、当時16Ωが標準的だったインピーダンスを、約4Ωという非常に低いものとした18インチ(46cm)後継の18WKが組み合わされた。
 とくに注目したいのは828HFプレッシャーユニットと折り返し型ホーンを組み合わせたミッドバスで、大型化して実用不可能といわれた中低域ホーンを見事にコンパクトにまとめていることだ。詳細な部分は覚えていないがこの中低域部は、前面と背面双方にホーンが取り付けてあり、これひとつで2ウェイ的な働きをしていたようだ。つまりパトリシアン600は、4ウェイ構成プラスαの5ウェイシステムであったのかもしれない。なお、中高域にはT25系ユニットを、高域にはT35系ユニットを搭載している。
 コーナー型エンクロージュアのメリットで非常にコンパクトな外形寸法で優れた低域再生能力を実現した、とはいうものの現実のパトリシアン600は、じつに巨大なシステムである(実測で高さは150cmを超え、幅は約90cm)。しかしそのサイズを意識させぬ軽妙な表現能力の素晴らしさは譬えようのない、オーディオのロマンそのものである。とくに、忘れてならないことは、旧世代超大型スピーカーシステムのなかでも、ホーン型エンクロージュアと軽量高能率ダイアフラム型振動板ならではの、かけがえのない魅力を本機は色濃く備えている。
 スピーカーシステムの夢と理想に、経費、人材、時間という現代の3悪を無視し挑戦し到達しえた、この壮大なプロジェクトの成果は現代の欠陥の裏返しである。

ダイヤトーン DS-5000

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井上卓也

音[オーディオ]の世紀(ステレオサウンド別冊・2000年秋発行)
「心に残るオーディオコンポーネント」より

 日本のスピーカーには、日立、東芝、三菱といった、いわゆる家電メーカーがトップランクの独自の技術を活かして高級スピーカーの分野で素晴らしいモデルを市場に送り出していた時代があった。このことは、現在の若いオーディオファイルにとっては、予想外の出来事であるであろう。
 しかし若い人でも、第2次大戦後に、NHKの放送局モニタースピーカーの開発を行ない誕生した三菱電機のダイヤトーンブランドのことは、おそらく、知っている人のほうが多いであろう。
 マランツ用OEMスピーカーとして開発したモデルのバリエーションタイプが同社民生用システムのスタートであったが、'70年に発売されたDS251は、驚異的なベストセラーモデルとして評価され、愛用されて民生用の地盤固めに成功する。
 同時に、かつてのNHKモニターとして全国的に採用された2S305系の2ウェイ方式・バスレフ型エンクロージュアから、次第にDS251やDS301系のマルチウェイ方式と完全密閉型エンクロージュア採用が同社製品で主流を占めるようになる。そして'80、振動板材料にハニカムコアとケブラースキン材を組み合わせたアラミド・ハニカム振動板(低・中低域用)や新素材ボロン化チタンをドーム型ユニットに採用し、振動板とボイスコイルボビンを一体化したDUD構造の開発(中域・高域用)など、いわば新世代のダイヤトーン・スピーカーとして誕生したのが、4ウェイ構成ブックシェルフ型DS505である。
 この新世代シリーズの頂点として開発されたモデルが、4ウェイシステムのDS5000で、中低域再生能力を高めるために大変に個性的な設計方針でつくられたモデルであった。それというのも、それまでの4ウェイシステムは、3ウェイ方式の中低域を補うために専用ユニットを組み合わせた開発だったのにたいし、本機では、中低域ユニットと中高域ユニットで2ウェイ構成の狭帯域バランスをつくり、これをベースに、いわばサブウーファーとスーパートゥイーターを加えたようなシステムアップしていたからである。ここがDS5000の最大の特徴であり、ミッドバスの充実したエネルギーバランスは、従来にない、大きな魅力であった。しかも、設計思想が最優先され、変換器としては高性能であろうが振動板材料の音が際立ったDS−V9000などの後継作と比較して、余裕タップリに大人の風格で音楽が楽しめる点では、同社の最高作品といえよう。

ビクター SX-1000Laboratory

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井上卓也

音[オーディオ]の世紀(ステレオサウンド別冊・2000年秋発行)
「心に残るオーディオコンポーネント」より

 独自性豊かなビクターのスピーカー技術の、文字どおり集大成といえる内容の濃い製品である。
 システム全体の構造から考えれば、底板部分が他の部分と同様に仕上げられているために、六面化粧仕上げのいわゆるブックシェルフ型の分類に含まれるが、独自の非常に独創的な構造を持つベースブロックと、準独立構造の4本の脚部を組み合わせた、中型フロアーシステムというべきモデルだ。この構造は、一見すれば、単純な発想として軽く受け止められているようだが、スピーカーわかる一部の人にとっては、相当にショッキングな内容を含んだ考え方であった。
 なぜなら、現実のスピーカーシステムの設置では、床との相関性をどのように考え、コントロールするかが、最大のテーマであるからである。その結果が、そのスピーカーシステムで聴くことができる、音楽性を決定する部分なのだ。
 SX1000LABのスピーカーと床面との間に介在する、いわゆる、スタンドと呼ばれる部分は、重量級の分厚い木製ベースが床面を安定化するアブソーバー的に働き、かつ、本体、底面と床板面に生じる定在波の影響を抑えようとする構造である。
 このブロックには、4個の円筒形の穴が開いていて、円柱状の4本の脚で、ほぼフリーな状態で本体を支える構造。円筒形の穴の内壁は厚いフェルトが取り付けてあり、各ブロックの相互干渉が少なく、かつ、固有の共振や共鳴が生じ難い特徴を備えている。当然のことながら、スピーカーシステム本体は、底板のサイズさえマッチしていれば、他のスピーカーシステムとの組合せでも固有音の少ない音が聴かれるはず。硬い木材や鉄材を組み合わせ、スタンドの固有音を積極的に活かす設計が多い海外製スタンドとは、完全な逆転の発想である。
 ただし、スピーカー本体の基本設計が、かなり高次元でないと、好結果を期待したとしても、逆にスピーカー自体の弱点を露呈する厳しい構造といえる。
 ユニット構成は、アナログディスクのプレス技術を基盤として開発した独自の振動板材料を使うコーン型ウーファーと、異なった製造方法によるダイアモンド振動板採用のドーム型の中域/高域ユニットによる3ウェイ。重要なネットワーク系の巧妙なレイアウト、内部配線材の吟味、ビクターが独自開発したエステル・ウール吸音材などを、かつては、カットモデルで見ることが可能であった。
 エンクロージュアは準楕円断面を採用し、各部の2次反射を巧みに調整したもので、独自の空間表現を備えている。なお、表面仕上げは非常に凝ったカナディアンメイプル材と丹念な塗装技術によるもので、同社の木工技術の成果を示す。
 豊かな時代の豊かな感性を聴かせる名作であり孤高の存在だ。

ボザーク B410 Moorish

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井上卓也

音[オーディオ]の世紀(ステレオサウンド別冊・2000年秋発行)
「心に残るオーディオコンポーネント」より

 かつて、スピーカー王国を誇った米国のスピーカーも現在では大きく地図が塗り変えられ、数多くのブランドが消え去り、また有名無実となった。
 このボザークも、現在はその名前を聞くことがなくなったが、ボストンに本拠を置いたユニークなスピーカーメーカーであった。かつてのニューヨーク万博会場で巨大口径(28〜30インチ?)エキサイター型スピーカーユニットを展示して見る人を驚かせた逸話は、現在においても知る人がいるはずで、この巨大ユニットの電磁石部分だけは、'70年代に同社を訪れた折に見ることができた。また、「理想の音は」との問にたいしてのR・T・ボザークは、ベルリンフィルのニューヨーク公演の音(たしか、リンカーンセンター)と断言した。あの小気味よさはいまも耳に残る貴重な経験である。
 ボザークのサウンド傾向は、重厚で、密度の高い音で、穏やかな、いわば、大人の風格を感じさせる米国東海岸、それも、ニューイングランドと呼ばれるボストン産ならではの音が特徴であった。このサウンドは、同じアメリカでもかつて日本で「カリフォルニアの青い空」と形容された、JBLやアルテックなどの、明るく、小気味よく、シャープで反応の速い音のウェスタン・エレクトリック系の音とは対照的なものであった。
 同社のシステムプランは、いわゆる周波数特性で代表される振幅周波数特性ではなく、ユニットの位相回転にポイントを置いたものだ。そのため、クロスオーバーネットワークは、もっとも単純で位相回転の少ない6dB/oct型を採用しているのが大きな特徴である。したがってユニットには、低域と高域の共振峰が少なく、なだらかな特性が要求されることになり、低域には羊毛を混入したパルプコーンにゴム系の制動材を両面塗布した振動板を採用していた。低域は30cm口径、中域は16cmと全帯域型的な性格を持つ20cm、高域は5cmと、4種類のコーン型ユニットが用意され、これらを適宜組み合わせてシステムを構成する。また、同社のスピーカーシステムは、基本的に同じユニットを多数使うマルチユニット方式がベースであった。
 ボザークのシステム中で最大のモデルが、このB410ムーリッシュ・コンサートグランドである。低域は30cm×4、中域は16cm×2、高域は5cm×8とマルチにユニットを使い、400Hzと2・5kHzのクロスオーバーポイントを持つ3ウェイ型。エンクロージュアは、ポートからの不要輻射を嫌った密閉型である。マルチユニット方式ながら、同軸型2ウェイ的に一点に音源が絞られた独自のユニット配置による音場感の豊かさは、現時点で聴いても類例がない。その内容を知れば知るほど、現代のバイブル的な存在といえる。
井上卓也

ステレオサウンド 58号(1981年3月発行)
特集・「第3回《THE STATE OF THE ART 至上のコンポーネント》賞選定」より

 一昨年の全日本オーディオフェアに出品されて以来、約一年の歳月を経て発売されたS−F1は、現時点で考えられる最新の技術と材料を駆使し、スピーカーシステムのひとつの理想像を現実のものとした、まさに画期的な製品である。
 マルチウェイ方式のスピーカーシステムは、スピーカーとしての原型であり、一つの振動板から可聴周波数帯域全体を再生する、フルレンジユニットの性能の向上する目的から考えられた方式である。この方式は、現在のスピーカーシステムの主流の座を占めているように、その性能・音質は帯域分割の多い、2ウェイ方式より3ウェイ方式になるほど向上し、現実的なシステムとしては4ウェイ方式まで製品化されている。が、反面において、マルチ化が進むほど音源が分散しやすく、指向性の面で左右方向と上下方向の特性を揃えにくく、ステレオフォニックな音場感の再現性や音像定位の明確さをはじめ、聴取位置の変化による音質の違いなどでデメリットを生じることは、日常しばしば経験することである。
 この点では、各ユニットを同軸上に配置した同軸型ユニットが古くから開発され、業務用のモニタースピーカーをはじめ、コンシュマー用としても音像定位のシャープさというメリットが認められている。ユニット構成上は、歴史的に有名な3ウェイ方式のジェンセンG610Bが生産中止となったため、現在ではアルテックやタンノイの2ウェイ構成に留まるにすぎず、使用ユニットも、コーン型ウーファーとホーン型ユニットという異種ユニットの混成使用であるのが、同軸型としては問題点として挙げられる。
 今回のS−F1は、世界最初の同軸4ウェイ構成と、全ユニットを平面振動板採用で統一するという快挙をなし遂げた異例の製品である点に注目したい。
 平面振動板ユニットは、分割振動を制御するために一般的に節駆動を採用するが、このため駆動用ボイスコイルは巨大な寸法を必要とし磁気回路も比例して大きく、しかも同軸型とするためには、非常に複雑な構造が要求されることが最大のポイントである。つまり、磁気回路の占める面積が大きくなるために、振動板背面の空気の流通が妨げられるわけだ。
 現実には、低音と中低音用にストロンチュウムフェライト磁石を使う新開発直線磁気回路を、中高音と高音にはアルニコ7磁石を2個スタック構造に使う複合磁気回路を使用し、難問に見事な回答を与えている。ちなみに、低音用ボイスコイルは32cm角という巨大なものである。
 振動板材料は、ハニカムコアにスキン材を接着したサンドイッチ構造だが、コア部分のみにエポキシ系の接着剤を表面張力を利用して、接合箇所以外に接着剤のデッドマスをなくし、スキン材を直接貼り合せた独自の構造を採用している。このため振動系は超軽量であり、システムとして94dB/Wの高能率を得ている点に注目したい。スキン材は低音、中低音がカーボングラファイト、中高音と高音がベリリウム箔採用である。なお、低音と中低音は角型ボイスコイル、低音ボビンは平面性、耐熱過度が高い集成マイカを使用する。
 エンクロージュアは230ℓのバスレフ型で、重量68kgの高剛性アピトン合板製。仕上げは2種類用意され、ネットワークは各帯域独立配置で基板を使わない端子板配線と各帯域毎に最適の特殊な無酸素銅線を選択使用しているのが目立つ。なお、マルチアンプ端子は、これによる音質劣化を避けるため廃止されている点にも注目したい。
 S−F1は、平面振動板システムにありがちな振動板の固有音の鳴きが見事にコントロールされ、スムーズなレスポンスと立上りが早く、それでいて滑らかで分解能が優れた音をもち、前後方向のパースペクティブを見事に再現する能力をもつ。同軸型本来の特長を最大限に引き出した世界に誇れる製品である。

ラックス PD300

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井上卓也

ステレオサウンド 58号(1981年3月発行)
「Pick Up 注目の新製品ピックアップ」より

 レコード盤とターンテーブルを空気により吸着一体化し、無共振化するバキュアム・ディスク・スタビライザーを採用したベルト駆動プレーヤーシステムを世界初に商品化し先鞭をつけたラックスの、第2弾製品が、このPD300である。
 プレーヤーシステムとしての基本構成は、トーンアームレス、各種トーンアーム用に用意されたアームベース別売システムだ。
 ターンテーブルは、直径30cmアルミダイキャスト製、重量3・5kg、表面には外周と内周部にシーリングパッド、内側シーリングパッドの外に空気吸入口を備える、軸受部は10mm径ステンレスシャフトと真ちゅう製軸受、超硬鉄ボールの組合せ。
 キャビネット構造は、脚部の高さ調整可能のサブインシュレーターとターンテーブル軸受部分とトーンアームベース取付部分とを非常に強固な一体構造で結んだブロックのメインシャーシに3個の大型のメインインシュレーターを組み合わせたダブルインシュレーター方式で、外部振動を遮断している。このメインインシュレーターは、天然ゴム、シリコングリス、スプリングを組み合わせたラックス独自の2段階制動式で、水平調整ツマミでターンテーブルの水平バランスが調整可能である。なお、別売のアームベースは厚さ8mmのアルミ削り出しで作られ、各種市販トーンアームに対応できるように4種類が用意されている。アーム取付穴はオフセットしているため、ベースを回転してカートリッジのオーバーハング調整が可能な構造を採用している。
 PD300の最大の特長は吸着システムである。これはコロンブスの卵的なユニークな発想のふいごの原理を利用した真空ポンプ使用でキャビネット前面のレバー操作で容易に吸着と解除がワンタッチでできる。動作は確実で、吸着状態を表示する表示ランプがレバーの横にあり、解除で橙色、吸着で青色に切り替わる。また、本機には、アンプに採用されたAC電源極性チェッカーが備わっている点も注目したい。
 トーンアームにSAEC WE407/23、ベースにTF−MTを組み合わせる。吸着は容易であり安定度、操作性ではむしろPD555をしのぐ印象がある。音は、価格帯としては安定感があり重厚な低域は特筆に値する。使いこなしのコツは速度調整の微調でサウンドバランスをとること。

Lo-D TU-1000

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井上卓也

ステレオサウンド 58号(1981年3月発行)
「Pick Up 注目の新製品ピックアップ」より

 昨年のオーディオフェアに出品され、一部のマニア層の熱い視線を集めた注目のプレーヤーシステムである。
 プレーヤーシステムとしては、トーンアームレスタイプで、電源部はキャビネットから分離をした独立タイプである。
 直径33cm、重量6kgのアルミターンテーブルは、下面に特殊加工を施した特殊粘弾性体を充填した防振構造を採用。モーターは、重量級ターンテーブルを33 1/3回転時に1/3回転で定速に駆動できるだけの5kg・cmの高起動トルクを発生する新開発のストロンチウムフェライトマグネットをローターに使ったLo−D独自の磁気浮上式ユニトルクモーターを組み合わせている。
 新開発のモーターは、300極精密着磁をおこない磁気誘導全周積分方式により高い周波数で高精度の速度検出信号を取り出し、クォーツロック回路で安定度が高く、応答性の優れたサーボコントロールをし大慣性ターンテーブルと軸真円度0・1μの高精度軸受機構で、測定限界にせまるワウ・フラッター0・006%(WRMS/FG法)に達している。なお、モーターシャフトはDD型としては異例の直径16mm、特殊ステンレス鋼を熱処理をしたタイプを使い、磁気浮上方式はローター磁石とヨーク間の磁気吸引力がターンテーブル重量を打ち消す作用をし、実質的には軸受重量は1/3以下に軽減され、重量6kgのターンテーブルは2kg弱の重量に相当することになる。
 キャビネットは、特殊積層材使用80mm厚ソリッドタイプで、裏面を特首謀浸材でダンプした合金キャスト製パネルをパーティクル材及び粘弾性材多層構造の本体に固着した構造である。なお、アームベースは特殊合金製重量1・5kgで、加工が難しいため使用アームに合わせてLo−D工場で加工され直接送付される方式をとっている。
 TU1000にSAEC WE407/23を組み合わせる。聴感上の帯域バランスはナチュラルな広帯域型で、音色は適度に明るく滑らかであり、いかにも高級機らしい格調の高さが音に如実に感じられる。音場感はナチュラルだが少しパースペクティブを抑える様子だが、これも超高価格機との比較での差である。高性能と強固なメカニズムを併せもった聴感上でのSN比の高さに特長がある見事な製品である。

アントレー EC-30

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井上卓也

ステレオサウンド 58号(1981年3月発行)
「Best Products 話題の新製品を徹底解剖する」より

 ひとくちにMC型カートリッジといっても、設計ポリシーから分類すれば、インピーダンスを低く2〜3Ωにとり、出力電圧より出力電流を多く取り出すことを目的とした電力発電効率を重視したタイプ、インピーダンスを数10Ωと高くとり、出力電圧を多く出力電流を少くした、ややMM型などのハイインピーダンス型に近い電圧型のタイプ、その中間の数Ω〜20Ω程度の中間派と、ほぼ3種類が市販されているが、アントレーの製品はもっともMC型らしい低インピーダンス型である点に特長があり、本来は昇圧トランスを使って優れた性能を発揮するタイプだ。
 今回、トップモデルとして発売されたEC30は、アルミ合金シェル一体構造を採用し、ボロンカンチレバーとダイヤチップの銀ロウ接合、センダスト巻枠、パーメンダー削り出しヨークなどに特長がある。
 ET200トランスとの組み合わせた音は、力強くダイナミックな低域をベースとした鋭角的で見事な音を聴かせる。帯域はナチュラルなバランスを保ち、アコースティックな楽器のリアリティは特筆に値する。音の性質は、かなり正統派の優等生で抑制のきいた安定で真面目なタイプである。
井上卓也

ステレオサウンド 58号(1981年3月発行)
「Best Products 話題の新製品を徹底解剖する」より

 カッターヘッドと相似形動作を設計ポリシーとする独自のデュアル・ムービングコイル型カートリッジのトップモデル、AT34を改良発展した同社のトップモデルである。構造上はシェル一体型のインテグレーテッドタイプで、主な特長はカンチレバーに先端0・2mm、基部が0・3mmのテーパード形状のベリリウムのムク材を使い、表面には耐蝕と制動を目的として0・3μm厚の金を真空蒸着して使用している。スタイラスは0・07mm角ダイヤブロック使用でAT34の0・09mm角より一段と小型化された。カンチレバーとの接着部分は銀蒸着を施し、セラミック系接着剤で加熱溶着し剛性を高めている。コイル部分はアニール銀銅線をバナジウム・パーメンダーコアに巻き、磁気回路はバナジウム・パーメンダーヨークとサマリウムコバルト磁石で磁気エネルギーは従来より30%向上しているとのことだ。
 試聴はAT650との組合せで行なった。従来のAT34とくらべ、音の粒子が一段と細かくシャープになり、分解能が向上した点が大きい変化である。テクニカらしい安定したサウンドと、トップモデルらしい安定度をもつ優れた製品だ。

リン Asak

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井上卓也

ステレオサウンド 58号(1981年3月発行)
「Pick Up 注目の新製品ピックアップ」より

 ターンテーブルでの情報損失を重視した高性能33 1/3回転専用ベルトドライブ型ターンテーブル、LP12で特異な存在として知られる英国のスコットランドにあるリンから今回、同社初のMC型カートリッジ、リン・アサックが発売されることになった。
 この製品の特長は、カートリッジボディを剛体化し、トーンアームに強固に取り付ける目的で、可能なかぎり幅広いプロポーションを与えた点にある。これは、針先の振動がカンチレバーを介してボディや磁石を振動させる情報損失をトーンアームとターンテーブルのマスを利用して防止しようという構想に起因した必然的な結果らしい。
 発電メカニズムの詳細は不明だが、規格から推測すれば、コイル巻枠に磁性体を使った、いわゆるオルトフォンタイプのようで、インピーダンス3・5Ω、出力電圧0・2mVと発表されている。
 試聴はLP12とリン・イトックLVIIを組み合わせて行なった。スケールが大きく重厚な低域をベースに、適度に輝きがあり、コントラストがクッキリとついた中域から中高域が個性的である。ローエンドを適度にカットしたことによって得られる安定感が他にはない独特のポイントだ。

ADC Astrion

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井上卓也

ステレオサウンド 58号(1981年3月発行)
「Pick Up 注目の新製品ピックアップ」より

 現在の軽質量、軽針圧型カートリッジの原型とも考えられるADC1をステレオ初期に開発し、一躍注目を集めたADCから同社のトップモデルとしてASTRIONが新しく発売された。
 発電方式は、当然、振動系外部に固定された磁石で振動系のミューメタルを電磁誘導し磁化してMM型と同様な動作をさせる独自のIM(電磁誘導)型である。ASTRIONは、カンチレバー材料にレーザー加工で作られたサファイアシャフトを採用した点が同社初のチャレンジである。硬度が高く、制御が難しい宝石カンチレバーを使いこなすために、振動系支持機構に新しくOrbitalピボットを開発して採用している。IM型独特のカンチレバー重心位置を振動系支点とするためには支持機構が重要な部分だが、ここではミューメタルの精度加工とS9サスペンションブロックという構造で見事に解決を与えている。
 聴感上の帯域バランスは典型的な広帯域型で、伸びた重低音は印象的である。音は滑らかで細かく、余裕のある穏やかさが目立つ。また宝石カンチレバーに聴取れやすい固有音はほぼ完全に制御され、現在市販されている製品ではベストの完成度をもつ。

KEF Model 105.4

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井上卓也

ステレオサウンド 58号(1981年3月発行)
「Pick Up 注目の新製品ピックアップ」より

 KEFが、1976年夏のシカゴのCESでプロトタイプとして発表した105は、フロアー型スピーカーシステムに要求される技術的な要素を独創性のあふれたデザインにまとめあげた特異な存在の製品であった。今回、発表されたMODEL105・4は、105の子供に相当する位置づけにあり、より安い価格帯の製品でありながら、出力音圧レベルを向上。当然のことながらMODEL105の特長をすべて受け継いだ注目の新製品である。
 フロアー型のエンクロージュアは、内容積40ℓの密閉型。低音用と、上部に乗った独自のピークレベルインジケーター兼最適聴取位置を指示するリスニングウインドウ付の中音と高音用の独立した8・5ℓの密閉型エンクロージュアの2重構造を採用。上部の中・高音用は上下方向に首を振り、聴取位置の調整が可能の設計である。
 ユニット構成は、口径20cmのベクストレンコーン採用のB200ユニットを2個直列接続で使用するパラレル駆動ウーファーをベースに、口径11cmベクストレンコーンとPVCロールエッジ、直径25mmボイスコイル採用のB110スコーカーと、口径2・5cmドーム型T33トゥイーターの3ウェイ方式である。
 ネットワークは、この製品で最も興味深い点だ。その第一は、スピーカー入力端子直後に480μFの超低域カット用コンデンサーが使用してあることであり、その第二は、中音用の能率を向上する目的でローカット用Lを利用したオート・トランス方式である。その他、中音のハイカット以外はすべて18dB/oct型であることも国内製品と比較して変っている点といえるだろう。
 付属機構の主なものは、聴取位置に座り、視覚的にスピーカーの音の主軸をチェックするリスニングウインドウと200W入力時に点灯するピーク表示を兼ねたLEDインジケーターと過大入力保護用S−STOPプロテクターがある。なお、取扱説明書は詳細をきわめ、部屋の設置例やスピーカーコードの長さと太さの相関関係など親切なハウ・トゥが記されている。
 柔らかく伸びやかな低域をベースに少し抑え気味の滑らかな中域と繊細な高域がバランスしプレゼンス豊かな音が105・4の特長である。使用アンプは音場感の優れた現代型アンプが105・4のマストである。

セレッション Ditton 300

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井上卓也

ステレオサウンド 58号(1981年3月発行)
「Pick Up 注目の新製品ピックアップ」より

 英国のスピーカーメーカーとして屈指の伝統を誇るセレッションの製品は、以前から、その独特の技術と穏やかで安定したサウンドをもつDITTONシリーズで高い評価を獲得しているが、昨年来、新しいシリーズ製品に装いを変えて置き換えられている。
 すでに、DITTON130、150それに200の3モデルが登場しているが、今回、この新シリーズの最上級モデルとしてDITTON300が発表された。これによって〝スーパー・ナチュラル〟サウンドと名付けられた新シリーズの全製品のラインナップが揃ったことになる。
 DITTON300の特長は、新シリーズ中で唯一のオーソドックスな3ウェイ方式を採用し、ベーシックトーンを受け持つウーファーに、口径25cmの専用ユニットを採用している点にある。
 使用ユニットは、高音用に、シリーズ共通に採用されており、口径2・5cmのトゥイーターとしては定評の高いHF1001を、中音用には、口径12cmのコーン型スコーカーを組み合わせ、クロスオーバー周波数は、4・5kHzと650Hzである。
 エンクロージュアは密閉型で、外形寸法状ではDITTON200よりひとまわり大きいが、内容積は同じ37ℓ、±3dBの再生周波数帯域では、低域で52Hzと発表され、5Hzほど伸びていることになる。
なお、出力音圧レベルは87・5dBで、英国製のシステムとしては比較的に高能率タイプに属する。
 DITTON300は、新シリーズのトップモデルらしい質感をクッキリと安定に表現する高級機らしい雰囲気を感じさせる低音に特長がある。帯域バランスは、中域の情報量がタップリとした、いかにも、3ウェイ構成らしい独特のバランスであり、他の新シリーズのシステムとは一線を画している。スピーカーシステムの基本的キャラクターは、英国の製品としては中域を含み、音にクッキリとコントラストをつけて、ストレートに聴かせるタイプで、サランネットを外して聴くと一種のモニターサウンド的傾向が明確に感じられる。聴感上の能率は実用上で十分のレベルにある。音色は低域が少し重く、暗い傾向があるが、力強さもあり安定感につながる。トータルバランスの優れた好感のもてる製品である。
井上卓也

ステレオサウンド 58号(1981年3月発行)
「Pick Up 注目の新製品ピックアップ」より

 最近でこそ、ほとんどのプリメインアンプはMC型カートリッジをダイレクトに接続して使用できる機能を備えているが、MC型のファンにとって、最新のエレクトロニクス技術の粋を集めたヘッドアンプか、それとも古典的な昇圧トランスかの選択は以前から論議の集中するポイントであった。
 今回、空芯の純粋MC型カートリッジを作るメーカーとして独特の存在であるFRから、低インピーダンスMC型専用昇圧トランス、XF1が新しく発売された。
 FRの昇圧トランスは、1967年に民生用として初めてトロイダル巻線を採用したFRT3以来、独自の巻線機を開発して一貫してトロイダル巻線を使用している点に特長がある。この方法は鉄芯に同心円状に積層構造をしたリング型コアを使い、これに巻線をくぐらせて巻いたタイプで、信号伝達損失が一般型にくらべ少なく、低出力のMC型には最適の構造といわれている。
 XF1は、鉄心に厚さ0・005mmのスーパー・パーマロイ系の最新材料を何百層もラミネートした従来の同社製品の約4倍のボリュウムをもつ広帯域型を使用し、コア表面に特殊絶縁処理を施し密着巻に近く、コアのケーシングを除いた新方式を採用したトランスがポイントである。
 ステレオの左右チャンネルを同じケース内で取り扱うトランスの内部構造は、現実のトランスでは、優れたトランスそのものの性能を充分に発揮させるために不可欠の要素である。XF1では、入力系、トランスユニットとトランスのシールドドレイン及び出力コードを完全に左右独立構成として、左右チャンネル間の電気的、磁気的クロストークを極限にまで抑え、再生音的に優れたステレオフォニックな音場感を得ることに配慮されている。なお、トランスユニットは、それ自体の性能が高いほど外部誘導の影響を受けやすいため、ここでは78%パーマロイの4層積層シールドを使用している。
 XF1は、3Ω以下の低インピーダンスMC型専用トランスであり、一般的なバイパスを含むスイッチは全て高性能化のため使用されていない。FR7fやMC30などを使って試聴をすると音の表情は非情に細かく滑らかでナチュラルな反応を示し、それにトランス独特の力強さも加わった見事な音を聴かせる。やはり、低インピーダンスMC型はトランスに限るといった感想だ。

ヤマハ PX-3

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井上卓也

ステレオサウンド 59号(1981年6月発行)
「Pick Up 注目の新製品ピックアップ」より

 ヤマハでは理論的に一般のオフセットアームに比べて性能が高いリニアトラッキングトーンアームに早くから着目し、いち早く超高級プレーヤーシステムにこのタイプのトーンアームを採用したPX1を開発。続いてリニアトラッキングシステムを合理化した第2弾製品PX2を市場に投入しているが、今回、このシリーズの第3弾製品としてPX3を新発売した。
 リニアトラッキング方式で最重要のシステム構造は、基本的にはPX2系のもので、アームベース内に非接触・光学式トラッキングエラーセンサーがあり、DCコアレスサーボモーターが不平衡電圧によりアームベースを駆動する。サーボ回路には±0・5mmの不感帯があり、レコードの偏芯が0・5mm(JISで0・2mm以下)ならレコード内周方向にのみアームは移動する。結果的に、これにより針先偏位は±0・5mm、アーム角度±0・15度以下で動作をし、歪発生を最小に抑えている。
 無共振構造ストレートアームは、材料の吟味、加工精度を始めフィンガーフックもない左右完全対称型設計、アーム基部の二重構造などで実効質量17gに設定されている。この値は、市販MM型20種、MC型10種の重量とコンプライアンスを測定した結果からf0 12Hzを目標に決定。レコードのソリ(1・1Hzが基本成分)、偏芯(0・55Hzが基本成分)の超低域成分と音楽信号成分が約12Hzを分岐点として高低に分かれている測定結果からの値である。
 ターンテーブルは重量1・6kgアルミダイキャスト製。モーターはDC4相8極コアレスホール型で、全周積分FG付のクォーツ制御方式である。キャビネットは高比重BMC製。1・1kgダストカバー付で、ゴム・スプリング複合型インシュレーターが附属する。
 機能は、電子制御フルオートマニュアル盤径選択後、PLAYで動作する方式だ。
 PX3は、豊かで柔らかい低域から中低域をベースとした安定感のあるナチュラルな帯域バランスをもつ。音色は適度に明るく、音の伸びやかさもある。試みに手もとにあったスタビライザーを乗せると、中低域が緻密になり全体に音が引き締って鮮度感が上がる。リニア方式独特の音場感の自然な拡がりと定位のシャープさは現時点でも新鮮な魅力。バランスの優れたシステムだ。

ソニー PS-X800

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井上卓也

ステレオサウンド 59号(1981年6月発行)
「Pick Up 注目の新製品ピックアップ」より

 ソニーのPS−B80は、世界最初のMFB制御方式のバイオトレーサーアームを採用した製品として、オーディオの歴史に名をとどめるフルオートプレーヤーシステムであるが、今回新しく登場したPS−X800は、理論上で理想のトーンアームであるリニアトラッキング方式のアームをバイオトレーサー化して採用した注目の新製品である。
 リニアトラッキング方式のトーンアームは、レコード制作時に使うカッティングレースの動作と近似の動作をするために水平方向のトラッキングエラーが極めて小さく、トーンアームの全長が短く、軽質量でトラッキング能力が高いメリットをもっている。
 しかし、現在市場にあるリニアトラッキングアームは、細かく見れば針先の移動に対してトーンアーム支持部の動きが静止・移動・静止と断続的に移動する方式が多い。この細かい点に注目して、今回発売のリニア・バイオトレーサーでは、アクティブ・トレース・サーボ方式を開発、アーム支持部の速度と針先速度の差として得られるトラッキングエラー角を検出し、常に針先速度とアーム支持部の速度が同じになるようにサーボをかけ、トーンアーム自体が動くという新リニアトラッキング方式を採用している。
 リニアトラッキング方式にはアーム支持部を移動させるためのガイドを必要とする。PS−X800のガイドはモノレール型で、アーム支持軸とアーム支点が常に同軸上にある。また、軸受にはノイズ発生の原因となるベアリングを排除し、特殊樹脂に含油したスライド軸受により振動を防いでいる。
 アーム駆動は独自のリニアトルクBSLモーター採用であり、アーム部のコントロールには垂直と水平が独立した速度センサーを備え、独立したリニアモーターに速度フィードバックをかけて低域共振を抑えるとともに、トーンアームが動くリニアトラッキング方式の問題点を解決している。
 機能は自動アームバランス、純電子式針圧印加をはじめ、自動盤径選択とレコード有無選択、2速度のアーム移動、それにカセットと連係動作用の別売のシンクロリモートコントロールRM65がある。
 音の傾向はスケールが大きく、素直で抑制の効いた、安定感のある表現が特長。独特の素気なさがかえって現代的な魅力だ。

オンキョー Integra A-817D

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井上卓也

ステレオサウンド 59号(1981年6月発行)
「Pick Up 注目の新製品ピックアップ」より

 アンプの出力の+側と−側から2系統のサーボをかけるオンキョー独自のWスーパーサーボ方式を採用したプリメインアンプ、A817、815に改良が加えられ、それぞれモデルナンバー末尾にDのイニシアルの付いた新モデルに発展した。
 改良の主なポイントは、Wスーパーサーボを一段と強化して、歪みの原因となる超低域成分や電源部アースインピーダンスに起因する雑音成分を40dB以上も抑えたこと。これは100倍以上も強力な電源部を使ったことに相当する効果であるとのことで、従来の50倍から2倍アップしたものだ。この結果、中低域での音の分解能が一段と向上したとのことである。
 また、DCアンプ特有のスピーカーへのDCリークも、強化されたWスーパーサーボの副次的なメリットとして−100dB以上も抑圧し、スピーカー振動板の偏位がなくリニアリティノよ五百とが得られる。Dタイプとなってパワーも増加し、A815Dが55W+55W、A817Dが75W+75Wになった。
 基本構成は従来と同様で、ハイゲインイコライザーアンプとハイゲインパワーアンプの2アンプ構成。トーンコントロールは、特別なトーンアンプを使わずパッシブ素子だけで構成するダイレクト・トーン方式で、オンキョー独自の回路設計である。
 パワーアンプは、普遍的なBクラス増幅と各社各様の発展型高能率Aクラス増幅が最近では一般化しているが、オンキョーでは高能率Aクラスに多いバイアス可変方式を避けて、Bクラス増幅ながらAクラスなみのリニアリティをもち、バイアス変動のないリニアスイッチング方式を採用している。このあたりは、各社ともに何を重視してアンプ設計をおこなうかというポリシーの現れるところでそれぞれ一長一短が存在するだけに、どの方式を結果の音としてユーザーが支持するかにつきるところだ。
 MC20MKIIとDL305を用意して聴く。音の粒子が滑らかに磨かれ、独特のスムーズさのあるしなやかなワイドレンジ型の音だ。微妙に薄化粧をしたようなこの音は大変に美しく、音場感は少し遠くに拡がる。総合的にDL305がマッチするが、MC20MKIIともどもゲインが不足ぎみでMM型を標準に使いたいアンプだ。

サンスイ AU-X11

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井上卓也

ステレオサウンド 59号(1981年6月発行)
「Pick Up 注目の新製品ピックアップ」より

 サンスイのプリメインアンプは、現在のシリーズの出発点であるAU607、707から第2世代のAU−D607、D707、D907を経て、現在はAU−D607F、D707F、D907Fの第3世代に進化しているが、それぞれの特長として第1世代はDCアンプ構成、第2世代がダイヤモンド差動増幅方式採用、第3世代のスーパー・フィードフォワード方式が技術的な特長になっている。
 今回発売されたAU−X11は、従来サンスイプリメインアンプのスペシャリティモデルとして第2世代のプリメインアンプの時期に登場したAU−X1の後継モデルとして開発された製品である。
 基本的なデザインはAU−X1と同じだが、新しくヴィンテージの名称が付けられ、パネルサイドに木製サイドボードが加えられたのが異なった点だ。
 基本的構成は、ゲインと負荷抵抗切替可能なMCヘッドアンプ、イコライザーアンプ、フラットアンプとパワーアンプの4ブロック構成で、トーンコントロール回路はない。イコライザーアンプのダイヤモンド差動増幅DCサーボ回路、パワーアンプ部のダイヤモンド増幅スーパー・フィードフォワード方式に特長がある。
 電源部は伝統的な協力電源採用のポリシーを感じさせるもので、MCヘッドアンプ、イコライザー、フラットアンプ、それにパワーアンプがそれぞれ独立した左右独立型を採用。電源トランスはパワー段専用に左右独立巻線の大型トロイダル型、プリドライブ以前の回路用に左右独立の大型EIトランスを使う2電源トランス方式である。
 機能面は、イコライザー付パワーアンプともいえるシンプルなタイプで、左右独立のレベルコントロールをバランサーの代りに使う方式。イコライザー出力を直接パワーアンプに結ぶジャンプスイッチをもち、個のはIにはゲインは−14dBとなる。また、サブソニックフィルターは、16Hz−3dB、6dB/oct型だ。
 コンストラクションは、オーディオアンプでその性能と音質を決定的に支配するところだが、AU−X1に比べAU−X11は、かなり大幅な変更が行なわれた。従来はパワートランジスター用左右チャンネルのヒートシンクが中央部に位置し、それをはさんで横一列に左右チャンネル各4個使用の電解コンデンサーが配置されていたが、今回は、この配置が入れ代り、8この電解コンデンサーを中央部に集中配置コンデンサーのタイプもより高性能型に変更されている。最近ではヒートシンクにヒートパイプを採用する例が多く、サンスイのFシリーズもこのタイプになったが、AU−X11のみは従来型の重量級ヒートシンクを採用している点は注目したいところだ。
 シャーシは、マグネティック歪対策としてAU−D907LIMITEDで採用した銅メッキが施され、ボンネットはアルミ製、サイドはローズウッドの木製に変っている。
 マイクロSX8000とMC20+AC3000MC及びDL305+DA401をプレーヤーに、JBL4343Bを使いAU−X11を聴く。AU−X1が、一般のアンプより1octほど伸びたように感じるソリッドな低域をベースに非常に押し出しの良いエネルギッシュなサウンドを特長としていたことに比べると、AU−X11は全体に音の粒子が細かくリファインされ、適度に力強い低域をベースとしたナチュラルな帯域バランスをもち、ディフィニションが優れた音場感の拡がりが加わった音になった。MC20、DL305ともに特長は素直に音となるが、MM型使用時の方がX1のイメージを強く持つようだ。ヴィンテージの名称の如く、パワーで押す若者が年月を経て余裕のある大人の魅力を備えた印象。

デンオン PMA-950

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井上卓也

ステレオサウンド 59号(1981年6月発行)
「Pick Up 注目の新製品ピックアップ」より

 新製品PMA950は、既発売のPMA970の系統を受け継いだデンオンAクラス増幅方式採用のプリメインアンプ第2弾製品で、出力は80W+80WとPMA970の80%である。
 基本構成は、ハイゲインイコライザーアンプといいゲインパワーアンプの2アンプ構成である。イコライザーは、新開発の広帯域MC/MM切替型で、RIAA偏差は20Hz〜100kHzで±0・2dBのワイドレンジ設計で、CR・NF型が特長。さらにMM型使用時に高域での実装負荷による歪率増大を防ぐ特殊回路の開発で高域歪は十数分の1に低下している。トーンコントロールは、信号系路からコンデンサーを除去したリアルタイムトーンコントロールで、パワーアンプ部にある。
 パワーアンプは、将来プログラムソースとして登場してくるPCMプログラムをも考慮して、広帯域化、ハイスピード化がテーマとなったデンオンAクラス増幅採用。スピーカー実装時の歪増加を避けるリアルドライブ回路の開発で、純抵抗負荷時の歪率と実装時の差を少なくしている点に注目したい。ちなみに、純抵抗負荷時に比べ実装時の歪みは、スピーカーによって数十倍にまで増加することがあるとのことだ。
 フォノ入力を含むAUX、TUNERなどの入力信号は、トーンコントロール使用時を含み、スピーカー端子まで信号系にはコンデンサーがない完全DC構成である。
 電源部は大型トロイダル電源トランスと22000μFかける2の電解コンデンサー使用で、4Ω負荷100W+100W時のA級パワーアンプを充分にドライブできる能力を備える。なお、電源部はパワーアンプ部の中心部に配置され、ワイアリングは左右チャンネル等距離、最短距離とするパワー・カレント・ピュア・ラジェーション構造を採用しているのも構造上の注目点である。
 マイクロSX8000にMC20とAC3000MC及びDL305とDA401を使いPMA950を聴く。MC20では適度に広帯域で、反応が早くキビキビした音だ。音像は小さく、少し距離をおいて並ぶ。DL305にすると表情の伸びやかさと分解能が高くなる。PMA970より反応が早く、プレゼンスも優れた印象である。全体に軽量級の印象はあるが、鮮度が高く分解能が優れた現代アンプらしい魅力作だ。
井上卓也

ステレオサウンド 59号(1981年6月発行)
「Pick Up 注目の新製品ピックアップ」より

 このシステムは、エレクトロボイス社が放送局及びスタジオモニターシステムとして小型、高能率それに周波数特性が軸上で3dBダウンのポイントが低域で45Hz、高域で18kHzを目標に開発した新製品。
 ユニット構成は、20cm口径ウーファーとスーパードーム型と名付けられたトゥイーターの2ウェイ型で、クロスオーバー周波数は2kHzにとられている。ユニット関係では、放送局用コンソールのあまりハイパワーでないパワーアンプでも、例えばロックンロールのディスクジョッキーが要求するパワーを得るために高能率が要求され、300〜2000Hzで91dBが得られているが、この値は米国では高能率の部類に入るようすである。また、テープデッキの早送り、巻戻し時のキューイングでトゥイーターを破損しないように、ドーム型トゥイーターの許容入力は、通常のタイプの約5倍の25Wに耐える設計である。
 システムとしての許容入力は、長時間の使用では30W、10ミリセコンドの短時間なら300Wと発表されている。インピーダンスは6Ωとあるから、全般に能率を上げるためにインピーダンスをかなり下げる設計が広く採用されている昨今では、むしろ平均的な値といえよう。ちなみに、5万円以下の国内製品ブックシェルフ型では公称インピーダンスが8Ωで、実際の最低インピーダンスが4Ω以下というシステムも存在している。最低インピーダンスを知らぬユーザーが8Ωと信じて比較試聴をすれば、このようなシステムは見掛け上で高能率と思いやすいことに注意すべきである。
 このセントリー100で注目したいのは、場所的にモニタースピーカーを任意の位置にセットし難い放送局などのスタジオ使用状態に合わせるために、別売のSRB7ラックマウント兼ウォールマウントキットがある。これを使えば、19サイズのラックに前面から取付け可能だということだ。
 エンクロージュアも業務用を考慮して外装はマットブラックのビニール仕上げだ。
 セントリー100の豊かでやや制動の効いた低域をベースに、少し薄い中域、スムーズな高域という典型的2ウェイバランスの音だ。音色は低域が重く粘りがあり、高域は適度に明るい。モニターとしては穏やかな音で長時間の試聴でも疲れないタイプ。

アントレー EC-20

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井上卓也

ステレオサウンド 59号(1981年6月発行)
「Pick Up 注目の新製品ピックアップ」より

 MCカートリッジ専門メーカーのアントレーからは、先号で紹介したシェル一体型のトップモデルEC30が発売されたが、これに続いてまたもや新製品EC20が発売になった。EC20のリポートの前に、EC30でその後わかった点を、この欄をかりて報告しておきたい。EC30は、MC型カートリッジが広帯域で繊細な音というイメージが強いなかに、力強く、パワフルな音をもつ製品として印象が強いが、力強く音をいきいきと聴かせる反面、MC型らしい彫りの深いシャープな分解能が不足気味であると思う。この点は、その後連続して使う間に、徐々に生硬さが解消して、フレキシビリティとシャープさが出てくるようだ。メーカーに問合せた結果でも、約10時間ほど使うとエージングができて本来の調子になるとのことで、EC30を使用中の読者は、しばらくエージングして使っていただきたい。MC型カートリッジのエージングの例は、お的フォンSPUシリーズなどではいわば常識化されている。最初は音が硬く荒々しいが、使う間にスムーズさが出てきてSPU独特の音になる。そして、絶好調の時期が来たら、そろそろ針交換の時期が来たなということでスペアを用意しておくというのが愛用者の共通パターンだ。
 さて、新製品のEC20は、アントレー初のカンチレバーにサファイアパイプを採用したモデルだ。ムクの棒に較べて50%軽いサファイアパイプカンチレバーは、剛性が高く、音の伝搬速度が速い利点をもつが反面、硬度が高いだけに狂信が発生しやすい欠点をもつ。これを解決するために、EC20ではアルミパイプをサファイアパイプの基部にインサートしステップド・テーパード状としてQダンプをおこない高域共振を抑え、この固有音がつきやすい宝石系カンチレバーのデメリットを解決している。
 磁気回路はサマリウム・コバルト磁石、コイル巻枠は2mm角スーパーパーマロイ使用で3Ω、0・25mVの高出力を得ている。
 EC20は、ナチュラルな帯域バランスと、明るくダイレクトな音が特長。宝石系カンチレバー特有の固有音の発生や逆に過制動の印象はなく、芯が強く活気があり、ダイナミックな音を聴かせる。針圧はアームにより微調整が必要。アームはオイルダンプ型より通常型が性質とマッチした。
井上卓也

ステレオサウンド 124号(1997年9月発行)
特集・「オーディオの流儀──自分だけの『道』を探そう 流儀別システムプラン28選」より

 小口径フルレンジ型ユニットに、ボイスコイルそのものを抵抗分として直列に使用して低域再生能力を高めるという独自の設計を施し、これにスーパートゥイーター的な高域ユニットを加えたユニークなシステムが、ビクターSX−V1Aである。アルニコ磁石採用のウーファーとトゥイーターは真鍮ベースに組み込まれ、エンクロージュアはサブバッフルにVDE/2針葉樹系高密度材、その他は無垢マホガニー材採用と、小型ながら超豪華設計で、専用スタンドと組み合わせて、想像を超える豊かな音楽性のある音が楽しめるシステムだ。反応が速く鮮度感の高いスピーカーを活かすためには、同社のXL−V1/CDプレーヤーとAX−V1プリメインアンプがベストマッチだ。フロントパネルとボンネットを一体化した見事な筐体と、物量をふんだんに投入した設計は、クォリティが抜群に高く、趣味としてのオーディオを、大人が楽しむためにふさわしい組合せ。

BOSE 901WB(組合せ)

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井上卓也

ステレオサウンド 124号(1997年9月発行)
特集・「オーディオの流儀──自分だけの『道』を探そう 流儀別システムプラン28選」より

 小口径フルレンジ型ユニットを9個シリーズ接続として小型エンクロージュアに納め、コンサートホールの直接音対間接音の配分どおりに、前面に1個/背面に8個を取り付けたシステムがボーズ901で、高域と低域は専用イコライザーで補整をする独自のシステムである。現在は度々の改良を重ね901WBに発展し、鮮明な音に進化を遂げている。本来の性能を音として引き出すためには、相当に優れたシステムが必要であり、ここではバランスを崩した組合せにならざるをえない。CDプレーヤーは、一体型として個性派の、ワディアとティアックの合作、X10Wの音楽性豊かな表現力がぜひとも必要だ。アンプは、パワフルでスピーカー駆動濃緑に優れ、必要帯域内のエネルギーバランスが見事なマランツPM15がベストマッチである。反応が速く、活き活きとした、フルレンジ型の魅力を再認識させる組合せだ。
井上卓也

ステレオサウンド 124号(1997年9月発行)
特集・「オーディオの流儀──自分だけの『道』を探そう 流儀別システムプラン28選」より

 スピーカーシステムは、中口径フルレンジユニットをベースとするべきだとの考え方に立ったとしても、超低域から20kHzを超す広帯域のディジタルプログラムソースを再生するためには、フルレンジユニットの高域もしくは低域を、トゥイーターもしくはサブウーファーを組み合わせ、広帯域再生化を考えなければならないであろう。
 静電型のフルレンジユニットをベースとすれば、サブウーファーを追加して比較的に容易にシステムプランが成り立つが、音量的な制約は基本的に残り、特性面では一歩を譲るが、やはり、ダイナミック型ユニットの魅力は捨てがたいものがあるようだ。
 このタイプのフルレンジユニットは、基本的に設計時期が古く、アナログ時代に開発されたユニットの生き残ったものが主流で、少なくとも、現代の最新のテクノロジーにより開発されたものは非常に少ないのが現状だ。
 非常に数の少ない最新設計のフルレンジ型ユニットのなかで注目したい製品が、静電型に匹敵する過渡応答に優れた特徴を持ちながら、ダイナミックレンジを一段と向上させ、柔らかい振動板により、振動の最初から全帯域を分割振動で動作させる、BWT(ベンディング・ウェイヴ・トランスデューサー)である。
 基本構想は、かつてのヤマハ/NSスピーカーと共通性があるが、特殊な薄膜材料に直接ボイスコイルを取り付けた振動系は、人間の耳の構造を範として設計されたとのことで、約20cmの口径で80Hz〜32kHzをカバーするという異例の超広帯域ユニットだ。
 この独マンガー研究所が30年の歳月をかけて完成させたユニットに、プロセッシング・プレッシャー・コントロールアンプが駆動するアクティヴ型ウーファーを加えたシステムが、スイスのアクースティックラボ/ステラ・エレガンスである。
 ナチュラルで色付けがなく、ストレスフリーな音は、最新フルレンジ型ならではの独自の魅力がある。

「オーディオの流儀」

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井上卓也

ステレオサウンド 124号(1997年9月発行)
特集・「オーディオの流儀──自分だけの『道』を探そう」より

 録音・再生系を基本としたオーディオでは、再生音を楽しむための基本条件として、原音再生は不可能であるということがある。録音サイドの問題にタッチせず、再生側のみのコントロールで、各種のプログラムを材料として再生音を楽しむこと、の2点が必要だ。再生系ではスピーカーシステムが重要だが、電気系とくらべ性能は非常に悪い。しかし、ルーム・アコースティック・設置条件、駆動アンプなどの調整次第でかなり原音的なイリュージョンが聴きとれるのは不思議なことだ。
 スピーカーは20cm級全域型が基本と考えており、簡潔で親しみやすい魅力がある。プログラムソースの情報量が増えれば、マルチウェイ化の必要に迫られるが、クロスオーバーの存在は振幅的・位相的に変化をし、予想以上の情報欠落を生じるため、遮断特性は6dB型しかないであろう。
 ステレオ再生では音場再生が大切で、非常に要素が多く、各種各様な流儀が生じるかもしれない。
井上卓也

ステレオサウンド 124号(1997年9月発行)
特集・「オーディオの流儀──自分だけの『道』を探そう 流儀別システムプラン28選」より

 2ウェイ構成の放送モニターシステムとして名声の高い2S305系の技術を継承し、新素材振動板を採用して、現代のディジタルプログラム時代のコンシューマーモデルとして開発されたダイヤトーンDS205は、大変に魅力的な製品。モニターの基本構成は受け継いではいても、しなやかでほどよく反応が速く、響きの豊かなプレゼンスを狙って開発されたシステムであり、容量の大きなバスレフ設計が最大の特徴だ。CDプレーヤーは世界最高の一体型、ビクターXL−Z999が、高価ながら使って納得させられる力量が見事で必須の選択。アンプは、雰囲気と表現力の豊かさを狙えば優れた管球アンプが使いたくなる。入手がいまや困難かもしれないが、レプリカ版のマランツ7と8Bが想像を絶した、現代に通用する見事な音を聴かせる。一段としなやかでナイーブかつ鮮度感のある音を求めれば、U・BROSジュニア2とU・BROS1Kを使いたい。
井上卓也

ステレオサウンド 124号(1997年9月発行)
特集・「オーディオの流儀──自分だけの『道』を探そう 流儀別システムプラン28選」より

 ホーン型ユニット採用のスタジオモニターのなかで、比較的にコンパクトで内容の充実した製品を探してみると、価格を含め、英タンノイのシステム215MKIIは、ぜひとも使ってみたいシステムである。専用スタンドが用意されていることも非常に魅力的だ。同軸2ウェイとウーファーの組合せで、2ウェイ/3ウェイ兼用設計が最大の特徴。今回の組合せは、バランス感覚を重視しているが、CDトランスポートは、世界最高のメカニズムに基づいた、超高SN比を誇るCDP−R10が必須条件。これに高SN比で音楽性豊かなXP−DA1000Aを組み合わせる。実際に使って大変に好ましいペアだ。アンプは高SN比が条件で必然的に国内製品を選ぶ。アキュフェーズ、マランツ、パイオニア、ラックスマンが候補になるが、SS試聴室のリファレンス機として責任を果してくれたアキュフェーズC290と、ソリッドで充実した音のA50に、DG28を加えれば万全だ。

アキュフェーズ E-407

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井上卓也

ステレオサウンド 133号(1999年12月発行)
「TEST REPORT 2000WINTER 話題の新製品を聴く」より

 E407は、現在におけるプリメインアンプのリファレンスモデルを目指して開発された、アキュフェーズのプリメインアンプのトップモデルである。本機は、E406Vの後継機に位置付けられる新製品で、新世代のプログラムソースであるSACDやDVDオーディオなどに求められる周波数特性やSN比、クロストークなど、すぐれた諸特性を実現しているという。
 内部は、機構・回路設計ともに、プリ部とパワー部は完全に分離した準セパレートアンプ的構成が特徴で、プリ部とパワー部は独立した使用が可能である。また、プリ部・パワー部ともに高域位相特性にすぐれた電流帰還型増幅回路を採用している。
 前作を受け継ぎ、プリ部は、オプションのフォノEQボード用増設スロットを装備する。なお、トーン回路は、独自の加算型アクティヴフィルター方式を採用した。
 パワー.部は、マルチエミッター型パワートランジスターを3組並列プッシュプル構成としている。電源は、放熱フィン付きのダイキャストケースに納められたマックスリング型トロイダルトランスと、33kμFの容量をもつ電解コンデンサーを2個搭載。さらにヘッドフォン出力は、専用アンプを使用する音質重視型設計で注目される。入出力の切替えは、すべてロジック・リレーによる制御を行ない、増幅系は、ディスクリート回路で構成されている。
 プリメインアンプらしく、エネルギーバランスを重視した帯域バランスは安定感が充分に高く、中域の充実した密度感は、高級セパレートアンプに勝るとも劣らぬ魅力があるようだ。ほどよく抑制が効き、スムーズな音を聴かせていた、いままでの同社のプリメインアンプと比較すると、解き放されたかのように、自然体で伸びやかな音を聴かせる。しかも、スピーカー駆動能力にもすぐれ、力強く線の太い表現力を加えたこの音は、本機ならではの味わいといえよう。

マッキントッシュ MC602

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井上卓也

ステレオサウンド 133号(1999年12月発行)
「TEST REPORT 2000WINTER 話題の新製品を聴く」より

1949年の創立以来、半世紀にわたるマッキントッシュのアンプテクノロジーを注いだ、限定生産モデルの真空管ステレオパワーアンプMC2000は、ソリッドステートアップ技術のメリットを絶妙に導入した回路構成と類例のない魅力的なサウンドで注目を集めているが、それに続き、同社ステレオパワーアンプのトップモデルとして開発されたモデルが、このMC602である。
 基本的には、MC500を受け継ぐ位置付けの製品ではあるが、本機は従来モデルとは一線を画した内容で、大変に意欲的な設計が行なわれている。
 最大の特徴は、入力段から出力段までが完全なバランス・プッシュプル構成であるということだ。現時点では詳しいデータは明らかにされていないが、おそらく同社トップモデルMC1000モノーラルパワーアンプで採用された回路と近い構成だろう。
 出力オートフォーマーは、従来型を2個組み合わせたようなプッシュプル巻線を採用している。これは創業時に超広帯域出力トランス技術を特徴のひとつとしていた同社の伝統を、現在に伝える新設計のオートフォーマーだ。
 この出力オートフォーマーで結合される2台のマッチングされたパワーアンプは、相補バランス回路が組み込まれているため、ダブルバランス構成となり、歪みの打ち消し能力は大変に高くなる。これは独自の出力オートフォーマーなしには達成できない、オリジナリティ豊かな技術的成果といえよう。
 電源部は、MC602の完全バランス設計をいかすために、高圧タイプの電源2台を各チャンネル毎に備える。負荷インピーダンスが2Ω以下に下った時にも、出力電流保存機能が備わり最大1kWの出力を供給することもできるという。
 また、定格値の高周波歪率は、0・005%以下と発表されているが、中域においては、測定限界(0・0002%)以下の歪率であるという。高周波歪率やSN比などは、いままでは比較的寛容という表現をされることが多かった海外製品が、測定器の測定能力以下の歪率を公表するようになったという進歩は、驚くべきもので、従来からの独特な音の魅力に加えて、スペック的な性能が向上し、相乗効果としてどのような音が聴かせるか、と大きな期待を抱かせる。
 機能面では、伝統的なパワーガード、温度プロテクションなどの保護回路の完備をはじめ、電源ON時にアンプ動作を約2秒遅らせ、他の機器からの雑音発生を防ぐターン・オン・ディレイ回路、高出力時にメーター照明の明減を防ぐメーター照明調整回路などがある。さらにハイパワーモデルとしては、高効率が特徴で大面積放熱版採用により自然空冷を達成した。また目立ちにくい点だが、ステンレス製シャーシの採用も特徴にあげられる。
 素直に製作された純A級アンプのように、自然体でナチュラルな音を、MC602は聴かせてくれる。音量をあげていっても、まさしくストレスフリーに音量は上昇し、情報量が次第に多くなる。このことは、基本性能の高さを示す、まごうことなき証しである。
 雰囲気がよく、しっとりとしてかつ、しなやかなたたずまいのよい音は、真空管パワーアンプMC2000に一脈通じるところがあるもので、最近のマッキントッシュに共通する音の傾向である。
 大編成のプログラムソースでも、あまり音量を上げなくても、納得して聴くことができるが、音量を上げるにしたがって次第に情報量が多くなり、細部のフォーカスがあってくる爽快さは、オーディオならではの味わい深いものである。必要に応じてどのようにでもパワーをあげられる余裕度の高さは、さすがにハイパワー機の独壇場の味わいといえ、一度聴くと簡単に元にもどれない、実に困った世界である。
井上卓也

ステレオサウンド 133号(1999年12月発行)
「注目の新着コンポーネントを徹底的に掘り下げる EXCITING COMPONENTS」より

 英国ノッティンガム・アナログ・スタジオの製品は、ヨーロッパでは、ハイエンドのADプレーヤー工房として定評があるようであるが、国内市場では『ザ・スペースデッキ』が最初に登場して一躍注目をあつめ、続く『ザ・メントール』でハイエンド・ADプレーヤーメーカーとしての実力が認められるようになった。今回新製品として開発された『アンナ・ログ』は、同社のモデル中の最高峰に位置づけられるADプレーヤーである。
 現在における理想のADプレーヤーを目指して作られた『アンナ・ログ』は、ノッティンガム・アナログ・スタジオ社が、5年間の歳月をかけて開発したモデルで、従来からの同社独自のユニークな技術にさらなる試みが加えられて完成されたという。
 同社の主宰者トム・フレッチャーが、英国の産業革命時代の、なんと1740年頃にカナダから輸入された樹齢200年を超える古い樺の巨木に出会ったことから、この『アンナ・ログ』の開発がはじまったという。樺は原木のまま保管されていたわけではなく、何らかの建築物や建造物に使用されていた木材だと推測されるが、とにかく古い巨木に出会ってインスピレーションがわいたことが『アンナ・ログ』開発の契機となったことは事実のようだ。
 外観からもわかるように、『アンナ・ログ』は、同社のADプレーヤーづくりの独特な考え方に基づいている。各種構成部品がネジ止めにより構造体が作られる一般的な方法ではなく、「ベース材料の上に各種構成部品を積み重ねて置く」という非常にシンプルで、わかりやすい方法を採用している。
 システムの基礎となる厚い平板上の部分は、MDFより一段と高密度なHDFと呼ばれるブナ集積材で作られている。
 重量級の超弩級ターンテーブルが取り付けてあるターンテーブルベースが、開発のポイントになった、カナダ産の古巨木の樺材を使ったブロックである。この樺材は、25mm厚の正方形にカットされ、19個をスパイラル(らせん状)に角度をずらして重ね合わせ、巨大な圧力をかけて特殊接着される。さらにブロックの中心を少しオフセットして、軸受けベアリングがマウントされる。トム・フレッチャーによれば、このブロックは、「貴方が指の爪で引っ掻いてみても、何ら固有音は聞えず、貴方の爪の音しか聞こえません」という。
 ターンテーブルベース両側は、長さが違うスタビライザーが置かれており、ターンテーブル中心からターンテーブル両端に向かって伝わる振動を抑制している。
 ターンテーブルは、二重構造で自社内の専用工場で作られ、材料は3年間エージングしたものを加工している。合金材料は公表されず、たんに重量25kgと発表されている。ターンテーブル上部には、カーボングラファイトの重量3kgのターンテーブルマットと呼ぶには抵抗を感じる円盤と組み合わせて、異種材料の構造体を形成している。軸受けは、さまざまな材料を組み合わせたスペシャルベアリングである。
 駆動は、円断面ゴムベルトを使うベルトドライブ方式で、駆動モーターは精密24極超低トルク・シンクロモーターが採用される。ターンテーブル起動時には、ターンテーブルを直接指で回すという、単純明解な方法が採用されている。駆動モーターは、HDFベース下に単純に置くだけの別置き型設計である。
 カートリッジの針先が、ディスクの音溝の振動をピックアップして電気信号に変換するアナログディスク再生においては、ターンテーブルおよびモーターの振動を無視できるような低レベルに抑えることが重要である。このため同社では、慣性モーメントの巨大なターンテーブルと、定速回転を保つだけの最小限の駆動力を与える超低トルクモーターを組み合わせる方法がベストと考えている。
 トーンアームは、単純に『アンナ・アーム』と名付けられたモデルだ。長さ30cmのこのトーンアームは、手加工で作られたアルミブロック削り出し一体型ヘッドシェルをもつ。アーム部分はカーボンファイバー製で、軸受け部は一点支持型かつ無制動としてユニークな設計で、無共振・無振動のパイプ中には7本の純銀単線が通っている。内容は不明だが、左右信号系4本と、他は独立したアース系のリードであろう。適応カートリッジの重量は、6〜20gと発表されている。
 このトーンアームで特徴的なことは、アームリフター優先設計でヘッドシェルには指かけがなく、現実的にはマニュアル操作は不可能に近い。したがってアームリフターの差同範囲は非常に広く、リフターが上がっているときには、まずディスク上に針先を落とすことが不可能な安全設計となっている。また、アーム操作はかなり慣れが必要なタイプで、特に針圧操作は、スケールをもたないスライド式の針圧調整ウェイトを指先で調整する方法のため、別に針圧計が必要となろう。
 試聴にはオルトフォンの最新型MCジュビリーを組み合わせて使った。自重10・5g、針圧2〜2・5gの規格で、好適なペアだ。
 カートリッジが現在の最先端技術を組み合わせたモデルであるだけに、スクラッチノイズの質はよく、量も低く抑えられ、伸びやかに広帯域型の音を聴かせる。しっとりした、ほどよくしなやかで潤いのある音は非常にナチュラルで、SN比の高さは格別の印象である。確実に音溝を拾いながらも、エッジの張った音とならず、情報量豊かに静かに内容の濃い音を聴かせるパフォーマンスは見事である。
 簡単に聴くと、穏やかな音と感じられるが、他の100万円旧のADプレーヤーと比較試聴すると、予想以上の格差があり、あらためて『アンナ・ログ』の実力の高さに感銘を受ける。従来の針先が音溝を拾う感じのあるリアリティの高さもアナログの楽しさだが、この静かなストレスフリーの音も新世代のアナログの音である。

BOSE MDW-1

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井上卓也

ステレオサウンド 133号(1999年12月発行)
特集・「ジャンル別・価格帯別 ザ・ベストバイ コンポーネントランキング798選」より

家具調のデザインの採用でイメージを一新したウエストボロウシリーズ用MDデッキである。誰にでも使いやすくするコンセプトに基づき、機能を制約した開発は、とかく機能の多さを優先しがちなMDデッキのなかでは注目したい。さすがに、完結したシステム対応モデルだけに、明るい活気のある音は心地よく充分に楽しめる。

BOSE LS12II

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井上卓也

ステレオサウンド 133号(1999年12月発行)
特集・「ジャンル別・価格帯別 ザ・ベストバイ コンポーネントランキング798選」より

5・1chなどのサラウンド方式は、ドルビー・ディジタル、dtsなど多くの方式があり、難解なことが最大のネック。あれこれ難しい調整をしなくても、モノーラル/ステレオを問わず、容易に5・1ch再生を可能としたBOSE DIGITALの成果は素晴らしい。包み込まれるような雰囲気は、聴けばわかる別世界。

パイオニア PT-R6

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井上卓也

ステレオサウンド 133号(1999年12月発行)
特集・「ジャンル別・価格帯別 ザ・ベストバイ コンポーネントランキング798選」より

DVD−A、SACDの超高域再生能力に対応するために新開発された最新リボン型ユニット。振動板材料はアルミ系合金で、ソフトドーム系のユニットと組み合わせても質感のマッチングでの問題はない。本来のシステムの情報量が見事に増え、ナチュラルな自然体の音になる効果は、現行CD再生時でも顕著で楽しい。

パイオニア PT-R9

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井上卓也

ステレオサウンド 133号(1999年12月発行)
特集・「ジャンル別・価格帯別 ザ・ベストバイ コンポーネントランキング798選」より

実績あるパイオニアのリボントゥイーターの伝統を受継ぐ1996年発売の高級モデル。振動板のリボンは、ベリリュウム製で、リボン型独自の薄膜が振動しているような附帯音の少なさが最大の魅力。感度は97・5dBと驚異的に高く、100dB級のホーン型ユニットとの組合せが可能。全帯域への影響度は想像以上に凄い。

NHT SubOne

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井上卓也

ステレオサウンド 133号(1999年12月発行)
特集・「ジャンル別・価格帯別 ザ・ベストバイ コンポーネントランキング798選」より

前面バッフルをフォーカスド・イメージ・ジオメトリー理論で角度を付け、自然なリスニング空間を聴かせる特徴がある。NHTの独立型コントローラー付アクティヴ型。25cmユニットは26mmのストロークを誇る。エンクロージュアはバスレフ型。ローパスとハイパス機能を備えたコントローラーは多機能が特徴。

BOSE AM-033

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井上卓也

ステレオサウンド 133号(1999年12月発行)
特集・「ジャンル別・価格帯別 ザ・ベストバイ コンポーネントランキング798選」より

外観からはボーズ独自のAWCS方式のキャノンサブウーファーと思われそうだが、実際はアクースティマス方式のパッシヴ型サブウーファー。ダブルボイスコイル採用ユニットはL/R信号をそのまま入力可能。専用ブラケットで各種の設置方法で楽しめる魅力もある。重低音再生というより低音域の増大に効果のあるモデル。

JMラボ Sub Utopia

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井上卓也

ステレオサウンド 133号(1999年12月発行)
特集・「ジャンル別・価格帯別 ザ・ベストバイ コンポーネントランキング798選」より

第3世代のユートピア・シリーズのMezzoやMiniと同時に発売されたシステムらしく、例えば、Miniの特徴を損なうことなく、絶妙に低域の量感を加える見事な調和ぶりには本当に驚かされる。平均的にサブウーファーの調整は難しいが、本機は比較的に容易に操作可能で、かつ効果の見事さは、まさに脱帽。
井上卓也

ステレオサウンド 133号(1999年12月発行)
特集・「ジャンル別・価格帯別 ザ・ベストバイ コンポーネントランキング798選」より

ユニゾンリサーチのシンプリー・シリーズと組み合わせる目的で開発された電源部レスのフォノEQ。基本的にはMMカートリッジ対応型ではあるが、利得は52dBと高めの設定で、負荷抵抗も47kΩから22Ωまで4段切替可能なため、高出力MC型も使用できる。管球フォノEQとカートリッジの相性は魅力的で、気軽に使える利点は大きい。

リン Linto

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井上卓也

ステレオサウンド 133号(1999年12月発行)
特集・「ジャンル別・価格帯別 ザ・ベストバイ コンポーネントランキング798選」より

アナログプレーヤーLP12で注目を集めたリンのフォノEQだけに、各種カートリッジの音を趣味性の高いレコードの音として聴かせる能力の高さは素晴らしく、遥かに高価格かつ高性能を誇る高級フォノEQでも、本機の音の佇まいに匹敵する製品は少ない。TV放送のない深夜に落ち着いて聴きたい、味わい深い音なのである。 

イケダ Ikeda 9C V

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井上卓也

ステレオサウンド 133号(1999年12月発行)
特集・「ジャンル別・価格帯別 ザ・ベストバイ コンポーネントランキング798選」より

基本的な発電機構は同社トップモデルIkeda9 Supremoと変らない、ダイレクトカップリング方式の魅力を味わうための注目モデルである。組み合わせるトーンアームはダイナミックバランス型がマストな条件ではあるが、初期の調整をオーソドックスに行なえば、予想以上に安定度は高く、この音の魅力は大きい。

イケダ Ikeda 9 Supremo

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井上卓也

ステレオサウンド 133号(1999年12月発行)
特集・「ジャンル別・価格帯別 ザ・ベストバイ コンポーネントランキング798選」より

世界的に類例のない、針先が発電コイルをダイレクトに駆動する独自の発電構造を誇る同社のトップモデルだ。パーメンダー採用の磁気回路は効率が高く、磁気制動のバックアップで音溝の情報を確度高くピックアップしているような独自の音は、コンプライアンスのあるカンチレバー型と別次元の唯我独尊の世界である。

オルトフォン SPU Classic GE

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井上卓也

ステレオサウンド 133号(1999年12月発行)
特集・「ジャンル別・価格帯別 ザ・ベストバイ コンポーネントランキング798選」より

第1世代のオリジナルSPUを現代に蘇らせた復刻版と考えられるモデル。現代的な非磁性体巻枠を採用する、軽量振動系の同社純MC型も大変に魅力的ではあるが、ステレオ初期からのアナログファンに、ステレオLPを初めて聴いた当時の感激を蘇らすキッカケとして所有したいと思わせる、本機の原点復帰的意義は大きい。

デンオン DP-900M2

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井上卓也

ステレオサウンド 133号(1999年12月発行)
特集・「ジャンル別・価格帯別 ザ・ベストバイ コンポーネントランキング798選」より

塗装仕上げが美しいランバーコア材のプレーヤーベース部と、ソリッドな感じのターンテーブルが醸し出す、アナログ時代の旧き良きプレーヤーらしい印象は、旧いファンにとっては、ノスタルジックな感銘さえ受ける雰囲気がある。トーンアームは少し華奢ではあるが、トレース能力は高く、ハウリングマージンも十分。内容の濃さが魅力。

テクニクス SL-1200MK4

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井上卓也

ステレオサウンド 133号(1999年12月発行)
特集・「ジャンル別・価格帯別 ザ・ベストバイ コンポーネントランキング798選」より

実質的に世界最高の生産量を誇る超ロングセラーモデル。キャビネットとモーターを一体化したアナログプレーヤーとしては、華奢な印象を受けるが、適度な柔軟構造による制振効果もあるようで高周波妨害にも強く、かなり条件の悪い場所で予想以上のアナログディスクの音が楽しめるのは立派。

マイクロ SX-8000II System

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井上卓也

ステレオサウンド 133号(1999年12月発行)
特集・「ジャンル別・価格帯別 ザ・ベストバイ コンポーネントランキング798選」より

超重量級のステンレス製ターンテーブルはエアフロートベアリングで支持され、ディスクは空気吸引でターンテーブルに吸着される方式。音溝に刻まれた信号のみを何物にも妨げられずに拾い出そうとする設計方針の確かさは、常識を超えた確度の高い音で実証されている。少々、テンションの高い傾向はあるが、実に濃い音だ。

ユニゾンリサーチ S8

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井上卓也

ステレオサウンド 133号(1999年12月発行)
特集・「ジャンル別・価格帯別 ザ・ベストバイ コンポーネントランキング798選」より

装いを変えて、いちだんと独自の輝きのある世界を提示した感がある、ユニゾンリサーチの大型筐体プリメインアンプ。前作よりも小型高密度化された筐体構造は、木部のマッシヴな造形と新採用のステンレス切削加工のポッテリしたツマミ形状が特徴的。845のフィラメントを輝かせると、音を聴く以前に暖かい優しさに心を奪われる。

マランツ PM-14SA

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井上卓也

ステレオサウンド 133号(1999年12月発行)
特集・「ジャンル別・価格帯別 ザ・ベストバイ コンポーネントランキング798選」より

超重量級プリメインアンプPM15を頂点とする同社プリメインアンプの中核モデルであり、前作、PM14の内容をリフレッシュしたプリメインアンプ。見事にコントロールされた、SN比が高くかつパワフルなSP駆動能力は素晴らしい。駆動の難しいB&W Nautilus801をストレスフリーに鳴らす実力の高さは見事。

クレル 600c

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井上卓也

ステレオサウンド 133号(1999年12月発行)
特集・「ジャンル別・価格帯別 ザ・ベストバイ コンポーネントランキング798選」より

クレルのパワーアンプ群中では、ステレオ板のトップモデルである。前作では少し大味な傾向があり、安定かつ強力な100V電源が不可欠な条件であったが、CAST化により高SN比、高分解能化が達成され、いちだんと使いやすく見事な音のアンプに発展進化を遂げた。本機が一般の家庭用電源で辛うじて使える限度の製品。
井上卓也

ステレオサウンド 133号(1999年12月発行)
特集・「ジャンル別・価格帯別 ザ・ベストバイ コンポーネントランキング798選」より

Model8をオリジナルとする、同社を代表する典型的なステレオパワーアンプ。高剛性ブリッジ構造の筐体はメカニズムの音質への寄与を如実に示した成果であり、型番末尾のTは入力トランス内蔵を示し、HCはハイカレント動作を意味する。見事な力感に支えられた正統派で高SN比の音は、基本性能の高さを示す証しだ。

セータ Dreadnaught (2ch)

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井上卓也

ステレオサウンド 133号(1999年12月発行)
特集・「ジャンル別・価格帯別 ザ・ベストバイ コンポーネントランキング798選」より

純2チャンネル再生用パワーアンプとしての評価が基準であるが、最大5チャンネルパワーアンプに発展可能な並外れた開発方針は、パワーアンプらしい豪放磊落さがあり、それをデザイン、仕上げ、型番がバックアップする。さらに、この音の爽快感に浸ると、ひと味違ったオーディオの楽しみが如実に感じられるだろう。
井上卓也

ステレオサウンド 133号(1999年12月発行)
特集・「ジャンル別・価格帯別 ザ・ベストバイ コンポーネントランキング798選」より

究極の3極管として憧れの存在である300Bを採用したユニゾンリサーチの最新製品である。古くからオーディオ製品では、視覚的なデザイン、仕上げ、加工精度から醸し出されるイメージと、音のイメージの相関性を重んじる考え方があるが、木材と金属などを絶妙に組み合わせた本機の筐体構造は、真空管の灯り
との相乗効果で美しい。

パイオニア M-AX10

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井上卓也

ステレオサウンド 133号(1999年12月発行)
特集・「ジャンル別・価格帯別 ザ・ベストバイ コンポーネントランキング798選」より

C−AX10とペアとなる4ch構成のパワーアンプで、かつてのM70の系統を受け継ぐ製品。高出力が得られる2ch(ブリッジ)使用が基本だが、C−AX10との組合せで4chアンプ(セパレート)によるバイアンプ駆動も楽しめる。入力系に入力切替と音量調整を備えるので、単独使用も可能。積極的な音が加われば文句なしに見事。

パイオニア Exclusive C7a

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井上卓也

ステレオサウンド 133号(1999年12月発行)
特集・「ジャンル別・価格帯別 ザ・ベストバイ コンポーネントランキング798選」より

パワーアンプ的な感覚のパワフルなプリアンプとして定評の高いC7のリフレッシュモデル。独特の線が太く彫りの深い音は、いちだんと細くシャープに変り、現代のプリアンプらしいソノリティを身につけたようだ。コントラストの弱い音のプリアンプが主流を占めている現在では、この少し古典的な音の魅力は計り知れない。

マランツ SC-5 Ver.2

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井上卓也

ステレオサウンド 133号(1999年12月発行)
特集・「ジャンル別・価格帯別 ザ・ベストバイ コンポーネントランキング798選」より

マランツを代表するプリアンプである。電源部は、鉛バッテリーを2個内蔵しDC動作が可能であるが、たんなるバッテリー動作の音とは一線を画した、安定度が高く情報量が多い音が魅力的。交流動作でも快適な曖昧さがフィルター効果として働き、これもまた楽しい。

アキュフェーズ DC-330

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井上卓也

ステレオサウンド 133号(1999年12月発行)
特集・「ジャンル別・価格帯別 ザ・ベストバイ コンポーネントランキング798選」より

アナログ感覚で操作できる、超高速DSP搭載、192kHz24ビット対応のディジタルプリアンプ。SACD、DVD−A完全対応の新開発マルチプルΔΣDACは、実際に音を聴くと、その驚異的SN比に驚かされる。アキュフェーズ・ディジタル・パス規格対応の最大8枚のオプションボードが増設可能。使ってみたい実用機。
井上卓也

ステレオサウンド 133号(1999年12月発行)
特集・「ジャンル別・価格帯別 ザ・ベストバイ コンポーネントランキング798選」より

英国CRディベロップメンツの製品は、音以前に、素晴らしいデザインと仕上げ、加工精度の高さで、まず感慨深い。とくに、驚くほど滑らかな鏡面仕上げの驚異的な筐体メッキは処理は、オーディオ史上でも類例のない高次元の工芸品的な風格がある。音も外観と表裏一体の見事なまとまりで、この価格には脱帽。

パイオニア C-AX10

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井上卓也

ステレオサウンド 133号(1999年12月発行)
特集・「ジャンル別・価格帯別 ザ・ベストバイ コンポーネントランキング798選」より

2chステレオ再生でのディジタル技術の可能性を展開しながら次世代メディアへの対応性を併せ持たせた、パイオニア次世代オーディオシステムの中核モデル。ディジタル・クロスオーバー、ディジタルトーンとNR、6chA/D、8chD/A内蔵で、非常に多機能ではあるが、鮮度感があり、反応の速い音の魅力は素晴らしい。

エソテリック D-3

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井上卓也

ステレオサウンド 133号(1999年12月発行)
特集・「ジャンル別・価格帯別 ザ・ベストバイ コンポーネントランキング798選」より

1993年12月発売の一般的にはすでに忘れ去られたモデルではあるが、可聴帯域内ジッターを40dB低減した技術の成果と、研ぎ澄まされたクリーンな音の魅力は、現在でもいささかも色褪せない。超弩級ドライブユニットP0の威力を見事に聴かせる実力の高さは感銘を受ける。考えて納得できぬ魅力の音は何なのだろうか。

エソテリック P-50s

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井上卓也

ステレオサウンド 133号(1999年12月発行)
特集・「ジャンル別・価格帯別 ザ・ベストバイ コンポーネントランキング798選」より

上部にターンテーブルを固定した独自のVRDS方式駆動メカを、最大厚20mmのH型アルミ押し出し材を介し、8mm厚ボトムベースに直結するP0系の非フローティング構造が設計の中核。銅メッキ鋼板にニッケルメッキ処理を施す内部シャーシの剛性向上は徹底的。機械的SN比の高さは一部でP0を凌駕するほどだ。

ソニー CDP-R10+DAS-R10

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井上卓也

ステレオサウンド 133号(1999年12月発行)
特集・「ジャンル別・価格帯別 ザ・ベストバイ コンポーネントランキング798選」より

CD当初の業務用CDプレーヤーで採用された光ピックアップ固定型メカを現代に再現した凄い意欲作であるCTトランスポートと、異例の鮮鋭さを聴かせる1ビット方式D/Aコンバーターとの組合せは、現時点でも世界のリファレンスモデルであり、新メディア時代到来後も、いささかも変りはないだろう。継続して見せる高い性能は素晴らしい。

ソニー SCD-777ES

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井上卓也

ステレオサウンド 133号(1999年12月発行)
特集・「ジャンル別・価格帯別 ザ・ベストバイ コンポーネントランキング798選」より

SACDの歴史に残る第一作、SCD1の弟となる第2弾作品。外観が変更され普遍的な印象になったため、新鮮な印象があり、ディスク読み取りの超低速動作が、心理的に少々解消されるのが面白い。第一作の細身で引締まった緊張感の高い音とは異なる、ほどよく肩の力が抜けた開放感のある音は、デザインとも一致し、実に楽しい。

タオック FC7000

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井上卓也

ステレオサウンド 133号(1999年12月発行)
特集・「ジャンル別・価格帯別 ザ・ベストバイ コンポーネントランキング798選」より

AVラックで定評の高いタオックが開発した初のスピーカーシステム。木製補強材の替わり、独自の鋳鉄角材や円筒形材料を組み込んだエンクロージュアは超重量級。高/中域はディナウディオ製、低域はフォステクス製。ネットワーク素子の材料吟味とその構造は、水準を超える見事さ。ローレベル再生時の音は実に見事。

タンノイ Westminster Royal/HE

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井上卓也

ステレオサウンド 133号(1999年12月発行)
特集・「ジャンル別・価格帯別 ザ・ベストバイ コンポーネントランキング798選」より

伝統的デュアルコンセントリック同軸2ウェイユニットLSU15の最新作を、前後2個のホーンをもつエンクロージュアに収納した、古典的ファンが「ラッパ」と呼ぶに相応しい構造、外観、仕上げ。大型スピーカーが過去に達成した偉大の成果を現時点で聴かれる、一種素朴な感銘を受ける金字塔的な大作である。

JMラボ Mezzo Utopia

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井上卓也

ステレオサウンド 133号(1999年12月発行)
特集・「ジャンル別・価格帯別 ザ・ベストバイ コンポーネントランキング798選」より

ユートピア・シリーズの第3世代としてMiniとともに登場した注目作。高/中/低域エンクロージュアの表面波による音の汚れを避けるための独自なスタック構造は、一面に問題点を残すが、結果の音は、サスガに第3世代ならではの革新的な魅力がある。価格の割に少々小柄だが、潜在能力の高さは計り知れない。
井上卓也

ステレオサウンド 133号(1999年12月発行)
特集・「ジャンル別・価格帯別 ザ・ベストバイ コンポーネントランキング798選」より

ベースモデルの側板部分を25mm厚アルミに変えたスペシャルモデル。ベース機にある、やや軟調傾向で、しっとりした独特の魅力は充分にあるものの、鮮鋭さを要求すると価格相応の悩みがある部分を見事に解消した音の魅力は絶大である。エネルギー量タップリの製品ではないが、研ぎ澄まされた感性のサエは凄い。

テクニクス SB-M1000

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井上卓也

ステレオサウンド 133号(1999年12月発行)
特集・「ジャンル別・価格帯別 ザ・ベストバイ コンポーネントランキング798選」より

2組のパッシヴラジエーター付きケルトン型低域を背向させ、振動板振動反作用を打ち消す設計は、瞬発力を備えた同社最新セパレートアンプとの組合せによって、遅れ感のない柔らかく豊かで深々とした低域再生を実現させた。スーパーグラファイト超高域ユニットは、次世代メディアの特徴を見事に再生する。

タンノイ Turnberry/HE

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井上卓也

ステレオサウンド 133号(1999年12月発行)
特集・「ジャンル別・価格帯別 ザ・ベストバイ コンポーネントランキング798選」より

音の密度の高さ、同社独自のセンシティヴな反応を示す音の魅力を求めると、設置場所の制約の少ないトールボーイ型の本機は、ディストリビューテッドポート採用の独自の調整箇所を含めて、使い易さという点でも格別の魅力がある。同社最新スーパートゥイーターST200を加えて使いたい実力派。

テクニクス SB-M800

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井上卓也

ステレオサウンド 133号(1999年12月発行)
特集・「ジャンル別・価格帯別 ザ・ベストバイ コンポーネントランキング798選」より

SB−M10000/M1000系の最新製品。高域は100kHzのレスポンスを誇る上級機譲りの特徴がある。密閉型とバスレフ型の利点を併せもつ独自のDDD方式ウーファーは、最新プリメインアンプの低域駆動能力の向上で、従来と一線を画した、柔らかく豊かでドライブ感のある低域再生を聴かせる。予想を超す魅力の新モデル。

井上卓也

ステレオサウンド 133号(1999年12月発行)
特集・「ジャンル別・価格帯別 ザ・ベストバイ コンポーネントランキング798選」より

ステラ・シリーズの末っ子モデル。5種類の表面仕上げが選択可能であり、別売スタンドの用意もあり、視覚的にも聴感上でも楽しめる多彩な魅力は、高級機に匹敵する高次元の趣味性があり、オーディオの楽しさを実感できるのは嬉しい。小型モデル独自の点音源的な発音源の小ささは、定位明瞭で空間再現も実に見事。

BOSE 505WB

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井上卓也

ステレオサウンド 133号(1999年12月発行)
特集・「ジャンル別・価格帯別 ザ・ベストバイ コンポーネントランキング798選」より

サテライト部は、5・7cmウーファー×と2cmトゥイーターの2ウェイ型、アクースティマス方式低域は、16cm×2と同社初の3チャンバー方式により、振動板面積の音を集約し、量と速度を制御する効果は大きく、楕円ポートは流出空気ノイズ低減に寄与する。爽やかで鳴りっぷりがよく、ダイナミックな音は小気味よい。

BOSE AM-15

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井上卓也

ステレオサウンド 133号(1999年12月発行)
特集・「ジャンル別・価格帯別 ザ・ベストバイ コンポーネントランキング798選」より

ステレオサウンド 133号
ドルビー・ディジタルやdtsなどのディジタルサラウンド方式用5.1チャンネル・スピーカーシステム。60mmドライバー×2の全域新型ユニットを5本と、LFEレベル調整付120Wアンプを採用した13cm×2アクースティマス型サブウーファーの組合せは取付け自由度が高く、気軽に使えて効果の大きい注目作。

Lo-D D-3300M

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井上卓也

ステレオサウンド 54号(1980年3月発行)
「SOUND QUARTERLY 話題の国内・海外新製品を聴く」より

 メタルテープ実用化以前に、カセットデッキにマイクロコンピューターを導入し、多種多様なカセットテープを最適条件に自動調整可能とした世界初の製品が、Lo−D D5500DDであった。ここで採用されたATRS(オートマチック・テープ・レスポンス・サーチ)システムは、マイコンにより、テープ一巻ごとに最適バイアス量、中低域、中域と高域の3点可変イコライザーによる録音・再生周波数のフラット化、録音・再生感度補正の3項目を自動調整する機能である。
 メタルテープ対応型となったD5500Mと同時に発表されたATRSシステム採用の第2弾製品が、D3300Mである。ATRSシステムをIC化し、マイコン内部の計算処理を5ビット化し精度向上した新ATRSシステムは、自動調整時間が約10秒に短縮された。
 D3300Mの新ATRSシステムは、テープセレクタースイッチを選択後、ATRSを動作させる手順である。5つのメモリー回路をもつため、自動調整した5種類のテープデータが保存可能だ。電源を切っても内蔵電池でバックアップされているので、データが消えるおそれはない。また、バックアップ電池が消耗した場合には、バッテリーインジケーターが点滅し警告する。
 テープトランスポートは、ICロジック回路採用のメカニズム操作系を採用し、独自のデッキ用ユニトルクモーター採用のDDデュアルキャプスタン方式2モーター型メカニズムである。ヘッド構成は、コンビネーション型3ヘッドを採用。録音・再生コンビネーションヘッドは、録音と再生ギャップ間隔が1・4mmのクローズギャップ型。表面はメタルテープ対応のチタン溶射仕上げされ、ヘッド形状は録音ギャップと再生ギャップにテープの圧着力が効率よく集中するハイパーボリック型である。
 機能は、オートリワインダー、オートプレイ、メモリーリワインド、REC・MUTE、タイマー録音/再生、−40dB〜+10dBのワイドレンジピークメーターなど標準的で、性能優先型の設計である。
 D3300Mは、推奨テープにLo−Dの各種テープがあり、バイアスやイコライザー量は、これらのテープに対して最適量がプッシュボタンのテープセレクターに記録され、電池でバックアップしているが、ATRSを備え任意のテープが最適条件で使えるメリットがあるため、試聴室にあった各社のテープをATRSで調整して使うことにする。デッキ自体が穏やかな性質をもち、聴感上の周波数帯域がナチュラルで、やや暖色系の柔らかく滑らか音であり、ATRSの効果もあって、各テープの個性をマイルドにして聴かせる傾向をもつ。テープヒスに代表される聴感上のノイズは少ないタイプだ。録音レベルは標準的な範囲をこさない程度にセットすれば、このデッキ本来のキャラクターを活かした音が得られる。また、ATRSのため、ドルビー回路が本来の機能を発揮できるのもメリットである。

ナカミチ Nakamichi 680ZX

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井上卓也

ステレオサウンド 54号(1980年3月発行)
「SOUND QUARTERLY 話題の国内・海外新製品を聴く」より

 昨年、480、580、600ZXシリーズと3シリーズの新製品群を一挙に発表し注目を集めたナカミチの事実上のトップモデルの製品が、この680ZXである。各シリーズともに、テープトランスポート系のメカニズムは新開発のデュアルキャプスタン方式で、テープのたるみ自動除去機構付。カセットハーフ側のテープパッドをメカニズムにより押し、テープパッドなしに使う独自の構想により設計されたタイプである。600ZXシリーズは、再生ヘッドの自動アジマス調整機構を備えるのが他のシリーズにない特長であり、なかでも680ZXは、テープ速度が半速を含む2段切替型であるのが目立つ点だ。
 600ZXシリーズは、他のナカミチのシリーズとは型番と機能の相関性が異なり、660ZXは録音・再生独立ヘッド採用で、アンプ系が録音・再生兼用型で、670ZXが独立3ヘッドの標準型である。
 型番末尾のZXは、自動アジマス調整付の意味で、内蔵発振器を使いキャリブレーション時には録音ヘッドアジマス(垂直角度)をモーター駆動で自動調整をし、20kHzをこす周波数特性をギャランティするユニークなメカニズムを装備している。この機構は、カセットハーフの機械的強度のバラツキによる特性劣化を補償できるメリットをもつ。とくに、半速で15kHzという高域特性を確保するために不可欠のものだ。
テープトランスポート系は、2モーター方式フルロジック型の操作系と周波数分散型ダブルキャプスタン方式に特長がある。ヘッドは、録音、再生独立型で、独自のクリスタロイを磁性材料に使い、再生ヘッドギャップは、標準速度で30kHzをクリアーさせるため0・6ミクロンと狭い。
 アンプ系はDC録音アンプ、ダブルNF回路を採用し、メタルテープのダイナミックレンジを十分にクリアーする性能を備える。機能面では、ピーク・VU、キャリブレーションなど多用途ワイドスケール蛍光ディスプレイ、18曲までの自動頭出し機構、2速度に切替わるキューイング機構、ピッチコントロール、REC・MUTE、マスターボリュウム、3種類のテープに対し、標準速度と半速にそれぞれ左右独立した感度調整機構を備えた性能と機能を両立させた特長があるが、マイクアンプは省略された。
 680ZXにメタル、コバルト、LHの各社のテープを組み合わせて使用してみる。走行系の安定度は抜群に優れ、ヘッドを含みアンプ系のマージンが十分にある。メタルテープ使用では、ドルビーレベルを0dBとしたレベルメーターのフルスケールまで録音レベルを上げても、さして破綻を示さない。デッキの性質は、粒立ちがクリアーで緻密さのあるやや寒色系の音で、帯域感は広くスッキリとしたクォリティの高い音である。ドルビー使用の半速でもコバルト系テープで必要にして十分なクォリティが得られ、並のデッキ標準速度に匹敵する。かなり厳しいディスクファンの耳にもこのデッキ音は、余裕をもって答えられるだけの見事なクォリティをもつ。
井上卓也

ステレオサウンド 54号(1980年3月発行)
「SOUND QUARTERLY 話題の国内・海外新製品を聴く」より

 FR1系の発電機構を採用した小型・軽量の空芯型MCカートリッジの新製品だ。振動系は軽量化され、インピーダンスは6Ωと低められているが、サマリウムコバルト磁石採用により発電効率が改善され、従来通りの出力電圧を得ている。ボディは金属製で振動防止設計である。

 FR2は音色が明るく、活気ある生き生きとした音を聴かせる。とかく繊細で、スタティックな表現になりやすいMC型のなかでは、注目したい新製品である。

マイクロ RX-3000+RY-3300

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井上卓也

ステレオサウンド 54号(1980年3月発行)
「SOUND QUARTERLY 話題の国内・海外新製品を聴く」より

 超重量級ターンテーブルユニットと駆動用のモーターユニットを組み合わせ使う糸/ベルトドライブ兼用アームレスプレーヤーシステム、RX5000/RY5500と同じ構想による新製品である。
 RX3000ターンテーブルユニットは、ユニークなデザインを採用したダイレクトドライブ方式のアームレスプレーヤーシステムDDX1000、DQX1000と同じく3本脚構造のデザインを受け継ぐ。ターンテーブルの回転による共振は、機械的強度、重量で吸収する設計である。設置時の安定性は高く、3本の脚部にそれぞれトーンアームが取付可能であり、場所的制約も予想以上に少ないという特徴がある。
 ターンテーブルは、銅85%、錫その他15%の合金である砲金製。比重や内部損失が大きく、直径31cm、重量10kgというヘビー級だ。フレームとターンテーブル裏側との間を凹凸型に加工し、このギャップ間の空気層でもターンテーブルの共鳴をダンプする構造を採用している点はこのモ